「昨秋のドラフト会議は即戦力投手を1位指名する予定でしたが、金本監督の“泣き”が入り2年連続野手指名に変わりました。その大山が打って勝ったのでインパクトが違う」(在阪記者)
しかし、金本監督の身辺に漂う“モヤモヤ感”は払拭できなかったようだ。
「金本監督は通常、ペナントレースが交流戦終了後に再開する直前、オーナー、球団社長らとの会食に臨んでいます」(球界関係者)
坂井信也オーナー、四藤慶一郎球団社長が金本監督を招いたのは、6月21日にさかのぼる。先の関係者によれば、阪神は定期的に経営トップと指揮官との食事会を設けているという。当然、話題はペナントレースのことに集中した。
「今後の展開、来季の補強などが話し合われました。この時点で来季の話が出るのは、不自然なことではありません。現に昨年も夏の甲子園大会中に糸井嘉男がFA権を行使したら獲得に乗り出すことが確認されました。ザックリとですが、現場とフロントで意見交換をしています」(同)
ただ来季のことでも、首脳陣がもっとも気に掛けている「あの話」には、ひと言も触れなかったそうだ。
「来季、金本監督が指揮を執るのかどうか、結論はオフまで持ち越しとなりました。ペナントレースの結果次第では…」(同)
金本監督の契約任期だが、正式には発表されていない。「3年」と予想する声が多かったが、先のトップ会談で金本監督の進退を明確にしなかったということは、「契約3年目は、2年目までの成績を見てフロントが判断」、もしくは「2年契約」だったのだろう。
また、結果論ではあるが、この会食後、阪神はドロ沼の連敗街道を突き進むことになる。交流戦を2連敗で終えた時点では、「首位楽天との試合だったから」と甘く見ていたフシも、経営陣にはあったらしい。
「連敗中、岡田(彰布=59)元監督が関西メディアで助言を送っています。同時に、『ベンチワークのミス』と痛烈に批判し、金本監督の決断を『中途半端』とバッサリ切り捨てる場面もありました」(前出・在阪記者)