山口は7月11日未明、都内の飲食店で右手甲を負傷。その後、酔った状態で都内の病院へ診察に訪れた際、病院の扉を破壊したり、病院警備員の男性に暴行した疑いが浮上したとして、7月18日の中日戦(ナゴヤドーム)で球団は山口の先発回避を決定。中日球団とセ・リーグ連盟に手続きをとり、高木勇人を先発させた。
故障や体調不良による予告先発投手の変更は過去にもあったが、それ以外でのドタキャンは球界史上初。
この手の事件は週刊誌等のスクープで発覚し、球団が後追いの形で対処するのが普通だ。しかし、今回は事情が大きく異なる。球団が自ら公表し、「起用自粛」を決めたのだ。
「読売新聞の力をもってすれば、警察、病院、被害者からの聞き取りでいち早く状況を把握し、もみ消すか示談にすることも可能だったでしょう。しかし、あえてそれをせず、自ら公表したところに、“球団の意図”が見て取れます。2015年の野球賭博問題で3選手が無期限失格処分を受けた反省もあるのでしょうが、なりふり構わぬ“不良債権回収”の意味合いの方が強そう」(スポーツ紙デスク)
巨人は昨オフ、DeNAから山口を3年総額10億円(推定)で獲得。単年計算で年俸3億円超。優勝請負人と期待されたが、1月に右肩を痛め、移籍初登板は6月までずれ込んだ。この間に巨人は13連敗を喫し、優勝戦線から脱落した。
今の巨人に重くのしかかっているのが、昨オフの総額26億円もの補強費だ。フロント幹部がこの不良債権の処理に躍起になっていることを思えば、山口の蛮行はもっけの幸いとも言える。今回の一件は傷害罪、器物損壊罪に該当するため、今後は治療費、慰謝料を払って示談および弁償したとしても、在宅のまま書類送検されるのは避けられそうにない。ペナルティーとして、長期間の支配下登録を抹消すれば、巨人は「契約順守違反」を理由に、数千万円規模の大幅減俸に踏み切れるのだ。
他選手への見せしめのため、「即刻解雇の動きもある」(同)という。そして、それを察知した山口が、米球界にトンズラ準備を始めたという情報も…。
前川喜平前文科省事務次官の「出会い系バー通い」をスクープした読売新聞は、文春砲に勝るとも劣らないポテンシャルを持つ。大竹寛、杉内俊哉、澤村拓一や村田修一…高額余剰選手に“何か”あれば、同じ道を辿ることになりそうだ。