スポーツ
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スポーツ 2017年08月23日 11時40分
真中監督も退任表明! なぜ、ヤクルトばかり故障者が続出するのか?
真中満監督(46=東京ヤクルトスワローズ)が試合前の神宮球場で退任を発表した。今季のヤクルトは2度の2ケタ連敗も喫している。ドロ沼の14連敗のなかにあった7月は「途中休養説」も流れたが、その度にフロント幹部が否定。しかし、チーム関係者の話を総合すると、何度か話し合いの場を設けたようだ。真中監督の責任を痛感する気持ちは変わらず、今シーズン限りの退団となった。 「真中監督を引き止めようとしたのは本当です」(チーム関係者) 理由はいくつかある。まず、選手の人望があること。事実、退任を発表した8月22日、バレンティンは「寂しい。退任は監督のせいだけではない」と“撤回”を訴えるようなコメントを出していた。 「真中監督によれば、7月下旬、衣笠剛球団社長と進退について話し合ったそうです。同社長は日大の出身。日大の後輩にあたる真中監督をかわいいと思っていました」(取材記者の一人) また、ヤクルトは“連敗に対する免疫”もあった。就任1年目の2015年、真中監督はリーグ優勝を果たしたが、同年5月に9連敗も喫している。「(連敗で)今後どうなるのかなという不安もあったが、逆に吹っ切れたというか、とてもいい経験をさせてもらっているなと捉えられるようになった。この先、2年になるか3年になるかわからないけれど、監督を務めていくうえで必要な試練を与えてくれているんじゃないか、と…」 優勝直後の共同インタビューでそう語っていた。「連敗しても、それを糧にする」との認識をチーム全体が持っていたのだ。 しかし、今回の退任会見で真中監督はこうも語っていた。「僕が勝つ自信がありませんので、そんななかで引き受けても失礼だなと…」 ヤクルトは2010年の高田繁監督(現DeNAゼネラルマネージャー)の退任以降、指揮官には「次期監督候補」に二軍監督や一軍主要コーチを経験させてきた。高田監督(当時)の後を引き継いだ小川淳司ヘッドコーチ(現シニアディレクター)は二軍監督も経験している。そのときに掴んだ選手の性格を生かした采配が的中したからで、真中監督はその“指揮官教育の一期生”でもあった。 契約通りにいけば、真中監督は来季終了まで指揮を執るはずだった。現時点で後任として最有力視されている高津臣吾二軍監督を、もう少し勉強させたいとすれば、ドロ沼の連敗中も慰留に努めたのも合点が付く。先のチーム関係者によれば、7月中の衣笠球団社長との話し合いの場で、真中監督はすでに辞任を申し出ていたという。今回の退任会見は同社長の了承を得て行われたとのことなので、後任に関しても“目星が付いた”と見るべきだろう。 「高津二軍監督は指揮官1年目で最下位だったヤクルト二軍を3位まで押し上げました」(前出・取材記者) 12年、独立リーグ・新潟で監督兼投手も務めている。今回、元新潟の選手に『監督・高津』を聞いてみた。 「指導内容が分かりやすかった。たとえば配球で、なぜ、あの場面で低めに投げるべきだったのかを説明してくれたとき、的確にひと言かふた言で教えてくれる。ミーティングでの話も短く、でも印象に残る言葉ばかり」 期待が持てそうである。 だが、高津二軍監督の登用を前倒ししたとしても、チームは本当に強くなるのだろうか。 「去年の後半から、正直、今年に懸けていた」 真中監督は退任会見でこうも語っていた。 敗因は分かっている。2月のキャンプ中に川端が椎間板ヘルニアで離脱し、さらにバレンティン、畠山、雄平、大引などの主力を欠き、投手陣では秋吉、小川、山中なども故障してしまった。前半戦はベストメンバーを組むことすらできなかった。フロント幹部が真中監督をかばうのも分かるが、「なぜ、故障者が続出したのか」、その原因を追求し、改善しなければ、後任監督も同じ轍を踏むことになるだろう。 大型連敗しても優勝できた15年と今季の違いがひとつだけある。15年の真中監督は動かなかった。選手の調子が上向きになるまで待つことができた。しかし、今季の14連敗中、真中監督は打線変更、小川のリリーフ転向などチームを動かしている。泰然自若の指揮官を、動かなければならないほど追い込んだ責任はフロントにもある。
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スポーツ 2017年08月21日 18時30分
稲葉監督「清宮視察」発言の裏でベテラン再招集が浮上
侍ジャパンの稲葉篤紀監督(45)が清宮視察をほのめかした。8月20日、北海道日本ハムファイターズのスポーツ・コミュニティ・オフィサー(SCO)として、札幌ドームで行われた中学生の硬式野球大会の表彰式に参加した。その際、同日発表となったU―18W杯(9月1日開幕)の日本代表メンバーに清宮幸太郎内野手(早実=3年)が選ばれたことを聞かれ、「100何本も打っている選手。チームを引っ張って頑張ってくれたら」と答え、さらに「予定があえば」と、国内合宿も直接視察する意向も示唆したのだ。「稲葉ジャパンの最大の課題は、東京五輪で金メダルを獲得すること。東京五輪はプロ、アマチュアの混合チームになる可能性が高く、清宮が進学を選択したとすれば、『アマチュア代表』としてチーム入りするでしょう。U―18のメンバーは東京五輪年に21歳、他にも好選手が多いので、自分の目で確かめておきたいと思ったのでは」(ベテラン記者) 監督が直接視察し、選手を見極めるのは当然のこと。しかし、新生・侍ジャパンは『強化本部』を機能させ、選手選出などのチーム構成を行っていく予定だったはず。視察などの予定は稲葉監督からではなく、侍ジャパンを運営するNPBエンタープライズから“発信”されるべきだが…。「強化本部の必要性は2015年のプレミア12の敗退後から伝えられていました。監督に選手選出の全てを託すのではなく、裏方がサポートしていくべきだ、と。今春のWBCで優勝したアメリカ代表には『交渉役』がいて、代表入りに難グセをつける選手に対し、所属球団やその代理人と話し合い、起用法などの条件こそつきましたが、その引き換えに代表入りさせています。東京五輪はペナントレースのシーズン中なので日本人メジャーリーガー招集は無理だとしても、次回WBCではそういった効果が見られるのではないかと期待されています」(前出・同) その強化本部の当面の仕事は、稲葉監督を支えるコーチスタッフを決めること。漏れ伝わってくる限りでは、稲葉監督の日本ハム時代の同僚にあたる金子誠、建山義紀両氏がコーチ候補に挙がっているそうだ。しかし、両氏とも指導者経験はゼロだ。もし本当なら、監督以下首脳陣が未経験者となる。 こうした現状と同時に聞こえてきたのが、今年11月開催の『アジア プロ野球チャンピオンシップ2017』における選手招集の基準を少し変更するとの情報だ。「将来のため、若手中心の選手招集になることは間違いありません。でも、若手だけのチームにしないで、ベテランも招集すべきとの声も出ています」(球界関係者) 今春の侍ジャパンメンバーのまとめ役は、今年35歳の内川聖一だった。内川一人にまとめ役を任せてしまったが、選手と首脳陣の間を繋ぐベテランを“増員”すべきだというのだ。「とくにオリンピックの戦い方が難しいんですよ。ベンチ入りできるコーチは、ヘッド格のコーチを含め3人だけ。そうなると、ブルペン担当のコーチを置けなくなり、救援投手を準備させるタイミングも難しくなります。三塁コーチャーもコーチにやってもらうわけですし…」(前出・同) 考えてみれば、稲葉監督も“繋ぎ役”を務めた経験がある。2013年のWBC大会では「40代の代表選手」となったが、選手からは「首脳陣に進言できるアニキ役」、首脳陣の側からも助言を求められる場面もあった。ベテランの必要性は体験済みだ。 急浮上してきたのが、巨人・阿部慎之助、阪神・鳥谷敬、福留孝介、広島・新井貴浩、ソフトバンク・和田毅など…。ここ一番での代打登場としてはもちろんだが、試合前の準備、体調管理などで若手選手を触発してくれるだろう。また、彼らなら、一塁コーチャーやブルペン担当を兼任してもらうことも可能だ。代表チームの選手、コーチを歴任した稲葉監督を「内部昇格」と見れば、次の指揮官を彼らから選ぶことも出来る。 ベテラン再招集案が進められるのであれば、それこそ強化本部が所属球団に“根回し”をしなければならない。ベテランの力を借りるのは悪い話ではない。しかし、いまだ正式にコーチ人事を発表できない強化本部に「再招集案」の根拠があるのだから、稲葉監督も苦労させられそうだ。
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スポーツ 2017年08月19日 17時36分
不祥事・山口が謝罪 本当に検討されていた契約解除
約10秒、深々と頭を下げ、謝罪の言葉を口にした。8月18日、巨人・山口俊投手(30)が球団事務所で謝罪会見を行った。男性警備員を負傷させるなどの不祥事を起こした経緯は説明するまでもないだろう。同日、器物損壊と傷害の容疑で書類送検されたことを受け、球団が会見を各メディアに告知したのである。 「申し訳ない」と繰り返す山口の言葉に嘘はないと思うが、質疑応答の際、一度だけ返答に詰まったシーンがあった。 今回の不祥事は飲酒が引き金となっている。「今後、お酒とどう付き合っていくのか?」と問われたときだ。 山口はひと呼吸置き、神妙な面持ちでこう返した。 「今後、お酒についてはしっかり自分で自粛をして、またこのような軽率な行動、社会人としてあるまじき行動を取らぬよう、お酒との付き合い方もしっかり考えて…」 一般論として、謝罪会見に臨む著名人は事務所関係者や弁護士などと打ち合わせを行う。誤解を与えかねない表現を避けるためだが、もし山口も打ち合わせをしていたとすれば、飲酒に関する回答は本心から出た言葉だろう。 同席した石井一夫球団社長によれば、山口は今季終了までの間、出場停止となる。また、事案の起きた7月11日から会見前日の8月17日までの間、一日につき、年俸300分の1に相当する額の罰金が、そして、出場停止期間中の日数も、1日につき、300分の1の金額が減俸されるという。「3年総額7億円」(推定)で巨人入りしたと報じられており、そこから逆算すると、罰金と減俸は1億円以上になるそうだ。 「石井球団社長は『相当重い処分』と語っていました。たしかに金額から見て、重い処分です」(ベテラン記者) 来季以降も「巨人でプレーしてもらう」と言っていた。しかし、こうも付け加えていた。「さまざまな方とお話しして、ご意見をうかがう中で、『そういう選択肢』も私たちのほうから用意して意見を聞いたりもしました」 「そういう選択肢」とは、契約解除のこと。本気で“解雇”を検討していたわけだ。石井球団社長は自ら「野球賭博」のことを持ち出し、「あれからまだ時間がさほど経っていないのに…」とも深謝した。「警備員、病院の側から寛大な処分を望むとも言っていただいた」とも伝えており、それでも巨人は厳罰に処したと公表することで“幕引き”としたかったのだろう。 2015年発覚の野球賭博だが、こんな声も聞かれた。 「ドラフトにも大きな影響が出たようです。同年の巨人スカウトは指名選手の入団交渉において、お詫びの言葉から入り、社会人教育を徹底すると口にしていました。指名に至らなかった選手の所属チーム側と話をする際も同様でした。教え子を預けても本当に大丈夫なのかと不安視するアマチュア指導者もいましたから」(学生野球指導者) 山口の不祥事がスカウティングに影響するのを恐れたようだ。 近日中に山口は高橋監督のもとを訪ね、一軍ナインにも直接謝罪の言葉を伝えに行くという。クライマックスシリーズ進出も危うくなってきた巨人ナインは、どんな反応を見せるのだろうか。 会見は30分ほどで終了した。山口は最後も10秒以上、深々と頭を下げてから退場した。
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スポーツ 2017年08月18日 17時00分
熱き侍たちが躍動!! メジャーリーグ Times ダルビッシュ有を獲得したドジャースのねらいとは?
ダルビッシュ有が紆余曲折の末、3人のマイナーの有望株と交換でドジャースに移籍した。 当初、レンジャーズは、ダルをド軍に放出する見返りに、ド軍からマイナーの最有望株ビューラー(先発投手)とバドゥーゴ(外野手)の2人を獲得することを希望していた。しかし、ド軍がそれを拒否したため、筆者はトレードが不成立に終わる可能性が高いとみていた(ド軍サイドも、一度は諦めムードに傾いていた)。 だが、レ軍側が最後の最後で、希望する交換要員のグレードを下げたため、7月31日に期限ぎりぎりのタイミングで、トレードが成立した。 メジャーリーグでは、ポストシーズン進出の可能性がなくなったチームが長期契約の最終年を迎えた大物選手を優勝争いするチームにトレードし、2、3年後、レギュラーに成長しそうな有望株数人を獲得することが多い。今回のダルのトレードも、典型的なそのケースと言っていい。 7月末トレードで動く大物は、シーズン終了後FA市場に出ることが決まっているため、「シーズン後半の優勝請負人」「ポストシーズンでの強力な助っ人」として動くケースが多い。ダルも「ポストシーズンでの強力な助っ人」としての移籍である。 ド軍はメジャー随一の金満球団で、先発投手の人材が豊富である。来期は5つある先発ローテーションの枠を9人の投手で争うことになる。そのため、ダルと長期契約を交わす可能性は低く、「3カ月限定移籍」になるとみられている。 ドジャースは前田健太を一時リリーフに回したほど先発投手が豊富だ。しかも、今季は驚異的な勝率で勝ち進んでおり、地区優勝も確実になっている。それでもあえてダルを獲得したのは、ワールドシリーズ制覇を見据えているからだ。 ド軍の先発投手陣は「トップレベル」の実力を備えた投手が2人(カーショウ、ウッド)と、「中の上レベル」の実力を備えた投手が4人(ヒル、マッカーシー、前田健太、柳賢振)という構成だ。今季、ペナントレースで驚異的なペースで勝利を収められているのは、「中の上」レベルの投手たちが、5、6回を2、3点に抑えれば、打線の得点力が高いため、ほとんどが白星になるからだ。 しかし、強いチーム同士がぶつかるポストシーズンでは、「中の上レベル」を先発させてもなかなか勝てない。強力な敵チームを圧倒するには、「トップレベル」の投手が2人ではなく3人必要になる。 昨年のリーグ優勝シリーズで、ド軍はトップレベルの先発投手3人を擁するカブスに完敗した。そこで今季はダルを獲得し、「トップレベル」の先発投手3人を揃えてポストシーズンを勝ち上がることにしたのだ。 今季のポストシーズンで、ド軍はまずダイヤモンドバックス対ロッキーズの勝者と対戦する。そのあと、ナショナルズ対カブスの勝者と対戦することになるが、どのチームも今季はトップレベルの先発投手が1人か2人という状態だ。 ダルの加入により、ド軍は先発投手の面で圧倒的な優位に立つことになったのだ。 ダルビッシュにとって、ドジャース移籍はプラス要素がたくさんある。 今季のダルは6回以上を自責点3以内に抑えるクオリティスタート(QS)が22試合に先発したうち15試合もあるのに、8月3日時点の勝敗は6勝(9敗)しかしていない。味方の得点援護が少ないためだ。 それに対し、QSが4つしかない前田健太は10勝(4敗)している。5回終了時点で降板することの多い前田に二桁も勝ち星があるのは、5回終了時点までに2、3点取られて降板しても、リリーフ陣が揃って好調のため、リードを守り切ってくれるからだ。 その点、レンジャーズはクローザーを固定できないほどリリーフ陣が弱体だった。 ダルにとって得点力が高く、かつリリーフ陣が強力なド軍で投げられることは、大きなプラスになる。 さらに、ダルは今季、レ軍の内野、外野陣のまずい守備にも再三にわたり足をすくわれてきた。 だが、ド軍は内外野ともに守備力も高い。特に外野陣の守備力はピカイチで、打球がフライになりやすいダルにとって大きな味方となるだろう。 捕手の面でも心配ない。ド軍の正捕手グランダルと第2捕手バーンズは、どちらも前田の女房役をやって日本人投手をリードするコツを掴んでいる。テキサスの球場は高温と乾燥で本塁打がたいへん出やすかったが、ドジャースタジアムは平均レベルなので、この点も有利に作用するだろう。 マイナス面として考えられるのは、中の上レベルの実力を備えた先発投手がひしめいていることだ。そのため、防御率が悪化すると、先発ローテを外される恐れがある。スポーツジャーナリスト・友成那智(ともなり・なち)今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流。アメリカ野球に造詣が深く、現在は大リーグ関連の記事を各媒体に寄稿。日本人大リーガーにも愛読者が多い「メジャーリーグ選手名鑑2017」(廣済堂出版)が発売中。
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スポーツ 2017年08月17日 06時30分
今年も捕手指名? スカウト会議で見えたトラの覚悟
夏の甲子園大会、たけなわ。その熱戦の地に隣接する球団事務所で、阪神タイガースが定例のスカウト会議を開いた(8月14日)。この時期、どの球団もスカウト会議を開く。甲子園視察を経て、お目当ての選手の成長具合、試合展開を読む力など、各スカウトが“中間報告”を行い、指名候補選手を絞り込むためだ。 その会議後、佐野仙好統括スカウトがメディアの質問に応じ、一部の上位候補名を明かした。「キャッチャーは、補強ポイントのひとつ。打撃、肩の強さなど、抜けている。体も大きいし、プロの練習にも耐えられるはず。(上位指名候補の)12人のうちに入るだろうね」 これは、「今夏の大会で評価を高めた選手は?」の質問に対し、広陵の中村奨成捕手の名前を挙げ、答えたもの。中村はすでに「強肩堅守の捕手」として知られていたが、同11日の中京大中京戦では2本塁打を放ち、「強打の捕手」であることを改めてアピールした。中村が強い印象を残したのは間違いないが、ファンの間で、阪神は「キャッチャーコレクター」とも揶揄されている。高校卒の捕手を本当に育てられるのだろうか。16年 長坂拳弥(東北福祉大)7位15年 坂本誠志郎(明治大) 2位14年 (捕手の指名なし)13年 梅野隆太郎(福岡大) 4位12年 小豆畑真也(西濃運輸)4位11年 廣神聖哉(独立L・群馬)育成1位10年 中谷将大(福岡工大城東高)3位09年 原口文仁(帝京高)6位08年 (捕手の指名なし)07年 (捕手の指名なし) 他のポジションにコンバートされた選手もいるが、育成を含め、過去10年間で7人の捕手を指名している。今季は梅野がもっとも「先発マスク」が多いが、74試合(12日時点)。坂本も頑張っており、両捕手の併用といったほうが正しいだろう。 チーム関係者の一人がこう言う。 「金本(知憲=49)監督の言葉を借りれば、(1年で)100試合以上スタメンで出て、初めて正捕手と呼べると…。正捕手を育てている段階であり、また、正捕手が育てば、向こう10年、チームは安泰なんですが…」 「100試合以上」の条件を満たした捕手は、13年の藤井彰人(現育成コーチ)以来、出現していない。かつて、高校からプロ入りした元捕手がこんな話をしてくれた。 「今日は自分にサインを出させてくださいと言ったら、先輩投手に怒られましたよ。こっちは生活が掛かっているんだ、ガキの教育に付き合ってらんねえよ、と。この状況は入団してから3年くらい続きました。大学卒、社会人を経験した捕手は新人のときからサインを出しても、子ども扱いされませんが」 この傾向は優勝を狙うチームであれば、とくに強いという。過去10年で7人もの捕手を指名しながら、正捕手不在。トラの正捕手というと、矢野燿大現コーチのイメージも強いが、同コーチもトレードでやってきた“外様”だ。そう考えると、80年代後半に活躍した木戸克彦氏以降、生え抜きの正捕手が育っていないことになる。 「中村クンですが、どの球団も上位指名を考えていると思います。ただの強肩堅守の捕手ではありません。『強打の捕手』になれる逸材だからです」(在京球団スタッフ) 阪神がスカウト会議を招集した前日、巨人・阿部慎之助が史上49人目となる2000本安打を達成した。近年は一塁手だが、阿部以降、強打の捕手は出現していない。別の見方をすれば、正捕手を育てる難しさをもっともよく分かっているのは阪神である。それでも、「中村の上位指名」を口にしたのは、捕手育成に今まで以上に時間を費やす覚悟を示したのではないだろうか。 先のチーム関係者によれば、正捕手育成を託された矢野コーチは、試合後、ベンチ入りした捕手全員を集め、同日の試合開始からゲームセットまで、どの球種をどのコースに投げたのか、全投球をチャート表に書き込ませるという。「忘れた、思い出せない」とは言わせないそうだ。チャート表とは、ストライクゾーンを9分割した図表のことで、球種は「○」「△」「▽」など球団規定のマークを使い、どのコースに何を投げたかを残しておくもの。矢野コーチは全投球を書き込ませた後、「なぜ、この配球で(相手バッターに)打たれたのか」を講義する。そして、「次の対戦で失敗しないためにはどうすればいいのか」を一人一人に考えさせているという。 ほぼ毎試合行われているとのことだが、1年で成長する捕手もいれば、一人前になるまで3年以上掛かる捕手もいるそうだ。 広陵・中村のような逸材は欲しい。しかし、正捕手を育てるためにもっとも必要なのは、首脳陣の根気のようだ。(一部敬称略)
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スポーツ 2017年08月14日 16時00分
プロレス解体新書 ROUND62 〈前田vsゴルドーの真相〉 格闘技の礎となった“過剰”な一戦
1988年8月、超満員の観客に埋め尽くされた有明コロシアムで、前田日明vsジェラルド・ゴルドーの一戦が行われた。防戦一方の前田が逆転勝利を収めたこの戦いは、凡戦か、それとも名勝負なのか? UWFをけん引した“格闘王”前田日明。新日本プロレス時代に古舘伊知郎が連呼した“黒髪のロベスピエール”とのキャッチフレーズから、プロレス界の革命児のイメージを持つ人も多いだろう。 だが、改めて見たときに、前田自身がその意思によって革新的な一歩を踏み出したという事例は、案外と少ない。 「最初にUWFへ移籍したのは社命によるものですし、そのUWFに格闘色を持ち込んだのは後から合流した佐山聡です。第2次UWFやリングスの旗揚げにしても、前田自身が積極的に動いたというよりは、流れに身を任せた部分が少なからずありました」(プロレスライター) UWFのスタイルについて“プロレスから総合格闘技へと移行する橋渡しになった”と評価する声もあるが、それは今になって言えること。そもそも総合格闘技という概念すら定まっていなかった時代なのだから、UWFがそれを目指したというのはやや無理のある推論だろう。 「結局、前田自身も語っているように、『猪木さんの言う“理想のプロレス”を追求しただけ』というのが掛け値なしの真相なのでしょう」(同) とはいえ、何をやるにおいても“過剰”な前田だからこそ、普通にプロレスをしていてもその枠内に収まり切らず、自然発生的にUWFの進化が起こったとも言える。その意味でやはり前田は特別な存在であった。 そんな前田がジェラルド・ゴルドー('95年には反則のサミングで、修斗の中井祐樹を失明させるなど悪しき過剰さで知られる)と対戦したのは、第2次UWFが旗揚げしてから3カ月後の'88年8月13日、まだ天井がなかった時代の有明コロシアムで開催された『真夏の格闘技戦』のメインイベントだった。 しかし、この試合が後に物議を醸すことになる。ゴルドーがインタビューなどにおいて、前田戦が純粋な格闘技ではなく「あらかじめ結末の決まった試合だった」と話したのだ。 UWFがプロレスの範ちゅうにあったと指摘する声は、それ以前から各所で囁かれていたが、当事者があからさまに語ったことのインパクトは大きかった。これにより格闘技ファンからは“やはり前田とUWFはガチンコではなかった”と、批判を一層強く受けることになる。 「実際のところ、この大会の時点ではまだUWFも試行錯誤の段階で、山崎一夫と田延彦の対戦などは、山崎がハイキックからの3カウントピンフォール勝ちという従来のプロレス的な結果となっています。そのような新日参戦時の延長線上として見たときには、前田vsゴルドーもいろいろと興味深いんですけどね」(格闘技ライター) この試合の前年、極真空手の世界大会で初来日したゴルドーは、その長身もあって“白いウィリー・ウイリアムス”とも呼ばれた強豪で(当時は和彫りの刺青は入れていなかった)、前田に対しても評判に違わぬ鋭い蹴りを次々と放っていく。 また、グラウンドの展開になったとき、すぐに体を入れ替えて上になる体さばきからは、生来の“格闘技勘のよさ”が感じられた。 「この頃はまだ、ポジショニングという考え方が一般的ではなく、前田が極め切れなかったというのもあるのでしょうが、それを差し引いてもゴルドーの動きは天性の才能を感じさせる素晴らしいものでした」(同) 一方の前田はというと、プロレスラー相手なら有効な蹴りもその道のエキスパートであるゴルドーには通じず、苦し紛れのタックルも簡単に潰されてしまう。 「腰が入らないまま手から飛び込むいわゆる“くわがたタックル”で、この頃はタックルの練習自体をほとんどしていなかったのかもしれません。ただ技術的には物足りなくとも、驚かされるのはその根性。並みの選手なら、2〜3発も食らえば戦意喪失となって不思議のないゴルドーのローキックや膝蹴りを受けまくりながら、それでも向かっていく前田はやはり尋常ではない」(同) この試合がゴルドー自身の言うような疑似格闘技で、フィニッシュとなった“ハイキックを前田がキャッチしての裏アキレス腱固め”が、両者の事前打ち合わせの通りに行われたものであったとしよう。 しかし、そうした試合にあってもなおガチの蹴りを繰り出すゴルドーと、それを受けてもへこたれない前田のいずれもが、傑出したファイターであることには違いあるまい。そんな前田の過剰なスタイルが、日本の格闘技の礎となったのは前述の通りだ。 またゴルドーも、この後に参戦したUFCの記念すべき第1回大会において、倒れた相手の顔面を容赦なく蹴り上げる過激ぶりを披露。そんなゴルドーを柔術の技術できれいに仕留めたホイス・グレイシー共々、総合格闘技を世間に周知させる上で一役買うことになる。
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スポーツ 2017年08月14日 11時44分
辞任表明の伊東監督が払拭できなかった疎外感
千葉ロッテマリーンズの伊東勤監督(54)が今季限りでの辞任を表明した(8月13日)。本拠地・ZOZOマリンのベンチはざわついていた。まず前日、林信平球団本部長が同球場に隣接されている球団事務所に現れた。経営幹部は球団事務所にずっと詰めているわけではない。しかも、取材陣の要請に応じ、いちばんナーバスな監督人事に関する質問にも答えていた。この時点で林球団本部長は昨季までの4季で3度のAクラス入りを果たした実績も強調しつつも、「まだ何も決まっていない」と、肝心の去就問題についてははぐらかしている。何か起きる…。そう直感したメディア陣は少なくなかった。 「8月4日からの仙台遠征中、伊東監督から球団スタッフに退任の意思が伝えられました。スタッフがそれを持ち帰って、林球団本部長が改めて話を聞くという流れになりました」(チーム関係者) 伊東監督の決心は変わらなかったようだ。 「外国人選手は期待外れだったし、主力選手のほとんどが成績を落としています。伊東監督に同情すべき点はたくさんあり、このことは球団側も認めています」(スポーツ紙記者) 伊東監督は昨季終了時点でいったん契約が切れている。先の関係者によれば、伊東監督は“潮時”を口にしていたとのことだが、球団側が引き止めたという。手腕が評価されての慰留だったが、この5年間、「外様の疎外感」を払拭できなかったのではないだろうか。 春季、秋季キャンプでは千葉ロッテに限らず、チームOBが顔を出す。どの球団もそうだが、ライオンズで育った伊東監督はロッテOBたちと面識こそあれ、親しく付き合ってきたわけではない。OBたちも労いの言葉は掛けていたが、生え抜きのコーチや後輩たちと話し込んでしまい、伊東監督はその輪に誘われることはなかった。少し離れたところに立っていて、練習を見守っている。そんな感じだった。 ライオンズ時代の伊東監督を知るプロ野球OBが当時をこう振り返る。「頑固なところもありました。ライオンズの黄金期を支え、捕手として輝かしい実績を残した人だから仕方ないのかもしれませんが、選手に求めるレベルが高すぎて…」 これに対し、先のチーム関係者はこう反論する。 「選手だけではなく、スタッフにも気配りをしてくれる人。伊東監督の誕生日は8月なんですが、チーム全員でケーキを買って、ハッピーバースデーを歌ってお祝いしています」 ライオンズ指揮官を退いた後、このままではいけないと思ったのだろう。監督として再起したいというよりも、「チームのために何ができるか」を考えるようになったようだ。 後任は先に今季限りでの現役引退を発表している井口資仁内野手(42)だろうか。井口は「ロッテの人」となって久しいが、ホークスで育ち、メジャーリーグを渡り歩いてきた。 「後輩たちからの人望はもちろん、球団スタッフも井口に一目置いています。若手が伸び悩んでいるので、次の監督になる人には、チーム再建の難しい課題が託されます。投打ともに新戦力が育ってから次の監督へというのが、球団の考えだったのでは」(前出・スポーツ紙記者) 後任指揮官が誰になるにせよ、疎外感は持ってほしくないものだ。
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スポーツ 2017年08月13日 16時00分
浅尾美和が『熱闘甲子園』とビーチで狙う再ブレイク
この夏、あの“ビーチの妖精”の露出度が飛躍的に増えそう!? 全国各地で夏の甲子園大会出場校がすべて決まった。各メディアとも、有名校や地元に縁のある著名人からのコメントを掲載するなど大会盛り上げに必死だが、その著名人の中に、元ビーチバレー選手で、現在はママタレとしても活躍する浅尾美和(31)の姿もあった。 「浅尾のコメントが好評です。『頑張れ』といった月並みな応援ではなく、球児に寄り添った内容で、高校野球関係者も一目置いていました。一時期、夏の甲子園大会を特集する『熱闘甲子園』(テレビ朝日系)の後継者に噂されたほどです」(アマチュアスポーツ担当記者) 元祖美女アスリートの浅尾は一時期、ビーチバレーの解説も務めたが、お世辞にも上手いとは言えない内容だった。それでも“畑違い”の高校野球でコメントを寄せたのは、一昨年夏、母校・津商業が甲子園に出場したこと。そして、弟が高校球児であるため、一ファンとして高校野球を観戦してきたからだそうだ。 「野球に関する専門的なコメントではなく、スポーツに打ち込んできた先輩として、球児たちの必死さ、涙、その悔しさが分かる内容でした。自身の経験談として、あんなに練習したのに、強豪校に勝てなかったときの悔しさ、どうやったら勝てるんだと悩んだことなども語られ、『好きなスポーツに打ち込んできたから、あんな素敵な笑顔になれるんだ』と、高校野球への愛情を語っていました。競技は違えど、悔しさ、悩みを視聴者に共感させるものでした」(同) 三重県代表・津田学園が甲子園で勝ち上がればもちろんだが、学生スポーツの喜怒哀楽を理解する浅尾はこの先、「応援メッセンジャー」として登場しそうだ。 「春の高校バレーのときも、応援メッセージを寄せています」(TV局員) 目下、ビーチバレー普及のために奔走しているだけに、この夏はビーチと甲子園の“二刀流”になる? 「多忙で、ビーチバレーのコスチュームのまま球場入り」なんてことになれば、オジサンはなお嬉しい。
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スポーツ 2017年08月12日 17時45分
謹慎中の山口俊に米スカウトが急接近?
再起の場所がメジャーマウンドになる可能性も出てきた。山口俊投手(30=巨人)のトラブルが明るみに出たのは、7月18日だった。山口は同11日未明、飲食店で右手甲を怪我して病院に向かったが、病院のドアを壊すなど大暴れしたという。警視庁目黒署が被害届を受理し、球団も事態を重く受けて止め、山口を謹慎処分に課した。 その後、球団側は「捜査、警察の方にお任せしているという状態」と答えるに止め、捜査結果を受けてから山口への正式な処分を決めようとしている。 「球団も事態を重く捉えています。不起訴、起訴猶予となった場合でも、球団として独自の重い処分を科す方向です」(ベテラン記者) その「独自処分」だが、メディア関係者の多くは「年内謹慎、でもさすがにクビはないだろう」と予想していた。しかし、それだけでは済まないようだ。 「関連企業、スポンサーから重い処分を望む声も寄せられています。重い処分を科すとは言っても、具体的な内容は何も決まっていないようです」(前出・同) 2015年に発覚した『野球賭博事件』も思い出される。球団は不祥事再発の防止にも努めてきただけに“制裁トレード”を予想する声も聞かれたが、山口は昨年オフ、4年総額8億円(推定)で獲得した“高給取り”である。契約の見直し、本人の猛省があったとしても、他球団も手を出しにくいだろう。「いや、巨人で再起を目指すのはもっと辛いでしょう。DeNA時代からネット上で非難を浴びると、シュンとなってしまうところがあり、移籍していきなり右肩痛を起こし、情緒不安定になっていましたから」 プロ野球解説者の一人がそう語っていた。 そんな山口をかわいがってきたのは、ベイスターズ時代からの先輩である相川亮二。事件が明るみに出る前の同15日、2人は食事に出掛けている。その相川が再起を手助けするものと思われるが、本人が退団を申し出ることになれば、球団も引き止めないだろう。 その自主退団説の様相が濃くなってきた。 「昨年オフ、山口がFA宣言したとき、アドバイザー役を買って出たとされる人物がいるんです。山口が好条件で移籍できたのは、その人物のおかげ」(球界関係者) 当時の報道を見直してみると、巨人が獲得に名乗りを挙げたとき、「3年6億円」となっていた。中日も山口に興味を示すと、「5年契約」「総額8億円」と高騰し、一部メディアは「5年10億円で中日が交渉へ」とも伝えていた。“中日参戦”を受けて巨人が条件を見直したわけだが、この高騰劇を仕掛けたのが、アドバイザー役を買って出た人物とされている。その人物はスポーツマネジメント会社でも経験を積んでおり、米球界につながるルートも持っているという。 「ベイスターズ時代、山口はメジャーリーグ挑戦について聞かれると、『チャンスがあれば』という言い方でした。海外にいけば、批判や好奇の目にさらされることはなくなります」(前出・ベテラン記者) たしかに、メジャーリーグには、警察のご厄介になった選手もいる。薬物中毒から立ち直った選手もいる。メジャーに興味があると発言した後、調査に乗り出したメジャースカウトもいたという。ビザが下りればだが、メジャーリーグは山口を受け入れるはずだ。 「メジャースカウトが一目置いているのは、山口のフォークボールです。右肩痛もありましたので、現在の評価は高くないと思いますが…。本人にその気があると分かれば、再調査に乗り出す米球団も出てきそう」(米国人ライター) 安い年俸額でマイナー契約し、通用したら儲け物という解釈もあるかもしれない。ファンと球団に謝罪し、失った信用を取り戻すべきだが、巨人にはチャンスに飢えた中堅、若手投手がゴロゴロいる。残留となれば、周囲の予想をうわまわる厳しい処分を科されることになりそうだ。
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スポーツ 2017年08月12日 16時00分
熱き侍たちが躍動!! メジャーリーグ Times ローテに復帰した前田健太に関する5つのQ&A
今週は、ドジャースの先発ローテーションに復帰した前田健太にスポットを当てたい。素朴な疑問を5つ提示し、それに答える形で、彼が直面する課題を具体的に浮き彫りにしていこう。 Q1:ローテに復帰できたのはなぜか? オールスター明けからマエケンが先発ローテに復帰したのは、ド軍の先発3番手、ブランドン・マッカーシーが右人差し指のマメを潰し、さらにエースのクレイトン・カーショウも腰の張りで、2人がDL入りしたため、実現したものだ。 マッカーシーは8月上旬に復帰するが、カーショウの復帰は8月下旬になる見込み。そのため、トレードで大物先発投手が加入しない限り、マエケンは少なくとも8月下旬までは、先発で投げる可能性が高い。 Q2:マエケンが日本人投手で最多の9勝をしているのはなぜか? 7月27日現在、日本人投手で一番勝ち星が多いのはマエケンの9勝(4敗)で、ダルビッシュ有の6勝(9敗)よりずっと多い。今季、不調と伝えられていたマエケンが9勝で、好調のダルが6勝止まりなのは、以下の理由による。 (1)チームの打線が好調で、マエケンが5回までに3〜4点取られても、味方打線が5〜6点取ってくれることが多い。 (2)ド軍は内外野に守備力の高い選手が揃っていて、長打性、ヒット性の当たりを好捕してアウトにしてくれるケースが頻繁に見られる。 (3)今季もリリーフ陣が好調で、マエケンが5回で降板しても、1、2点の僅少リードを守り切ってくれる。 一方、ダルが6勝止まりなのは、この条件に気の毒なほど恵まれないからだ。 ただ、メジャーではチーム力に大きな差があるため、先発投手の実力を測る指標として重視されるのは勝ち星ではなくQS(6回以上を自責点3以内)の数である。マエケンはこれが3つしかない。これはメジャーの107人の先発投手(80イニング以上)でワーストの数字だ。それに対し、ダルはQSが15。これは107投手中5番目に多い数字だ。Q3:ドジャースがワールドシリーズに進出する可能性は? 60%以上はあるだろう。 ド軍は5月以降、手が付けられない好調ぶりで、地区優勝は100%確実だ。ナ・リーグの覇者を決めるリーグ優勝シリーズで昨年同様ナショナルズと対戦する可能性が高いが、得点力とリリーフ力で勝るド軍有利と見る向きが多い。 Q4:ドジャースがダルビッシュ獲得に動いたのはなぜ? 7月24日、MLBの公式サイトに、「ドジャース、ダルビッシュ獲得に強い関心」という衝撃的な見出しの記事が出た。それによるとド軍はダルを7月末トレードの第一目標に掲げ、GM同士がトレードに関する初期段階の話し合いまでしていたという。先発投手が7人いるド軍が、さらにダルまで獲得しようとしたのは、7人の先発投手のうち5人がサウスポーだからだ。右投手は防御率が平均レベルであるマッカーシーとマエケンの2人だけで、「右のエース」と呼べるレベルの投手を獲得できれば、ポストシーズンで優位に立てるという思惑があったからだ。 Q5:マエケンの、今後の目標は? 最初にクリアしたいのは、8月下旬にエースのカーショウが復帰しても、ローテにとどまることだ。現在、マエケンのチーム内ライバルは韓国人左腕の柳賢振(ユ・ヒョンジン)で、防御率と安定感はほぼ同レベルにある。ただ、マエケンはシーズン序盤のような一発を頻繁に食うことがなくなっているが、柳は相変わらず一発リスクが高い。それゆえ、マエケンは4.00前後の防御率をキープできれば、ローテに残ることになるだろう。 第2の目標はポストシーズンのメンバーに入ることだ。これはシーズン終盤にスランプに陥って、防御率が5点台に落ちない限り大丈夫だろう。 ポストシーズンのローテで1番手カーショウ、2番手ウッドは確実。この2人は左腕投手なので、3番手に右腕投手を起用して、4番手に左腕の技巧派ヒルを起用するだろう。 ドジャースがダルビッシュ獲得に動いたことは、球団が2人の右腕マッカーシーとマエケンをそう高く評価していないことを示すものだ。しかし、レンジャーズはダル放出を思いとどまる可能性が高く、もう1人の大物右腕ソニー・グレイ(アスレチックス)の獲得も実現は困難とみられている。 そのため3番手はマッカーシーかマエケンということになるが、現時点ではQSがマエケンよりずっと多いマッカーシーが使われる可能性が高い。ただ、防御率はマッカーシーが3.84であるのに対し、マエケンは4.09で大差はない。レギュラーシーズン終了時点で、マエケンが防御率を3点台半ばにできれば、先発3番手で使われる可能性が出てくる。スポーツジャーナリスト・友成那智(ともなり・なち)今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流。アメリカ野球に造詣が深く、現在は大リーグ関連の記事を各媒体に寄稿。日本人大リーガーにも愛読者が多い「メジャーリーグ選手名鑑2017」(廣済堂出版)が発売中。
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