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蝶野正洋の黒の履歴書 ★災害対策と“大阪都構想”

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提供:週刊実話

 今回の新型コロナ騒動は、災害対策の面でも様々な課題を考えさせられるよね。俺が気になったのは、自治体ごとに感染者数が違うから、対応の仕方も変わってくるし、なにかあった時にフォローしあえる体制になってるかってところだよね。

 例えば、東京で爆発的に感染が広がったら、都市機能が麻痺して、国としての動きも止まってしまう恐れがある。以前から言われてるように、国の中枢や行政機能は地方に分散させておくべきだよね。

 日本という国は縦に長いから、どこかが災害で崩れても、どこかが無事という可能性が高い。南海トラフ大地震が起きたら、東西のどちらかが壊滅するかもしれない。その時のためにも、国の物事を決めるような拠点は、最低でも2つぐらい持っておかないといけないんじゃないかな。

 現状では国の機能が東京に一極集中してるから、リスクが高くて怖いよ。なにかあった時のために、西側にも拠点をおくべき。それには大阪が重要になってくるんじゃないかな。

 実際、いま大阪府で「都構想」が議題になってる。防災という観点からも「大阪都」にして行政機能と命令系統を一本化するというのは理にかなってると思う。

 その場合、お役所的な考え方で、ただ行政機能を移せばいいっていうものじゃなくて、その機能を維持していく体制も構築しなくちゃいけないし、市民の意識も高めなきゃいけない。

 東京の人は慣れてるというか、サミットや皇室関連のイベントがあるとなったら、どこを封鎖してどう動かすかというのがしっかりしてるし、それに一般市民も従ってスムーズにやっている。それを、大阪の人たちにもできるようになってもらわなきゃいけないってことだからね。

 安倍さんが海外の客人と会食に行くってときは、銀座あたりを平気で封鎖する。そのたびに大渋滞になるから、ある意味、迷惑と言えば迷惑なんだけど、それをちょっと大阪に分けたいっていうのもあるよ(笑)。

★大阪都構想が実現したら役人は頭が柔軟になる

 ただ、その前に大阪には政治的にまとまってないような感じがするから、そこをスッキリさせるのが大事なんだけどね。

 俺の勝手なイメージだけど、大阪ってやっぱり“日本の次男坊”なんだよ。東京という長男に負けてないというプライドはあるんだけど、コンプレックスもある。次男の立場で好きなこと言うんだけど、いざトップでやれとなると「いや、ちょっと…」みたいなね(笑)。

 でも、大阪は東京にはないいいところもたくさんある。昨年末の大阪モーターショーで、大阪市の松井市長と俺とでトークショーをしたんだよ。松井さんは俺と同い年で、気さくに話せる人だった。それをマスコミが「蝶野VS松井」っていう煽りをして、吉村府知事が「どうせなら蝶野さんにビンタされろ」みたいなツイートをしてきたんだよ(笑)。市長と府知事というトップ2人が冗談を言い合えるのは大阪らしいし、考え方が柔軟なんだろうね。

 都構想が実現したら東京のお固い役人たちも、少しは柔軟な考えができるようになるんじゃねーか。そしたら、いろんなことがスムーズに行くかもしれないぞ。

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蝶野正洋
1963年シアトル生まれ。1984年に新日本プロレスに入団。トップレスラーとして活躍し、2010年に退団。現在はリング以外にもテレビ、イベントなど、多方面で活躍。『ガキの使い大晦日スペシャル』では欠かせない存在。

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