「外国人選手の補強が変わりそうです。まず、広島にその気があるのかどうか、探りを入れている最中です」(ライバル球団スタッフ)
広島の外国人選手が活躍しているのは説明するまでもないだろう。注目されているのは、ドミニカ共和国に造られた「カープアカデミー」の存在で、14年シーズンには同育成機関出身のライネル・ロサリオが活躍し、今季もサビエル・バティスタ、アレハンドロ・メヒアが支配下登録を勝ち取った。
「とくに、バティスタはいい。打率は2割2分6厘と低いが、36試合に出て7本も本塁打を打っている。高い年俸を払って、日本球界に馴染めない外国人選手を獲ってしまった球団からすれば、羨ましい限り」(前出・同/成績は4日時点)
バティスタの年俸は521万円プラス出来高で(推定)、6年契約。メヒアも396万円プラス出来高(推定/6年契約)と“超割安価格”となっている。
この優良外国人の2人が他球団に衝撃を与えた。カープアカデミーは好選手を輩出できなかった時期も長かったので、「ウチもドミニカにアカデミーを造ろう」なんて話ではない。「他球団の外国人選手と同じメジャーリーグ、マイナーを経由して日本にやってきたブラッド・エルドレッドを手放すのではないか?」との情報が駆けめぐっているのだ。
エルドレッドは昨年オフ、新たに2年契約を交わしたばかり。推定年俸1億1000万円、広島の優良外国人選手のなかにおいて、たしかに突出した存在だが…。
「2年契約を満了すれば、エルドレッドは球団史上最多在籍年数の外国人となります。広島の町も気に入っているようですし、来季は38歳になります。広島で現役を終えたいと思っているのでは」(スポーツ紙記者)
だが、バティスタ、メヒアと長期契約を結んだということは、彼らを育てながら起用していくつもりであり、今後もカープアカデミーを経由した外国人選手を補強のメインルートにしたいのだろう。バティスタ、メヒアが後半戦に活躍すれば、球団はエルドレッドと“話し合う”ことになりそうだ。
「低年俸で若いバティスタ、メヒアと、エルドレッドのどちらを試合に使っていくか。エルドレッドは38歳になるが、本人はまだできると思っているので、出場機会が増えるのであれば考えるのではないか」(前出・ライバル球団スタッフ)
外国人選手の不振に泣かされた千葉ロッテ、あるいは、巨人、DeNA、オリックス、北海道日本ハムといったところは興味津々だろう。広島は外国人選手の好不調に左右されないチーム編成に成功した。他球団もそこから見直すべきなのだが…。
(スポーツライター・飯山 満)