オープニングでは、前日のロウでメディカルチェックを拒否して出場停止処分となったベッキー・リンチが、COOのトリプルHと舌戦を展開した。
トリプルHが「お前はもう家に帰れ!処分を終わらせたいなら医者の許可をもらうことだ」と忠告すると、ベッキーは「ステファニーはどうした?医者には行ったのかな?」と昨日襲撃したトリプルHの妻・ステファニーに触れ挑発。するとトリプルHは顔を赤くしながら「レッスルマニアの大舞台でベッキーがロンダ(ラウジー)を恐れていると証明してしまうのが怖いんだろ」と詰め寄ると、ベッキーはトリプルHの顔面に平手打ち。これにはファンも大喜びした。
急遽出場した『ロイヤルランブル』を制して、王座への挑戦権を獲得したベッキーだが、ベッキーはスマックダウン女子王者のアスカではなく、ロウ女子王者のロンダを指名した。ロンダは結果的にアスカの王座奪取を“アシスト”した立場。一方、前王者のベッキーがロンダに抱く憎しみは大きい。ブランドを超えたタイトル挑戦は異例だが、マクマホンファミリーはロウの改革を明言している。これはその布石なのかもしれない。
先週、わずか2日でUS王座から陥落した中邑真輔は、ライバルのルセフがタッグを結成。ルーク・ギャローズ&カール・アンダーソンの元バレットクラブ勢と再会した。不穏な空気を漂わせる中邑とルセフは試合途中でもめる場面があったものの、いざというときに連携の良さを発揮した。ギャローズ&アンダーソンが、新日本プロレス時代からの必殺連携技マジックキラーをルセフに狙うと、場外で倒れていた中邑がルセフを救出。最後はルセフがマチカキックをアンダーソにヒットさせて3カウント。中邑&ルセフが即席タッグながらギャローズ&アンダーソンを一蹴した。
日本のファンにとってはもう少し再会マッチを楽しみたいところだったが、今週、US王者のRトゥルースと絡むことはなかった。4月に開催される世界最大のプロレスイベント『レッスルマニア』に中邑がどのような立ち位置で出場するのかは不透明だ。
同6日に世界配信された軽量級ブランド205 Liveでは、日本人スーパースター戸澤陽が、クルーザー級王座挑戦権をかけてセドリック・アレクサンダー、リオ・ラッシュ、ウンベルト・カリーヨとエリミネーション形式によるフェイタル4ウェイ戦を行った。
先週、ヒデオ・イタミ(退団)との日本人対決を制した戸澤は、序盤からラッシュにトペ・スイシーダ、カリーヨにはミサイルキックをそれぞれ決め試合を優勢に進めた。試合中盤にはアレクサンダーがランバー・チェックでラッシュを脱落させると、戸澤のダイビング・セントーンでカリーヨも脱落。最後は戸澤とアレクサンダーの一騎打ちとなり、最後は戸澤の必殺ダイビング・セントーンがアレクサンダーに決まり3カウント。3人を撃破して戸澤が見事、王者バディ・マーフィーへの王座挑戦権を獲得した。
試合後、戸澤は「よっしゃ!勝った!次は最後のチャンスだと思って絶対にクルーザー級のチャンピオンになるので、みなさん応援お願いします」と意気込んだ。『ロイヤルランブル』に続き『エリミネーション・チェンバー』と2ヶ月連続のPPVで王座に挑戦するのは異例の出来事。このチャンスを逃すわけにはいかない。今年は新たな軽量級の日本人スーパースターが契約することが確実視されているだけに、王者として迎え撃ちたいところ。『エリミネーション・チェンバー』は同18日に開催される。
文 / どら増田
写真 / 垪和さえ