越中は全日本プロレス出身。新日本プロレスでジュニアヘビー級の時代を築き、平成維震軍として活躍。お笑い芸人のケンドーコバヤシがモノマネしたことでも脚光を浴びた。メインでは越中が、AKIRA&青柳政司&齋藤彰俊&X with ザ・グレート・カブキの平成維震軍で出陣する。対戦相手は全員平成生まれの橋本大地&遠藤哲哉&芦野祥太郎&最上九&清宮海斗。団体の枠を超えたHEISEI GENERATIONSだ。
越中は「Xは平成維震軍の新メンバー。平成生まれの選手を選んだ」と話す。平成が終わってもプロレスリング・マスターズなどで平成維震軍としての活動は継続していく考えだ。越中はコンディションをキープしており、動きやキレも変わっていない。必殺のヒップアタックはもちろん、侍パワーボムなどの力技も健在。まだまだ元気なところを見せてもらいたい。
セミファイナルでは藤波辰爾が参戦。藤波はかつて越中とドラゴンボンバーズを結成。古くは2人のタッグで、前田日明&高田延彦と名勝負を繰り広げた。今回は佐藤耕平、現在調整中のXとトリオを結成し、NOSAWA論外&MAZADA&KAZMA SAKAMOTOと6人タッグで激突する。藤浪と越中は最近でもタッグを組むなど切っても切れない仲。藤波が越中の記念大会に出場することには運命を感じる。
第3試合では、長井満也が雷神矢口と異色タッグを結成し、TAJIRI&関本大介の新旧大日本タッグと対戦する。このカードは試合内容が全く予想できないところが非常に面白い。それぞれの絡みに注目したいところだ。その他、第2試合ではカズ・ハヤシがアレハンドロとの「W-1提供マッチ」に臨む。オープニングマッチでは「カーベルプレゼンツ」として、越中とつながりがある大森隆男がカーベル伊藤とタッグを組み、青柳優馬&岡田祐介の全日本新鋭タッグと激突する。
ベテラン選手による周年興行は、かつてのライバルやレジェンドを呼ぶ傾向が強いが、越中は敢えて新世代を中心にマッチメイク。この大会は単なる記念興行ではなく、プロレス界の歴史を新しい世代に伝承していく大会になりそうだ。越中詩郎の侍魂を受け継ぐ平成世代は現れるのか?注目だ。
取材・文 / どら増田
写真 / ©︎リデットエンターテイメント