スポーツ
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スポーツ 2017年08月08日 16時00分
史上初! 全12球団競合もあり得る「清宮幸太郎」ドラフト“怪物獲り”狂騒曲
清宮幸太郎の史上初ドラフト12球団の全1位入札もあり得る。日本プロ野球のドラフト会議における最多球団指名競合選手は、1989年の野茂英雄(新日鉄堺)と、1990年の小池秀郎(亜細亜大)の8球団指名があるが、全12球団が指名というのは未だかつてない。 西東京大会で“怪物”早稲田実業・清宮幸太郎の短い夏が終わった――。7月30日、高校野球の地区予選では異例となる“決勝戦の前売り”も行われ、満員のスタンドは怪物の打席に見入っていた。 打率5割、4本塁打を放ち、改めて周囲にスターであることを証明した怪物は、9月1日から始まるU-18ワールドカップメンバーに招集される予定だ。そこで本塁打の記録更新となりそうだが、公式戦終了後、“NGワード”が解禁された。 「詳細は聞けませんでしたが、進路に関する質問が許されたのです。『考えていない』と答えましたが、大会中『本人が迷っている』との情報も流れていた」(球界関係者) 同大会準々決勝、日本学園戦のネット裏では、11球団が複数体制で怪物を視察していた。驚いたのは、ヤクルトの衣笠剛球団社長兼オーナー代行の姿もあったことだ。球団社長自ら地方大会に足を運ぶのは超異例。同社長は「(清宮指名を)ウチだけじゃないでしょ? 12球団が思っているから」と打ち明けた。史上初、12球団の1位入札の快挙もあるかもしれない。 「彼がプロ入りを決心すれば、本当にあり得るかもしれません。今年のドラフトは社会人投手の当たり年なので、抽選に外れてもダメージは少ない。オリックス、阪神、巨人など競合を嫌う球団は『消極的な姿勢がチーム編成、営業面の両方を悪化させた』との反省があり、10年に1人出るか出ないかの怪物を獲りに行くとの姿勢をファンに示す必要があるでしょう」(同) ヤクルトも競合を嫌う側だった。その球団トップが「欲しい」と公言したのだから、12球団競合は可能性が高いと見るべきか。 また、12球団は“別の有事”にも備え始めた。'09年の菊池雄星以来となる公開プレゼンも予想されているのだ。指定の日時、場所で、指名予定の球団が順番に説明&アピールしていく。その上で進学か、プロ入りかを判断してもらうものだ。 ガラス張りの交渉は学校側も断る理由はない。当時、メジャー志望の強かった菊池を説得した実績もあるだけに、プロ側にとって、公開プレゼンは望むところ。 「公開プレゼンとなれば、父・克幸氏も同席します。克幸氏と接点のある楽天の星野仙一副会長、ソフトバンクの王貞治会長らも乗り出すかも」(ベテラン記者) もし、12球団競合となると、12分の1の確率は約8.3%の低確率だ。それでも全球団は“怪物”清宮を獲りに来る!?
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スポーツ 2017年08月07日 19時40分
バース対桑田で幕開け!! ビールと「夢の球宴」に酔う『サントリー ドリームマッチ 2017』
『サントリー ドリームマッチ 2017 in 東京ドーム』が開催された(8月7日)。“架空のモルツ球団”は同社のビールCMで火が点き、1995年からプロ野球OBによるイベントとしてスタートし、今年で22回目を数えた。今回は、田尾安志監督率いる「東北・ジャパン ヒーローズ」が「ドリーム・ヒーローズ」とチーム名を一新。山本浩二監督が指揮を執る「ザ・プレミアム・モルツ球団」と対戦した。 ヒーローズは巨人、DeNA、メジャーリーグで活躍した左腕・高橋尚成、福島県出身で、「走塁のスペシャリスト」として活躍した元巨人の鈴木尚広、元巨人捕手の加藤健を補強した。対するモルツ球団は前中日監督の谷繁元信、メジャーマウンドも経験した川上憲伸を獲得し、さらにパワーアップ。マサカリ投法の村田兆治、ランディ・バース、代打職人・川藤幸三などテレビCMでもお馴染みの選手も登場した。 注目は侍ジャパンの監督に就任した稲葉篤紀。ザ・プレミアム・モルツ球団の3番・中堅で出場。1回裏、無死一・二塁の好機で打席が回ってきたが、セカンドゴロ併殺。続く4番のランディ・バースの登場に球場は大いに沸いたがショートゴロに倒れた。ドリーム・ヒーローズの先発、桑田真澄が踏ん張った。 試合は、ドリーム・ヒーローズが先制点を挙げ、続く3回表も1番・右翼の鉄平にソロアーチが出て主導権を握った。 4回、村田兆治vs中畑清の対決が実現。村田が中畑をショートゴロに仕留めるも、ショート野村謙二郎の送球ミスで悠々セーフになるなど波乱の展開となった。 同日はキッズ特別招待で選手とキャッチボールができるイベントも行われた。また徳光和夫氏が司会進行を務め、女優・石原さとみが始球式を行い、試合に花を添えた。 東尾修、大野豊、山本昌、槙原寛己、中畑清、下柳剛、山崎武司など往年のスター選手が“現役復帰”するのも同イベントの魅力だが、得点圏に走者を置いたピンチでも、「クサイところを付いて四球」なんて逃げはナシ。完全決着の真っ向勝負が行われていた。ビールを片手に、野球観戦。往年のスタープレーヤーたちの熱気が、ザ・プレミアム・モルツの味をさらに引き立てていた。(敬称略)(スポーツライター・飯山 満)※写真:ランディ・バース
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スポーツ 2017年08月07日 16時00分
プロレス解体新書 ROUND61 〈勝敗を度外視した流血戦〉 ムタvsカブキ“最狂”の親子対決
流血戦の名勝負は多々あれど、その中でも猟奇性やおぞましさで群を抜くのがグレート・ムタvsザ・グレート・カブキの一戦だ。カブキが自らの額から噴き出した血を、まるで花に水をやるかのようにムタに向かって振りかける。そんな地獄絵図に戦慄を覚えたファンも多かっただろう。 プロレスにおける見世場の一つに“流血”がある。ガッチリと関節技がきまっても、モニターのない会場では観客に分かりづらいが、流血であればその痛みとダメージが客席の最後列にまでしっかりと伝わる。 「それでいて、意外とやられた側のダメージは大きくなかったりもする。一度、取材中に乱闘に巻き込まれて額を切ったことがあるけれど、あるレスラーに『ゆで卵の殻と白身の間の薄皮を貼れば大丈夫』と教えられて、その通りにしたら薄皮がチュルチュルッと縮んでピタッと血が止まった。それで病院にも行かず、翌日も普通に取材ができました」(スポーツ紙記者) つまりレスラーにとっての流血は、アピールする力に優れ、それでいて肉体的ダメージの少ない優れた演出と言えよう。 「嘘か誠か、アブドーラ・ザ・ブッチャーは超高血圧だから、流血した方が動きがよくなる、なんて話もありました」(同) だが、そんな流血マッチも近年は減少傾向にある。これには、まずWWEの影響が考えられよう。 「エンターテインメントを標榜するようになってからのWWEは、青少年への悪影響を考慮して演出としての流血を禁止にしている。2015年のレッスルマニア31でブロック・レスナーvsジ・アンダーテイカーが大流血戦となった際にも、直後に“刃物で額をカットした演出上の流血”であることを否定するコメントを発表し、両選手には罰金が科せられたとの話もあります」(同) コンプライアンスや企業倫理をうるさく言われる昨今においては、仕方のない処置ともいえよう。もっともメジャー団体のそうした方針の裏で、ド派手な流血を売りにして、コアなファンの人気を集めるインディー団体もあるわけだが…。 加えて、血液を媒介とするウイルス性の感染症、AIDS(エイズ)や肝炎などの危険性が問題視されるようになったことも、流血戦が減少した理由と考えられる。過去には試合中の怪我を原因とする敗血症で、キング・イヤウケアが下半身麻痺になっている。 「ジャンボ鶴田の肝炎と流血との関連は不明ですが、これが発覚した'85年あたりから、全日本プロレスでは流血試合が激減しています」(プロレスライター) さらに、流血戦では想定外の“事故”の恐れもある。 「長州力がアントニオ猪木との試合中に、なぜか手首から多量の出血をしたことがあり、あれは手首に巻いたバンテージに額をカットするためのカミソリを仕込んでいて、それが試合中にズレて切れてしまったものといわれています。ブルーザー・ブロディが猪木との初対決において、自分で足をカットする姿がテレビカメラに映り込み、八百長疑惑が持ち上がったこともありました」(同) もちろん流血戦の名勝負も数多くあり、今となっては懐かしく思うファンも多いだろう。それらの中から今回取り上げるのは、最狂流血戦となった'93年のグレート・ムタvsザ・グレート・カブキだ。 アメリカマットでトップヒールとして名を馳せたカブキと、その息子という触れ込みで売り出したムタのいわゆる“親子対決”で、最初の顔合わせは5月のWAR大阪府立体育館大会。 「初対決の話題性からダブルメインイベントとはされたものの、当時、絶頂期にあったムタとロートルのカブキでは役者が違い、試合内容への期待はさほど高くなかった。実際の試合も、結果だけ見れば、ムタがレフェリーに暴行を加えての反則負けだが、ある衝撃場面のおかげで今も語り草となっています」(同) ムタの攻撃で額を割られたカブキは、よほど傷が深かったのか“ピュッピュッ”と勢いよく血を噴出させると、その血を倒れたムタの体の上からかけた。まるでスプラッター映画さながらの攻撃を披露したのだ。 「事前の仕込みか、偶然の事故を利用したのかは分かりませんが、試合後のムタはそれがよほど嫌だったのでしょう。思わず“日本語がしゃべれない”との設定を忘れて『パパはもう時代遅れだ』との捨てゼリフを残しています」(同) その評判から6月の新日武道館大会で再戦が組まれると、ここでもカブキは額に力を込めて血を噴き出してみせた。このときは、前回のように体の上からでなく、背中に向けて血をかけたのはムタ側の要望か。 しかし、それでもあまりに不穏当ということで、テレビでは〈これ以上放送できません〉とテロップの入った編集映像が流されるにとどまったのだった。 レスラーの格ではすでに追い抜かれた“息子”に対し、勝敗を度外視して観客に絶大なるインパクトを残したカブキ。昭和レスラーの意地を見せた一戦だった。
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スポーツ 2017年08月07日 10時30分
「金本監督、コワイ!」 相手ベンチをも震えさせるアニキの“威圧感”
金本阪神が東京ヤクルトに辛勝し、首位広島のマジックナンバー点灯は、8月8日以降に持ち越しとなった(8月6日時点)。だが、広島は3位DeNAに連勝しており、2位阪神とのゲーム差は「9」と開いたまま。カウントダウン開始は時間の問題かもしれないが、一縷の臨みも見えてきた。それは、金本知憲監督(49)の“威圧感”だ。 試合は7回裏に代打・伊藤隼の逆転3ランが飛び出し、それが決め手となった。逆転アーチにファンも大いに盛り上がったわけだが、選手たちは喜んでいたというよりも、安堵の表情を浮かべていた。 「金本監督は『しびれましたね』と、伊藤隼の代打アーチを評していました。目尻を下げていましたけどね…」(在阪記者) 選手たちが安堵したのは、指揮官のご機嫌が直ったからのようだ。 金本監督は凡ミスを嫌う。昨季の話になるが、内野フライの落球で試合を落とした翌日、野手陣にフライ球の捕球練習を強要させたこともあった。昨季の阪神の失策数は、リーグワーストの「97」。今年もすでに「61」をカウントしている。 「金本監督は、出来て当たり前のことが出来ないのがイヤなんですね。集中力を欠いているから出来ないんだ、と。バントのサインを出しても失敗する。試合中、けっこうイライラしており、『朝、腹が立って目が覚めることもある』とぼやいていました」(関係者) その金本監督のイライラは阪神ベンチにも広がり、ナインは必要以上に緊張しているときもあるそうだ。しかし、昨今ではそのイライラを対戦チームの選手も察するようになってきたという。 「対戦チームからも『金本監督、コワイ』の声が聞かれるようになりました」(前出・同) 伊藤隼の逆転アーチで勝利したこの日も、阪神ナインは金本監督を苛立たせていた。先制点を挙げたのはヤクルトで、それは三塁・大山のエラーによるもの。また、4回表には2発を浴び、前半戦は完全にヤクルトペースだった。 試合終盤、ヤクルトが逆転を許したのは、金本監督のイライラに萎縮してしまったからかもしれない。この先、広島との直接対決において、相手ベンチにまで及ぶ金本監督の威圧感は武器になるかもしれない。 「現役時代から金本監督は独特の雰囲気を醸し出していました。自分にも厳しい人なので、ナアナアでやっている人が大嫌い。阪神ナインは先取点を取られるとすぐに試合を諦めてしまう傾向もあって、金本監督はチーム改革として、そういう雰囲気を変えたかったんです」(前出・同) 金本監督の威圧感。重圧、プレッシャーといえば、阪神ナインがよく口にするのは本拠地・甲子園球場での応援だ。その凄まじい熱気は、時に阪神ナインを金縛りにしてしまう。そのせいだろう。阪神にはこんな『裏・格言』も語り継がれているそうだ。「チャンスはピンチ、ピンチは大ピンチ」――。好機で代打に送られた選手は甲子園の重圧に飲まれ、凡退。ピンチを迎えた投手も重圧に負けて、痛打…。 金本監督はグラウンドを離れれば温厚で優しいアニキである。阪神を根底から変えるには、重圧に負けない精神的強さを選手に植え付けるしかない。そのためにも、普段からイライラの威圧感を漂わせるしかないようだ。見方を変えれば、阪神は昔も今も“重圧”と戦っているわけだ。(スポーツライター・飯山 満)
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スポーツ 2017年08月06日 16時00分
熱き侍たちが躍動!! メジャーリーグ Times 最大の被害者は田中将大? 日本人投手、受難の時代
最近のメジャーリーグでは、今シーズンに入ってからの「ホームラン急増問題」が話題になっている。 メジャー全体で見ると、7月18日現在、9イニング当たりの本塁打数は1.23本。昨年は1.09本で'14年は0.83本だったので、昨期と比べて13%、3年前に比べると5割近くも一発の出る頻度が高くなったことになる。 原因はどこにあるのか? 真っ先に疑われたのは、ストライクゾーンの変更だ。 MLBは今シーズンからストライクゾーンの下限を、膝のお皿の下の端から上の端に変更した。ストライクゾーンの上限は「肩の線とベルトの線の中間点」で変更はないため、ストライクゾーンは縦に6、7センチ狭くなったことになる。 技巧派投手はストライクゾーンの下限が上がることで、シンカーやスライダーを低めに集めてゴロを引っかけさせるピッチングがやりにくくなる。そのため甘いコースに入る投球が増え、結果的に一発を食う頻度が高くなると予想されていた。 しかし、いざ始まってみると、この予想は完全に外れた。 「審判たちが、ストライクゾーンの変更を厳格に守っていないんだ。多くの審判は、これまで通り膝のボーダーラインに来た低めの投球をストライクと判定することが多い。だから、数%低くなると予想されたストライク率が全然下がらず、昨年と同じ63.55%なんだ。だからストライクゾーンの変更が本塁打数の急増につながったという仮説は成り立たない」(スポーツ専門局のアナリスト) それに代わって有力視されるようになったのが、秘密裏に行われたとみられる使用球の変更だ。 新たに使われるようになったボールは、これまで通りコスタリカにあるローリングス社の工場で生産されたもので、反発係数も規定内に収まっている。しかし重さは、公式球の重量の範囲(141.7〜148.8グラム)の下限に設定されており、従来、メジャーで使用されていたものより5グラムくらい軽い。しかも、縫い目が低くなっているので、受ける空気抵抗が低い。そのため、芯でとらえた打球は1.5〜2.1メートル飛距離が伸びる。結果的に、ウォーニングトラック(フェンス手前)で外野手にキャッチされていたフライ打球がホームランになるケースが多くなった。 この飛ぶ新ボール導入は、'15年シーズンの後半から部分的に行われていたようで、導入以前の'14年はフライ打球が本塁打になる頻度は9.5%だったが、導入後の'15年は11.4%に上昇。'16年には12.8%になり、今季は7月18日時点で13.7%までアップしている。メジャーでは例年、気温が上昇して空気が乾燥する7、8月は本塁打がかなり出やすくなる。そのため、今季終了時点でフライ打球が本塁打になる比率は14%台になる可能性が高い。 この秘密裏に行われた「飛ぶ新球」導入の恩恵を最も受けるのは、打球がフライになりやすいフライボールヒッターたちだ。代表格に、フライ打球率が際立って高いギャロ(レンジャーズ)、ベリンジャー(ドジャース)、アロンソ(アスレチックス)の3人が挙げられる。この3人はパワフルな打撃と豪快なアッパースイングが特徴で、フライになった打球の25〜30%が外野席に飛び込む。そのため、今季、一躍メジャー屈指のホームランバッターと見なされるようになった。 一方、この新ボール導入による最大の被害者になったのが、打球がフライになりやすいピッチャーたちだ。日本人投手はフォーシーム(通常の速球)主体のピッチングをするため、大半がこのタイプに属する。そのため、今季、本塁打を打たれる頻度が高くなっている者が多い。 その代表格がヤンキースの田中将大だ。 田中は、一発が出やすいヤンキースタジアムで投げないといけないので、他の投手より一発を食らいやすい。それに加え、今季は全投球の25%を占める伝家の宝刀スプリッターと、20%を占めるツーシームの制球が悪く、高めに浮いたところをアッパースイングで下から叩かれ、イヤになるほど外野席に運ばれた。 今季、田中は被本塁打率(9イニング当たりの被本塁打)が2.0とメジャー全体のワースト3位。フライ打球が本塁打になる比率は22.6%でメジャー全体のワースト1位だ。7月18日現在、田中の防御率は5.33と悲惨な数字になっているが、この事態に陥った一つの要因は、間違いなく飛ぶ新ボールにある。この秘密裏に導入された「飛ぶボール」は、日本人投手にとって疫病神のようなものだ。 正式な手続きを経て導入が決まったものではないので、短期間で使われなくなる可能性は果たしてあるのだろうか? 答えはノーだ。なぜならこのボールの導入は「ホームランがたくさん出る野球が、お客さんを球場に呼んでくれる」と語るマンフレッド・コミッショナーの強い意志が働いているからだ。それを考えると、日本人投手受難の時代がしばらく続くことになるかもしれない。スポーツジャーナリスト・友成那智(ともなり・なち)今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流。アメリカ野球に造詣が深く、現在は大リーグ関連の記事を各媒体に寄稿。日本人大リーガーにも愛読者が多い「メジャーリーグ選手名鑑2017」(廣済堂出版)が発売中。
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スポーツ 2017年08月06日 12時00分
2017年夏の甲子園特集(2) 挫折を知ったスラッガー “怪物予備軍”は大舞台にも強い!!
ひょっとしたら、「新たな怪物」の登場となるかもしれない。夏の甲子園大会(第99回全国高校野球選手権大会)には、東西の雄、清宮幸太郎(早実=3年)と安田尚憲(履正社=3年)がいないが、逸材は多いという。この夏、全国区に躍り出そうな“怪物予備軍”もいる。 12球団が複数制での視察を決めているのが、横浜高校の主砲・増田珠(3年)だ。走攻守3拍子揃った大型外野手で高校野球フリークの間では有名だったが、清宮たちの後塵を拝してきた。理由は一年時に右手首を骨折したためだが、むしろ、この怪我がレベルアップの契機にもなったようだ。 関係者によれば、右バッターの増田は右腕の力が入りすぎる悪癖もあった。それでも、試合で結果を出してきた。 だが、一年秋に右手首の痛みを訴え、「疲労骨折」と診断された。本人もこのままでは「上のステージに進めない」と思ったのだろう。復帰戦では右方向に弾丸ランナーの一発を放っている。スタンドに突き刺さるまで失速しない打球は圧巻だった。スイングに内外角のコースに逆らわない軟らかさも加わり、この夏の神奈川県予選では「打率6割、本塁打5」の驚異的な数字を残した。予選とはいえ、激戦区・神奈川でこれだけの数字を残したのだから、ホンモノである。 「山田(哲人=ヤクルト)のように」と評するスカウトもいれば、「長野(久義=巨人)みたいに広角に打てる」と話すスカウトもいた。「内川(聖一=ソフトバンク)に近い」との声もあり、1位候補にも躍り出てくるだろう。 強肩強打の中村奨成(広陵)もスカウトから熱視線を送られている。同校出身の捕手では巨人・小林誠司が有名だが、中井哲之監督は「潜在能力では中村のほうが上」と言い切っていた。 また、山梨学院の正捕手・五十嵐寛人は元日本ハム二軍監督の信一氏を父に持つ。昨夏、背番号2を勝ち取ったが、今春は大会前の打撃不振からレギュラーを外された。そこから再び這い上がってきた精神力は、大舞台でも発揮されるだろう。 九州地区担当のスカウトがこう言う。 「明豊の4番・杉園大樹も右の好スラッガーです。春の県大会では打撃不振でスタメンから外される屈辱も味わいました。スタメンに復帰しても打順は6番に下げられ、そういう悔しさをバネにしている」 ひと昔前、チーム内競争に敗れた三年生は、一、二年生に経験を積ませるため、ベンチに下げるだけの指導者も多かった。故障した選手に対しても、むしろ冷たかった。しかし、今は違う。這い上がろうとする者にはチャンスを与え、「同じ怪我を負わないためには」「どこが足らなかったのか」を考えさせる。選手に複数のポジションを経験させるのも、チャンスを広げるのと同時に他選手の立場を考えさせるためだ。 怪我、不振から這い上がってきた「怪物予備軍」にも注目したい。(了/スポーツライター・美山和也)
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スポーツ 2017年08月05日 18時00分
マジックナンバー点灯へ 2年連続独走状態の広島に浮上した「助っ人」問題
DeNA打線が爆発し、緒方カープのマジックナンバー点灯はならなかったが(8月4日)、独走状態は変わらない。この強さが他球団の戦力補強にも影響を与えそうだ。 「外国人選手の補強が変わりそうです。まず、広島にその気があるのかどうか、探りを入れている最中です」(ライバル球団スタッフ) 広島の外国人選手が活躍しているのは説明するまでもないだろう。注目されているのは、ドミニカ共和国に造られた「カープアカデミー」の存在で、14年シーズンには同育成機関出身のライネル・ロサリオが活躍し、今季もサビエル・バティスタ、アレハンドロ・メヒアが支配下登録を勝ち取った。 「とくに、バティスタはいい。打率は2割2分6厘と低いが、36試合に出て7本も本塁打を打っている。高い年俸を払って、日本球界に馴染めない外国人選手を獲ってしまった球団からすれば、羨ましい限り」(前出・同/成績は4日時点) バティスタの年俸は521万円プラス出来高で(推定)、6年契約。メヒアも396万円プラス出来高(推定/6年契約)と“超割安価格”となっている。 この優良外国人の2人が他球団に衝撃を与えた。カープアカデミーは好選手を輩出できなかった時期も長かったので、「ウチもドミニカにアカデミーを造ろう」なんて話ではない。「他球団の外国人選手と同じメジャーリーグ、マイナーを経由して日本にやってきたブラッド・エルドレッドを手放すのではないか?」との情報が駆けめぐっているのだ。 エルドレッドは昨年オフ、新たに2年契約を交わしたばかり。推定年俸1億1000万円、広島の優良外国人選手のなかにおいて、たしかに突出した存在だが…。 「2年契約を満了すれば、エルドレッドは球団史上最多在籍年数の外国人となります。広島の町も気に入っているようですし、来季は38歳になります。広島で現役を終えたいと思っているのでは」(スポーツ紙記者) だが、バティスタ、メヒアと長期契約を結んだということは、彼らを育てながら起用していくつもりであり、今後もカープアカデミーを経由した外国人選手を補強のメインルートにしたいのだろう。バティスタ、メヒアが後半戦に活躍すれば、球団はエルドレッドと“話し合う”ことになりそうだ。 「低年俸で若いバティスタ、メヒアと、エルドレッドのどちらを試合に使っていくか。エルドレッドは38歳になるが、本人はまだできると思っているので、出場機会が増えるのであれば考えるのではないか」(前出・ライバル球団スタッフ) 外国人選手の不振に泣かされた千葉ロッテ、あるいは、巨人、DeNA、オリックス、北海道日本ハムといったところは興味津々だろう。広島は外国人選手の好不調に左右されないチーム編成に成功した。他球団もそこから見直すべきなのだが…。(スポーツライター・飯山 満)
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スポーツ 2017年08月05日 16時00分
柔道・松本薫“ママでも野獣”で谷亮子越えの金メダルの可能性
ロンドンで金、リオで銅メダルを獲得した柔道女子57㎏級の松本薫(29)が7月、第一子となる女子を出産したと発表した。所属事務所を通じ、「ママでも野獣として」と、東京五輪に懸ける熱い思いも語られていた。 「落ち着いたら、すぐにも本格的な練習を再開させるのでは? 出産後、東京五輪に向けて復帰する意向を示し、普段から松本は体を鍛えていました。リオでの銅メダル獲得は素晴らしいですが、金メダル獲得の期待に応えられなかった悔しさがハングリーにさせたのでしょう」(体協詰め記者) 畳の上では目をギラつかせ、闘争心むき出しで挑む姿から“野獣”の異名も持つ松本。ママとしての金メダル獲得は、あの谷亮子も失敗しているが、東京五輪に向け、準備を続けてきた松本なら、やってのけるかもしれない。また、“野獣”が他のアスリートと異なるのは、これだけではない。 「出産が発表される3日前、『第69回毎日書道展』でも佳作に選ばれました。松本は『柔と書、同じ道』との受賞談話を残しています」(同) かつて松本は、「知性を持った野獣で戦いたい」とも語っていた。縦121センチ、横91センチの大きな半紙に書した言葉は「歩」の一文字。野獣らしい大胆さが審査員の心を掴んだようだ。 「来年8月の実業団大会から本格的に復帰してくるのではないか。松本の57㎏級は若手も成長しており、代表に復帰する道のりは厳しい。だが、海外では競技を問わず、女性アスリートが出産後も現役を続けるケースが多く、大会会場に子どもを連れてくる光景も珍しくありません。東京五輪組織委員会は、選手の託児施設にも力を入れる予定なので、ママになった松本は前面に推されそうですね」(関係者) レスリングの4大会連続金メダリスト・伊調馨が東京五輪への出場見送りとなれば、野獣・松本が吉田沙保里に代わって“霊長類最強ママ”になるかもしれない。しかし、前面に出すのなら、やはり美女格闘家に注目が集まるもの。野獣か美女か、組織委はどっちがお好き?
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スポーツ 2017年08月04日 17時00分
2017年夏の甲子園特集(1) 横綱・輪島の子息も 異色投手が炎天下のマウンドを征する
夏の甲子園大会(第99回全国高校野球選手権大会)が8月7日に開幕する。怪物・清宮幸太郎(早実=3年)は西東京大会の決勝戦で敗れたが、今年も好選手が多い。プロ野球各球団は複数態勢での視察を決めており、そのお目当てには“異色投手”も含まれていた。「昨夏の優勝投手、今井達也(作新学院高−埼玉西武)のようなケースもあるんです。スカウトの世界は『栴檀は双葉より芳し』、極端な話、中学時代から目を付けてきた選手がどれだけ成長したかを見るものなんです。正直に言うと、今井はその指名リストに入っていませんでした。甲子園で急成長した逸材です」(在京球団スカウト) 下級生時代の今井は制球難に苦しんでいた。「このままではダメだ」と思ったのだろう。コントロールを習得するため、脱力投球の練習をした。そして、全力投球しなくてもキレのあるボールを投げるにはどうすればいいのかを考え、そのための練習も重ねた。その努力の積み重ねが甲子園で発揮されたのだ。 今夏は「今井パターンの好投手」が見られそうだ。2年連続出場の木更津総合の左腕・山下輝は注目だ。山下は千葉県大会の準決勝、決勝でも好投し、得点圏に走者を置いた場面でも対戦打者の膝元を攻めていたが、本格的な投手の練習を始めたのは昨夏の甲子園大会後だった。中学時代の投手経験はあっただろうが、冬場の徹底した走り込みも経て、球速は140キロ台後半を計測するまでになった。 明豊の右サイドスロー・橋詰開斗も野手から投手にコンバートされた。バッターに背中を向けるトルネード投法で、球速は決して速くない。しかし、変化球を巧みに操り、大分県決勝戦では大分商の強力打線を散発3安打に抑えてみせた。また、明豊は選手層が厚い。春の県選手権では右オーバーハンドの好投手が2人、一年生左腕もいて、橋詰を加えた4投手を継投して勝ち上がった。プロ注目の4番・杉園大樹をスタメンから外す“余裕”も見せ、その杉園がスタメン復帰した同準決勝ではいきなり本塁打を放つ圧倒的な勝ち方をしていた。 ひと昔前の高校野球は1つのポジションを複数の選手が争い、それに敗れた選手は控えにまわるしかなかった。しかし、今日は違う。選手の長所を伸ばすためにコンバートをさせ、複数の選手を使いながら勝ち上がっていく。打撃優先で投手から野手に転向させた話はひと昔前もあったが、「野手から投手へ」はちょっと珍しい。 8月1日、天理(奈良)が各校に割り当てられた甲子園球場での練習を行ったが、打撃投手役でマウンドに立ったのは、輪島大地。第54代横綱・輪島大士のご子息である。中村良二監督が各メディアに話したところでは、大会中の横綱ジュニアの登板も見られそうだ。選手層の厚さといえば、大阪桐蔭もブキミだ。今春のセンバツ大会(対静岡)で先発した左腕・横川凱が府大会で温存された。春の府大会4試合計21イニングを投げ、失点は「3」。横川は2年生なので「3年生優先」だったのかもしれないが、上位進出を狙う強豪校は好左腕に対するデータもないため、警戒を強めていた。 花咲徳栄(埼玉)の綱脇彗、清水達也の両右腕はプロ注目の好投手だ。綱脇は一年生から投げていて、その時点から「ストレート、変化球ともにプロのレベル」と称賛されていた。甲子園のマウンドも経験しており、彼の視察を楽しみにしているスカウトもいた。清水も昨夏の甲子園を経験している。腕を振り下ろす角度を変えたのが良かったらしく、球速はさらに速くなった。甲子園で150キロを計測するかもしれない。とにかく、球質が重い。埼玉県大会では他投手とは明らかに異なるキャッチャーミットの捕球音を響かせていた。炎天下の大会では投手力がカギを握るとされている。コンバートで開花した異色投手、経験値豊富な早熟組は、どんなピッチングを見せてくれるのだろうか。(スポーツライター・美山和也)
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スポーツ 2017年08月04日 16時00分
将来、白鵬の理事長就任に「待った」がかかる『立浪一門』小派閥の壁
愛知県体育館で行われていた名古屋場所は、またしても横綱白鵬(32)の優勝で幕を閉じた。これで2場所連続39回目の優勝。それも序盤戦から抜け出し、13日目には元大関魁皇の持つ史上最多1047勝を更新するドラマもあり、まさに白鵬カラー一色となった。それでも、すべてが“圧倒的”という勝ち方ではなかった。取り口は老獪もしくは円熟した相撲内容だった。 「十両以上は1年に90番しか取りませんから、1つも負けずに取っても12年近くかかる計算。千代の富士が1045勝に到達したとき、『誰も抜く者はいないんじゃないか』と言われたものでしたが、それをやすやすと塗り替えてしまった。今度こそ不滅の大記録ですよ」(担当記者) この最多勝フィーバーで明らかになったのが、白鵬の国籍問題だ。父がモンゴル相撲の大英雄ということもあり、これまでは日本に帰化しないまま一代年寄をもらいたい、としきりに働きかけてきたが、やっと帰化する決心をしたのだ。 「白鵬がモンゴル国籍に固執して大相撲界を離れることは考えられない。親方になるには『日本国籍が必須』という方針を相撲協会が変えない以上、白鵬が折れるのは時間の問題だった。これで白鵬は晴れて引退後に部屋を持ち、弟子を育てる条件が整った。すでに幕内の石浦、十両の山口ら内弟子もいて、今後はますます安心して自分の相撲に打ち込める」(協会関係者) 中には、『これで将来の白鵬理事長誕生の道が開けた』と早読みするマスコミもあったが、こちらの道のりは決して平坦ではない。 これまで一代年寄を授与されたのは大鵬、北の湖、貴乃花の3人。そのうち、理事長になったのは主流派の出羽海一門所属だった北の湖だけ。白鵬は小派閥の立浪一門なので、よほどのことがない限り大鵬のように冷や飯を食う公算が高いのだ。 また、白鵬の今後の闘いも厳しさを増しそうだ。もう正攻法の横綱相撲では、圧倒できなくなってきているのだ。それを裏付けるように、今場所も立ち合いに変化したり、突っ張ったりする荒っぽい相撲が目立った。こんな相撲ではもうハイペースで勝ったり、優勝を重ねるのは難しい。 若手がどんどん育って、上位の番付に名を連ねている。これからは、胸を出して“受けて勝つ”横綱相撲は厳しいと言わざるを得ない。それでも土俵に立ち続ける平成の大横綱・白鵬には敬服の外はない。
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