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社交ダンスが認知症の予防に効果的 パートナーと交流でき心理・社会面にも良い影響

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松岡朱里氏の公式インスタグラムより

加齢によって心身の機能が低下し、健康と要介護状態の中間にあたる「虚弱な状態」をフレイルという。最新の研究で社交ダンスがフレイル予防に効果的であると分かってきた。21日放送のテレビ朝日系「モーニングショー」で解説した。

まず、フレイルの主な症状は、体重減少、疲労感、身体活動量の低下、歩行速度の低下、握力の低下という5つだ。筑波大学では、65歳以上の男女7万人を対象に、20種目のスポーツ活動がフレイルの進行をどの程度防ぐか比較研究した。

その結果、男性の1位は社交ダンス、女性では登山・ハイキングだった。女性では社交ダンスはランク外だったが、ダンスが効果的であることが分かった。

運動による健康増進を研究している筑波大学の辻大士助教は、「ダンスは多様な動作を含むため、下肢筋力・バランス・柔軟性を同時に鍛えることができる。高齢者も社交ダンスであればゆったりとした曲調で無理なくパートナーと交流でき、心理・社会面にも良い影響を与える」と分析する。

社交ダンス元全日本王者の金光進陪氏は「日頃スタジオでレッスンしているが、93歳の方も参加している。いくつになっても若さを保つことができる」と社交ダンスの魅力を語った。

戦後、社交ダンスには何回かのブームがあった。1940年代後半~50年代には若者を中心に、娯楽と出会いの場として流行した。96年には映画「Shall we ダンス?」の大ヒットをきっかけに始める人が増えた。

2021年の統計では、洋舞・社交ダンスの人口は約129万人とされ、70代と80代も合わせて26%がいる。金光氏によれば、最近は健康目的で始める高齢者が増えているという。

社交ダンスにはフレイル予防だけでなく、認知症リスクを減らすという研究結果もある。アメリカの大学で75歳以上の469人を対象に、余暇活動と認知症リスクの関係を21年間調査した研究がある。何もしない人に比べて、認知症リスクはそれぞれ、家事をする人は12%減、水泳する人は29%減、読書する人は35%減、ダンスは76%減という圧倒的な結果だった。

辻助教は理由について「ダンスは『記憶』『身体感覚』『音楽』『感情』など複数の脳機能を同時に使用するので、脳の神経回路のつながりが良くなり、記憶力・学習能力の向上、脳機能全体の活性化につながる」と指摘している。

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