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棚橋初防衛で中邑VS真壁IWGP次期挑戦権争奪マッチ

 新日本プロレスのIWGPヘビー級選手権が11日、東京・両国国技館で行われた。王者“フェロモンボディー”棚橋弘至が後藤洋央紀の挑戦を退け、初防衛に成功。30分の死闘を制したフェロモンボディーには、試合後に中邑真輔や真壁刀義が次期タイトル戦に続々と名乗り。群雄割拠のセルリアンブルーのマットはIWGP挑戦権を懸けた争奪マッチに突入する。
 初防衛を果たした棚橋は満身創痍だった。
 序盤からフルスロットルで攻め立てた。ゴング直後からドラゴンスクリューを繰り出すや大ブーイング。1発、2発と執ように後藤の右足を破壊すると、会場は「ゴトー」コールに包まれる。アウエー同然の闘いを強いられたが、棚橋は一切動じることはなかった。
 変型ドラゴンスクリューに四の字固め。情け容赦ない足攻撃のオンパレードで冷静沈着に試合を進める。だが、後藤も黙っていない。若武者の剛腕ラリアートがうなりをあげ、幾度となく場外に吹っ飛ばされる。悪い流れを断ち切ろうと前方回転エビ固めで切り返すも、逆に頭から落とされ、グロッキー状態に陥った。
 非情攻撃は続く。ついには後藤の伝家の宝刀、昇天を被弾し、絶体絶命。この窮地をなんとかカウント2.99でしのいだが、その後は首への集中砲火がさらに過激さを増す。トップロープ最上段からのエルボードロップと垂直落下式の裏DDT。首へのエグイ攻めに苦悶しかけたが、最後は執念だけで立ち上がった。

 ジャーマン、ドラゴンスープレックスを連発して反撃ののろしをあげると、間髪入れず右足めがけてハイフライフローを発射。すかさず31分22秒テキサスクローバーホールドでグングン絞めあげ、なんとかタップを奪取した。試合後は首に頚椎ねんざの負傷を負い、マットに横たわったまま。ベルトを抱きしめ「ベルトは誰にも渡さねぇ」と力なくつぶやいた。
 30分を超える激闘の末に初防衛を果たした棚橋だったが、一息つくヒマはなかった。試合直後にこの日ミラノコレクションATを蹴散らした真壁刀義とケガから復帰した中邑真輔がリング上に乱入。それぞれ挑戦表明を受けた。
 早くも動き出した棚橋のV2戦。同社菅林直樹社長は次期防衛戦について「とりあえず2人が次期挑戦者に手をあげましたので、ワタクシとしては次期シリーズにリングで挑戦権を懸けて闘ってもらいたい」とIWGP挑戦者決定戦の開催を示唆。次期シリーズの12月9日に行われる愛知県体育館大会での次期挑戦者争奪マッチが濃厚となった。
 死闘を制して第2次政権をスタートさせた棚橋。初防衛こそ果たしたものの、早くも中邑や真壁から首を狙われる前途多難な船出となった。

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