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甲子園大会で阪神タイガースは毎度の長期遠征 夏の疲れは「終盤戦の秋」に出る?

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京セラドーム大阪

 金本阪神が敵地・ナゴヤドームでの最終戦を落としてしまった(7月30日)。この一敗が、終盤戦でボディブローのように効いて来るかもしれない。

 その先日、日本高野連が夏の甲子園大会(第99回全国高校野球選手権/8月7日開幕)に関する日程を発表した。

 代表校の甲子園球場を使う練習スケジュールが詳細に説明されたわけだが、段取り通りにいけば、阪神タイガースは8月1日から甲子園球場を使えなくなる。

 かつては「死のロード」とも呼ばれた長期遠征の始まりである。事前に分かっていたこととはいえ、金本知憲監督(49)は投手陣のやり繰りに悩まされそうだ。

 「阪神は8月1日からマツダスタジアムでの首位攻防戦を迎えます。全国の代表校がまだ出揃っていない7月28日からナゴヤドームでの中日3連戦が組まれていたので、チームはこの中日を『長期ロードの始まり』と捉えていました」(スポーツ紙記者)

 甲子園に帰ってくるのは、8月29日(対ヤクルト3連戦)。ザックリと計算すれば、甲子園帰還までの間、6連戦を4回こなさなければならない。

 「30日の敗戦投手は能見(篤史=38)です。これで3戦連続KO、能見が調子を落としているのが気になります」(プロ野球解説者)

 能見は球宴期間こそ登録を抹消されたが、開幕からローテーションを守ってきた。その主軸投手が調子を落としているとなれば、長期遠征に影響してくるのは必至だ。

 過去5年間の長期ロードの成績は、以下の通り。

 2012年=7勝14敗3分け
 2013年=14勝9敗
 2014年=11勝10敗
 2015年=12勝8敗
 2016年=11勝14敗

 さらに逆上れば、大きく負け越していた時期もあった。近年、“ほぼ5割”の勝率を残している理由は、京セラドームにある。『京セラドーム大阪』はオリックスの本拠地球場だが、近年は両球団で話し合い、同球場を使う日程の調整も行ってきた。大阪市の京セラドームと兵庫県西宮市の甲子園球場は、さほど離れていない。そのおかげだろう。長期ロード中、京セラでの勝率が高い。

 2012年=2勝4敗
 2013年=4勝2敗
 2014年=5勝1敗
 2015年=6勝0敗
 2016年=3勝2敗

 今季は6試合が組まれているが、対戦チームは東京ヤクルトと宿敵・広島だ。今季のこれまでの対戦成績だが、対ヤクルトは9勝6敗で、広島とは7勝7敗と互角。この長期遠征中、マツダスタジアムを含めると、阪神は広島と6試合を行う。ここで勝ち越せば、ゲーム差も一気に縮まるだけに、やはり能見の不振は痛い…。昨季の京セラドームでの2敗は広島に喫したものでもある。

 「近年の阪神は終盤戦で失速する傾向もあり、これは夏の甲子園大会中の長期遠征による疲労が原因とされています。二軍も大会中、鳴尾浜球場と、隣接する鳴尾浜臨海公園野球場を明け渡すため、長期遠征に出ます」

 関西圏で活動するプロ野球解説者がそう言う。ドリス、マテオ、桑原、岩崎といったトラの救援陣は登板過多状態にあり、長期遠征中は先発投手に長いイニングを投げさせ、リリーバーは休ませたい。だが、首位広島とのゲーム差は「10」まで広がっており、8月に総力戦を繰り広げなければ、セ・リーグのペナントレースは、ジ・エンドとなる。

 能見は不振、藤浪は二軍調整中、二軍戦は昼間なので炎天下でのゲームとなり、若手もバテバテ。金本監督は投手陣をどうやり繰りするのか、完投能力の高い藤浪もいないだけに、頭の痛い夏になりそうだ。

(スポーツライター・飯山満)

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