報道によると、豊明市は子どもがスマホなどにのめり込む事を防いだり、睡眠時間の確保のため大人・子ども問わず2時間以内の使用を目安とするという。この条例には強制力や罰則はないが、時間を明記した「スマホ使用条例」は日本初の試みであり施行されるか否かが注目されている。
その一方、この条例案にはネットで厳しい声が相次いでいる。特に「2時間以内」という時間制限に対しては「少なすぎる」「意味がない」といった批判の声が多いようだ。実際、現在の日本社会はスマートフォンやタブレット端末なしには成立しないほど浸透しているため施行するには、ライフスタイルそのものを変化させる必要がありそうである。
例えば、テレビを見る方法については現在はテレビ本体を持たなくてもTVerやU-NEXTなどの公式配信サイトが存在しており、新聞や本に関しても紙で買う人よりもウェブや電子書籍で読む人が増えている。それ以外にも学校教育は現在、積極的にネットを取り入れており、コロナ禍以降急激に進化したオンライン授業や課題提出などもすべてネットで完結できるようになっているため、「今さら2時間と言われても減らせない」「完全に時代遅れ」といった厳しい声が多いようだ。
また、「仕事や勉強以外の2時間以内」という時間制限も曖昧であり、「仕事や学習、プライベートの境界線を引くのが難しい」「時間制限というやり方に無理がある」「根拠が不明」という声もある。
既に香川県では2020年に「ネット・ゲーム依存症対策条例」が制定されているが、現在はほぼ形骸化しており、意味のない条約となっている。
今回の豊明市の条例も「強制力や罰則はない」としているため、同じ轍を踏んでしまうのではないだろうか……。