パンダは現在、東京都台東区の上野動物園にて双子のジャイアントパンダ「シャオシャオ」と「レイレイ」の2頭が飼育されているのみ。だが来年2月には2頭とも中国への返還期限を迎えるため「日中間での緊張が続けば今後、パンダが日本で見られなくなるかも」といった心配の声が相次いでいるのだ。
事実、パンダの経済効果は高く、上野動物園ではパンダを見るために連日行列ができており、ぬいぐるみやタオル、菓子類などのお土産品の売り上げは好調だ。
動物園だけではなく上野駅までもモニュメントの設置のほか、同駅と御徒町駅の間にある約400店の商店街「アメ横」などで販売されている商品にもパンダの関連商品が多数あり、その経済効果は計り知れない。
一方、「パンダの楽しみ方」も大きく変わってきたようで、ネットが普及しているZ世代にとって「パンダ人気」はあまりなじみがないという。現にネットでは「パンダがいなくても別に構わない」「パンダは見に行ったことあるけど後ろ向いていて面白くなかった」「かわいいパンダが見たければYouTube動画で見る」など“パンダ不要”のスタンスを取る若者も少なくない。
日本にパンダが初めて来たのは半世紀以上前の1972年のこと。日中国交正常化を記念して「カンカン」と「ランラン」が中国から贈呈され、国内に空前のパンダブームを巻き起こった。いよいよいなくなろうとしているパンダは、日中関係を象徴する存在なのかもしれない。

