新日本
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スポーツ 2020年04月26日 08時00分
プロレスラー世界遺産 伝説のチャンピオンから未知なる強豪まで── 「オカダ・カズチカ」実力でファンを納得させた新日の絶対的エース
“金の雨を降らせる男”オカダ・カズチカ。IWGPヘビー級王座の通算防衛回数30回、連続12回防衛はいずれも同王座における歴代最多記録である。 そんな新時代の絶対的エースが躍進するとともに、新日本プロレスもまた復興を遂げることとなった。※ ※ ※ プロレス団体のエースといっても、技術力などを計る数値的な基準があるわけでなく、また試合自体もレフェリーや選手同士の裁量にゆだねられる部分が大きいため、その勝敗が純然たる指標とはならない。 こうした点が八百長という批判につながるわけだが、そんな曖昧な部分を運営側の用意したストーリーやファンの想像力によって補っていくのが、プロレスの面白いところである。 必ずしも強さばかりが基準ではないとして、では、エースや王者がどのように決まるのかといえば、これにはいくつかの要素が絡んでくる。 まず大事なのはファンからの支持だろう。いくら技量に優れていようとも、肝心のファンにそっぽを向かれては興行として成り立たない。そのため、シンプルに“強い者がエース”とはいかなくなり、場合によってはルックスやトーク力が優先されることもある。 また、仲間うちの評判も大切なポイントだ。実際の試合や稽古などを通して、「あいつならトップと認められる」というムードがなければ、他の選手たちもエースを盛り上げていこうという気持ちにならない。 これらの要素を考慮した上で、運営側によって興行戦略が決められていくわけだが、このときに戦略ばかりが先走ってしまうケースも少なくない。 分かりやすいところでは、大相撲からプロレス界入りした元横綱の輪島と北尾光司だ。トップ扱いをしようにも、肝心のファンがついてこない。それでも“ゴリ押し”を続ければ批判が高まり、結果的には団体運営にもダメージを与えることになる。 事前のリサーチや売り出しプランを綿密に用意する米国のWWEでも、多くの企画倒れがあるわけで、主催者の都合通りに成功することはなかなか難しい。 しかし、これが功を奏したときには、逆に“スター誕生”として熱烈な支持を得ることにもなる。 初代タイガーマスクがまさにそれで、最初はファンも色眼鏡で見たものだが、そんな先入観をはるかに上回る能力の高さによって、一大ブームを巻き起こすことになった。その後、無理やり後釜に据えられたザ・コブラは、散々なことになるのだが…。 近年、団体によるゴリ押しの成功例が、新日本プロレスのオカダ・カズチカだ。 中学を卒業してすぐに、ウルティモ・ドラゴンの闘龍門に入門。メキシコ修行を経て2007年に新日へ移籍すると、ヤングライオンとして一から出直した後に渡米した。 そうして迎えた’12年の1・4東京ドーム、同じく海外修行から帰国したYOSHI-HASHIとのダブル凱旋試合で、勝利を収めたのだが…。★IWGP王座に就くこと5回!「派手に登場したわりに試合自体は盛り上がりを欠き、目立ったのは打点の高いドロップキックぐらい。にもかかわらずメインで棚橋弘至が勝利したところに、IWGP挑戦を宣言したものだから、観客からは一斉にブーイングを浴びせられました」(プロレスライター) ファンからすれば前座レスラーとしての印象しかなく、凱旋試合の内容もいま一つ。キャッチフレーズとオリジナル技の名称に採用した「レインメーカー」という文言も、アメリカ映画に由来するといわれたところで、その映画自体がヒットしたわけではなかった。「結局、2月のタイトル戦で棚橋から王座を奪取しましたが、これは同じ頃に新日の親会社がブシロードに代わったことで、リング上も装い新たにしようという意図が働いてのこと。まさにゴリ押しです」(同) 冬の時代を支えてきた棚橋や中邑真輔を捨て置いて、新顔のオカダがトップに立つという事態に、反感を持つファンも少なくなかった。しかし、オカダはイケメンフェイスと高い身体能力、強靭な意思によって見事にこれを乗り越えてみせた。 以降、IWGP王座に就くこと5回。タイトルの保持期間も歴代最長となり、新日の絶対的エースにまでのぼり詰めた。 周囲のサポートがあっての成功には違いないが、それでも実力でファンを納得させたという意味では、初代タイガーと同等。日本のプロレス界の未来は、オカダにかかっているといっても過言ではない。オカダ・カズチカ***************************************PROFILE●1987年11月8日生まれ。愛知県安城市出身。身長191㎝、体重107㎏。得意技/レインメーカー、ドロップキック、ツームストン・パイルドライバー。文・脇本深八(元スポーツ紙記者)
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スポーツ 2020年04月24日 11時25分
初代タイガーマスクの近況について新間寿氏が言及!「だいぶ回復してきた」
一般社団法人・初代タイガーマスク後援会が、社会福祉法人・東京都社会福祉協議会にマスク1万枚を寄贈したことを発表。その贈呈式が22日、東京都内にて行われた。後援会がマスクを寄付するのは、10日の神奈川県福祉協議会に続き今回が2度目。また、初代タイガーマスク後援会代表理事の新間寿氏(元新日本プロレス専務取締役営業本部長)が、病気療養中の初代タイガーマスクの近況について報道陣の質問に答えた。 会見出席者・マスコミともに、ソーシャルディスタンスを空けた席配置で会見は行われ、まずは初代タイガーマスク後援会の大倉満理事長から、東京都社会福祉協議会の乳児部会部会長の都留和光氏へ1万枚のマスクが贈呈され、都留氏が感謝の言葉を述べた。 WWE殿堂入りを果たし、新日本プロレス営業本部長時代には“過激な仕掛人”として、アントニオ猪木や、藤波辰巳(現・辰爾)、初代タイガーマスクなどスター選手の売り出しに尽力した新間氏は、「闘病中のタイガーマスクから言い付かった、マスクを被りながら話してくれと言うことですので、私が(タイガー)マスクを被ります」と語ると、タイガーマスクを被り、「彼は闘病中でございますけども、だいぶ回復してきました。近々皆様の前に登場できると信じております」とタイガーの近況についてコメント。 続けて、「彼が言っていることを(タイガーが)書いてまいりました。“異体同心”。初代タイガーマスクの言葉でございます」とタイガー直筆の言葉を披露。新間氏によると、「この4か月間治療療養に専念したおかげで少しずつ回復しています。今、ヒンズースクワットをね、深くやらないでヒザを痛めない程度にハーフでやり始めています。それに負けずに、私だって毎日ローラーを200回やって、ワンダーコア500回やって、ヒンズースクワット100回やってますよ。タイガー軍団不滅なりということで、新間寿が元気であればタイガーも元気になるということです」と順調に回復していることを明かした上で、6月25日に東京・後楽園ホールで予定されているリアルジャパンプロレスの次回大会の来場について、「是非そうなる事を期待したい。6月25日。私が手がけたアントニオ猪木 対 モハメド・アリが(1976年)6月26日ですから、6月25日は格闘技の日の前日で、タイガーと一緒に私はリングに上がれると期待しています」と語った。 病名については「パーキンソン病の疑いがあるということ。モハメド・アリが日本に来た時(1998年)、僕がニューオータニで会わせた時に、モハメド・アリが『ルック・アット・ミー、イノキ』と言って、アリが片足で立った。それだけ(パーキンソン病から)回復した、そういうのを見せたいんですよと。その後のアントニオ猪木はすごかったね、後ろからアリに抱きついてハグして、そしたらアリも向き直って(ハグした)。ああいうところは本当にスポーツマンらしいね。アントニオ猪木というのはすごい人、モハメド・アリもすごかった。モハメド・アリだってアトランタ・オリンピック(開会式で聖火台に点火)に出てね。あの元気というものを「異体同心」で、今、日本国民が持たなきゃいけない。今こそ「異体同心」。この言葉、佐山(聡)からみなさんに伝えてくれと。ありがたい言葉ですよ。そういうことで、きょうはよろしくお願いいたします」と逸話を交えながら会見を締めている。 23日は、初代タイガーマスクのデビュー記念日。あれから39年もの月日が経ったが、今デビュー戦の映像を見ても飽きることはない。来年はタイガーとしてデビュー40周年記念イヤーなだけに、華麗なる復活を期待したい。※一部敬称略(どら増田)
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スポーツ 2020年04月21日 06時30分
猪木、タイガー、ホーガン、オースチン、ロックまで…WWEでコールし続けたフィンケル氏逝去
WWWF、WWF、WWEと、世界一のプロレス団体になる過程をリングアナウンサーとして、リング上からスーパースターのコールをしながら見続けたハワード・フィンケル氏が、米国時間16日に逝去した。まだ69歳の若さだった。WWEでは、2009年に殿堂入りしているフィンケル氏を日本時間18日に世界配信された主力ブランドのスマックダウンの冒頭で追悼している。 フィンケル氏がリングアナとしてデビューしたのは、1975年のこと。まだ、現在のビンス・マクマホンの父親であるビンス・マクマホン・シニアが代表を務めていた時代だ。1977年からはMSG(マディソン・スクエア・ガーデン)定期戦のリングアナを担当。メインリングアナとして、ブルーノ・サンマルチノ、ボブ・バックランド、ハルク・ホーガン、アンドレ・ザ・ジャイアント、ブレット・ハート、ショーン・マイケルズ、ジ・アンダーテイカー、ストーンコールド・スティーブ・オースチン、ザ・ロック(俳優のドウェイン・ジョンソン)ら、WWWFからWWEの3代に渡って活躍してきたスーパースターはもちろん、新日本プロレスと提携していた際には、新日本勢がWWFマットに参戦していたため、アントニオ猪木、坂口征二、藤波辰巳(当時)、長州力、キラー・カーン、タイガーマスクら日本人選手もコールしており、その名調子はテレビ朝日系列『ワールドプロレスリング』を通じて、日本のファンにも知られる存在だった。 WWEでは2002年までメインリングアナを務めていたが、後年はリリアン・ガルシアら後輩のリングアナとリング内外で抗争を繰り広げるなど、WWEの時代の変化にもしっかりと対応していたのが印象的。クリス・ジェリコと結託してヒール転向した時は多くのファンを驚かせている。リングアナ勇退後はWWEのパブリケーション業務を担当していたという。 まだ若いだけに、もう一度あの名調子を聞きたかった。合掌。※一部敬称略(どら増田・写真©2020 WWE, Inc. All Rights Reserved.)
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社会 2020年04月19日 18時00分
蝶野正洋の黒の履歴書 ★スピーチ下手の安倍首相
新型コロナの政府の対策が二転三転しているけど、安倍首相は森友・加計問題、桜を見る会問題、それに昭恵夫人の花見問題と、ずっと追い詰められているね。 俺の個人的な感想だけど、安倍さんは実際にやってることはともかく、国会答弁や記者会見でのスピーチがいまいち上手くないおかげで、より悪い印象になってしまっている気がするよ。 あの淡々とした口調で、持って回った言い方を続けられても、まったくピンとこない。なんだかロボットみたいというか、自分で考えたメッセージじゃなくて、下からあがってきた文章を読んでるだけにみえる。 それに安倍さんの会見を見ていると、自分の言いたいことだけを喋って、記者の質問を受けないことが多い。やっぱり記者の質問っていうのは、国民の声の代表なんだから、その疑問にどんどん答えていく姿勢を見せてほしいよね。 安倍さんのあの喋り方は、時としては有効なのかもしれないけど、新型コロナで国難ともいえる事態になっているときには、頼りなく思えてしまう。世界のニュース映像を見てると、各国の首相や大統領がカメラに向かって、臨機応変に、力強いメッセージを出している。各国のトップと比べると、安倍さんの喋り方はハッキリしないし、緊迫感もないし、なによりリーダーシップを感じない。要は「断言しない」「内容がよく分からない」「意思が伝わらない」。本来、政治家って、民衆の気持ちをちゃんと感じ取って、自らの考えをアピールするものだよ。 逆に考えると、安倍さんのあの独特の喋り方は、政治家としてすごいプロなんだと思う。厳しい質問をかわすときには効果があると思うけど、今の時期はそれじゃダメだよね。★俺自身はアドリブ力がないほうだと思ってる そもそも、記者会見で喋るというのは大変だと思う。アドリブ力がいるし、しっかり準備しないと突っ込まれるし、ポロッと普段、考えてることが出てしまう。 このあいだ不倫した俳優が、記者会見で急に「奥さんと愛人のどっちが好きですか」って聞かれて、しばらく黙っちゃったんだけど、結局「家内を傷つけるから言えない」なんて言ったんだよね。あれも、ちゃんと準備してなかったから、本心が出ちゃったんだろうね。 でも、いきなり記者に囲まれてマイクを突きつけられたら、何も出てこなくなるというのも分かる。俺も自分ではアドリブ力はないほうだって思ってるからね。 ただ、リングだったら、俺の言葉を待ってるお客さんがいるから、その空気を読んで、なんとか喋れるってだけなんだよ。 マイク一つで、試合の印象すら大きく変わってしまうからね。 あと、やっぱ慣れだろうね。実際に、たくさんの人に囲まれて何か回答が分からないことを質問されるってなったら、誰でもパニックになる。プロレスラーは年間に何百試合もやってるんだから、嫌でも上手くなるよ。 安倍さんも、アドリブ力やスピーチ力をつけるために、1度リングに上がってマイクアピールしてみたらいいんじゃないかな。 どんな言葉を、どんな喋り方をすれば届くか、少しは分かるかもしれないよ。********************************************蝶野正洋1963年シアトル生まれ。1984年に新日本プロレスに入団。トップレスラーとして活躍し、2010年に退団。現在はリング以外にもテレビ、イベントなど、多方面で活躍。『ガキの使い大晦日スペシャル』では欠かせない存在。
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スポーツ 2020年04月19日 08時00分
プロレスラー世界遺産 伝説のチャンピオンから未知なる強豪まで── 「サルマン・ハシミコフ」衝撃デビューを飾ったレッドブル軍団のエース
1989年4月24日、新日本プロレスの記念すべき初の東京ドーム興行『’89格闘衛星・闘強導夢』が開催されたが、そのきっかけとなったのが史上初となる旧ソビエト連邦出身のレスラーたちだった。大将格のサルマン・ハシミコフはセミファイナルに出場し、クラッシャー・バンバン・ビガロを146秒で葬ってみせた。※ ※ ※ アントニオ猪木のプロレスの特徴は、リアルさの追求にあった。それまでのプロレスがアクション活劇だとしたら、猪木が目指したのは社会派ドキュメンタリーとでもいえようか。 例えば、「プロレスラーの強さを証明するためにモハメド・アリと対戦する」というように、社会的に認知されているボクシングの世界王者を引き合いに出すことで、プロレスラーの強さにリアリティーを持たせようとした。 リング上の闘いぶりはもちろんのこと、その闘いに至る動機の部分においても一般に通じる理屈を用意したわけである。「伊勢丹前の路上でタイガー・ジェット・シンに襲われる」「IWGP決勝というプロレスのセオリー的には猪木が勝たなければならない場面で、失神KO負けを喫する」なども、リアルさを追い求めた結果であったのかもしれない。 猪木はそうすることによって「しょせんプロレスなんて」という層の人々にまで、その魅力を伝えようとした。かつて猪木は「プロレスに市民権を」とよく口にしていたが、五輪競技のように広く世間一般にまで浸透させることを最終目標としていたのだ。「芸事の神髄は虚実の皮膜にある」とは江戸時代の戯作家・近松門左衛門の言葉だが、猪木はそんな近松の言葉通りに、虚構と真実の間の微妙な境界を目指し、そのことによって長く語り継がれる存在となった。 1989年に参議院議員となった猪木は、それまで以上に“実”のほうへ舵を切っていく。国会議員の立場がそうさせたのだろうが、肉体的な衰えから“虚”をつくることが困難になったのも事実であった。★ぎこちない動きの裏にある強さ そんな中での最大の成果といえるのが旧ソビエト連邦、イラク、北朝鮮で開催した『平和の祭典』で、プロレスの枠を超えて国際政治をも巻き込む一種の事件となった。「イラクは人質救出、北朝鮮はその後の交流などで話題となりましたが、プロレスビジネスとして見たときには、ソ連との関係が一番大きかったでしょう」(プロレスライター) きっかけはソ連のペレストロイカを機に、協栄ジムの先代会長だった金平正紀氏がソ連人ボクサーの輸入を画策したことで、このときにソ連側からアマレスや柔道選手のプロ化の要望が出され、金平氏と縁のあった猪木のところに話が回ってきたのだという。 この申し出を気に入った猪木は、さっそくソ連の有力選手たち30人ほどを招集し、馳浩らをコーチ役としてソ連に派遣。ロープワークや受け身の特訓を行ったところで猪木もソ連入りし、自ら「プロレスラーの心得」を説いている。 結果、そうした中で選ばれたのが、サルマン・ハシミコフ、ビクトル・ザンギエフ、ウラジミール・ベルコビッチの3人。もう1人、フリースタイル重量級で五輪連覇していたソスラン・アンディエフの参戦も当初は発表されていたが、直前に交通事故に遭ったことで、本来は副将格だったハシミコフがソ連レッドブル軍団のエースとされた。 そうして迎えた’89年4月、ソ連人レスラーたちは新日本プロレスの東京ドーム大会で主役級の扱いを受けることになる。それまでもロシア人ギミックのプロレスラーは多数いたが、本物のソ連出身はレッドブル軍団が初めてのことであった。 これをビッグビジネスにつなげようとの意図もあったのだろう。ハシミコフはクラッシャー・バンバン・ビガロやビッグバン・ベイダーといった大物外国人選手を次々に下して、一気にIWGPヘビー級王座にまで駆け上がる。 プロレス的な動きとしてはまだぎこちなく、観客へのアピールも皆無であったが、そんなアマチュアっぽさが逆に強さを感じさせたものだった。 同年の大みそかにはモスクワでの凱旋試合で、マニー・フェルナンデスに勝利。翌年にはアメリカWCWにも参戦を果たしたが、それ以降は尻すぼみとなってしまった。 観客に飽きられてしまったのか、猪木の興味がソ連勢よりもイラクや北朝鮮、あるいは自身の引退に向いたことにあったのか。また、’91年末のソ連崩壊が何かしら影響を及ぼしたことは想像に難くない。 その後のハシミコフの主な戦績が、’93年にUWFインターナショナルで髙田延彦に敗れた試合ぐらいしかないのは、いささかもったいない話ではある。サルマン・ハシミコフ***************************************PROFILE●1953年5月4日生まれ。旧ソビエト連邦チェチェン共和国出身。身長180㎝、体重120㎏。得意技/水車落とし。文・脇本深八(元スポーツ紙記者)
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スポーツ 2020年04月17日 22時30分
WWEアンダーソン&ギャローズ解雇で、高まる日本復帰待望論
日本時間の16日未明、世界最大のプロレス団体WWEが大量のリストラに踏み切った。日本では日の出とともに、このニュースが瞬く間に広がり、ファンや関係者に衝撃を与えている。 今回、WWEがホームページで“リリース”をアナウンスしたのは、カート・アングル、ルセフ、ドレイク・マーベリック、ザック・ライダー、カート・ホーキンス、カール・アンダーソン、ルーク・ギャローズ、ヒース・スレイター、エリック・ヤング、エリック・ローワン、サラ・ローガン、ノーウェイホセ、マイク・キオーダ、マイク・ケネレス、マリア・ケネレス、EC3、エイデン・イングリッシュ、リオ・ラッシュ、プリモ、エピコの20名だが、アメリカのメディアによると、スタッフやコーチ陣にもメスが入ったと報じられており、コーチ契約をしていた元新日本プロレスのケンドー・カシンも含まれているという。 WWEは、アメリカ国内で実際に試合を行っている数少ないスポーツ団体の一つ。フロリダ州は先ごろ、WWEについて「必要不可欠なサービス」と認定しており、最近では無観客は継続しつつも、収録ではなく試合の実況中継を再開していた。WWEは声明で新型コロナウイルスに対応するための予算削減に言及。企業幹部の給与の引き下げや経費の切り詰め、レスラーへの支出の削減をすると表明。今回の決断に至った経緯を説明している。 日本のファンにとって注目されるのは、新日本プロレスが生んだ名タッグチーム、カール・アンダーソン&ルーク・ギャローズの去就だろう。彼らは今年7月に開催予定の日本公演のメンバーにも名を連ねており、これまでも日本公演には度々来日し、馴染みのある東京・両国国技館に“凱旋”していた。2016年2月に新日本との契約を終了し、WWEへ移籍。日本でも盟友だったAJスタイルズとザ・クラブというユニットを結成し、WWEロウタッグ王座を2度奪取するなど、元IWGPタッグチャンピオンチームとして、WWEでもポジションを確立していただけに、今回のリリースは残念だ。 早くも日本のファンからは、新日本マット復帰待望論が高まっているが、新日本も興行を開催出来ない状況にあり、すぐに戻って来る可能性は厳しいのではないだろうか。しかしながら、新日本を除くと、同じく新日本を退団した選手が多数在籍しているアメリカのAEWぐらいしか選択肢はない。今後、彼らがどのような選択をするのか注目していきたい。(どら増田)
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スポーツ 2020年04月16日 11時00分
プロレス再開へ新日本・全日本・ノア・DDTら男女7団体が団結!馳浩衆院議員に要望書提出
長年の課題であった日本プロレス協会設立に向けた布石となるのか?15日、東京・衆議院第一議員会館にて、新日本プロレスとスターダムのオーナーであるブシロードの木谷高明取締役が、プロレス界全体からの総意として、石川・星稜高校の先輩後輩の関係で親交のある、現役プロレスラーにして衆議院議員の馳浩氏と面会し、「要望書」を提出した。 会場となった広めの会議室に馳浩氏が現れ、木谷取締役の呼びかけに応えて集結した、新日本プロレスから棚橋弘至、全日本プロレスから諏訪魔、DDTプロレスからHARASHIMA、プロレスリング・ノアから丸藤正道、ディアナから井上京子、東京女子プロレスから坂崎ユカ、スターダムから岩谷麻優といった男女7団体の代表選手と首脳陣が出席。スポーツ庁・経済産業省の各担当者とともに集まった報道陣に挨拶し、発起人であるブシロード・木谷取締役が代表して「要望書」を手渡した。 続いて、木谷取締役より「本日は緊急事態宣言の中、お集まりいただきありがとうございます。今回の要望書は私の名義になっておりますけれども、プロレス界全体、さらにはスポーツ界、ライブエンターテインメント界全体の課題だと思っておりますので、そのようにお受け取りいただければと思います」と語った。要望書には「現在新型コロナウイルス感染症の問題により、弊社グループの新日本プロレスリング、スターダムのみならず、プロレス業界全体が危機的な状況に瀕しております。今の状況ですと、レスラー同士の接触が生じるプロレスにおいて、無観客試合すら開催が危ぶまれ、半世紀続いてきた我が国のプロレス業界の灯を絶やしかねません。つきましては、以下の2点について要望申し上げます」とした上で、簡易検査キットの早期普及と、年間契約している選手の休業補償を要望している。 馳議員から選手に対して意見を求められると、棚橋は「今、選手たちは試合再開を待ちながら、道場での練習も選手が集中しないよう時間を区切りながらですが、しっかりやっています。試合ができないことで今後の生活にも不安がありますが、メジャースポーツといわれるプロ野球やサッカー、大相撲が再開していく中で、プロレスは“しんがり”、一番最後でもいいんじゃないかなと思います。プロレスができるようになった時が、日本のエンタメ業界の復活となるんじゃないかと思ってます」と語ると、岩谷は「私事ですが、2月19日にリアルバースデーイベントの開催を予定していましたが中止となってしまい、続いて3月8日の後楽園ホール大会も無観客で生配信となり、それからいくつかの大会が中止になっている中で、自分たちは“職業・プロレスラー”なのに試合ができないもどかしさもありました。でも、こういった簡易検査を実施していただければ選手も安心して試合ができますし、お客さまにも安心してご観戦いただけると思います。ずっと何もせず収束を待つよりも、このように行動に移してくださったことに感謝しています。これでまたプロレス界全体が盛り返していけるような流れになればいいなと思います」と実情を訴えた。 馳議員は「きょうは皆さんお集まりいただき、プロレス界の窮状を見ていただいき、それぞれ省庁のほうからも見解をいただきありがとうございます。企業に対して、選手に対して、団体に対して、それぞれの支援策がありますので引き続き相談していただければと思います。いつまでもこの状況が続いてはいきませんし、簡易検査キット、医療体制の充実、薬の開発も世界的に進めている状況の中で、このコロナ対策が首尾よく進み、収束を迎える時には、V字回復を目指した取り組みもまた、プロレス業界にとっては重要な役割であると思います。会社の皆さんや選手の皆さんには、ファンの皆さんに本当に喜んでいただけるような試合やコンディション作りをお願いしたいと思います」と選手たちを労うと、「苦言を呈するようですが」と前置きをした上で、「こういう時にできればプロレス団体として、業界として、コミッショナーがあると対応しやすい。統一されたコミッションがあると、我々受ける方も助かるということも、世間社会的にも認められたジャンルとしてしっかりされるものと思いますので、今日まとめ役の木谷さんにも宿題としてお願いしておきたいと思います」と逆要望。木谷取締役も「チャリティーやオールスター戦実現のためにも音頭を取りたい」とコミッショナー制度設立へ前向きな姿勢を見せている。 最後に、木谷取締役は「これでプロレス界だけでなく、ライブエンターテインメント界復活への第一歩にはなったと思います。再開の目途が立つのはまだ先ですが、こうして支援策もいろいろと提示していただきましたので、思い切って要望書を提出させてもらってよかったです」と手応えを感じたようだ。今回の要望書提出は、プロレスに限らずスポーツとエンターテインメント業界が一年間棒に振る危機に対し、交流の有無関係なく男女7団体が団結して、厳しい現状に一石を投じたのは大きな一歩と言えるだろう。 木谷取締役には、馳議員からの“宿題”をクリアしてもらいたい。(どら増田)
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スポーツ 2020年04月15日 11時35分
WWEシャーロット・フレアー、紫雷イオを挑発!戸澤陽は惜敗
世界最大のプロレス団体WWEは日本時間14日、アメリカ・フロリダ州オーランドにあるWWEパフォーマンスセンターで開催した主力ブランドのロウを世界配信した。 アメリカでも新型コロナウイルスの感染拡大が深刻な問題となっているが、フロリダ州はWWEの開催を認めており、WWEでは毎月開催されるPPVの他、毎週、無観客試合でロウやスマックダウン、NXT、205Liveといった番組を世界配信している。 この日のロウには、軽量級ブランド205Liveから“スタミナーモンスター”戸澤陽が、オースティン・セオリーと対戦した。戸澤は序盤、回し蹴りや延髄斬りで攻め込むと、セオリーも戸澤をターンバックルに叩き付けて反撃。さらに、戸澤がハリケーン・ラナからビックブーツをセオリーに放ち、エプロンからダッシュしてセントーンを炸裂。 これを勝機と見た戸澤は、ミサイルキックやオクトパスホールドと怒涛の攻撃を展開したが、最後はセオリーが一瞬の隙を突いてATLを戸澤に炸裂させて3カウント。戸澤は善戦するも無念の黒星となった。試合後にはアンドラデとエンジェル・ガルザが現れ、セオリーと共に3人掛かりで戸澤を襲撃。アンドラデのハンマーロックDDTでKOされてしまった。元新日本プロレスのKUSHIDAがクルーザー級王座に手の届く位置まで来ているだけに、戸澤もそろそろ存在感を見せつけておきたいところだ。 また、『レッスルマニア36』でNXT女子王者となった“女王”シャーロット・フレアーがゴージャスに登場。「次に高貴なる女王様に立ち向かってくるのは誰かしら。私は知っているわ。イオ・シライ!日本のキレイなお嬢様は、女王様の厳しいレッスンを受けてマットにひれ伏すことになるわ」と次期挑戦者に決定している紫雷イオを挑発。イオは現れなかったが、日米女王対決がそう遠くない時期に実現することを示唆している。 日本のスターダムで絶対王者だったイオが、シャーロット相手にどんな闘いを披露するのか期待したい。(どら増田 / 写真・©2020 WWE, Inc. All Rights Reserved.)
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スポーツ 2020年04月14日 06時30分
DDTが無観客試合の配信を断念!高木社長「今はできることをやっていく」
DDTプロレスは、4月12日より毎週放送予定だった無観客試合によるDDTプロレスTVマッチ「DDT TV SHOW」の放送を延期すると発表した。 延期されるのは、4月12日、4月19日、4月26日、5月3日の4週分の放送。DDTは「TVマッチについて、都内の複数会場で選手・スタッフの参加人数を最小限にし、分散した状態での収録を予定しておりましたが、東京都からの休業要請を受け、各会場の使用が難しくなったため、選手・スタッフの安全を第一に考慮し、収録を見送らせていただきます」と延期になった経緯を説明。 今後については未定で、「新たなスタート日につきましては放送日程が決まり次第、HP・Twitter上でお知らせいたします」としている。高木三四郎社長は「色々ダメージ大きいですが今はできることをやっていきたいと思います。何卒ご理解ください」とファンに理解を求めた。 12日の大会では、KO-D無差別級選手権試合、田中将斗 対 坂口征夫、DDT UNIVERSAL選手権試合、佐々木大輔 対 アントーニオ本多、KO-Dタッグ選手権試合、上野勇希&吉村直巳 対 MAO&マイク・ベイリー、スペシャルシングルマッチ、遠藤哲哉 対 樋口和貞など注目のカードが組まれており、会場を非公開にするなど実現に向けて全力を尽くしていたが、国や都はライブハウスや劇場などの施設を使用自粛要請に入れているだけに、無観客試合でも実現するのは厳しかったようだ。 現在、新日本プロレスなどが無観客試合を模索中だが、緊急事態宣言発令中の開催は厳しいかもしれない。(どら増田)
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スポーツ 2020年04月13日 22時30分
新日本・全日本・WWF合同興行『日米レスリングサミット』から30年!プロレス界が変わった日
今年の4月13日で、1990年4月13日に東京ドームで開催された新日本プロレス、全日本プロレス、WWF(現WWE)による最初で最後の合同興行『日米レスリングサミット』から30年の月日が経過した。 1989年に日本進出を狙っていたWWFビンス・マクマホン社長(現・会長)の動きを察知した全日本のジャイアント馬場社長(当時、故人)が、WWFと交渉。馬場氏が新日本の中で唯一「信用できる」としていた坂口征二社長(当時)に協力を要請する形で、当時でもあり得ない日米3大メジャー団体による合同興行が実現した。坂口氏は後日、「売り上げは折半でウチにとっては良かった」と大会を振り返っているが、この大会は、アリーナの図面を新日本が担当。マッチメイクは馬場氏がWWFと交渉し、リングの提供や、パンフレットは全日本が制作している。テレビ中継は当時、全日本と独占契約していた日本テレビ系列が放送したため、テレビ朝日と独占契約を結んでいる新日本勢の試合中継は行われないこともあり、新日本からは長州力、マサ斎藤(故人)、橋本真也(故人)、蝶野正洋、獣神サンダー・ライガー、野上彰(現AKIRA)が出場しているが、WWFのトップ選手との対戦が見送られたため、現場監督だった長州の意向で、橋本&マサ 対 長州&蝶野のIWGPタッグ選手権試合、ライガー 対 野上のスペシャルマッチ2試合を提供するに留まっている。 大会に向けてビンス氏が来日した際、全日本の東京・後楽園ホール大会で挨拶をしているが、散々WWFに外国人選手を引き抜かれていることもあり、当時のファンからビンスアレルギーにより大ブーイングを浴びている。その来日の際、図面を見たビンス氏は「ユーたちはベースボールスタジアムを分かってない」とバッサリ斬ると、「ミスターババはピッチャーじゃないのか?ベースボールスタジアムはマウンドが見えるように作られてるんだ」と、セカンドベース付近にあったリングをマウンド上に変更させたのだ。 日本の団体関係者によると、ビンス氏のこの要求に関しては、マッチメイクなどで「NO!」と言い続けていた馬場氏も日本のスタッフも、この発言には何も言い返せなかったそうで、馬場氏存命中に開催された全日本の東京ドーム大会でセンターからの一本花道を作らなかったのは、予算の問題だけではなく、ベンチからマウンドに向かいたい馬場氏の意向も反映されていたのである。また大会では、WWF方式のリングアナウンサーによるコールが初めて行われ、今ではこの時から採用された入場時コールが各団体当たり前のようになった。他にも試合後、勝者のテーマ曲が流れるようになったのも、この大会が初めて。新日本と全日本は以降、このスタイルを導入し現在に至っている。 13日の金曜日に開催されたこの大会は、メインカードが直前まで縺れて、最終的にはハルク・ホーガン 対 スタン・ハンセンのドリームマッチが実現。53,742人を動員した。同年、WWFはメガネスーパーが旗揚げした新団体SWSと業務提携。2000年代に入り、単独で日本公演を開催するようになった。30年経った今でも、映像を見ると新鮮さを感じることが出来る。当事者だった坂口氏とビンス氏が健在のうちに、いつの日かまたこのようなプロレスワールドオールスター戦を実現させてもらいたい。※文中一部敬称略(どら増田)
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