大相撲名古屋場所が7月9日から、名古屋市の愛知県体育館で幕を開ける。
「貴景勝は高校相撲の名門・埼玉栄高出身。高校時代、世界ジュニア選手権の重量級で優勝し、卒業する半年前に貴乃花部屋に入門しました。すると、いきなり序ノ口、序二段で連続優勝するなど、15連勝して注目を集めた逸材です。今年の初場所に入幕を果たし、春場所、敢闘賞を受賞しました。阿武咲も、高校1年(青森・三本木農)で、国体優勝。プロに入るなら早い方がいいと中退して阿武松部屋に入門しています。師匠の阿武松親方(元関脇益荒雄)が、『アイツは全身がバネだ』と絶賛するようにスピードと瞬発力に優れ、わずか2年、史上10番目となる18歳5カ月の若さで十両に昇進。こちらも新入幕の先場所、敢闘賞に輝きました」(大相撲担当記者)
名古屋場所は貴景勝が西前頭筆頭、阿武咲が西前頭6枚目。番付が近い上、入門前の中学時代からしのぎを削ってきたライバルだ。名古屋入りすると、さっそく貴景勝が阿武松部屋に出稽古し、連日、3番稽古(同じ相手と何番もやる稽古)で火花を散らしていた。
「6月27日からの3日間だけで延べ80番はやっていましたよ。入幕が1場所早い貴景勝の方がわずかに分が良かったけど、阿武咲もツボにはまれば一気に押し出すなど、一歩も引けを取っていませんでした。次場所で貴景勝は、序盤から横綱、大関にぶつけられるのは必至。ここで跳ね返されたら普通の力士です。結果を出すか出さないかで、今後の力士生活が違ってくる。相手が誰だろうと全力勝負だ、と持ち前の負けん気をむき出しにしています。ダークホース的存在で、注目です」(部屋関係者)
幕内最年少、20歳と21歳の2人が名古屋場所の土俵を面白くするのは間違いない。