新日本
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スポーツ 2018年08月15日 21時15分
新日本G1、「棚橋ご苦労さんという空気やめて」Aブロックは棚橋弘至が決勝へ!
新日本プロレス『G1クライマックス28』Aブロック公式戦▽10日 日本武道館 観衆 6,180人 新日本プロレス真夏の最強戦士決定戦『G1クライマックス28』Aブロックの最終戦が10日、日本武道館で行われた。 決勝進出の可能性があったのは、唯一自力の7勝1敗の棚橋弘至に、2敗のオカダ・カズチカ、ジェイ・ホワイトの3選手。ジェイは棚橋とオカダに直接対決で勝っているため、ジェイがEVILとの公式戦に勝利した時点でオカダの決勝進出は消滅してしまう。 まず、セミファイナルでジェイとEVILの試合が行われた。ジェイは今年1月に新日本マットに凱旋して以来、醸し出していた不穏な雰囲気を一気に爆発させるような暴走ファイトを展開。28年の歴史を持つG1では勢いのままノーマークの選手が優勝することもある。ジェイにも可能性があったが、G1の後につなげたいと考えるEVILの気持ちは尋常ではなかった。 今シリーズからヒールに転向したジェイに対して、約3年間パワーのあるラフファイトを続けてきたEVILは、序盤こそ手こずりながらもキャリアの差を見せた。最後はジェイがイスを振りかざしたところを、EVILがイスごとジェイをぶっ倒し3カウント。ジェイの決勝進出を阻んだ。試合後、インタビューブースに現れたジェイは「EVIL!」と絶叫して控室へ。EVILは「このリングを動かすのはあいつじゃない。この俺だ」と次期シリーズからの巻き返しを誓った。 ジェイが敗れたため、棚橋はオカダに勝つか引き分けで、オカダは勝てば決勝進出という分かりやすいシチュエーションになった。今シリーズからビジュアルを変更したオカダはタンクトップで入場。逆に今回のG1では“原点回帰”をテーマのひとつとしていた棚橋は、黒のロングタイツで登場。今年5月の福岡大会以来となるオカダとのシングル戦に臨んだ。 ゴング直後、武道館に沸き起こったのは大タナハシコール。棚橋本人は嫌がるかもしれないが、現在の新日本にとって棚橋は、ブームを再燃させた功労者のイメージが強いのではないだろうか。棚橋が尊敬する藤波辰爾が1998年、44歳でIWGPヘビー級王座に挑戦した時と似た雰囲気を感じた。 棚橋とオカダの試合は毎回、棚橋による“一点攻め”が焦点となっているが、今回、棚橋が選択したのは膝だった。ドラゴンスクリューや、テキサスクローバーホールドを繰り出しオカダを追い込んでいく。しかし、オカダもドロップキックで棚橋に傾いた流れを引き戻し、レインメーカーを狙っていくが、棚橋はスタイルズクラッシュや電光石火の首固めなどで対抗した。 試合終盤、棚橋が最高の形で決めてみせたドラゴンスープレックスをカウント2で返されると「残り試合時間1分」のアナウンス。ここから1分間はいわゆる“パス回し”をすれば棚橋が決勝進出になるのだが、オカダに勝って決勝に進出したい棚橋は、トップロープに登り必殺のハイフライフロー。これもカウント2で返され、2発目を狙いコーナーに向かったところで、時間切れ引き分けのゴング。棚橋がAブロックの決勝進出を決めた。 試合後、インタビューブースに現れたオカダはしゃがみ込むと、しばらく考えてから「すみません」とだけ口にして控室へ。一方の棚橋はファンと喜びを分かち合ってからインタビューブースへ。棚橋は「今年で17度目のG1だったけど、充実感が一番。心と技と体がそろっていた」と振り返ると、報道陣から「充実感とは何か?」と質問され「怪我で苦しんで、年に何回も欠場して『棚橋もう無理しなくていいよ』って言われて、気持ちばかり焦って。でも、そんな身体でも、俺のために一生懸命(膝を叩きながら)動こうとしてくれてる。だから一回、この体を受け入れて、できる技で、できる戦略で、今の棚橋弘至で闘えればいいんだと。だから、焦りもないし、使える技は限られるかもしれないけど、自分の思い描く戦いができている。そういう意味での充実感です」と答えた。 また武道館でのシングルマッチは初めてで不安だったようだが、「勝てなかったけど、日本武道館がとても好きになりました。トライアングルスコーピオを、仕掛けようとしたら自分の膝を痛めました…。ここ、笑うところです(笑)」と場を和ませた。「プロレスに、たくさんのファンの方が来てくれて、盛り上がってきて、すごくうれしい。けど、ちょっと『棚橋ご苦労さん』っていう空気やめてくれるかな?俺の夢はまだ続いてるから!」と語り、最後は2日後の決勝戦モードに切り替えて、控室へ続く階段に向かった。 武道館3連戦は、2日目、最終日とチケットが完売する中、初日はお盆休み前最後の日ということも影響したのか、約半分の入りで空席が目立った。ただ、武道館という箱が持つパワーがそうさせたのか、大会はとても盛り上がっていた。ただ新日本を背負って立つ棚橋とオカダにとっては、自分たちのカードで満員マークすら付かなかったのは悔しかっただろう。そんな棚橋の意地を私たちは2日後に見ることになる。取材・文 / どら増田
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スポーツ 2018年08月14日 21時15分
戸澤陽とカイリ・セインの凱旋が決定!WWE8.31大阪公演第2弾カードで発表
世界最大のプロレス団体WWEは31日、エディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館)で開催するWWE大阪公演『WWE Live Osaka』の第2弾カードを発表した。第2弾発表の目玉は、日本のユニバース(ファン)の予想通り、軽量級ブランド205Liveに所属する戸澤陽(元ドラゴンゲート)と、ファームブランドNXT所属のカイリ・セイン(元スターダム)の参戦。ダブル凱旋が正式に決定した。 戸澤はクルーザー級王者のセドリック・アレクサンダー、ドリュー・グラックと組み、WWEクルーザー級選手権トリプルスレットマッチに出場。日本でのタイトル奪取を目指す。WWEとの契約発表以来初の凱旋となるカイリは、ベテランのミッキー・ジェームズと対戦する。 WWEにはスマックダウン所属でUSヘビー級王者の中邑真輔(元新日本プロレス)をはじめ、ASUKA、205Live所属のヒデオ・イタミ(元プロレスリング・ノア)、戸澤、NXT所属のカイリ、紫雷イオ(元スターダム)が在籍している。WWEでは女子スーパースターのトーナメント『第2回メイ・ヤングクラシック』が始まった。トーナメント出場のために里村明衣子(センダイガールズ)、松本浩代(フリー)がスポット契約している。WWEには8人もの日本人選手が在籍している形で、ちょっとしたジャパニーズバブル期を迎えている。次期NXT女子王者候補のカイリには、スターダム時代とは違った姿を見せてもらいたい。 大阪公演にはロウの選手が大挙として来日をするが、既に初来日が発表されている “地球上で最も危険な女”ロンダ・ラウジーは先日、アリシア・フォックスとロウでのデビュー戦を行った。 ロンダは日本時間20日に開催する真夏のビッグイベントPPV『サマースラム』でアレクサ・ブリスと対戦することが決まっている。この日、試合が始まるとレフリーの死角でアリシアのセコンドに付いたアレクサから妨害を受けた。しかし、これで本気モードとなったロンダはパンチの連打からボディブロー、さらに一本背負い3発でアリシアを圧倒。さらに腕を決め勝負あり。ロウデビュー戦を勝利で飾ったロンダはアレクサを一本背負いで撃退すると「タイトルは大切にしておけ。サマースラムは私のものだからな!」とアレクサを挑発した。 また『サマースラム』でブロック・レスナーのWWEユニバーサル王座に挑戦するローマン・レインズがセス・ロリンズとのタッグで参戦。ケビン・オーエンズと対戦する“巨獣”ブラウン・ストローマンは、バロン・コービンと対戦する予定だ。他にも元新日本プロレスのプリンス・デヴィットことフィン・ベイラーが、“府立”に凱旋することも注目である。 『サマースラム』の結果次第で追加カード、選手変更があるのは間違いないだけに、第3弾の発表にも期待したい。【WWE8.31大阪公演第2弾発表カード】ローマン・レインズ&セス・ロリンズ 対 ドルフ・ジグラー&ドリュー・マッキンタイアブラウン・ストローマン 対 バロン・コービンロンダ・ラウジー 対 ナイア・ジャックス※スペシャルレフリー:アレクサ・ブリスボビー・ラシュリー 対 アライアスフィン・ベイラー 対 ジンダー・マハル with スニル・シンカイリ・セイン 対 ミッキー・ジェームズエンバー・ムーン&デイナ・ブルック&ナタリヤ 対 ライオット・スクワッド(ルビー・ライオット、リブ・モーガン、サラ・ローガン)タイタス・ワールドワイド(タイタス・オニール&アポロ・クルーズ) 対 ザ・リバイバル(スコット・ドーソン&ダッシュ・ワイルダー)▼WWEクルーザー級選手権(トリプルスレット形式)<王者>セドリック・アレクサンダー 対 ドリュー・グラック<挑戦者> 対 戸澤陽<挑戦者>※王者は日本時間9日現在その他出場予定:ブレイ・ワイアット、ボビー・ルード、ボー・ダラス、カーティス・アクセル、ベイリー、サーシャ・バンクス※試合順は当日選手入場時に発表文・写真 / どら増田
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スポーツ 2018年08月13日 21時15分
新日本タマ・トンガ「しかるべき処置」問題から、ファンの“安全ボケ”化を考える
新日本プロレスは7日、公式ホームページに「タマ・トンガ選手に関するお知らせ」をアップした。 この度、タマ・トンガ選手のSNSでの不適切発言等により、新日本プロレスは事態を重く受け止め、選手本人に対して、しかるべき処置を行う事としました。 また再発防止に向けてあらゆる措置及び防止策を講じていきます。 ファンの皆様におかれましてはご理解のほど宜しくお願い致します。(新日本プロレス公式ホームページより引用)SNS“等”と書かれていることから、ファンの間では様々な憶測が流れている。いずれにせよメイ社長が自身のコラムで見解を示した内容を見る限り、コンプライアンス的な観点からタマの何らかの発言を問題視したのは明らか。タマの処分が発表されるのは、参戦している『G1クライマックス28』が終了する12日以降になりそうだ。 5日のエディオンアリーナ大阪大会で、私はタマが何やら観客と揉める場面を目撃した。YOSHI-HASHIと対戦したバッドラック・ファレに加担するためイスを手に乱入したタマは、試合後もYOSHI-HASHIをイスで滅多打ち。これに野次を飛ばした観客にイスを手に詰め寄るとイスをかざして脅したのだ。SNS上では「タマが観客に手を出した」という証言、画像も流れている。その後、タマは追いかけてきたYOSHI-HASHIと再び乱闘を繰り広げたため、現地にいた私はイスをかざした場面しか確認していない。 ファンの反応を見ると、野次を飛ばしたファンも悪いとしながらも、タマの行為を非難する声が多数を占めている。しかし、葛西純をはじめレスラーからは肯定する声もある。昭和からプロレスを見続けている私にとっては、ファンが“平和ボケ”ならぬ“安全ボケ”をしているのではないかと思う。 “超獣”ブルーザー・ブロディの記事を執筆した際にも書いたが、昔のヒールレスラーはみんな本当に怖かった。特に外国人選手はファンに近寄らせないオーラを放っていたし、ブロディがチェーンを振り回せば、スタン・ハンセンは通路をさえぎる観客にブルロープをぶつけながら入場していた。アンドレ・ザ・ジャイアント、アブドーラ・ザ・ブッチャー、タイガー・ジェット・シンは存在そのものが恐怖で、超満員で身動きが取れない中、観客はとにかく逃げ惑ったものだ。これを古舘伊知郎アナウンサーは「動く民族大移動」と実況した。これは古舘語録のひとつとして有名だろう。 私はFMWの川崎球場大会で、ザ・シークに火を投げられたり、ドクター・ルーサーに追いかけられたり、チェンソーを振り回すスーパー・レザーから逃げ惑ったことを思い出す。現在の新日本マットでも飯塚高史の入場シーンでは逃げ回るファンの姿が見られるが、外国人選手となると、水をまき散らしながら入場するランス・アーチャーぐらいか。鈴木軍はポスの鈴木みのるをはじめ、近寄り難いオーラを放つ選手が多い。 仕事柄、いろんな団体の関係者から話を聞く機会があるが、場外乱闘の際、リングアナやセコンドの若手選手が「危ないから開けてください」と言っても、座ったまま動かない観客も多く、事故防止に苦心している団体も少なくない。プロ野球でも観客にファールボールが直撃し、怪我をしている人をよく見るが、警備員に直撃を防げなかった理由を聞くと「最近はスマホを見てたから球に気づかなかったという方が多いですね」と話していた。これも“安全ボケ”が生んだ事故の一例である。 90年代までの新日本では当時の田中秀和リングアナ(現・田中ケロ)が試合前に「汚い野次を飛ばした方は強制的に退場とさせていただきます」と毎大会アナウンスし、フェンスの前には藤田和之を筆頭にコワモテなヤングライオンが、客席ににらみを利かせていたものだ。今の時代ならこれもコンプライアンス的に問題があるのかもしれない。2000年代に入りプロレスの力が弱まると、このルールもアナウンスされなくなっていった。こうした流れもファンの“安全ボケ”化が進んだ理由のひとつではないだろうか。 今のファンはプロレスやレスラーをなめてはいないが、昔に比べるとはるかに近い存在になっているのは事実。それはそれで時代が求めていることだとすれば否定はできないが、プロレスは“怖さ”も醍醐味のひとつ。1大会に1試合ぐらいは観客が逃げ惑う試合があってもいいし、心ない汚い野次が飛んだら選手はにらみを利かせてもいいと思う。 メイ社長はファンに対して「マナーの悪いお客様には対処していく」と約束している。新日本には業界の盟主として今の時代に合った対策と対応を期待したい。【どら増田のプロレス・格闘技aID vol.19】写真 / どら増田
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スポーツ 2018年08月13日 11時00分
プロレスラー世界遺産 伝説のチャンピオンから未知なる強豪まで── 「アンドレ・ザ・ジャイアント」“演出家”としても優れていた大巨人
亡くなってから四半世紀がすぎた今もなお、多くのファンが“プロレス史上唯一無二の存在”と認めるアンドレ・ザ・ジャイアント。 この4月には、米ケーブルテレビ局によって新たなドキュメンタリー番組が制作されて話題となった。 「これまであまり表に出てこなかったアンドレの兄弟らの証言まで集め、この番組で初めて明かされた話もいくつかありました。15歳くらいから突然に巨大化が始まったこともそうですし、アンドレ自身が先端巨大症(いわゆる巨人症)の治療を拒んでいて、その症状に伴う痛みを抑えるために暴飲していたというのも新事実といえるでしょう」(スポーツ紙記者) アンドレの現役時代には、すでに手術や投薬による巨人症の治療は行われていたが、本人はそのことによって、セールスポイントである怪物性が薄れることを望まなかったという。 巨人症患者の平均寿命は一般と比べて10年以上も短いといわれ、そのことはアンドレも承知していたに違いないが、これと引き換えにしてでも、リング上のスターであり続けることを自らの意思で選んだのだ。 だが、病状を放置することによる弊害は大きかった。成長ホルモンの過剰な分泌によって、体の先端部分が発達し続けるという外見上の特徴にとどまらず、一般には骨がモロくなり、発症部分に激しい痛みが生ずるといわれる。アンドレもその例外ではなかった。 常に四肢の痛みに苛まれ、それを紛らわせるため大量の酒を飲み続けた。 「ワインを一度に5ガロン(19リットル)飲んだ」「旅客機に積まれていたビールを飲み尽くした」などの怪物伝説の裏には、そうせざるを得ないだけのつらい事情があったのだ。 生前にはインタビューで、「(巨人としての肉体は)神様が俺の生計を支えるためにくださった」と答えていたアンドレだが、しかし、その肉体の特殊性に頼るだけでは決してトップスターにはなれなかっただろう。 「事実、これまでにも身長や体重でアンドレを上回るレスラーはいましたが、彼らはアンドレの半分の人気もなかったですから」(同) では、その人気の秘訣はどこにあったのか。アンドレの現役当時を知る関係者たちの証言は、大きく二つに分かれる。 一つは「とにかくプライドが高かった」というもので、もう一つは「対戦相手への配慮が行き届いていた」というものだ。一見、矛盾しているようだが、実はそうでもない。 どこのテリトリーでも観客を一番多く集められるアンドレが、高いプライドを持つのは当然のことだが、加えてこれはキャラクターを安売りして、早々に飽きられるのを避けるための“演出”としての一面もあった。 実際、アメリカでデビューした当初は「一度見たら満足」という観客が多く、そのため後に契約したWWF(現WWE)でも専属とはせず、世界各地を巡業させたという経緯がある。 もし、そのときに各地のプロモーターの要求を聞くだけだったら、ご当地ヒーローの当て馬にされた揚げ句、他の超巨漢選手たちと同様の単なる“色ものレスラー”として使い捨てにされていたかもしれない。そうならないためには、簡単に言うことを聞かない気難しさを装う必要があった。 さらに、単なる怪物で終わらないためには、常に観客をヒートアップさせるだけの好試合を見せねばならず、そこには相手レスラーの協力が欠かせない。だから好敵手と見込んだ選手には、相応の気遣いを見せることになる。 つまり、プライドと配慮のいずれもが、アンドレにとってはレスリングビジネスを長く続ける上で不可欠なものであったのだ。 新日本プロレスで外国人の世話係をしていたミスター高橋は、著書の中で〈プライドの高いアンドレがジャイアント・マシーンのマスクをかぶったことが意外だった〉との旨を記している。しかし、アンドレにしてみれば、観客に飽きられずにリング上を活性化する手段として、新たなキャラクター付けは願ってもないことだったのかもしれない。 日本でのベストマッチとされるスタン・ハンセンとの一騎打ち(1981年9月23日、田園コロシアム)においても、同様のことがいえる。 「ハンセン反則勝ちのアングルは、アンドレからの提案だったそうです。世界的な格付けはアンドレがはるかに上ながら、日本でのハンセン人気の高まりを受けて、双方の株が上がるような試合をアンドレが主導したわけです」(プロレスライター) その結果、いまだに“日本プロレス史上トップクラスの外国人対決”として語り継がれている。この事実を見ても、アンドレがいかに優秀な“演出家”であったかが分かるだろう。アンドレ・ザ・ジャイアント1946年5月19日〜1993年1月27日(46歳没)、フランス共和国グルノーブル出身。身長223㎝、体重236㎏。得意技/ジャイアント・プレス、ヒップドロップ。文・脇本深八(元スポーツ紙記者)
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スポーツ 2018年08月09日 21時45分
新日本G1、Bブロックはケニー・オメガ、内藤哲也、飯伏幸太に決勝進出の可能性
新日本プロレス『G1クライマックス28』▽8日 横浜文化体育館 観衆 4,952人(札止め) 新日本プロレス真夏の最強決定戦『G1クライマックス28』Bブロックの公式戦が8日、横浜文化体育館で行われた。 試合前に決勝進出の可能性があったのは、IWGPヘビー級王者のケニー・オメガ、前年度優勝者の内藤哲也と、飯伏幸太、SANADA、ザック・セイバーJr.の5選手だった。 この日はまず、IWGP USヘビー級王者のジュース・ロビンソンが、4日のエディオンアリーナ大阪大会でケニーを破り、初黒星をつけた石井智宏と対戦。この1年で急成長を遂げたジュースに手を焼いた石井だったが、ひと通りジュースの技を受け切ると、垂直落下式ブレーンバスターを決めて完勝した。 左手を骨折し、ギブスをつけながらリーグ戦に強行参戦しているジュースだが、ここまでわずか2勝止まり。石井は、IWGPヘビー級王者のケニー、NEVER無差別級王者の後藤洋央紀、そしてIWGP USヘビー級王者のジュースと、新日本が管轄する三大シングル王者から勝利を収め、今後につなげた。 ザックは後藤と対戦。パワー殺法でザックを追い込んだ後藤はGTRを仕掛けるが、ザックがヨーロピアンクラッチで切り返して3カウントを奪取。この時点でザックは決勝進出の可能性を残した。ザックはクリス・ジェリコのIWGPインターコンチネンタル王座と、後藤のNEVER無差別級王座への挑戦をアピールした。 飯伏はタマ・トンガと対戦したが、バッドラック・ファレとタンガ・ロアのバレットクラブOBが予想通り試合に介入した。会場からはブーイングの嵐が沸き起こった。レフェリーが場外に落ちている間に、飯伏はシットダウン式パワーボムを仕掛けるが、ファレが阻止。そして飯伏にショートレンジのラリアットを放ったところで、試合を次に控えるケニーが走ってリングインした。 ケニーはファレをVトリガーで追放したが、ロアがスピアーをケニーに決めてケニーはダウン。蘇生した飯伏はロアをハイキックで場外に蹴散らすと、タマのガンスタン狙いを巧みにかわして、右ヒザのサポーターを外し、カミゴェを繰り出した。しかし、タマに寸前でかわされてしまう。タマは飯伏を持ち上げるとガンスタンが決まり3カウント。飯伏が想定外の3敗目を喫してしまった。 試合後、飯伏が退場するとバレットクラブOB勢はケニーを攻撃。ハングマン・ペイジとチェーズ・オーエンズが救出に駆けつけたが、ケニーは大の字になった。場内は騒然となった。 怒号が飛び交う中、次の試合が始まるとアナウンスされ、事情が分からない対戦相手の矢野通が登場。ケニーがグロッキー状態であることに気づいた矢野は、ゴングが鳴ると即座に片エビ固めでケニーを押さえ込んだ。だが、ケニーは何とかカウント2で返した。 矢野の頭を使った数々の反則行為に苦戦していたケニー。ペイジ&オーエンズが助けに入り、切り抜けていった。しかし矢野は海野レフェリーにしがみついて抵抗し、ケニーと衝突させ、背後からまとめて急所を殴打すると、無防備になったケニーの背後から“日大魂”の悪質タックルを炸裂させた。しかし、ここでタマ、ファレ、タンガのバレットクラブOB勢が乱入。タマが矢野とケニーにガンスタンを放ち、タマが強引に矢野をケニーの上に重ねると、レッドシューズ海野レフェリーが3カウントを入れケニーは2敗目を喫した。 メインでは2敗の内藤哲也が、3敗のSANADAと対戦。ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンの同門対決となった。全日本プロレス時代から内藤戦を熱望していたSANADAにとっては念願のシングル対決だった。 SANADAは、クールな表情とは裏腹に内藤を追いつめていく。そんなSANADAに対して場内からはSANADAコールが発生。この試合に全てをぶつけようとするSANADAの姿勢が、見ているファンにも伝わるような熱い試合になった。しかし、ケニーが破れたことで、決勝進出が現実味を帯びてきた内藤は、投げっぱなしジャーマンを決めた。SANADAはすぐに起き上がり、内藤の首を捕えて、首を軸に後方回転。だが、着地したタイミングで内藤がデスティーノを決めて内藤が逆転勝利を収めた。 2敗をキープした内藤はマイクパフォーマンスで欠場中の高橋ヒロムにエールを送ると、SANADAと拳を付き合わせ、EVIL、BUSHIがこれに加わり感動のエンディングを迎えた。 この日の結果、ケニーと内藤が6勝2敗で並び、飯伏とザックが5勝3敗で並んだが、ザックはケニーと飯伏に直接対決で敗れているため決勝進出の可能性は消滅した。 8.11日本武道館大会で、ケニーが飯伏に勝てば自力で決勝に進出できる。直接対決でケニーと飯伏に敗れている内藤は、ザックに勝利した上で、ケニーが飯伏に敗れれば決勝進出。飯伏はケニーに勝利し、内藤がザックに敗れた場合のみ決勝に進出する。またケニー対飯伏が引き分けに終わった場合は、内藤がザックに勝てば内藤が決勝進出となる。 Bブロックはケニーか内藤が有力だろう。ただ、飯伏にミラクルな風が吹くのか注目されるところだ。ケニーはインタビューブースで「俺はイブシと本気で対戦することを強要されることになった」と飯伏戦への意気込みを語った。内藤は「自力で何とかなる話ではないけど、おそらく皆さまも望んでるでしょう。今年の夏も、最高のクライマックスを、俺が皆さまにお届けしますよ。楽しみに、待っててください」と連覇を誓った。激闘続きのBブロック公式戦もあと1試合。果たして“激闘王”は誰になるのだろうか?文・取材・写真 / どら増田、萩原孝弘
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スポーツ 2018年08月09日 21時15分
新日本G1、Aブロック最後の前哨戦は棚橋がオカダ組に勝利、ジェイはYOHを見殺し!
新日本プロレス『G1クライマックス28』▽8日 横浜文化体育館 観衆 4,952人(札止め) 新日本プロレス真夏の最強決定戦『G1クライマックス28』Bブロックの公式戦が行われた8日の横浜大会。アンダーカードに出場したAブロック勢は、最終戦(10日、日本武道館大会)の前哨戦を行った。 反則三昧の暴走ファイトを繰り返し、決勝進出圏内に残ったジェイ・ホワイトは、8.10武道館大会で対戦するEVILとの前哨戦に臨んだ。ジェイは毎回タッグを組むCHAOSのメンバー、ロッポンギ3KのYOHとタッグを組み、EVILはBUSHIと組んだ。 この日もジェイとYOHはタッグチームとして機能しなかった。チームとして機能したEVIL&BUSHIのロス・インゴ勢にYOHは終始捕まる展開に。ジェイはイスを持ち込むなどしてEVILを挑発するが、試合にはほとんど加わらなかった。すると、YOHがジェイと口論するまでに発展。最後は孤立したYOHにBUSHIがMXを決めて3カウントを奪った。 試合後、EVILはジェイが持ち込んだイスを、YOHの首に挟み叩きつけてKOした。ジェイはこの光景を見ていたが、救出には入らなかった。 インタビューブースでジェイは「OK、大丈夫、YOHは分かってくれるよ!これは『G1クライマックス』なんだから!誰にだって犠牲が必要なんだよ。YOHにはそのことはずっと言ってあるし、俺のために犠牲になってくれるはずだ」と強調した。 「だってCHAOSのチームメンバーだし。YOHは分かってくれるよ。彼が俺にとって、縁の下の力持ち的な存在になってくれるんだ。もしYOHが今の俺の立場になったら、きっと分かってくれるだろう」と理不尽な論理を展開。報道陣に対してまくし立てながら控室に入っていった。ジェイが決勝に進出するには、EVILに勝つのが絶対条件だ。 Aブロックで唯一、自力の棚橋弘至は10日のメインイベントで対戦するオカダ・カズチカとの前哨戦を行った。棚橋はデビッド・フィンレーと、オカダ・カズチカは外道とのコンビだった。棚橋とオカダはかつて連日のように闘っていた頃を思い出させるような意地の張り合いを見せて、ファンを喜ばせた。やはり今年のG1は棚橋のコンディションが良い。 試合はフィンレーが外道にPrima Noctaを決めて、棚橋組が勝利。試合後も両者は意地の張り合いを展開、オカダが英語版放送席のテーブルへ上り、ファンにアピールすると、棚橋も負けじと日本語版放送席のテーブルに立ち、ファンを煽った。オカダが敗者側の花道を下がると、棚橋がニュートラルコーナーの2段目に上って挑発した。 オカダは棚橋戦に勝利した上で、ジェイがEVILに負けなければ決勝進出はできない厳しい条件。しかし、インタビューブースでは論点をずらしてとぼけた。「残念なお知らせ。日本武道館、風船禁止だって。もう一回言おうか?大事なことだから。ニッポン武道館、風船禁止だって。どうしたらいいの?今の俺から風船を取ったら、何が残りますか?」と、今シリーズ、ファンに配っている風船の使用を禁じられていることに不満を漏らした。 そんな垢抜けたオカダに対して棚橋は「リーグ戦、14点トップ。勝てばいいだけです。勝てばいいだけ」と自分に言い聞かせるように話す。「5月のオカダとのタイトルマッチは本当に実力差を感じたんですよ。ああ、これは10回やっても10回勝てねえなっていうぐらい思ってた。だけどさ、志半ばで止まることはできないから。みんなどんな未来を描いてますか?今が天井ですか?俺だったらもっと行けるから!」と素直な気持ちを口にしている。 あえてスタイルを変えることなく、キレを戻すことを優先させた棚橋、ファイトスタイルを急変させたジェイ。そして、「明るく笑顔」をテーマにイメージチェンジをしてきたオカダ。それはG1で優勝し、来年の1.4東京ドーム大会のメインイベントで、IWGPヘビー級王者に挑戦することを見据えた戦略であるのは言うまでもない。 新日本プロレスにとって初の日本武道館3連戦はAブロックの最終公式戦で幕を開ける。文・取材・写真 / どら増田、萩原孝弘
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スポーツ 2018年08月07日 21時15分
新日本G1、Bブロック「2敗する余裕はない」内藤哲也に土をつけたのは飯伏幸太!
新日本プロレス真夏の最強決定戦『G1クライマックス28』Bブロックの7戦目が4日、エディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館)で行われ、5,500人(札止め)の大衆を集めた。酷暑を考慮して、会場の入口には給水所が設けられるなど、今年の大阪のG1は会場内外が熱気に包まれていた。 まず、セミファイナルですごい試合を見せられることになる。3試合を残して6戦全勝のIWGPヘビー級王者のケニー・オメガと、2勝4敗で決勝進出への道が途絶えた石井智宏の試合は、初戦のケニー対内藤哲也に匹敵するか、それを上回る超激戦となった。試合は序盤から両者が意地を張り合い、ただでさえ暑い会場の温度を上げていく。15分すぎからは消耗戦に。試合終盤、石井は気合いを入れると垂直落下式ブレーンバスターの体勢に入るも、踏ん張ったケニーが垂直落下式ブレーンバスターを決める。しかしカウントは1!起き上がった石井はカウンターのラリアット、そしてヘッドバットからの延髄斬りをヒット。最後は垂直落下式ブレーンバスターを決めて3カウントを奪取した。 ケニーは6勝1敗に、石井は3勝4敗となったが、NEVER無差別級王者の後藤洋央紀に続いて、IWGPヘビー級王者のケニーに勝ったのは今後につながるだろう。試合後、石井は「人生山あり谷ありだ。必ず障害があるんだよ。オメェにとっての障害、この俺だよ。今日だけじゃねぇぞ。これからもだ」と暗にタイトルへの挑戦表明とも受け取れるコメントを残している。一方のケニーは口から血を流しながら「あいつに(全勝優勝の)夢を打ち砕かれてしまった」とショックを隠せない様子。残りは、8.8横浜文化体育館大会での矢野通戦と、8.11日本武道館大会の飯伏幸太戦が待っている。 セミファイナルの熱気を引き継ぎ、メインイベントでは、5勝1敗でケニーを追う内藤哲也と、4勝2敗の飯伏幸太が対戦。同い年の両者の対戦成績はここまで2勝2敗。内藤が現在のトランキーロスタイルになってからは、飯伏の方が分が悪いイメージがある。 試合はじっくりとした攻防から始まったが、お互い徐々にスイッチが入り、ハイレベルな技の応酬となった。もちろん会場は大盛り上がりだ。ケニー戦でも感じたが、内藤はこのタイプの選手とは合う。内藤も飯伏も、お互いに高度な技を次々と切り返してみせた。内藤がデスティーノを決めるのか?飯伏がカミゴェを決めるのか?固唾を飲んで見守る観客たち。最後は内藤が旋回式のデスティーノを決めて、さらに正調デスティーノの体勢に入ったところを、飯伏が逆に内藤を空中で捕獲。そのまま垂直にリングに叩きつけ、ダッシュからヒザを一撃!これでグロッキー状態になった内藤に最後はカミゴェを決めて、飯伏が勝利を収めた。 飯伏はリング上でマイクを持つと、大阪のファンに優勝して戻ってくると約束。インタビューブースでは「内藤哲也に勝ったことが一番うれしいですね」と喜んだ。一方、「自力優勝はなくなったから2敗する余裕はない」と語っていた内藤はダメージからかノーコメントだった。 Bブロックは、8.8横浜大会、8.11武道館大会と各選手あと2試合残した状況で、自力優勝の可能性があるのは、6勝1敗のケニーと、最終戦にケニーとの直接対決を残す5勝2敗の飯伏の2人。これを5勝2敗の内藤、4勝3敗のSANADA、ザック・セイバーJr.が追う展開となった。8.8横浜大会ではケニー対矢野通、飯伏対タマ・トンガ、内藤対SANADA、後藤対ザック、ジュース・ロビンソン対石井がラインナップされている。内藤対SANADAのロスインゴ同門対決がメインで行われることが発表された。この2人はSANADAが全日本プロレスで真田聖也として活動していた時代から因縁があっただけに、どんな試合になるのか楽しみだ。 天王山の大阪決戦を終えて、Bブロックも決勝進出候補者が絞られてきた。取材・文・写真 / どら増田
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スポーツ 2018年08月06日 21時15分
新日本G1、Aブロック自力優勝可能の棚橋弘至「Bブロックと違うプロレスを見せる!」
新日本プロレス真夏の最強決定戦『G1クライマックス28』Aブロックは、5日のエディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館)大会で、各選手が9試合中、8試合を終えた。その結果、決勝進出候補は3選手に絞られた。 Aブロックは、8.10日本武道館大会で棚橋弘至がオカダ・カズチカに勝つか引き分けるかすれば、決勝進出する。棚橋は唯一自力だ。ジェイ・ホワイトはEVILに勝ち、棚橋がオカダに敗れれば決勝進出。オカダは棚橋に勝つのが絶対条件で、加えてジェイがEVILに引き分けるか敗れる必要がある。 激戦続きのBブロックに比べて、盛り上がりに欠けるという声も聞かれるAブロックだが、8.4、8.5の大阪2連戦もBブロックの試合があった4日は5,500人、Aブロックのカードが組まれた5日は5,480人と、両日ともチケットは完売したが、動員数に少し差が出た。武道館3連戦もBブロック公式戦最終日の8.11は指定席が完売間近。優勝決定戦が行われる8.12は完売したため、追加で立ち見の指定券を販売しているが、Aブロック公式戦最終日の8.10はBブロックに比べてチケットの動きが遅いという現象が起きている。 「何を意識してるかって、Bブロックだよね。全選手の中できっと俺だけ、見てる視点が違う。『わあ〜、Bブロックすげぇ』ってなってるよ。たしかに盛り上がってる。ただそれで右にならえばいいのか?『俺は違うんだよ』っていう、俺が持ってるプロレス、見せるよ、きっと」 8.5大阪大会で、マイケル・エルガンを電光石火の“首固め”で破り、7勝1敗で自力を保った棚橋だがBブロックの“激闘・激戦型プロレス”との差別化をハッキリと口にしている。また棚橋は「いかに勝つか?俺だって、カッコいい、かわいい勝ち方したいよ。特にかわいい勝ち方をしたいけど。これで、7勝1敗。単独首位を守ってる」と己のプロレス観を主張しながら、プロレス観が違うBブロックの選手と決勝で闘って、棚橋のプロレスを見せたいと考えていることを明らかにした。 もし棚橋が決勝に進出したら、プロレスのジャンルを考える機会になる熱い闘いが見られるかもしれない。 最後の最後になって、ジェイがオカダ、棚橋に開幕から連勝した効果が出てきた。暴走ファイトを続けているジェイは鈴木みのるに制裁され、バレットクラブOB勢を試合に介入させたバッドラック・ファレには敗れたが、いわゆる正統派の選手相手にあの暴走ファイトは有効だったよう。最後まで優勝戦線に踏みとどまった。最終戦の相手はEVILだが、ロスインゴ勢の介入などがない限り、ジェイ優位は揺るがない。それだけ今年のG1のジェイには勢いがある。 最も不利な状況に置かれているオカダだが、ジェイが決勝進出しても「同じCHAOSだから構わない」と話す。もしジェイが勝って自身の決勝進出の可能性がなくなっても、棚橋に勝ってジェイを援護すると示唆している。ジェイの暴走ファイトに関しては「シリーズが終わってから話し合ってもいいし、闘ってわからせてもいい」と語っていたが、本心は違うはず。オカダが、G1に優勝して来年の1.4東京ドーム大会でケニー・オメガに奪われたIWGPヘビー級王座に挑戦するビジョンを描いていないわけがない。ジェイに関しても笑顔で片付けられるとは思っていないだろう。ただ、現状を見るとかなり厳しいのは明らか。果たして武道館でオカダに風は吹くのだろうか? G1には第1回の蝶野正洋をはじめ、誰もが予想しない選手が大会を制し続けてきた歴史がある。Aブロックの決勝進出者は、棚橋か?ジェイか?オカダか?ファンのみなさんには想像と妄想をパンパンに膨らませて武道館へ向かう坂を登ってもらいたい。取材・文・写真 / どら増田
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スポーツ 2018年08月06日 15時00分
プロレスラー世界遺産 伝説のチャンピオンから未知なる強豪まで── 「ジャンボ鶴田」“善戦マン”から日本人最強の“怪物”へ
亡くなってから四半世紀がすぎた今もなお“日本人最強”といわれるジャンボ鶴田。振り返ってみれば数々の名勝負を残してきた、まさしく名選手であった。 ジャイアント馬場に対して老人のイメージを持つ人は多かろうが、その亡くなった年齢は61歳。来年中の引退を口にしている長州力が現在66歳であることを思えば、ずいぶんと若くして亡くなったようにも感じられる。 では、その馬場の直弟子であるジャンボ鶴田はいくつで亡くなったかというと、こちらはさらに若い49歳。ちなみにこれと同じ年格好の現役レスラーといえば、秋山準や永田裕志らがいる。 早すぎる死を悼まれた三沢光晴が亡くなったのは46歳のときであり、実は鶴田の没年もこれと大きく違わないことを意外に感じる人もいるだろう。 三沢ら超世代軍の乗り越えるべき高い壁となり、その怪物的な強さを発揮していた鶴田が、B型肝炎の発症により第一線から退いたのは1992年のこと。以後は6人タッグなどのスポット参戦にとどまり、'99年の馬場の死の直後に正式引退となった。 翌年5月、フィリピンでの肝移植手術の際に出血によるショック状態に陥り、そのまま帰らぬ人となる。 「大学教授を目指して第二の人生を歩み始めた矢先の訃報には、悲しさより驚きが先に立ちましたね」(スポーツ紙記者) 移植のドナーが少年だったことから、この一件に関しては臓器売買のような深い闇を問う声もあったが、直後に三沢らが全日退団、新団体設立を表明したことで、ファンやマスコミの興味はそちらへと移っていった。セミリタイアしていた時期には、四天王プロレスの盛況により鶴田への注目は薄らぎ、また引退から亡くなるまでの前後にも、他の話題が優先されることとなった。 そのためファンのイメージする鶴田は強かった現役時代のままで固定され、今でも“プロレスラー最強”を論じるとき、上位に鶴田の名前が挙がるのはそうした影響も少なからずあるだろう。 では、そんな鶴田の全盛期はいつになるのかというと、これはさまざまに意見が分かれる。 「20代後半から30歳になるまでの星条旗パンツの頃が一番」とは、技の切れ味やスピードを評価したもの。主な試合としては'77年のミル・マスカラス戦や'80年のディック・スレーター戦(チャンピオンカーニバル優勝決定戦)などが挙げられる。 確かにこの時期のジャーマン・スープレックスやフロント・スープレックスは、後年には見られない美麗さが備わっていた。 タイトル獲得を評価の基準としたときには、「黒パンツになった32〜33歳あたり」が最盛期となるだろう。 '83年にはブルーザー・ブロディを相手に、完全フォールでインターナショナル・ヘビー級王座を獲得。試合後には馬場から「今日からお前がエースだ」の言葉をかけられている。のちのブロディvsアントニオ猪木との比較でも、当時の鶴田の充実ぶりは明らかだろう。 また、'84年にはニック・ボックウィンクルをバックドロップ・ホールドで下し、当時の世界三大タイトルの一角であるAWA世界ヘビー級王座を獲得。日本人初の王者としてアメリカツアーもこなしている。 長州力らジャパンプロレス勢や天龍源一郎など、日本人ライバルとの対決が中心となった80年代後半〜'90年にかけての時代を評価する声も多いだろう。 長州とのシングル戦('85年)では、結果は時間切れ引き分けながら主にスタミナ面で圧倒。また、鶴龍対決の頃はバックドロップやパワーボムで相手を失神させるなど、パワーと凄味を増してきた時代でもある。 そして、前述の超世代軍との対決となった'90〜'91年頃は、40歳になっても衰えるどころかむしろ怪物性を増していた。三冠王者として三沢や川田利明らの挑戦を完勝で下し、せめて一矢報いようと厳しい攻めに出ても、鶴田がブチ切れてコテンパンの返り討ち。川田は半失神で戦意喪失、三沢は鼻骨骨折の憂き目に合わされている。 「20代の頃の鶴田は、いいところまでいっても勝ち切れないことから“善戦マン”と揶揄されたりもしましたが、これは二番手格の鶴田が馬場を差し置いてトップ外国人を倒すわけにはいかないという、興行上の都合もあってのことでした。逆に言えば、その当時からトップ級と互角に闘っていたわけです」(同) 強さだけでなく人気の面でも頂点を極めたとなると、全日勢が新日本プロレスに初参戦した'90年2月『スーパーファイトin闘強導夢』でのタッグマッチになろうか。 谷津嘉章との五輪タッグで木村健吾&木戸修と対した試合は鶴田側の圧勝。一方的な内容であったが、それよりも特筆すべきはドーム内が「鶴田、オー!」コール一色に染まった鶴田への応援のすさまじさ。 新日ファンからも鶴田の強さへの信託が向けられた、まさに歴史的瞬間であった。ジャンボ鶴田1951年3月25日〜2000年5月13日(49歳没)。山梨県出身。身長196㎝、体重127㎏。得意技/バックドロップ、ジャンピング・ニー・バット。文・脇本深八(元スポーツ紙記者)
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スポーツ 2018年08月05日 14時00分
武藤敬司プロレスマスターズ、BATT復活に続くサプライズはワイルド・サモアン参戦!
“プロレスLOVE”武藤敬司プロデュースの「プロレスリング・マスターズ」8.21後楽園ホール大会。かつて新日本プロレスと全日本プロレスなどを股にかけて活動していた超党派ユニットBATTの復活が話題となっている。 メインイベントのBATT(馳浩&太陽ケア&新崎人生&大谷晋二郎with武藤敬司)と平成維震軍(越中詩郎&AKIRA&青柳政司&齋藤彰俊withザ・グレート・カブキ)の時代を超えた軍団対決の他にも、アンダーガードが続々と発表されている。ザ・グレート・サスケ&SATO&ケンドー対NOSAWA論外&MAZADA&FUJITAの、みちのくプロレス初期を思い出させる6人タッグマッチをはじめ、藤原喜明対維新力のメガネスーパー臭が漂う職人対決、グレート小鹿&キム・ドク対コリー・ガスパー&カリー・ガスパーの異次元対決が決定した。 そして、セミファイナルには藤波辰爾&獣神サンダー・ライガー&佐野巧真対ワイルド・サモアン&大矢剛功&ブラック・タイガーVのカードに決まった。80年代から90年代初期の新日本プロレスのファンにとっては興味深いカードだろう。 サモアンが新日本に初来日したのは34年前!あの時21歳だった彼はまだ55歳。意外と若い。最後の来日はグレート・コキーナ(後のヨコズナ)とのタッグだったから、90年頃だったはずだ。とにかく初来日の時に、花束嬢から受け取った花を食べ出したのを今でも覚えている。あのインパクトはすごかった。父はWWEの殿堂入りもしているワイルドサモアンズの兄、アファ・アノアイ。ヨコヅナやリキシとは従兄弟で、ロック様ことザ・ロックとも遠戚というサラブレッドである。 当時は日本のプロレス専門誌が“次期NWA世界ヘビー級王者候補の一人”と評したほどの逸材で、実際、リック・フレアーに挑戦し善戦している。日本では「第5回MSGタッグ・リーグ戦」でハルク・ホーガンのパートナーに抜擢されたものの、ホーガンが負傷により序盤に帰国してしまいチャンスを逸したが、それでも新日本はサモアンを頻繁に来日させていた。武藤いわく「今はアメリカでレスリングスクールを開いている。サモアンのテクニックを当時のファンにも、今のファンにも見てもらいたい」そう。コンディション的には問題なさそうだ。 マスターズはTNTやスーパーJなどなかなか良い外国人選手を招聘している。またこのカードは、新日本出身の大矢が、藤波やライガーと手を合わせると思うと感慨深い。佐野とはメガネスーパーが旗揚げしたSWSで一緒だったが、同じパライストラ所属だったため、こちらも久々の再会となる。この試合はFMWをはじめインディー団体を渡り歩いた大矢に注目しよう。またブラック・タイガーVはライガー一本に狙いを絞ってくれば懐かしい展開が見られる可能性は高いだろう。 日本プロレス、全日本プロレスで一緒だった小鹿&ドクと対戦する“海賊男”復活ガスパーズだが、武藤は「2人とも2メートル近いらしいから外国人かもしれねぇなぁ…」と話している。そういえば海賊男が最初に襲ったのは武藤だった。こういう遊び心のあるマッチメイクを入れるところが武藤プロデューサーらしい。マスターズに出られる選手も年を追うごとに減るのは間違いないだけに、「メモリアルには勝てない」が信条の武藤には可能な限り、あのころ見た光景を再現してもらいたい。【どら増田のプロレス・格闘技aID vol.18】写真 / プロレスリング・マスターズ実行委員会
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