国立競技場は東京オリンピック・パラリンピックに合わせて2019年12月に開場。今年4月より民営化され、三菱UFJフィナンシャル・グループが命名権(ネーミングライツ)を含むパートナーシップ契約を結んだことで今回の「MUFGスタジアム」誕生となった。命名権は5年間で、少なくとも30年末まで国立競技場はMUFGスタジアムと呼ばれることになる。
だが、今回の名称変更に関しては批判的な声もあるようだ。同競技場はすでに「国立競技場」として5年間も営業されて慣れてしまったこともあった。さらに「MUFGスタジアム」という名前が発音しづらいとの意見も少なくなかった。そのため、ネットでは「とにかく覚えづらい」「発音しにくい」「どうしても国立競技場と呼んでしまう」などネガティブな感想が相次いでいる。
国立競技場のような大規模施設においては、命名権を大手企業が宣伝のため獲得する場合も多いが、知名度向上という意味では目的を果たせなかったケースも多いようだ。例えば、福岡ドームは現在、「みずほPayPayドーム福岡」(福岡県福岡市)という名称になっているが、ネットでは「名前が長すぎる」「覚えられない」といった声も多かった。
また、「J:COMホール八王子」(東京都八王子市)は21年まで「オリンパスホール八王子」という名称であったが、11年にオリンパスの不正会計事件が明るみになったことで注目を浴びてしまうなどの問題点があった。
スポーツや文化事業には命名権を含むパートナーシップ制度は必要不可欠だが、応援しているファンや市民の感情までコントールすることは不可能である。果たして「MUFGスタジアム」は知名度をあげられるだろうか。