これは、新潟県高野連が来春の春季新潟大会で導入する投手の球数制限について、ネット上に寄せられたコメントを一部抜粋したものである。先週末に判明し、複数メディアによって伝えられている全国初の対策に関しては、多くの高校野球ファンから賛否両論の声が挙がっている。
近年度々問題視されている、高校球児の投球過多。これを受けた日本高野連は、対策として今年からタイブレーク制(延長13回から)を導入しているが、今回の新潟県高野連の試みは、ここからさらに一歩踏み込んだ対策となる。
「100球」の球数制限はメリットもデメリットも考えられるだけに、冒頭のような声が挙がるのは非常によく理解できる。ただ、個人的な思いとしては、こうした声を承知の上で、まずは一度試してみてほしいという気持ちも強い。
今回導入の舞台となる春季大会は、夏の地方予選のシード権争いこそあれど全国大会には直結しない大会。何か新しいルールを試す場としては、非常に向いているともいえる公式戦である。
そこでどのような結果が出るかは、もちろんその時になってみないと分からない。ただ、メリット、デメリットどちらが出たとしても、それを元にさらに議論を進めることができることは確かだ。前例がないだけに難しい部分もあるだろうが、誰かが前例を作らなければなかなか現状は変わらないだろう。
「この道を行けば、どうなるものか。危ぶむなかれ、危ぶめば道はなし。踏み出せばその一足が道となり、その一足が道となる。迷わず行けよ、行けば分かるさ」。
かのアントニオ猪木が残したこの言葉のように、新潟県高野連には強い気持ちで今回の決断を実行に移してもらいたい。そう切に願っている。
文 / 柴田雅人