スポーツ
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スポーツ 2017年09月21日 16時00分
巨人は自滅! 金本阪神がFA補強でロッテ・涌井一本化
早くもトラの来季へ向けての動きがあった。オフの補強の目玉は、「巨人だけはNG」という千葉ロッテのエース・涌井秀章(31)だ。 東京遠征中だった8月下旬、金本知憲監督(49)が四藤慶一郎球団社長、高野栄一球団本部長など球団トップに呼び出されたのは、本誌既報通り。その席上で語られた主なテーマは、日本ハムからウエーバー公示された投手のメンドーサを獲るかどうかだった。しかし、この『夏の編成会議』は、来季のチームビジョンの骨格も決めていた。 「金本監督がトップ会談に臨んだのは8月25日。『夏の編成会議』です。昨夏を例に上げると、この席上で糸井嘉男のFA獲得が確認されています。現場とフロントで、戦力補強に関する双方の意見交換も行われ、今年はフロント側から『オフのFA補強は投手中心で行く』と伝えられました」(球界関係者) 今季の国内FA市場には、埼玉西武・牧田和久、北海道日本ハム・中田翔などのビッグネームも多い。ここに、涌井も「獲得可能」として急浮上していた。 今年、涌井は2度目のFA権を取得した。パ・リーグ最下位のロッテにとって、涌井は“唯一無二のローテーション投手”と言っても過言ではないが、FA権再取得に関する球団側の発言は微妙だった。 「彼の人生なのでしっかり選択してほしい一方で、今後もロッテで…」 これは、林信平球団本部長が各メディアに発したコメント。普通なら、「残留要請」が先に出るはずだが、「彼の人生」と“物分かりのいい選手寄り”の発言だ。 「1月25日、涌井は契約を更新しました。今季途中にFA権を再取得することは分かっていたわけで、メディアも他球団も交渉後の会見で騙されてしまいました」(ベテラン記者) 昨年の契約更改時、今季中にFA権を取得する有名選手に対し、各球団は複数年契約を提示していた。西武・秋山翔吾、オリックス・T-岡田などがそうで、涌井も「その流れ」に飲み込まれたと解釈されていた。しかし、そうではなかったのだ。会見で涌井は複数年契約について否定も肯定もしなかった。ならば、その年数を予想しようと各メディアはカマをかけたが、無視された。 その後、「3年契約、2年目のオフに更新するかどうかの権限は球団が持つ」という、もっともらしいデマが流され、それを他11球団も信じてしまったのだ。 「涌井の2億5000万円の年俸は高すぎです。涌井獲得に熱心だった伊東勤監督がいなくなり、信頼するトレーナーも'15年オフでロッテを退団しています」(スポーツ紙記者) 西武の牧田和久も国内FA権を今季途中に取得した1人だが、これは複数年提示を蹴っての単年契約。チームでは中継ぎだが、先発として責任イニングを投げ続ける力はWBCで証明済みだ。「牧田はメジャー志望があり、今オフは来年度の海外FA取得のために動かない」との見方も強いが、阪神は「33歳でメジャー挑戦はない」と見て狙ってる。 実績十分の涌井、牧田を獲得すれば、阪神が一気に優勝候補に躍り出る。投手中心の補強論には「打の主役」と目されていた中田翔の残留説が強まってきたことも影響しているのだろう。 「涌井は去就について“家族と相談”と言っています。モデルで妻の押切もえは、涌井がメジャーに行くと言えば付いていき、『国内』と決めれば、それに従うだけ。かといって、涌井は自分で決められない性格。西武時代、年俸調停を申し出るなど破天荒なところもあったが、結婚して夜遊びも卒業しています」(同) 仮に夫人次第ならば、巨人移籍は薄い。巨人には元カレ・野間口貴彦氏がいるからだ。現役は退いたものの、スカウトとして今も在籍しており、涌井も面白くないはず。 「巨人は今オフも、先発陣の補強をしなければなりません。3本柱の1人、マイコラスとの2年契約が切れ、本人はメジャー帰還の意志が強い。マイコラスが投げる試合は、ネット裏にメジャースカウトがウヨウヨしていました」(ベテラン記者) マイコラス喪失の際は、巨人もなりふり構わずのようだが、「投手補強」を決定させた阪神はブレない。この「ブレない」は、糸井とのFA交渉でも一発合意できたようにかなり効果的だ。涌井の眼に「巨人よりも阪神」と映るのは間違いない。 「10月6日、次回のプロ野球実行委員会で、山口俊投手の処分内容が再検討されます。『重すぎない』で反論を跳ね除けたものの、選手会は納得していません。その事務折衝役は阪神からNPBに出向しているスタッフです。まるで、阪神が巨人の尻拭いをしているようなもの」(前出・関係者) そうなれば、涌井の獲得交渉では、意地でも巨人には負けられなくなる。 金本監督も、フロントの提案であるアンダースローの牧田と涌井の縦ジマにはニンマリのようである。
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スポーツ 2017年09月21日 15時00分
4横綱“引退”平均年齢超え! 「半額返せ!」軽〜いチケットが秋風に舞う
「お目当て力士が誰もいない。チケット代を半額返せ!」の声が両国国技館に枯葉と共に渦巻いている。土俵は一横綱、一大関で寂しい限りだが、大関をひとりで支えているのが豪栄道だ。強い豪栄道をが帰ってきた。とは言っても上位陣がオール休場でのことだから、当然と言えば当然か。8月末に完売したチケットが秋風に舞うほど軽いと角界スズメは言う。 大相撲秋場所は終盤戦を迎えているが、初日から白鵬、稀勢の里、鶴竜の3横綱が休場したこともあって、まさにてんやわんやの戦国レースになっている。 「先場所は白鵬の最多勝記録の更新など、明るい記録が多かった。それが今場所は一転、負の連鎖で暗い記録ばかり。初日から3横綱が休場したのは昭和以降初めて。それに加えて高安、照ノ富士の2大関も休場し、こんなことも大正7年(1918年)夏場所以来、約1世紀ぶりのことです。6日目に照ノ富士が休場届を提出したとき、協会関係者は、『土俵上でお祓いでもしなければ』と真剣に話していました」(協会関係者) どうしてこんな事態になったのか。幕内力士の平均体重が163キロを超えるなど、力士たちの太りすぎや、地方巡業の増加などによるハードスケジュールなど、さまざまな原因が指摘された。 そこへ上位陣の高齢化が進み、誰がいつ引退してもおかしくない年代に差し掛かっていることも見逃せない要因だろう。初代若乃花以降、横綱の平均引退年齢は31歳。今の4横綱ともこの年代か、これを超えてしまっているのだ。 こんな、今にも崩れてしまいそうな大相撲の屋台骨を支えているのが、幕内で最も若い21歳の阿武咲を筆頭とする若手力士たちというのも、皮肉と言えば皮肉な話だ。 5日目に横綱日馬富士を破り、初金星を上げた阿武咲は、青森県仲泊町出身。同町出身の宝富士に憧れ、相撲をはじめたのは5歳のとき。三本木農高1年で国体少年個人の部で優勝し、中退して阿武松部屋に入門した。2年後、18歳5カ月という昭和以降10番目の若さで十両に昇進。一度は幕下に落ちたものの、そこから巻き返し、今場所が入幕3場所目。十両に昇進したとき、師匠の阿武松親方(元関脇益荒雄)に、こんなことを言われたという。 「相撲界でもっとも稽古する力士になれ」 この言葉を胸に刻み、精進を重ねたことが、今の活躍のもとになっている。 「たとえ3横綱が出場していても、この若手の活躍は止められなかったでしょう」 終盤連敗したとはいえ、阿武咲が土俵に上がると館内は大歓声に沸く! 5日目の土俵を観戦した横審の北村正任委員長(毎日新聞名誉顧問)も「家貧しくして孝子顕る」と絶賛していた。果たして彼らが終盤の土俵をどこまでかき乱すか。
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スポーツ 2017年09月21日 12時37分
申告敬遠にイチローが憤慨 さらなる新ルール導入論で野球が面白くなくなる?
イチロー(43=マイアミ・マーリンズ)は饒舌な選手ではない。マスコミに対し、リップサービスはしてくれない。独特な言い回しもあり、どちらかといえば“記者泣かせ”な選手だ。しかし、そんなイチローがストレートな物言いをしたとき、強いインパクトを残す。9月18日のニューヨーク・メッツ戦後、イチローは『新ルール』に噛み付いた。 「面白くない、ダメだね!」 同日の3回裏、二死二塁の場面でイチローが打席を向かうと、メッツのテリー・コリンズ監督が球審にシグナルを送った。今シーズンから採用された「敬遠の申告制」である。守備側の監督が意思表示すれば、ピッチャーは1球も投げずにバッターがそのまま一塁へ歩かなければならない。 イチローが一塁に向かう際、球場からブーイングが起こった。勝負を避けたメッツ陣営に対してではなく、機械的な場面変更にシラケてしまったからだという。 この『新ルール』を実体験したイチローは、記者団の質問を途中で遮って、さらにこうまくし立てたそうだ。 「敬遠球を打つとか、暴投が? それだけじゃない。空気感があるでしょ、その4球の間の。面白くないですよね」 敬遠の申告制が採用された理由は、試合時間の短縮。だが、敬遠球を打ち返すハプニングも野球の面白さである。それは、日本球界でも起きている。1999年6月、新庄剛志(阪神)が敬遠球をサヨナラ打に変えたドラマは、今も語り草になっている。新ルール導入が発表された今年3月時点で、「野球のドラマ性が失われる」との批判も聞かれたが、大リーグ機構(MLB)と同選手会は「敬遠が起きる割合は、2・6試合に1回。影響はない」と説明していた。 メジャーリーグが採用すると、翌年、日本球界もそれを導入――。昨季、12球団を混乱させたコリジョンルールがそうだった。日本に「敬遠の申告制」が導入されるのを危惧する声は尽きないが、イチローを始めとする日本人メジャーリーガーたちは、もっと“奇妙な体験”をすることになりそうだ。 「来シーズンはもっと大きなルール変更がされそうです。MLBのコミッショナー、ロブ・マンフレッド氏は改正された労使協定を根拠とし、『たとえ選手会の賛成が得られない場合でも、自分の権限でルール変更できる旨』を主張していますので」(米国人ライター) 米メディアは新たな『ルール変更』を予想する特集も組んでいた。「マイナーリーグで試験的に導入し、その反応を確かめてからになるだろう」と前置きしていたが、一例が「投球間の秒数計測(20秒以内)を徹底させるか、短縮させ、同時にサイン交換で投手がプレートを外すのを辞めさせる」「試合中、首脳陣がマウンドを訪れる回数の制限」「ストライクゾーンの拡大」など。もっとも可能性が高いとしているのが、『タイブレーク制の導入』だった。「延長戦に突入したら、いきなり二塁に走者を置いた場面から攻撃が始まる」と予想されていた。 「MLBがルール変更を急ぐ理由は試合時間の短縮のためですが、なぜ、試合時間を短縮させたいかといえば、テレビ中継の影響です」(米国人ライター) 野球の国際試合や日本の社会人野球、秋の明治神宮大会などでは、すでにタイブレーク制が行われている。こちらがタイブレーク制を採用していく理由は、大会期間内に予定試合数を全て消化させるため。時間短縮とはちょっと意味合いが違うが、奇しくも、日本高野連は来春のセンバツ大会から“タイブレーク制の新ルール採用”を決定させた。イチローが申告制の敬遠を受けたのが日本時間の19日。同日、高野連はその決議を取る理事会を開いたのだ。高校野球関係者によれば、「来年夏の甲子園大会でも採用される方向」とのことだ。今後、「好投手同士の投げ合い」といったドラマは見られなくなるだろう。 「延長戦がタイブレーク制となれば、投手の精神的疲労度はさらに高まります。後攻チームの攻撃場面では、1点を失えばその時点でサヨナラ負け。投手は牽制球を多めに投げ、かつ内野手もスクイズに備えるため、サインを交換する時間が長くなってしまう」(プロ野球解説者) 急速な変化は好ましくない。野球の面白みを奪った新ルールに対するイチローの怒りが、日本の野球関係者に届けばいいのだが…。
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スポーツ 2017年09月21日 12時00分
<オリックス>続投発表の福良監督、“苦手”楽天相手に打ち守り勝つ!
▽20日 オリックス 8-4 楽天(Koboパーク宮城)オリックス7勝15敗 観衆 22,907人 試合前に福良淳一監督の続投が球団から正式発表されたオリックス。楽天との今季最後の仙台2連戦は、試合開始直前に降り出した雨の影響で、試合開始時間を30分遅らせて行われた。 オリックスは序盤から楽天の高卒ルーキーで先発の藤平を攻めあぐねていたが、3回に安達が先制タイムリーを放つと、5回も死球で出塁した大城の好走塁もあり、安達のタイムリー、駿太のライト線を破るタイムリースリーベースで2点を追加する。6回には楽天のエラーからさらに1点。7回にはこの回から変わった西宮からロメロが第24号3ラン、8回にはマレーロの第17号ソロで7点差に突き放す。 投げては先発したエース金子千尋が、5回と7回以外は毎回ランナーを背負い、6回にはペゲーロに第26号ソロを浴びたものの、7回を127球、6安打、7奪三振の好投。後を継いだ近藤と平野が楽天打線の一発攻勢にやられたが、オリックスが4点差を守り抜き、福良監督続投発表のニュースに花を添えた。金子はチームトップの12勝(7敗)。■福良淳一監督 一問一答ーーきょうは打線が良かったが?「そうですね。先制できたのが良かった」ーー途中で足を使う場面もあったが?「うん。大城と安達、駿太。あそこら辺がそういうのを出してますよね」ーー金子は?「まあ要所は締めてたんじゃないですか。良かったんじゃないですかね」ーーバックの守りもかなり良かったのでは?「そうですね。大城にしても、安達にしても助けられましたね」ーー(楽天打線の)最後が怖いですね。「怖い。それはありますね」ーー7点リードがある中で、近藤と平野を使ったのは怖さがあったから?「8回は近藤で締めてもらおうかなと思ってたんですけどね。その後、また9回を考えようと思ったんですけど、あそこは平野に行ってもらいました。まあ金子はよく投げたと思います」ーー終盤のロメロの一発は大きかったのでは?「大きいですね。ロメロ、マレーロ。あそこで一発打ってくれてね。ロメロはこれで良くなることを期待してます(笑)」ーー大城、駿太と続投会見の時に話していた若手が頑張っていたが?「ここから続けていかないとですね。そんなとこやないですか。はい」■選手談話金子千尋投手※先発7回を6安打、1失点の内容「回の先頭バッターを出すと、どうしても守備の時間が長くなりますので、リズムも悪くなってしまいます。そういう中でも、ランナーを出してからは粘り強く投げられたと思いますし、中盤まで0で抑えられたことはよかったと思います。ただ、6回に打たれたHRは悔しいです」安達了一選手※3回1死3塁からレフトへ先制タイムリーヒット「いいところに飛んでくれました!とにかくなんとかしたいと思っていましたので、タイムリーになってくれてよかったです!」※5回2死2塁からライトへタイムリーヒット「追い込まれていましたし、バットに当てたらなんとかなると思って、気持ちで打ちました!いいところに落ちてくれてよかったです!」駿太選手※5回2死1塁からライト線を破るタイムリースリーベースヒット「ランナーが1塁だったので、強い打球で野手の間を抜いて、なんとかいい形で後ろにつなぐことを考えていました!打ててよかったです!」ステフェン・ロメロ選手※7回2死1、2塁からレフトスタンドに飛び込む24号3ランホームラン「打ったのはストレート。打席の中で最初はストレートに合わなかったけど、少しずつ修正して、最後はしっかりと合わせることができたよ!」取材・文・写真/どら増田(オリックス番ライター)
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スポーツ 2017年09月20日 16時00分
熱き侍たちが躍動!! メジャーリーグ Times ロッテ・涌井秀章 メジャー挑戦を決断か?
9月初旬、涌井秀章がロッテに移籍後、出場選手登録が通算4年に達し、2度目のFA資格を取得した。これにより涌井は、念願のメジャー移籍が可能になった。本人は明言を避けているが、やる気満々で、大谷翔平との投げ合いになった9月2日の日ハム戦では、メジャー球団のスカウトたちが大谷の視察に来ていることを意識して、多彩な変化球で凡打の山を築くピッチングを披露。完封勝利を飾り、実力をアピールした。 とはいえ涌井は今季安定感を欠き、9月8日時点の成績は5勝9敗で、8月末までは防御率がずっと4点台だった。キャリアを見ても実力がピークだったのは西武のエースだった2008年頃だ。その後は別人のように制球力が落ち、'12年と'13年は主にリリーフで投げた。その後ロッテに移籍して先発で蘇ったが、沢村賞を争うレベルの投手に戻ったわけではなく、現在は「3点台中頃の防御率は期待できる、故障しないのが取り柄のベテラン先発投手」といったところだ。 涌井は以前からメジャー志向が強く、昨年のオフ、ロッテ球団と新たに総額7億5000万円(年俸2億5000万円)の3年契約を交わした時も、本人が希望すれば途中で契約を解除できる条項を入れていた。今オフ、メジャーに挑戦する上で契約上の障害はない。 涌井がメジャーに移籍する場合、プラスになると思われる要素は次の5点だ。 ●球種がたくさんあり、どのカウントでもすべての球種でストライクを取れる。 ●体が丈夫で故障リスクが低い。スタミナもあり、ゲーム後半になっても球威が落ちない。 ●先発、リリーフ、どちらでも使うことが可能。 ●牽制テクニックと守備力が高い。 ●典型的な打たせて取るタイプで制球力もあるため、先発の4、5番手で使えば、4.00前後の防御率と、二けたの勝ち星を期待できる“イニングイーター”になる可能性がある。 “イニングイーター”というのは、驚くような好投はしないが、大崩れすることもなく、登板するたびに5回ないし6回まで、2、3失点に抑えてくれる計算できる先発投手のことだ。 逆にメジャーに移籍する際、マイナスに作用すると思われるのは以下の点だ。 ●「強力な武器」といえるレベルの球種がない。特に右打者を封じる球種がない。 ●速球の威力に欠ける。フォーシームはスピードがいまいちで、一発リスクが高い。ツーシーム(シュート)は失投が多い。 ●狙って三振を取れる球種がないため、打者を追い込んでもファウルで逃げられ球数が増える可能性が高い。 ●ピークが8年前で、その頃の実力はない上、来年32歳でメジャーチャレンジの適齢期をすぎている。そのため高い評価を得られない可能性がある。 メジャー球団はこうしたプラス要素とマイナス要素をシビアに検討して、獲得するかどうか判断することになるが、メジャー契約で獲得に乗り出す球団はあるのだろうか?■候補球団 涌井は今季不振な上、年齢的なハンデもある。だが、メジャー30球団の中には、ローテーションが崩壊状態で、リリーフにも人材を欠くチームがいくつもある。その代表格は、オリオールズ、レンジャーズ、マーリンズ、ジャイアンツ、アスレチックス、レッズ、タイガースあたりだ。 これらの球団は先発で使ってみて、ダメならリリーフで活用すればいい、というスタンスで涌井に興味を示す可能性が高い。また、マリナーズ、ロイヤルズ、エンジェルス、ブルージェイズなども、先発投手のコマが足りないので、5番手候補の1人として涌井獲得を検討する可能性がある。■契約規模 涌井は'09年の沢村賞投手だが、ダルビッシュ有や田中将大のように名刺代わりになる必殺変化球もない。メジャー球団が魅力を感じる要素はそう多くないので、高い評価を得にくいのは事実だ。そのため、先発の2、3番手で使える投手と見て3年3000万ドル(33億円)規模の契約をオファーしてくる球団はないだろう。 しかし、先発の4、5番手候補、スイングマン(先発でもリリーフでも使える投手)候補としてメジャー契約をオファーしてくる球団はあるはずだ。その場合は2年400〜600万ドル程度の契約規模になるだろう。日本人投手はメジャーに来ると必ず故障するという認識が広まっているので、基本部分を2年300万ドル程度にして、出来高部分を大きくする契約になる可能性もある。 メジャーにチャレンジした日本人投手で、日本での最後の年の成績が涌井より悪いのは'96年オフに1年57万ドルのメジャー契約でエンジェルスに入団した長谷川滋利だけで、マイナー契約でメッツに入団した高橋尚成や、1年150万ドルでアスレチックスに入団した藪恵壹も、最後の年の防御率は涌井よりよかった。 しかし、涌井は9月2日のゲームで、メジャー球団のスカウトたちの前で、目を見張るピッチングを見せている。昨年はエース級の活躍を見せた実績もあるので、マイナー契約になることはないだろう。スポーツジャーナリスト・友成那智(ともなり・なち)今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流。アメリカ野球に造詣が深く、現在は大リーグ関連の記事を各媒体に寄稿。日本人大リーガーにも愛読者が多い「メジャーリーグ選手名鑑2017」(廣済堂出版)が発売中。
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スポーツ 2017年09月19日 10時00分
“両国国技館の変” 3横綱に続き目玉力士・高安、宇良も休場で協会首脳は顔面蒼白
“両国国技館の変”と呼ばれている。大相撲秋場所が9月10日から東京・両国国技館で始まったが、この秋場所が大荒れだ。4横綱のうち、白鵬(32)、稀勢の里(31)、鶴竜(32)の3人が初日から休場し、注目の高安や宇良までもが4日目から休場してしまった。ましてや、一人横綱の日馬富士が3日目に敗れてなんと横綱大関陣で白星が3つ並ぶ力士がいないという前代未聞の事態になってしまったのだ。こんなことは昭和以降初めてのことで、協会首脳は顔面蒼白だ。 8月初めに売り出された15日間の前売り券がわずか50分で売り切れるなど、相変わらず相撲人気は絶好調なのだが、問題は上位陣の高齢化で、世代交代の波がヒシヒシと迫っている。 「ただ1人出場した日馬富士(33)を含めて4人の横綱全員が30代。いつ、誰が引退してもおかしくない年齢で、いずれこういう時がくることは分かっていたけど、まさか、こんな急にやってくるとは…。これが角界首脳の正直な気持ちじゃないでしょうか。これまで彼らにおんぶに抱っこだった大相撲界は、これからどうやって新しい目玉を作って立て直すのか。尻に火がついてしまいました」(協会関係者) とはいえ、総倒れに近い横綱たちも、むざむざその座を明け渡す気はない。今回の休場騒動でも、ギリギリまで時代の流れに抵抗するように出場を模索したのは、今年の夏、名古屋と2連覇し、大台の40回優勝にあと「1」と迫っていた白鵬だった。故障が癒えない稀勢の里、鶴竜が初日の3日前に休場を表明したのに対し、白鵬はそこからさらに1日結論を出すのを伸ばし、ようやく初日2日前に休場を決断した。 「横綱は最後まで出たい気持ちはあったけど、どうしても(名古屋場所前から違和感があった)左ひざが治らなかった。炎症がひどい。長く曲げていることもできない状態で、無理して取っても変な相撲になり、まわりに迷惑をかけるだけですから」 白鵬の胸中を師匠の宮城野親方(元幕内竹葉山)が代弁した。効果的な治療法は見当たらず、今はただ、じっとしているしかないそうだ。全治は3、4週間と言われているが、完治する保証はどこにもない。 唯一出場する頼みの綱の日馬富士だが、こちらも両ひじの炎症がひどく、痛み止めが手放せない状態だ。今場所後、4横綱全員がいなくなる日が来るのも、そう遠くないかもしれない。 しかし、そのおかげで、今場所の優勝争いは混沌となった。「どんぐりの背比べで、かえって面白い」という声も上がっている。 まさに“両国国技館の変”だ! いま、角界に冷たい秋風が吹いている。
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スポーツ 2017年09月18日 17時20分
優勝でトラブル浮上 ソフトと広島は美酒に酔えない?
福岡ソフトバンクホークスが2年ぶりの優勝を決めた(9月16日)。56年ぶりのセパ同時優勝とはいかなかったが、広島のマジックナンバーは「1」(同時点)。胴上げは時間の問題である。そんな両優勝チームが新たな難題に直面していた。「ホークスは優勝を決めても、翌日はベストメンバーで臨みました。柳田は一塁まで全力疾走でしたし、他選手も全く手を抜きません」(スポーツ紙記者) 17日の試合開始は、午後1時。前夜は『ビールかけ』や祝勝会で盛り上がっていたはずだが、普段通り、試合に臨んだ。一般論として、何人かの主力選手を外し、若手に出場機会を与えることもできた。ホークスが手抜きをしなかった理由が“厄介”なのだ。「クライマックスシリーズ(以下=CS)ですよ。優勝した翌日くらいは休ませてやりたいところですが、選手は実戦感覚がなくなるのを恐れ、ビールかけも自重していました。ビールをかけても、飲まないようにして」(前出・同) ホークスはCSに苦手意識も持っている。同制度が始まったのは2004年。ペナントレースの優勝チームはダイエーホークスだったが、日本シリーズ進出を果たしたのは、2位・西武。翌05年もソフトバンクホークスがペナント覇者となったが、千葉ロッテに敗れ、10年も3位だった千葉ロッテの下克上に見舞われた。下克上はCSの醍醐味でもあるが、この苦い経験が「ペナントレースの優勝がゴールではない」と、ホークスナインに思わせている。首脳陣、球団スタッフもそう捉えているそうだ。「工藤(公康=54)監督は警戒心を強めています。投打ともに12球団最強の戦力を与えられており、昨季は『この戦力で負けたのか?』との酷評も受けました。CSで2位以下のチームにひっくり返されるようなことになれば、一大事です」(球界関係者) 全日程が終了するまで“手抜きナシ”は、ファンも歓迎だろう。しかし、こんな見方もある。「シーズン最多セーブ記録を更新中のサフエテは、明らかに登板過多。現在の51セーブの記録にばかり目が行ってしまうが(同時点)、彼は3年連続セーブ王で、ホークスに移籍してきた14年以降、毎年60試合以上に登板しています。今年もすでに63試合に登板している。優勝しても休めないとなれば、万全でCS、日本シリーズに臨めないかも」(プロ野球解説者) 今季、正捕手の座を掴んだ甲斐拓也(24)も、1年を通じて一軍登録されたのは初めてとなる。救援陣の岩嵜、モイネロ、森、嘉弥真らも疲れていないといえば嘘になるだろう。 広島についても、CSに関する問題を抱えていた。 マツダスタジアムで開催されるCS・ファイナルステージのチケットの販売方法が“変則”となる。9月12日、広島は球団HPで「抽選販売をさせていただく予定です」と発表した。広島人気は全国区となった。混乱が予想されており、同時に、一部の心ないファンによる買い占めも指摘されている。「対戦チームの主催ゲームでも、広島戦のチケットは完売です。広島ファンはカープ側の席が取れず、対戦チーム側のチケットを買っています。でも、席には座らず、広島側に移動して立ち見をしているとの“苦情”も出ています」(前出・球界関係者) CS・ファイナルステージは本拠地・マツダスタジアムで行われる。対戦チームのファンがチケットを購入できる可能性は極めて低い。しかし、「両チームのファンに平等に購入のチャンスを」の声は正論であり、“球場におけるエチケット違反”に関する苦情も、他球団から寄せられている。広島球団が異例の抽選販売を決めたのはその影響だが、今も詳細は「後日改めて発表」のままなのは、改善策が見つからないからだろう。 これでは、広島も勝利の美酒には酔えない。 ちなみに、ビールかけにはそれ相応のおカネが掛かる。30分以上やるとなれば、2000本以上を用意しなければならない。「20本1ケース」で6000円以上だから、単純計算で60万円強。本拠地球場であれば会場の確保も簡単だが、遠征中の優勝となれば、ホテルや同駐車場などを借りる「会場代」が掛かり、ここに「ビールをこぼす条件」として、特設シートを敷くための代金や人件費も掛かる。また、終了後にベタつくこともあるので、清掃代も請求されるそうだ。数年前、某在京球団が遠征先でビールかけを行った際、「150万円以上が一瞬で“泡”になった。本拠地での優勝なら3分の2以下で済んだのに」と愚痴っていたが…。 地元優勝を強く願っていたのは、広島のファンだけではないようだ。
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スポーツ 2017年09月17日 15時00分
プロレス解体新書 ROUND63 〈新日と極真の全面戦争〉 猪木に挑んだ“熊殺し”のド迫力
ボクシングと総合格闘技、互いの看板を懸けて行われたフロイド・メイウェザーとコナー・マクレガーの試合は、各方面で大きな話題を呼んだが、かつては日本でも歴史的な闘いが行われていた。プロレスと空手、どちらが強いのか!? アントニオ猪木とウィリー・ウィリアムスの異種格闘技戦である。 昭和プロレスの立役者の1人として、忘れてはならないのが漫画原作者の梶原一騎だ。アブドーラ・ザ・ブッチャー引き抜きでの暗躍や猪木監禁事件などから、悪印象を持たれることも多い梶原だが、プロレスブームに多大な貢献をしたことは決して否定できない。 梶原がいなければ『タイガーマスク』や『プロレススーパースター列伝』もなかったわけで、事実、これらの作品は新たな少年ファン層を開拓し、実際のマット界にも大きな影響を及ぼしている。 「レスラーの出自や必殺技の完成秘話など、『列伝』で描かれたエピソードの多くが、実際は梶原の創作であったことは、のちにモデルのレスラーたちも証言していることです。しかし、劇画化されたことでレスラー像が具体的になり、それがさらなるプロレス人気につながりました」(プロレスライター) 虚実を織り交ぜながらドラマチックに演出するという梶原の手法は、プロレスの世界観にピッタリとマッチしたのだ。 そんな“梶原劇場”のプロレス界における最高傑作とも言えそうなのが、1980年2月27日、蔵前国技館で行われたアントニオ猪木vsウィリー・ウィリアムスの一戦だ。 “現実のマット界との同時進行ドキュメント”として、'78年から少年マガジン誌上で連載された梶原原作の劇画『四角いジャングル』は、最初こそアメリカの新格闘技「マーシャルアーツ」を取り上げ、WKA(世界キックボクシング協会)ライト級王者のベニー・ユキーデを主役扱いしていたものの、徐々に猪木の格闘技世界一決定戦を軸にしたストーリーへと変更されていった。 「当初はユキーデと、黒崎健時門下でムエタイ史上初の外国人王者となった藤原敏男との試合をクライマックスに仕立てようとの心積もりだったが、ユキーデ側が固辞したために頓挫。そこで改めて主役に抜擢されたのが極真会館のウィリーでした」(同) やはり梶原原作の劇画『空手バカ一代』において“地上最強のカラテ”と盛り立ててきた極真のウィリーと、モハメド・アリ戦を境に格闘技世界一を名乗ってきた猪木。空手とプロレスという互いの看板を懸けた、まさに世紀の一戦である。 しかし、その実現には問題も多々あった。 「梶原にしてみれば、どちらが勝とうが劇画のネタになります。猪木にしてもアリ戦実現の際に抱えた借金返済のため、テレビ放映権料と興行収入で稼ぐことが最優先で、勝ち負けは二の次というところはあったでしょう。しかし、難しいのは極真側で、代表選手として送り出したウィリーがまさか惨敗ということにもなれば、それまで築き上げてきた“最強”のイメージダウンは甚だしく、各支部道場の経営にまで支障を来すことにもなりかねない」(新日関係者) 極真会館の大山倍達総裁が、門下生の他流試合禁止を理由として猪木戦の前にウィリーを破門にしたのも、そうした裏事情があってのことだったのか…。 「また、いくら梶原と極真との間に深い関係があったとはいえ、その看板を我が物顔で使うことを面白く思わない関係者はたくさんいました。さらには新日の興行として開催され、極真本部には金銭的な見返りがなかったことも不満材料となったでしょう」(同) そのため、大山総裁自らが「試合までに猪木を手始めに関係者たちを殺してしまえ」と、殺害指令を飛ばしたとの物騒な噂まで流れた。 プロレスと空手、それぞれのプライドを懸けた一戦は、双方のファンのみならずリングサイドのセコンド陣までもが殺気立ち、怒号が飛び交う中でゴングが鳴らされた。 「試合については後年になって『2R両者リングアウトからの延長も、4R引き分けも事前に決まっていた』などと言われましたが、当時はそんなことなど微塵も感じさせない緊張感に満ちていました」(プロレス記者) たとえ仕組まれた筋書きがあったとしても、一つ間違いが起きれば命の保障はない。実際、取り決めなど知らぬセコンドの極真勢は、場外でウィリーに腕ひしぎ逆十字固めを決める猪木に殺到し、新日側も応戦したことで大乱闘にまで発展することとなった。 おおよその筋書きがありながらも、どんな結末が待ち受けるかは誰も分からない――。そんなある意味、真剣勝負以上に危険な試合を実現させたのは、猪木と梶原、それぞれの覚悟と胆力があってのことだったに違いない。 ちなみにこの試合はテレビ中継の関係上、メインイベントではなく、大乱闘後の騒然とした会場を締めくくったのは、山本小鉄&星野勘太郎のヤマハブラザースであった。
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スポーツ 2017年09月16日 17時00分
高橋監督の来季続投決定に「本当ですか」の声
9月13日、オーナー会議が開かれた。その帰り際、巨人の老川祥一オーナーは記者団に囲まれ、高橋由伸監督(42)の続投を明言した。「すでに決まっている話」。同オーナーは強い口調で言い切った。さらに記者団を振り払うように「何か変更があるとか、そういうことは全くない!」とまで言い放った。 就任2年目の今季は球団ワーストの13連敗も喫した。その後反撃に転じ、クライマックスシリーズ進出を争うまで持ち直している。3年契約の途中であり、普通に考えれば『続投』だろう。また、ドロ沼の連敗中も複数の球団幹部が「辞めさせない」と言っていた。記者団が執拗に続投を確認した理由は、いくつかある。まず、来季のチーム構想だ。「広島、DeNAは生え抜きの野手がチームの主軸に成長しましたが、巨人は阿部、村田、長野、マギー。年齢的に上積みは期待できません。坂本もこの12月で29歳になります」(スポーツ紙記者) 一軍戦力となったニューフェイスは、捕手の宇佐見真吾と新人投手・畠世周くらい。期待の岡本和真は一軍定着すら果たしていない。ドラフト会議で即戦力投手の指名に失敗すれば、また外部補強ということになるだろう。昨年オフの大型補強にファンは否定的だった。それでも優勝できなかったのだから、来季は深刻なファン離れ(観客動員数の減少)も起こるかもしれない。『高橋体制』では未来が見えて来ないのだ。 プロ野球解説者が監督の契約任期について、こう指摘する。「監督の契約年数なんて、あってないようなもの。事実、楽天の梨田監督も来年まで契約が残っているのに、三木谷オーナー、星野副会長が『まだ決める時期ではない』と“含みのある言い方”をするようになりました。独走態勢だった前半戦は名将と褒め称えられていたのに…。オリックスの福良監督、DeNAのラミレス監督は続投の確約をもらっていません」「契約任期の途中」でも、成績が悪ければ解任。勝負の世界である以上、仕方ないことでもあるが、老川オーナーが執拗に囲まれたのは、前例があるからだという。近年の巨人には“途中解任”となったケースも少なくない。 前任の原辰徳監督も「途中解任」の屈辱を経験している。 第一次政権でのことだ。就任1年目で優勝、日本一を果たしたが、翌年は3位。3年契約でありながら、「人事異動」のひと言で、事実上のクビとなった。そのあとを引き継いだ堀内恒夫監督も3年契約だったが、2年目のオフでユニフォームを脱いだ。第一次・原−堀内−第二次・原、前任者2人が途中解任の憂き目にあったため、「高橋監督も例外ではない」という見方もされていたのだ。「20代で主軸となる野手がまず出て来ないことには、来季も厳しい戦いになるでしょう。若手を我慢してでも起用するとなればいいんですが、巨人は優勝を義務づけられたチームですからね。勝敗にこだわれば、当然、安定感のあるベテランを使いたくなる。若手を使って活躍すればチームの起爆剤になりますが、失敗したときのリスクは計り知れない」(前出・同) 高橋監督の人柄を物語るエピソードが聞かれた。元選手によれば、現役当時は若手を食事に誘い出すことも多かったという。「飲食店に入って、メニューを見ますよね。必ず口にするのは、『あっ、ちょっと待って』のセリフ。2、3分、メニューとにらめっこをして、最後は『みんなに任せるから』と言うんです。優しい先輩でしたが、優柔不断なところもあって…」 また、自主トレ期間中、大学の後輩にあたる阪神・伊藤隼太も『選手・高橋』を慕って帯同してきた。シーズン中はライバル同士になるのだが、『選手・高橋』は他の巨人選手が心配するくらい、アドバイスを送っていた。 こうした人柄に惹かれた巨人選手も多いという。巨人は2014年以降、優勝から遠ざかっている。同年はクライマックスシリーズで阪神に敗れる屈辱にも見舞われており、読売グループは「12年のシリーズ制覇」をチーム再建のゴールと捉えているそうだ。 優柔不断な高橋監督の背中を押せる参謀も必要だ。フロントも若手育成のための猶予期間を保証してやるべきだろう。
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スポーツ 2017年09月14日 15時00分
阪神・金本監督が清宮、安田、中村のドラ1指名で球団と対立
清宮、中村、安田の指名から下りる? アニキはささやかな“反逆”に出た。 9月1日の中日戦、金本知憲監督(49)は新人の大山悠輔(22)を『4番・一塁』でスタメン起用した。トラ史上、新人が4番を務めるのは53年ぶり。翌2日は試合を決める一発を放ち、「新人4番の本塁打」は'92年7月の元広島・町田公二郎以来、25年ぶり。阪神では2リーグ制以降初の快挙だ。期待に応えた大山は凄いが、ポイントは、ロジャースがスタメンから外されたこと。フロントが陣頭指揮を執って途中獲得した“助っ人”だ。 「大山が金本監督たってのお願いで1位指名された経緯は繰り返すまでもありません。素材としては一級品でも、1位指名しなくてもよかった大山の指名を繰り上げたことで、即戦力投手の補強ができなくなりました。その大山は、春先は変化球に対応できなかったのが、今は全然違う。4番で結果を出したことは、金本監督からすれば、『オレの眼に狂いはなかった』という自己主張そのものです」(球団関係者) 要するに、昨秋のドラフト会議では即戦力投手の獲得論を推すフロントが折れた。7月のジェイソン・ロジャースの緊急補強では「若手のチャンスが減ってしまう」とこぼしていた金本監督のほうが、持論を引っ込めたというわけだ。 ロジャースの勢いが止まり、大山がチームを勝利に導いた。この“金本采配”が、若き怪物たちの運命を決める今秋のドラフト会議にも影響してきそうだ。 「早実・清宮幸太郎、広陵・中村奨成、履正社・安田尚憲、横浜・増田珠…。清宮がプロ入りを正式に表明すれば、中村、安田を合わせた3人とも競合・抽選になるのは必至です。今年は社会人野球に好投手が多いので、あえて清宮たちを見送り、即戦力投手を一本釣りする方法もあります。阪神がピッチャーに切り換えたとの情報も錯綜しています」(同) 特に、JR東日本の好左腕・田嶋大樹(20)は高い評価を受けている。阪神フロントにすれば、藤浪晋太郎、岩貞祐太が不振に陥っただけに、「堅実に即戦力投手を!」と思うのは当然のこと。 「'05年以降、リーグ優勝から遠ざかっています。これ以上は、営業的に危険との声も出ている」(在阪記者) 金本監督は甲子園のライトスタンドからブーイングが起こる危機意識は常に持っているものの、「即戦力投手の獲得」には難色を示している。ロジャース獲得の時は折れた。今度は、フロントと金本監督のどちらが折れるのか…。去る8月25日深夜、宿敵巨人との3連戦初戦を終えた金本監督は、四藤慶一郎球団社長に呼び出されている。 「高野栄一球団本部長も同席していました。宿舎ホテルでの緊急会合で、名目は拡大編成会議でした」(同) フロント側が切り出したのは、ウェーバー公示が確実となった日本ハムのルイス・メンドーサを獲るか否かだった。8月10日の巨人戦で、勝ち頭のメッセンジャーを骨折で欠いている。 トレード、補強は7月末までだが、在籍球団が支配権を放棄するウェーバー公示なら、話は別。クライマックスシリーズを勝ち上がるため、獲得で合致したが、同日に金本監督はスカウト会議でまとめられた中間報告も聞かされている。 直近のスカウト会議は14日だった。 「U-18大会(カナダ)は複数体制でスカウトが現地入りすることが確認されました。進路不透明な清宮は1位候補のまま継続調査。あと、広陵の中村を大絶賛していました」(在阪記者) 昨年最後の東京遠征で、金本監督はやはり四藤社長らと“会食”している。その席で、田中正義(現ソフトバンク)、佐々木千隼(現ロッテ)の即戦力投手獲得論を聞かされていた。ドラフト前夜、金本監督の希望で大山指名に一変した経緯、ロジャース獲得で意見が衝突したことも考えると、両者は“大人の関係”をギリギリ維持している。 「去年8月の拡大会議で、金本監督から糸井嘉男獲得をお願いされました。この時期の拡大会議で現場とフロントが会うことは非常に重要な意味を持ちます。今年、国内FA権を取得した日ハムの中田翔がどうなるのかも確認されました」(同) 中田のFA宣言が現実となれば、ロジャース、大山、原口文仁が一塁の守備位置で重複。ここに清宮が入れば“玉突き事故”は他ポジションにも飛び火する。 「広陵の中村はメジャースカウトも認めていました。あれだけ打てる捕手はアメリカにもいない、と。高卒捕手はプロで覚えることが多いので時間が掛かります。一昨年は金本監督の就任、昨年は糸井獲得。オフの話題をそのままシーズンに持ち込み営業収支を上げた阪神にすれば、オフの話題作りは必須です」(取材記者) スター性を秘めた高校生野手がこれだけ揃う年は滅多にない。12年以上優勝から遠ざかるのは確かに危険だが、金本監督は就任時、生え抜きの長距離砲を育てるとファンに約束した。 これ以上フロントと衝突してでも、「清宮、安田、中村が欲しい」の意見を押し通せるか。ちなみに、清宮は阪神ファンだ。
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