『侍祭り 〜平成最後の平成維震軍〜』
▽30日 東京・後楽園ホール 観衆 1.200人
越中詩郎が30日、後楽園ホールでデビュー40周年記念大会を開催した。
越中は全日本プロレスでデビューしながらも、メキシコ遠征を経て新日本プロレスに移籍。新日本で初代IWGPジュニアヘビー級王者に輝くなど、初代タイガーマスク、ザ・コブラと続いたジュニア=マスクマンのイメージを壊して、ジュニアとして一時代を築くと、反選手会同盟から平成維震軍に改名して、総大将として新日本のヘビー級戦線でも活躍した。
今大会で越中は、平成維震軍を率いて、橋本大地&遠藤哲哉&芦野祥太郎&最上九&清宮海斗の団体の枠を超えたHEISEI GENERATIONSと対戦。また平成維震軍の新メンバーXとして、平成生まれの新メンバーをお披露目した。越中のテーマ曲『SAMURAI』に合わせて、雷神矢口が生ギターで演奏する中、『覇』の大フラッグを振って出てきた新メンバーは、真霜拳號。HEISEI GENERATIONSが真霜を挑発する中、セコンドについたザ・グレート・カブキがヌンチャクと毒霧を披露。会場は大歓声に包まれた。
試合は越中と、ノアの若きGHCヘビー級王者の清宮が対峙。清宮は越中の一番近い後輩だった故・三沢光晴さんに憧れてプロレスラーになっただけに、越中との対決に燃えていたが、越中は清宮相手に一歩も引かない。また橋本大地は青柳と蹴り合う場面も。橋本さんと対戦経験がある青柳は、試合後、「(息子の)大地と蹴り合うなんて思わなかった」と感慨深げな表情を浮かべていたが、HEISEI GENERATIONSとの顔合わせは、どの組み合わせも新鮮で面白かった。
試合は越中が最上に侍パワーボムを決めてバンザイポーズも披露。勝負あったかに思われたが、3カウントは入らず。カブキの毒霧から、平成維震軍の大技連打を食らった最上を最後は新メンバーの真霜が仕留め、平成維震軍が勝利を収めた。
試合後、記念セレモニーが行われ、『アメトーーク!」で越中をネタにしてブレイクしたケンドーコバヤシがビデオメッセージで登場。ケンドーのコメントは以下の通りだった。
「越中さん、40周年おめでとうございます。きょうはですね、そちらの方へ行きたかったんですが、どうしてもですね、仕事のほうが入りまして。ちなみに『ケンコバのバコバコテレビ』という番組の収録がありまして、そちらの方へおうかがいできませんでした。越中さん。本当におめでとうございます。僕は本当に越中さんあってのこのケンドーコバヤシということを常々思っております。越中さんに教えていただいた、侍魂。それをもとに、きょうも頑張っております。会場でご覧の皆さんも越中さんのことは大好きだと思いますんで、皆さんこれからも50周年を目指して、越中さん頑張っていきたいと思います。いや、60周年!70周年!70周年までお願いします。それでは最後に、越中さん一発いかせていただきます。『やってやるって!』」
これに対して越中は「ケンドーの野郎、ちょっと偉くなったからって全然話もしてくれなくなったからなあ。人間あんなふうになっちゃダメだな」とインタビューブースで冗談混じりに話していた。
続いて、武藤敬司、長州力、天龍源一郎といった越中と縁のある大物がテーマ曲に合わせて入場。武藤は「越中さん、40周年おめでとうございます。本当にもう数少ない貴重な現役の先輩ですから。絶対にやめるなんて絶対言わないで、80歳位までプロレスやりましょう!」と語ると、長州は笑顔で「詩郎、おめでとう。以上!」と場内を和ませる。
最後に登場した天龍は「越中選手、40周年おめでとうございます。これだけの人が越さんのヒップアタック喜んでましたけど、俺たち3人、裏の寒い階段で25分待たされたよ(笑)」と全日本時代からの先輩ならではのコメントで越中の節目を祝った。またセミファイナルに出場した藤波辰爾も「彼も40年なんだね。まあでもこれからです。最後、皆で応援してください」とエール。エンディングにはリングにも上がっていた。
越中は「たくさんのファンの皆さん、応援していただきまして、背中を押していただきました。今後とも1試合1試合頑張っていきたいと思います。ありがとうございました!」と感謝し、40周年記念大会は終了。音響を務めた木原文彦リングアナウンサーのマニアックな選曲も会場の盛り上げに一役買っていたことも付け加えておきたい。
試合後、インタビューブースで越中は「真霜が心強いんで、任せてください。もう直感で(選びました)。勘で『こいつ!』って思いました。言葉はいらないと思うし、コイツも『行くぞ!』っつったら『はい!』って言ってくれたんで、もうそれだけだったですけど。はい。まあこれから、今日の暴れ方も楽しみだし、心強かったし、これからますます楽しみだし。維震軍自体のまた新しい風になると思います」と新メンバーの真霜を紹介。平成が終わっても平成維震軍は進化をし続けると強調している。
敗れたHEISEI GENERATIONSも豪華なメンバーだっただけに、このままでは引き下がれないだろう。特に清宮にとっては先日の長州との初遭遇もあり、かなり刺激になった様子。越中のコンディションが良いだけに、シングルでの再戦も期待したい。
取材・文・写真 / どら増田