「日本学生野球憲章」2条4項に記載されている上記の一文に抵触する可能性があるとして、日本高等学校野球連盟(以下・高野連)が高知商野球部を問題視している一件。既に多くの方がご存知だと思うので詳細は割愛するが、既に処分案を決定してもいる高野連の姿勢に対しては、ネット上でも多くの批判が噴出している。
ユニフォーム姿で有料イベントに参加したことが、商業利用に該当するというスタンスをとっている高野連。この部分に多くの人が批判の矛先を向けているわけだが、個人的には“事前告知”の有無で話が変わるのではないかという思いもある。
高知商のHPを確認すると、問題の舞台となったダンス同好会の有料イベント(入場料500円)について、「1年前、ステージを開くことが決定し生徒たちが振り付けや演出、会場の手配や資金集めをしました。当日は1200人が来場し会場からは拍手が鳴りやみませんでした」という記述がある。これだけの人が集まったということは、当然そこまでにポスターやビラ、口コミなどといった周知活動がされたと推測できる。
この周知活動に野球部員出演の旨も盛り込まれていたのならば、高野連の主張も一応筋は通る。野球部の人気・知名度を利用して、集客を図ったとみられても反論はしづらいだろう。
しかし、野球部員の参加が当事者以外は知らないサプライズ的なものであったとするならば、商業利用と考えるのは厳しいと言わざるを得ない。野球部の参加が知らされていない以上、集まった1200人は純粋にダンスを見に来た人たちであると考えるのが自然だろう。
商業利用に該当するような周知活動が、果たしてなされていたのかどうか。高野連は頭ごなしに処分をする前に、このあたりの見解を示す必要があるのではないだろうか。ただ、入場料500円で商業利用などと主張するのならば、それ以上の価格設定をしている甲子園大会は一体どうなるのかという話にもなるが…
文 / 柴田雅人