新日本
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社会 2020年04月12日 18時00分
蝶野正洋の黒の履歴書 ★無観客開催がベストだった東京五輪
新型コロナウイルスが世界的に蔓延して、夏に開催予定だった東京オリンピックが延期になってしまった。だけど、俺は無観客でやればいいと思ってたんだよ。 いま、ヨーロッパやアメリカでは外出禁止になってる地域もあるし、練習もままならない。メダリスト候補の選手たちは、人生を賭けてここまでやってきたはずだから、こんな状況だと、出場したくないという選手もいっぱい出てくると思う。 でも、トップの選手が参加できなくても、次の誰かが出ればいい。オリンピックというものは参加することに意義がある。だから、参加できる人がいるなら、運営側はそのために万難を排して、開催にこぎつけなくちゃいけない。「競技者ファースト」ってそういうことだと思う。「観客がいない」というのは、そんなに大きな問題じゃない。俺のプロレスラーとしての経験からだと、会場がデカくなればなるほど、観客は背景になってしまう。お客さんの声援がちゃんと聞こえて、目線も拾えるのは、収容人数が1万人くらいの会場まで。それ以上だと、声援はワーッと響くだけになって、ハッキリ聞こえなくなるからね。お客さんの声援がないとパフォーマンスが上がらないなんていうのは、まだ大きな会場でやったことがないやつが言うことだよ。 もちろんパフォーマーとしては、声援を意識するよ。応援されている、というのは気持ち的には大きい。でも、普段の練習は観客がいる前でやってるわけじゃないからね。最高のパフォーマンスを出すためには、まわりがどうだろうと自分自身が集中しなければいけないというのを、トップアスリートほど分かっているはず。 だから、選手がよく言う「観客の応援がなきゃ力が出ない」なんていうのはリップサービスで、観客がいる、いないっていうのは、それほど関係がない。オリンピックのテーマは人類が1つになること それに、オリンピックを延期だの中止だのって揉めてたのは、商業的に関わってる奴らだからね。テレビの放映権とか、スポンサーへの補填とか、もうチケット売っちゃってるとか、全部カネ関係のことばかりだよ。 だから、サッカーリーグとか、プロ野球を中止するのは仕方がないと思う。選手もプロとしておカネを貰ってるし、ビジネスという面が大きいからね。でも、オリンピックはアマチュアの祭典という建前があるんだから、プロスポーツと一緒に考えちゃだめだよ。 そもそも、オリンピックというのは、“人類が1つになる”のがテーマでもある。だから新型コロナが蔓延して、世界中が不安になっている今こそ、やる意味があったんじゃないかなって思うんだよ。 新型コロナは、これからもまだまだ猛威を振るう。だからこそ、オリンピックを開催して各国が新型コロナと闘うという意思を見せて、まだ幸運にもコロナの影響がない世界中の人々にも、これからどう防いでいくかという啓発をするチャンスでもあった。 まだ新型コロナが収束する気配がない中、東京オリンピックは“ピンチをチャンスに変える”絶好の契機だったんじゃないかな。***************************************1963年シアトル生まれ。1984年に新日本プロレスに入団。トップレスラーとして活躍し、2010年に退団。現在はリング以外にもテレビ、イベントなど、多方面で活躍。『ガキの使い大晦日スペシャル』では欠かせない存在。
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スポーツ 2020年04月12日 08時00分
プロレスラー世界遺産 伝説のチャンピオンから未知なる強豪まで── 「ザ・ロード・ウォリアーズ」世界三大タッグ王座をすべて制した“暴走戦士”
プロレスと他の格闘技との大きな違いの一つに、タッグマッチの存在がある。2人以上の選手が組むことで試合の展開は多彩さを増し、「タッグにこそプロレスの面白さがある」との声も聞かれる。 そんなタッグマッチにおいて、歴代でもトップクラスの存在が、ザ・ロード・ウォリアーズだ。※ ※ ※ プロレスの起源については「グレコローマンスタイルの賞金マッチ」「イギリスにおけるキャッチ・アズ・キャッチ・キャン」「サーカスの見世物として行われていたカーニバル・レスリング」など諸説あるが、いずれにしても基本的には他の格闘技と同様、1対1の闘いとして行われていた。 今ではすっかりおなじみとなったタッグマッチが世界で初めて行われたとされるのは、1901年のアメリカで、サンフランシスコのプロモーターが考案したという。 このときのタッグとは、いわゆる「鬼ごっこ」の意味で、レスラー同士がタッチによって交代する様子と、鬼ごっこで鬼が相手にタッチすることの類似から命名された(コーナーで選手がロープを握って待機する様子と、船がタグロープで港につながれる様子が似ているため“タグマッチ”と称されたとの説もある)。 ともかく、タッグマッチの発明は興行としてのプロレスを大きく変革し、発展させることとなった。「1対1で勝敗を決するのが基本だった時代には、数時間たっても決着しない試合もあった。また、膠着状態になることが多いため、観客には退屈で、レスラーの肉体的負担も大きかった。それがタッグマッチならカットプレーで膠着を打破できるし、個々のレスラーの出場時間が短くなるぶん負担も減る。さらに、複数の選手が試合に関わることで、それにまつわるストーリーの幅も広がりました」(プロレスライター) 例えば、かつての新日本プロレスでは、アンドレ・ザ・ジャイアントのタッグパートナーとして、よくベテランで小柄のレネ・グレイが起用されていた。このグレイの存在は、アンドレの巨体をより際立たせるとともに、グレイが前面に立つことでアンドレの肉体的負担を軽減し、シリーズでの連戦を可能にしていた。また、難攻不落の“人間山脈”にも、タッグマッチでならグレイを攻めて黒星をつけることができた。 力道山が日本で興行を行う際、最初にシャープ兄弟とのタッグマッチを持ってきたのも、プロレスにおけるゲーム性の面白さや他の格闘技との違いを示す上で、より効果的との判断があってのことだった。 歴代最高のタッグチームとして、日本のファンからはジャイアント馬場とアントニオ猪木のBI砲、スタン・ハンセンとブルーザー・ブロディの超獣コンビ、ザ・ファンクスなどの名前が挙がるだろうが、世界的に見たときには、そのインパクトや後世への影響力から、ザ・ロード・ウォリアーズ、ホーク&アニマルの名前は外せない。★タッグ戦ゆえに際立った持ち味 ’83年に顔面ペイントのスタイルでコンビを結成してからは、途中でアニマルの脊椎損傷による長期欠場などはあったものの、およそ15年にわたってタッグチームの頂点を争い続けた。 NWA、AWA、WWF(現WWE)の世界三大タッグ王座をすべて制覇したのはウォリアーズだけで、この事実からも人気と実力の高さがうかがえる。 ウォリアーズの闘いぶりの特徴は、一気呵成に攻め立てて勝負を決める暴走ファイト。そのインパクトは絶大で、もともとはヒールとして登場しながら、多くのファンから熱狂的に支持されることになった。「ただ、こうしたスタイルはタッグだからこそ成立したものだと言えます」(同) ウォリアーズの様式をまねたシングル選手としては、WWFのアルティメット・ウォリアーがその代表格。ウォリアーズがWWFに参戦した当時は、名称がかぶることから「ザ・リージョン・オブ・ドゥーム」と別名義にされたほどの人気者であったが、アルティメット・ウォリアーが同団体の王座に君臨したのは、わずか2年ほどであった。「シングル戦ではどうしても相手を叩きつぶすだけの単調な試合になりがちで、そもそも勝ちっぱなしでは闘う相手がいなくなってしまう。また、メインイベントが短時間決着で終わると、興行自体が締まらないんですね」(同) 同様にハイスパート・レスリングで一世を風靡した長州力も、IWGP王者を3度獲得したものの通算の在位期間は1年ほどでしかない。 ウォリアーズの暴走ファイトが成立したのは、やはりタッグマッチだからこそと言えそうで、こうしたところにもプロレスの奥深さが感じられよう。ザ・ロード・ウォリアーズ***************************************PROFILE●アニマル・ウォリアー:1960年1月26日生まれ。アメリカ合衆国ペンシルベニア州出身。身長189㎝、体重135㎏。ホーク・ウォリアー:1957年9月12日生まれ〜2003年10月19日没。アメリカ合衆国ミネソタ州出身。身長191㎝、125㎏。文・脇本深八(元スポーツ紙記者)
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スポーツ 2020年04月09日 11時00分
新日本プロレス、福岡2連戦中止も団体初の無観客試合を検討!
新日本プロレスは7日に発令された新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言を受けて、4月シリーズ(5月4日まで開催)を全休にすると発表した。新日本では3月の全大会も中止にしており、2か月連続の中止となる。新たに中止が発表された大会は次の通り。4月19日 東京・後楽園ホール4月20日 東京・後楽園ホール4月21日 東京・後楽園ホール4月23日 大阪・大阪府立体育会館・第2競技場(エディオンアリーナ大阪)4月24日 兵庫・神戸サンボーホール4月25日 愛媛・宇和島市総合体育館4月27日 広島・広島グリーンアリーナ・小アリーナ4月29日 鹿児島・鹿児島アリーナ4月30日 熊本・グランメッセ熊本5月1日 大分・別府ビーコンプラザ5月3日 福岡・福岡国際センター5月4日 福岡・福岡国際センター 1993年に福岡ドーム(当時)で開催され、2009年に復活してからは、昨年まで福岡国際センターで11年連続で開催されてきたビッグマッチ『レスリングどんたく』が、今年は見送られることになってしまったのは、福岡県が緊急事態宣言の指定地域にされたとは言え、残念だ。 なお、新日本ではこれまで着手して来なかった無観客試合の開催について、現在検討中であることを明らかにしており、実現するならどういう形で行われるのか注目したい。無観客試合については、前IWGPヘビー級王者のオカダ・カズチカが意欲を見せている。 国内ではプロレスリング・ノア、DDTグループが配信サイトを利用して無観客試合を行っている他、海外ではアメリカのWWEが保有しているパフォーマンスセンターで開催している無観客試合を、テレビや配信で公開している。現在、新日本を中継しているテレビ朝日の地上波レギュラー枠では過去の試合を放送中だ。(どら増田)
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スポーツ 2020年04月08日 22時30分
緊急事態宣言を受け、プロレス・格闘技各団体が中止または延期を発表
安倍晋三首相が7日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、改正新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく、初の「緊急事態宣言」を発令し、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、大阪府、兵庫県、福岡県を対象地域に指定したことから、プロレス、格闘技の各団体が興行の中止ないし、延期の対応に追われている。 格闘技では、那須川天心も主戦場にしているキックボクシング大会RISEが、29日に予定していた東京・後楽園ホール大会の中止を発表した。RISEは今月12日に開催予定だった大阪・エディオンアリーナ大阪大会も中止にしており、「お客さまの安全並びに選手のコンディションを第一優先とさせていただいた」と今回も苦渋の決断となってしまった。 プロレス界では、DDTグループが「不要不急の外出自粛に伴い遠方へ営業活動ができない」との理由で、7月までの28大会(昼夜興行も含む)を中止とした。6月以降は地方大会のみ中止を発表しており、開催するにはプロモーションが必須であることから、早めの中止を決断した高木三四郎社長は「緊急事態宣言が明ける5.7以降の幾つかの地方大会もこの緊急事態宣言の期間に営業活動を伴うので同様に中止とさせて頂きます。何卒ご了承ください」とファンに理解を求めている。 また、大日本プロレスは、現在開催中の北海道ツアーを打ち切り、5.16東京・東部フレンドホール大会での再開を目指して、大会を開催しないと発表。ビッグマッチである5.5神奈川・横浜文化体育館大会は延期となり、振替日を協議中だという。業界最大手の新日本プロレスは、8日から東京・水道橋にあるオフィシャルグッズショップ『闘魂SHOP』を5月6日まで臨時休業。オフィス機能もしばらくの間、休止するという。5月には福岡・福岡国際センター2連戦が控えているが、流動的だ。 プロレス・格闘技界にとっても、今は我慢の時期となっている。(どら増田)
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スポーツ 2020年04月06日 11時45分
大日本プロレス、北海道巡業を強行で物議「なぜ道民を危険に晒すの?」プロレスファンから批判も
大日本プロレスが5日から始まった「北海道ツアー」を強行しているとして、批判を集めている。 5日から12日まで北海道各地で開催予定の北海道ツアー。北海道と言えば、日本で最初に新型コロナウイルス感染者が最多になった都道府県であり、現在は爆発的な感染者数の増加は抑えられているものの、5日時点で感染者数は194人。回復し、退院した女性が再び陽性になることも報じられた。 全国的な感染拡大を受け、政府がイベントの自粛を要請しているが、そんな中、大日本プロレスは北海道ツアーを開催。12日の日曜日には、感染者数がもっとも多い札幌・イーワンスタジアムで開催されるが、公式サイト上には、新型コロナウイルス感染者が出た場合に備え、チケットの裏面に名前や連絡先を記入することや、マスクの着用の推奨、入場時の検温やアルコールスプレーでの手指消毒や、会場内の扉を開放し、換気を行うことなどがアナウンスされている。 しかし、同じプロレス団体でも、全日本プロレスは6日に無観客試合を配信。新日本プロレスも11日から18日まで開催される予定だった大会を開催中止に。また、北海道の北都プロレスは8月末までの全試合を延期・中止にするなど対応を取っていることから、大日本プロレスのこの対応について公式ツイッターなどには、「あなた達が保菌してる可能性だってあるのに、なぜ道民を危険に晒すのですか?」「北海道の興行でクラスターが発生したら責任が取れますか?そうまでして、今行わなければいけない興行ですか?」「みんな自粛頑張ってるんだから来ないでください」という批判や、「強行してプロレスのイメージを悪くしないでください」といったプロレスファンからの悲痛な叫びも聞かれている。 また、試合後は選手への接触や握手こそ禁止されているものの、選手との写真撮影はマスクをつけた状態で行うとのことで、この点についても疑問の声が多く集まっている。 果たして、大日本プロレスはこのままツアーを強行し続けるのだろうか――。記事内の引用について大日本プロレス公式サイトより https://bjw.co.jp/文 福田優
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社会 2020年04月05日 18時00分
蝶野正洋の黒の履歴書 ★災害対策と“大阪都構想”
今回の新型コロナ騒動は、災害対策の面でも様々な課題を考えさせられるよね。俺が気になったのは、自治体ごとに感染者数が違うから、対応の仕方も変わってくるし、なにかあった時にフォローしあえる体制になってるかってところだよね。 例えば、東京で爆発的に感染が広がったら、都市機能が麻痺して、国としての動きも止まってしまう恐れがある。以前から言われてるように、国の中枢や行政機能は地方に分散させておくべきだよね。 日本という国は縦に長いから、どこかが災害で崩れても、どこかが無事という可能性が高い。南海トラフ大地震が起きたら、東西のどちらかが壊滅するかもしれない。その時のためにも、国の物事を決めるような拠点は、最低でも2つぐらい持っておかないといけないんじゃないかな。 現状では国の機能が東京に一極集中してるから、リスクが高くて怖いよ。なにかあった時のために、西側にも拠点をおくべき。それには大阪が重要になってくるんじゃないかな。 実際、いま大阪府で「都構想」が議題になってる。防災という観点からも「大阪都」にして行政機能と命令系統を一本化するというのは理にかなってると思う。 その場合、お役所的な考え方で、ただ行政機能を移せばいいっていうものじゃなくて、その機能を維持していく体制も構築しなくちゃいけないし、市民の意識も高めなきゃいけない。 東京の人は慣れてるというか、サミットや皇室関連のイベントがあるとなったら、どこを封鎖してどう動かすかというのがしっかりしてるし、それに一般市民も従ってスムーズにやっている。それを、大阪の人たちにもできるようになってもらわなきゃいけないってことだからね。 安倍さんが海外の客人と会食に行くってときは、銀座あたりを平気で封鎖する。そのたびに大渋滞になるから、ある意味、迷惑と言えば迷惑なんだけど、それをちょっと大阪に分けたいっていうのもあるよ(笑)。★大阪都構想が実現したら役人は頭が柔軟になる ただ、その前に大阪には政治的にまとまってないような感じがするから、そこをスッキリさせるのが大事なんだけどね。 俺の勝手なイメージだけど、大阪ってやっぱり“日本の次男坊”なんだよ。東京という長男に負けてないというプライドはあるんだけど、コンプレックスもある。次男の立場で好きなこと言うんだけど、いざトップでやれとなると「いや、ちょっと…」みたいなね(笑)。 でも、大阪は東京にはないいいところもたくさんある。昨年末の大阪モーターショーで、大阪市の松井市長と俺とでトークショーをしたんだよ。松井さんは俺と同い年で、気さくに話せる人だった。それをマスコミが「蝶野VS松井」っていう煽りをして、吉村府知事が「どうせなら蝶野さんにビンタされろ」みたいなツイートをしてきたんだよ(笑)。市長と府知事というトップ2人が冗談を言い合えるのは大阪らしいし、考え方が柔軟なんだろうね。 都構想が実現したら東京のお固い役人たちも、少しは柔軟な考えができるようになるんじゃねーか。そしたら、いろんなことがスムーズに行くかもしれないぞ。********************************************蝶野正洋1963年シアトル生まれ。1984年に新日本プロレスに入団。トップレスラーとして活躍し、2010年に退団。現在はリング以外にもテレビ、イベントなど、多方面で活躍。『ガキの使い大晦日スペシャル』では欠かせない存在。
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スポーツ 2020年04月05日 08時00分
プロレスラー世界遺産 伝説のチャンピオンから未知なる強豪まで── 「クリス・ジェリコ」日本とゆかりの深い史上初の統一世界王者
米WWEでの人気や活躍ぶりは、全盛期のハルク・ホーガンあたりと比べても遜色ないどころかむしろ上回るぐらいというと、違和感を覚える旧来のプロレスファンもいるだろう。 しかし、そんなクリス・ジェリコに対する評価は、決して大げさなものではないのである。※ ※ ※ 2018年から3年連続で、年頭の新日本プロレス東京ドーム大会に参戦しているクリス・ジェリコ(対戦相手はケニー・オメガ、内藤哲也、棚橋弘至で棚橋戦にのみ勝利)。 新日には不定期ながら出場を重ねており、’19年6月の大阪城ホール大会ではオカダ・カズチカの持つIWGPヘビー級王座にも挑戦している(ジェリコの前方回転エビ固めをオカダが押しつぶして3カウント)。 スカパー!などでWWEの試合をチェックしているファンなら知っていて当然、歴代スーパースターの中でも上位に格付けされること確実の超ビッグネームだが、昭和のファンの中にはいまいちピンとこないという人もいるだろう。 今年のドーム参戦時には新興団体であるAEW世界王者の座にあり(2月大会で陥落)、アメリカの現役トップが新日の大会に参戦したことは、日本よりも海外で大きなインパクトとして認知された。 なおAEWとは「オール・エリート・レスリング」の略で、大富豪の親子がバックにいる資金力から「WWEのライバル団体になり得る」との評もあり、ケニー・オメガも旗揚げメンバーに名を連ねている。 WWEが独走状態になってからの現役トップによる日本マット参戦は、近いところでは’05年のブロック・レスナーや’07年のカート・アングルの例がある。「ただし、レスナーはNFL入りを目指しての契約トラブルの最中で、アングルもWWEを実質解雇されていたときのこと。その意味からも、ジェリコの日本での試合は大きな注目を集め、対戦した日本の選手も世界的な評価を得ました」(プロレスライター) 90年代前半、若手時代のジェリコは日本やメキシコを主戦場としていた。「WARではライオン・ハート、あるいは冬木弘道率いる冬木軍においては、邪道や外道と並ぶ“ライオン道”の名でタッグ王座にも就き、新日では素顔以外にマスクマンのスーパー・ライガーとしても闘っていたので、日本のファンにはそちらのほうがなじみ深いという人もいるかもしれません」(同) ’96年にWCWと契約してからはイケメン&毒舌パフォーマーのヒールとして頭角をあらわし、’99年にWWF(現WWE)に入団すると、ザ・ロックとの抗争によって人気爆発。それ以降はWWEにおいて、すべての主要タイトルで王座に就くグランドスラムを達成するなど、常にストーリーラインに絡む活躍を続けてきた。★ヘビーメタルのバンドを率いる 少年時代、プロレスラーとロックスターに憧れたというジェリコは、二つ目の夢もかなえ、自らがボーカルを務めるヘビーメタルバンド「FOZZY」を率いて、これまでに7枚のアルバムをリリースしている。「もともとのバンド名は、“メタルの帝王”オジー・オズボーンの名をもじったホジー・オズボーンというもので、アマチュアに毛の生えた程度のコピーバンドでした。現在でもバンドの評価は決して高いものではありませんが、それでもプロレスとバンドを行ったり来たりできるのは、ジェリコのプロレス能力の高さがファンのみならず関係者からも認められている証拠でしょう」(同) ’01年、ザ・ロックを破ってWCW王座(WCW崩壊によりWWFの管理タイトルとなっていた)を獲得すると、同日にストーン・コールド・スティーブ・オースチンからWWF王座も獲得。史上初のWWF&WCW統一世界王者として、まさしくプロレス界の頂点に君臨した。 あらゆるスタイルをハイレベルでこなす技量の高さは、かつての日本での経験もあってのことで、オメガ戦では冬木を模したマッスルポーズを披露。試合後には「冬木さんこそが真の日本の戦士だと思っている。彼こそが天才で、さまざまなことを気にせず、自分自身のことをやり遂げた人」と話している。 現在所属するAEWとの兼ね合いから、今後は日本マットへの出場が難しいとも噂されるが、X JAPANやラウドネスを愛する日本びいきでもあるだけに、またその雄姿を見せてもらいたいものである。クリス・ジェリコ***************************************PROFILE●1970年11月9日生まれ。カナダ・マニトバ州出身。身長183㎝、体重103㎏。得意技/ウォールズ・オブ・ジェリコ(逆エビ固め)、ジュダス・エフェクト。文・脇本深八(元スポーツ紙記者)
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スポーツ 2020年04月02日 22時30分
新日本“蘇る金曜よる8時”1回目は内藤哲也対KENTAの二冠戦!
3日より、毎週金曜よる8時からBS朝日で1時間枠でスタートする新番組『ワールドプロレスリングリターンズ』の第1回目の放送内容が明らかになった。 記念すべき1回目は、今年の2月9日に大阪・大阪城ホールで行われたIWGPヘビー級&IWGPインターコンチネンタルダブル選手権試合、内藤哲也対KENTAの1試合を放送する。終盤に内藤が大流血するアクシデントもあり、大激戦となったこの一戦を入場からエンディングまで、通常の地上波放送(30分枠)よりも長尺で放送する他、この番組のために選手のインタビューなども収録し、1時間という枠をフル活用した内容になるという。 『ワールドプロレスリングリターンズ』は、以前もBS朝日で放送されていたが、地方によっては、地上波に放送内容が追いついてしまう事案が発生したことから、休止していた。テレビ朝日では、昨今の新日本プロレス人気を注視しており、今年1月4日、5日の東京ドーム大会は、BS4Kで生中継を行い、通常のBSでも再編集した上で放送している。今回は昭和の新日本プロレスファンには懐かしい金曜よる8時という、34年前まで長年に渡り『ワールドプロレスリング』が地上波のレギュラー枠を持っていた時間帯で、内容も新たに復活することになった。 1時間枠ということで、今回のようにタイトルマッチは1試合をノーカットまたはノーカットに近い形で放送することが可能になった。また、地上波の特番はテレビ朝日と数局しかネットしていないため、新日本熱が高い関西地区を始め、地方のファンから不満の声が多かったのも事実で、全国でリアルタイムで見られるBSで、2.9大阪城大会という比較的近い大会からスタートするのは、今後、新日本が地方で大会を開催する上でも大きな効果が得られそうだ。 先月から新型コロナウイルス感染拡大防止のため、大会開催を控えている新日本だが、お茶の間で目に触れる機会が増えるのは、プロレス界にとってもメリットがある。BS日テレで30分枠の番組を放送している女子プロレス団体のスターダムも4日から、毎週土曜日よる9時という見やすい時間帯に移動することが発表されている。こちらのゲスト解説は、新日本でも解説を務めている獣神サンダー・ライガー氏が務めており、局は違えどもブシロード傘下の2団体がこの春、BSという舞台で新たなチャレンジを行う。(どら増田)
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スポーツ 2020年04月01日 18時10分
新日本プロレスが18日までの全大会の中止を発表!無観客試合の可能性は?
新日本プロレスは新型コロナウイルス感染拡大防止に向けて、次期シリーズ『Road to レスリングどんたく 2020』 を11日の開幕戦から18日までの全大会を中止にすると発表した。『Road to レスリングどんたく 2020』中止決定大会・4月11日 神奈川・相模原市立総合体育館(相模原ギオンアリーナ)※発表済み・4月12日 静岡・アクトシティ浜松・4月13日 山梨・アイメッセ山梨・4月15日 福井・福井県産業会館・1号館展示場・4月16日 石川・石川県産業展示館3号館・4月18日 神奈川・トッケイセキュリティ平塚総合体育館 新日本では、2月末に海外も含めた全ての大会、イベントの開催を取りやめることを発表し、所属選手による他団体への出場もキャンセルしている。しかし、先日行われたオカダ・カズチカのラジオ番組公開収録で、オカダが「無観客試合」に意欲を見せるなど、レスラーの間からも葛藤があるようだ。 また、新日本の地上波レギュラー番組『ワールドプロレスリング』(テレビ朝日系列)は、過去の試合を流して“繋いでいる”状況。今月からはBS朝日で金曜よる8時から1時間枠のレギュラーも開始するとあって、アメリカのWWEのように無観客試合を開催し、TVマッチを行うというのもあり得ない話ではないだろう。19日からは東京・後楽園ホール3連戦が控えており、こちらはまだ中止が発表されていない。 新日本では『新日本プロレスTogetherプロジェクト』を配信サイトで大展開中だが、新日本がどのタイミングで再開するのかは、他団体も注目しているところ。果たして、どこまでこの状態が続くのだろうか。新型コロナウイルスの鎮静化まではまだまだ時間がかかることが予想されるだけに、興行の再開に踏み込むのは厳しいように見えるが…。(どら増田)
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スポーツ 2020年03月31日 11時00分
新日本オカダ・カズチカのラジオ番組がスタート!志村けんさんを悼む
新日本プロレスの“レインメーカー”オカダ・カズチカが、4月5日からスタートするTOKYO FMの新番組『オカダ・カズチカ SUNDAY RAINMAKER』(毎週日曜日あさ6時から6時30分)の2回目の収録を報道陣に公開した。 オカダは昨年4月13日の深夜に、ニッポン放送『オカダ・カズチカのオールナイトニッポン0(ZERO)』で、1時間(一部地域は90分)のラジオパーソナリティを務めており、テンション高めの放送は大きな反響を呼び、ファンからは再登板を熱望する声が多かった。その後、今年1月に放送された『高橋ヒロムRadio2020 ~初夢魅せてやんよスペシャル』(ニッポン放送)に別収録で出演したり、以前にはCHAOSでもオールナイトニッポンに挑戦している。 「ずっとやりたいと思ってた」 オカダにとって、今回は念願の初レギュラー番組。毎週放送されるとあって、気合いがかなり入っているようで、収録を終えると「緊張して1試合したくらいの汗をかきました。プロレスラーは筋肉と声だけじゃない。ちゃんと話せるって知ってもらいたいし、これは僕しかできない」とリング上同様、勝気な一面も覗かせていた。番組内のコーナーも「オカダ・カズチカが朝から3つ言わせてください!」など、レインメーカーのキャラクターそのままを反映されたものになっており、朝から“カネの雨”を感じさせてくれる番組になりそうだ。 この収録直前に、タレントでコメディアンの志村けんさんの訃報が飛び込んできたこともあり、オカダは「仕事はご一緒したことはないのですが、子どもの頃からテレビで見ていました。残念で寂しい。たくさん笑わせていただいた。そのぶんお笑いの方はたくさんの方を笑わせてほしいし、僕たちはプロレスで夢を与えていきたい」と志村さんを悼んだ。現在、新日本プロレスも新型コロナウイルスの影響を受けて、大会は自粛状態になっているとあって、オカダは大会再開後、プロレスで夢を与えていくことを誓った。 この番組は、全国ラジオ配信サイトradikoプレミアムなら全国から聴くことが出来る。(どら増田)
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