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高野連、甲子園の『暑さ対策』を発表も賛否 「根本的な対策になっていない」の声も

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筒香嘉智

 30日、今夏開催される第101回全国高等学校野球選手権大会の第1回運営委員会が開かれ、同大会から選手の負担などを考慮し、準決勝と決勝の間に休養日を入れる大会日程とすることがわかった。

 新しい日程は準決勝と決勝の間に1日の休養日を設けるもので、「選手に負担をかけすぎている」現状を打破する狙いがあると思われる。さらに、試合時間も3試合行う日の第一試合は午前8時とし、準決勝についても午前9時に変更する。この措置の主な目的は「暑さ対策」で、8月までに新たな対策を導入する可能性もあるとのことだ。

 夏の高校野球は昨今の殺人的暑さの影響で、観客・選手ともに熱中症の症状を訴える人が続出。にもかかわらず、日程を変えようとしない日本高等学校野球連盟(高野連)に批判が集まっていた。また、連戦が続くことについても、横浜DeNAベイスターズ・筒香嘉智選手が「身体のできない子どもたちがトーナメントをしている」と記者会見で痛烈批判している。

 筒香選手は主催の朝日新聞社についても「高校野球の子どもたちになっていないという思いを伝えきれていない」と苦言を呈し、賛同者が続出中。高野連はこのような声を受けて、「一応の対策」をしたものと思われる。

 しかし、ネットユーザーからは「ほんの数歩譲歩しただけで根本的な対策になるとは思えない」「結局暑い時間に試合する高校は出るのだから同じこと」「最近の夏は朝から暑い」など、前進を評価しつつも、「有効な対策になる」と思った人は少ない様子。また、「多くの高校が参加する予選こそ対策をするべきだ」「甲子園だけならなんの意味もない」「批判を受けたからとりあえず休みと時間をずらしただけ」という厳しい声も出た。

 一方で、高校野球ファンからは「くたくたになっている中でプレイする高校球児が好きなので複雑」「暑さに耐えるのが高校野球」「夏にやらなきゃ面白くない」という意見も聞こえた。

 「休養日が増えたことは一歩前進でしょうが、1日の休みで胸を張られても困る。むしろ、『もっと何かなかったのかよ』という感じですよ。時間を早めても、結局、日中に試合するチームはあるわけですから、大した効果はないでしょう。

 高野連と朝日新聞社にとって高校野球はドル箱。何が何でも人が多く集まる夏休みに試合をしたい。しかし、筒香選手や長谷川滋利氏などがトーナメント廃止を訴える中、何もしないわけにはいかないということで、とりあえず休みを増やしたってところでは」(野球ライター)

 さらに、前出の野球ライターはこう続ける。

 「京セラドーム大阪開催なども叫ばれていますが、おそらく99パーセントありえない。『甲子園で試合することが高校野球の喜び』というOBが多いですから。何年経過してもリーグ戦にはなりえないし、根本的なレギュレーション変更はありえない。

 筒香選手の言うように、暑さに耐え抜き身体を酷使することをメディアが美化しているし、美談を作れませんから」

 もはや、暑さに耐える我慢大会になっている高校野球。抜本的な改革は難しく、旧態依然とした体制はこれからも続いていくようだ。

文・櫻井哲夫

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