スポーツ
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スポーツ 2017年04月22日 15時00分
熱き侍たちが躍動!! メジャーリーグ Times 「現役最強のリードオフマン」レジェンド・イチロー
日本ではレジェンドという言葉が安易に使われるが、米国ではそのようなことはない。今季プレーするメジャーリーガーの中で、レジェンドという言葉にふさわしいと見なされているのはイチロー(43歳)と通算233勝の大投手バートロ・コローン(43歳=ブレーブス)くらいのものだ。 特にイチローに関しては、長い大リーグの歴史にその名を刻むことになる大選手という認識が揺るぎないものになっている。 米国では過去の偉大な選手と現代の大選手を比較することに情熱を傾けるマニアが大勢いて、メディアに「史上最強のホームラン打者50傑」「史上もっとも優れた監督ベスト30」といったランキングがよく出る。リードオフマンのランキングもいくつか発表されているが、どれを見てもイチローは4位ないし5位にランクされている。 左ページの表(※本誌参照)は米国で1年くらい前に発表された『史上最強のリードオフマン・トップ30』(N・I・アレン著)のランキングを基に作成したものだが、イチローは4位。1位は前人未到の通算1406盗塁をマークしたリッキー・ヘンダーソン、2位は通算4256安打のピート・ローズだ。盗塁を重視しているためスピード野球全盛の1980年代に活躍した選手が多数入っているため、現役選手はイチローだけだ。 今年3月に発表された『史上もっとも優れた一番打者ベスト10』(D・フランク著)は出塁率を重視しているランキングで、イチローには不利になるはずだ。しかし、こちらでも5位にランクされており、8位のP・ローズ、10位のR・ヘンダーソンより評価が高い。 それ以外のランキングでもイチローはおおむね5位前後にランクされていて、R・ヘンダーソン、P・ローズ、T・レインズ、C・ビジオらと先頭集団を形成している。 この高評価は重要な意味を持っている。なぜなら野球賭博で永久追放を受けたP・ローズ以外、みな殿堂入りしているため、イチローもアジア人で初めてこの栄誉を手にする可能性が高くなるからだ。 「殿堂入り」は日本では、その値打ちを理解されていない感がある。しかし米国での注目度はMVPやサイヤング賞よりはるかに高い。 選考対象となるのは、引退から満5年以上経過した元選手で、野球記者協会所属の記者による投票で75%以上の推薦票を得ると「当選」となる。21世紀になってからの17年間で選出されたのは31人、年平均1.8人という狭き門だ。投票は毎年年明け早々に行われ、30人前後が毎年新たな選考対象になるが、打撃部門のタイトルを一度獲ったとか、一度20勝したことがあるといった程度の実績では、ほとんど推薦票が入らない。大半は5%以上の推薦票を獲得できず選考対象リストから外されてしまう。 日本人選手では'07年に引退した野茂英雄が'13年に初めて選考対象になったが1.1%の票しか得られず、1年ですぐに対象から消えた。来年1月に予定される'18年度の投票では松井秀喜が初めて選考対象になるが、松井も5%以上を獲得するのは絶望的な情勢だ。それに対し、イチローは1年目に75%以上の推薦票を獲得して殿堂入りすると予想する向きが多い。評価の次元が違うのだ。★今季のプラス要因とマイナス要因 イチローは今季も4年目の外野手としてシーズンを迎えた。マーリンズは外野のレギュラー3人(レフト=オスーナ、センター=イェリッチ、ライト=スタントン)が全員打線の中軸を担う、活きのいい若手ときている。3人全員が一人も故障しないシーズンになればイチローはレフト、センターで各10試合、ライトで20試合程度しか先発出場の機会を与えられず、打席数も200前後になるだろう。 しかし、そうなる可能性は低い。一昨年、昨年と同様、今季も早ければ4月後半、遅くても5月中には3人のうち誰か故障し、それを機にイチローの出番が増えるというパターンになるだろう。■今季のプラス要因 (1)昨年からスイングスピードが10年前の全盛期に近くなり、今季もオープン戦を見る限り落ちていないように見える。今のところ足と肩にも衰えは見られない。 (2)昨年のように大記録達成のプレッシャーがない。 (3)昨季までレッドソックスにいた田澤純一が2年契約で入団。 (4)マーリンズはマイナーに外野手のホープが不在で、4人目の外野手の地位は維持できる可能性が高い。 (5)球団ができるだけ長く現役生活を続けさせようという姿勢を鮮明にしている。■今季のマイナス要因 (1)イチローに好意的だったロリア・オーナーが球団を売却。新オーナーがどんな意向を示すか不透明。 (2)球団はイチローを目玉に'18年3月、東京で公式戦を開催する計画だったが、実現せず、それが来季の契約に影響する恐れがある。 このように今季はオーナーの交代で環境が激変する可能性があるので、スタートダッシュでつまずくことは避けたいところだ。スポーツジャーナリスト・友成那智(ともなり・なち)今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流。アメリカ野球に造詣が深く、現在は大リーグ関連の記事を各媒体に寄稿。日本人大リーガーにも愛読者が多い「メジャーリーグ選手名鑑2017」(廣済堂出版)が発売中。
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スポーツ 2017年04月21日 17時00分
WBCの後遺症 キューバ代表が日本に売り込んできたウラ事情
千葉ロッテにキューバ代表のWBCナインが移籍する可能性があるという。 そのWBCナインとは、ロエル・サントス外野手(29)。対侍ジャパン戦でもスタメン出場し、“走りながら打つ”独自の打撃フォームでファンを驚かせた選手である。現時点ではキューバ国内の共産党機関紙が報じたこと以上の話は出ていない。また、千葉ロッテの戦力状況を考えれば、補強するのなら、デスパイネの抜けた穴を埋める大砲タイプだろう。球団経営幹部が一部メディアに対し、否定も肯定もしない曖昧なコメントを発していたが、1番タイプの俊足外野手は、むしろ有り余っている。このチグハグな移籍話には『ウラ』がありそうだ。 「キューバの(野球の)国内事情も影響していると思います。野球強豪国としての再建は急がなければなりませんので」 WBC準決勝、決勝を現地取材した米国人ライターがそう言う。 そもそも、今回のキューバ代表だが、20歳以下のナショナルチームで活躍した選手はほとんど招集されなかった。いや、招集したくてもその大半は亡命してしまったのだ。国内リーグを見ても、衰退は明らかだという。前出の米国人ライターはもとより、WBCの試合を解説した海外野球通たちも口にしていたが、豪腕剛球の投手、フルスイングのパワーヒッターはほとんど見られなくなってしまったそうだ。 「投手は130キロ台後半の直球、変化球主体の技巧派が目立つようになりました。バッターにしても、そうです。国内リーグとはいえ、かつては4割バッターが何人もいたのに、現在は打率、本塁打、打点のタイトル争いのレベルも落ち、もう国内にはメジャーリーグで通用する選手はほとんど残っていません」(前出・米国人ライター) こうした国内リーグのレベルダウンを受け、キューバは働き盛りの年齢にある主力選手に海外経験を積ませ、次の国際大会に備えたいという。 「ロッテ入りが噂されたサントスは29歳。次のWBCでは選手としてではなく、指導者として日本のスモールベースボールを学び、キューバに持ちかえってほしいと考えているのでしょう」(前出・同) 指導者と言えば、前大会のWBCだが、ビクトル・メサ監督(当時)は試合中でも怒鳴っていた。集中力の途切れたプレー、不注意から招いたミスに対して怒っていたのだが、今大会のカルロス・マルティ監督にはそういった言動は見られなかった。今大会ではそのビクトル・メサ元監督の息子も招集されていた。選手を緊張させないため、喜怒哀楽を表に出さなかったのかもしれない。だが、ビクトル・メサ・ジュニアの目に父親と真逆の采配を執ったマルティ監督や、衰退した代表チームはどう映ったのだろうか。 「キューバの野球選手は肩書では国家公務員なので、交渉の窓口はキューバ政府になっています。かつて、巨人がセペダを獲得したとき、キューバ政府側から『強い要請』がありました。長くキューバ野球界を牽引してきたセペダのメンツを汲んでほしいというもので、巨人は将来のパイプ作りと捉え、獲得に踏み切りました」(NPB関係者) 今回のサントスの移籍話にも、そんなキューバ政府の事情も含まれているのではないだろうか。※ロエル・サントス外野手の生年月日については、1987年生まれと表記していない野球名鑑もありました。本サイトは「1987年5月生まれ」と記されたWBC出場登録選手名簿を参考にいたしました。
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スポーツ 2017年04月21日 16時00分
新リーグ発足で石川佳純を襲う契約金5000万円のプレッシャー
石川佳純(24)のハートに何より響いたのは、カネだった? 来年秋、日本にプロアマ混合の卓球新リーグ「Tリーグ」が創設される。約半年のシーズン中、男女各数チームがシングル、ダブルスなどで対抗戦を行い、順位を争う方式だ。 その発表会見に臨んだ松下浩二理事は、世界のトップレベルの選手の参加を明言したが、報道陣を驚かせたのは「世界10位以内の中国選手を呼ぼうと思ったら、(1人)5000万円は必要」とした、契約金の提示額の高さだった。 日本国内での興行となれば、目玉になるのは日本のメダリストたちだ。石川は世界ランク4位。松下理事は石川に対してはもちろん、8位の伊藤美誠や11位の平野美宇たちにも、「同じような金額でオファーすることになる」と言い切った。 「国内にはプロリーグを持つ競技がいくつかありますが、卓球で多額な契約金を積めるということは、大手企業の参入が約束されているのでしょう。中国を始め海外では、卓球の興行は人気が高いので、海外メディアからの放映料も見越していると思われます」(体協詰め記者) 卓球競技を取材するメディア陣によれば、Tリーグ発足の動きはリオデジャネイロ五輪前からあり、年明けには多額な契約金の情報も石川たちの耳に届いていたという。しかしその後、石川は2月下旬に行われた卓球ワールドツアー『カタールオープン』で冷静さを欠き、中国選手に1回戦負けを喫している。 「五輪競技選手は、競技を続けるために企業に属し、金銭的に苦しい生活をしています。そんな中、高額な契約金話によって、石川にはあらゆるプレッシャーがかかりそうなのです」(同) 海外にはハングリーな選手が多い。石川を破った中国選手は「私にもオファーを!」の自己アピールもあったようだ。リーグ設立後、海外選手はカネと名声を求め、“石川潰し”に躍起になるはずだ。激戦を勝ち抜くコツは、もう1つゼロの多い大金にも動じない強いハートなのかもしれない。
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スポーツ 2017年04月20日 16時00分
追っかけ「スー女」まで出た びっくり“大黒字”で相撲協会はウッハウハ
ついに追っかけ女子まで出た。「スー女」というらしい。大相撲人気が、とどまるところを知らない。女子から見れは“萌えポイント”が沢山あるという。ベイマックスのようなプニュプニュ感とか、「技の種類」「力士の名前の由来」などに多大なる関心を示しているらしいのだ。相撲女子を取り込んでの嬉しい誤算に大相撲協会は笑いが止まらない。 新横綱稀勢の里(30)の奇跡の逆転優勝で沸きに沸いた春場所は、15日間、1枚も切符が残っていないという札止め。いや、春場所だけではない。初場所もオール満員御礼だった。つまり、今年になって、すべて超満員が続いているのだ。 この好景気を裏付けるような数字が3月末、明らかになった。日本相撲協会は3月31日、両国国技館で評議員会を開き、平成28年度の決算を承認した。 それによると、経常収益から経常費用を差し引いた額は約6億4000万円の黒字だったことが判明。2年連続の黒字で、去年のおよそ2倍強、3億9400万円もアップしていたのだ。 「今年はもう爆発的ですが、去年も初場所の琴奨菊、秋場所の豪栄道ら日本人力士の優勝で相撲人気は急上昇し、90日間の本場所のうち、満員御礼の垂れ幕が下がらなかったのはたった2日間だけ。そのため、入場券の売り上げは約1億8300万円も増えました。地方巡業も22年ぶりに70日間を超えて行われ(75日間)、こちらの興行契約金は7500万円の増加。事業収益は前年度よりも約5億9300万円も増えたのです」(担当記者) おもしろい相撲を取れば人気が出るし、フトコロも潤う。この、ごく当たり前の論理を証明する数字になったのだ。 この逆だったのが、平成22年度の決算。八百長問題など、前代未聞の不祥事が相次ぎ、春場所が中止に追い込まれるなどした年で、ファン離れが起こり大幅な収入減に陥った。この年はなんと48億円という、とてつもない額の赤字を計上している。 「非常に厳しい状況。早く信頼を回復し、土俵を見てもらいたい」 北の湖理事長(当時)は、険しい表情で語っていた。 「こんな赤字があと数年続けば、相撲協会は潰れるという危機的な状態でした。相撲協会全体に節約ムードが浸透し、職員の時間外勤務は、手当が発生するので完全撤廃。大入袋の紙質まで、それまでの和紙から安い洋紙に切り替えるなど、見直しを徹底したものでした」(協会関係者) しかし、そんな時代の記憶などどこへやら。このままだと、今年も大幅黒字は間違いない。相撲協会はさぞかしウッハウハだろう。 「スー女」は年間6場所、贔屓の力士をジャニーズよろしく追っかけをするのだろうか? これからは、土俵に力士が撒く塩と女子の嬌声が交じり合う光景が当たり前になりそうだ。人気になるのはいいが、日本の国技よ、どこへ行く。
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スポーツ 2017年04月20日 13時30分
メモリアルでサヨナラ失策! 鳥谷と阪神の“神ってない”不遇ぶり
トラの精神的支柱・鳥谷敬(35)がプロ野球史上歴代単独2位となる『1767試合連続試合出場』を果たした(4月19日)。鳥谷のこれまでの貢献度を思うと、メモリアルでサヨナラエラーを記録するのは残念な限りだが、改めて、“データの怖さ”も再認識させられた。 まずは、阪神がナゴヤドームを苦手としている点だ。ナゴヤドームは1997年にオープンした。昨季までの過去20年間で、同球場での阪神の勝率は3割4分9厘。「71」も負け越している。今季は白星スタートとなったが、ここには新加入の糸井嘉男(35)のデータが重なってくる。糸井は同試合までの全15試合全てにスタメン出場しているが、「両極端な傾向」も見せている。 糸井は本塁打、打点、得点圏打率はチームトップ。対戦カード初戦の打率は3割2厘と好成績なのだが、どういうわけか、第2戦以降は1割9分4厘と落ち込んでいる。「鬼門」とも称されるナゴヤドームでの試合で、白星スタートを切れたのは、糸井の一打もあったからだろう。 しかし、初戦と第2戦以降の「差」は、一体、何なのか? 対戦チームのマークも厳しくなるのは分かる。しかし、糸井側も対戦チームのこと、先発投手の特徴などをスコアラーから聞かされているだろう。また、一般論として、対戦カード3連戦の初戦に先発する投手と2戦目以降で出てくる投手を比べると、成績は前者のほうが「上」だ。 「交流戦でのデータがあるので、糸井がどういうバッターであるか、得意なコース、球種も分かっているはずです。再確認というか、改めてデータを見直す意味で、初戦は『打たれてもいい』という配球で臨んでいるのかもしれません」(プロ野球解説者) 糸井は第2戦の19日は、5打数ノーヒット。サヨナラ負けを喫した。奇しくも、ナゴヤドームでのペナントレース最初の3連戦だが、3年連続でサヨナラ負けを喫した。昨季、一昨季は2試合もカウントしている。 今季のサヨナラ負けは、1767試合連続試合出場のメモリアルを迎えた鳥谷のミスによって生じた。鳥谷はチームにおける影響力の強いベテランでもある。その鳥谷のミスで負けたとなれば、ベンチの雰囲気も重苦しくなってくる。それを払拭するには鳥谷自らのバットで勝利を呼び込まなければならない。 ちなみ、金本知憲監督(49)は就任以来、貯金5をカウントしたことがない。19日は貯金4だったので、初の「5」がカウントされるかとも期待されていたが、失敗に終わった。ナゴヤドームでの勝率の低さ、3年連続サヨナラのジンクス、そして、糸井の第2戦以降の打撃成績。データ上では、阪神は負けるべくして負けたことになるが…。鳥谷のリベンジが果たされなければ、今年の阪神は早々に首位戦線から脱落してしまうだろう。
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スポーツ 2017年04月19日 16時00分
イチローまでの繋ぎ役「オレ流」落合オリックス誕生へフル加速
一昨年は5位、昨年は最下位。そして今年も打線の主軸だった糸井嘉男が阪神にFA移籍し、各評論家からの下馬評も総じて低かったオリックス・バファローズ。それでも宮内義彦オーナーが福良淳一監督の続投を決めたのは、イチローのマーリンズでの現役続行が決まり、オリックス監督就任が1年先延ばしになったからだという。 その怪情報に、「なるほど」と合点がいったのが、3月31日から放映されている「Do you know ORIX?」というオリックスグループの新CMだ。その記者会見編では、イチローが会見の場で「オリックスが何の会社か知っていますか?」と集まった記者たちに逆質問。記者たちは社名や球団については知っていても、オリックスの事業展開については「そういえば、オリックスについて実はあまり知らないかも」と騒然とする内容だ。 「この奇抜なイチローCMとチームの快進撃が同時進行すれば、相乗効果でオリックス人気が高まり、ブームが起きるというのが宮内オーナーの狙いでした。その期待がいきなりズッコケたことで、大ナタを振るうとの情報が流れたのです」(スポーツ紙デスク) イチローの新CMが開幕戦と時を同じくして流れたオリックスだったが、地元京セラドーム大阪で、いきなり楽天相手に3連敗する最悪のスタートを喫した。福良監督は「また場所を変えて(4日からの西武戦)切り替えていくしかない」と取材陣に話したが、宮内オーナーは「惜しい負け方なんかない。結果がすべてだ」と激怒したという。 「このパターンはお決まりのコースです。オリックスは2000年以降、石毛宏典、岡田彰布、森脇浩司といった監督らがシーズン途中で交代させられています。石毛監督に至っては開幕からわずか20試合での解任。福良監督にしても一昨年6月2日に、森脇前監督の成績不振による電撃休養に入ったことから監督代行に就いた身。ただ、監督1年目の昨季を最下位で終えたことで、宮内オーナーが続投を決めたとはいえ、執行猶予付きのようなもの。各社とも“Xデー”に備えて情報収集に躍起です」(オリックス担当記者) オーナーの苛立ちは、春季キャンプの視察でも見て取れた。 福良監督から「順調です」とキャンプ報告を受けた同オーナーは、途端にぶち切れる。監督、コーチ、選手を集め、「昨年日本一の日本ハムが順調ならもう1回優勝できるが、最下位のうちが順調ではまた最下位になる。順調ではいかん。クレイジーなキャンプをやらないと」と、声を荒げたのだ。 そんな伏線があっただけに、開幕ダッシュに失敗した福良監督の休養は、もはや決まったも同然という流れだった。ところがどっこい、オリックスはそこから急上昇。マリナーズから獲得した新外国人ロメロの4試合連続ホームランなどで、あれよあれよと5連勝。2位に急浮上したのだ(4月10日時点)。 「快進撃の一番の原因は、福良監督が休養した場合の受け皿として、前中日GM落合博満氏の名前が取り沙汰されたから。ユニホームか背広かは分かりませんが、監督イチローを迎えるための環境整備のためなのは明らか。実業家の宮内オーナーは、落合氏が中日時代に年間8億円もの選手年俸を削減した手腕を高く評価しています。『オレ流来襲』の情報に、選手たちはこりゃたまらんとばかり、こぞって奮起し、チームが変貌したのです」(同) 球界の顔であるイチローと落合氏、そしてオリックスと中日とは、実は縁浅からぬ関係にある。 昨夏、中日の谷繁元信監督が休養した際、森繁和ヘッドコーチが監督代行に就いたが、落合GMが今季の監督に招請しようと動いたのがイチローだったという。愛知県出身のイチローは、ファンの人気も絶大。谷繁方式で兼任監督に擁立し、生き残りを図ったのだ。 結果は落合氏が解任され、腹心の森氏が監督に抜擢された。イチローが中日入りしていれば、落合氏も安泰だったが、イチローは古巣オリックスを選んだ。 「そこでイチローは自分が戻るまでの期間、(宮内オーナーに)落合氏の起用を進言したのでしょう。落合氏は最下位に沈んでいる中日の原因が“落合氏の負の遺産”などと報じられ、カチンときている。オリックスでワンクッション置き、2020年の東京五輪日本代表監督にサプライズ立候補という情報もある」(中日OBの野球解説者) イチローの日本球界復帰が近いことを示すように、イチローを慕い2012年に渡米した川崎宗則が電撃的に日本に戻り、4月1日にソフトバンクと契約した。イチローも3月に、ロサンゼルスに所有していたコンドミニアムを2億7200万円で売却するなど、米国の資産整理を始めている。 イチローが所属するマーリンズも、元ヤンキースのデレク・ジーター氏を含む投資家グループが買収交渉に入っており、これを一つの転機と捉える向きもある。 再びオリックスが低迷したとき、イチロー政権へ向け、落合氏の「オレ流オリックス」がフル加速する。
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スポーツ 2017年04月18日 16時00分
斎藤佑が阪神へ「戦力外」トレード要員リスト入り
斎藤佑樹(28)が“竜虎のいけにえ”にされる――。 日本ハム・斎藤が先発マウンドに上がったのは、4月6日の千葉ロッテ戦だった。内容は6回途中で降板。被安打6、失点3で敗れ、568日ぶりの勝ち星を上げることはできなかった。 「斎藤は6回の先頭バッターに四球を出した時点で交代を告げられました。失点し、走者を出しながらのピッチングでしたが、ギリギリ及第点の内容だと思います。栗山英樹監督(55)は『いいイメージ』のまま終わらせてあげようとしたのでしょう」(ベテラン記者) 試合後、栗山監督はゴロアウトを積み重ねていく斎藤の投球内容を指し、「我々が求めているのはそれ。方向性は間違っていない」と“称賛”した。しかし、翌7日、斎藤は一軍登録を外されてしまった。チームは大谷翔平(22)の怪我で投手起用できず、先発ローテーションを託せる投手が不足しているのに、だ。 「斎藤が昨年オフから懸命に頑張っていることは、アンチファンも認めているんじゃないかな。でも、復活ウンヌンと周りは騒いでいるようですが、去年までのプロ6年間でキャリアハイが『シーズン6勝』。目指すのは復活ではなく、心機一転のレベルアップではないか」(球界関係者) しかし、これまでもがき苦しむ斎藤に熱視線を送る球団はあった。水面下でトレードが模索され、「復活させる自信もある!」とするセ・リーグ球団もないわけではなかった。 「その一つが巨人だと目されてきました。昨季、日ハム球団との間でまとまった吉川光夫と大田泰示らの複数トレードについて、巨人側は交換要員リストに斎藤が入っているのではないかと期待していました。どのチームも投手の頭数は足りていないし、かといって、主力級の活躍をしている投手は出さないでしょう。そうなると、伸び悩んでいる投手か、再生可能な投手を見極めて、ということになる。斎藤がトレード候補として、常にモテモテなのは、そのためです」(前出・ベテラン記者) 栗山監督は斎藤を擁護しているが、一度登録を抹消すれば、10日間は再登録できない。もし本当に斎藤を期待しているのであれば、抹消せずに使い続けていたはず。球団首脳陣は「これ以上は無理」と見ているのではないか。 「斎藤を取り巻く環境も少し変わってきました。日本ハムは連覇を狙うチームに成長し、人気取りだけの選手は必要ない。巨人は今季、好スタートを切ったので投手の補充に躍起にならなくて済みます。セ球団で投手が足らないのは、阪神と中日だ」(同) 中日は開幕3カードを消化して、まだ1勝しか上げていない。しかし、スカウトの評価が高かった新人の柳裕也、2年目の左腕・小笠原慎之介を温存しており、「斎藤にはこだわらない」との見方もできる。 「森繁和監督が地元テレビでも公言しましたが、将来を有望視されていた伊藤準規(25)を指して、『ラストチャンス。実はトレードもまとまりかけていたんだが、残してやった』と。伊藤が交換要員なら、日ハムも慎重に審議してくると思う」(スポーツ紙記者) 阪神の出方も気になる。当初は救援陣が不安視されていたが、エース・藤浪晋太郎がWBC帰還後、「リラックス投法」なるフォーム改造を急に始め、黒星スタートとなった。藤浪が“自分探しの旅”に出てしまった以上、「先発、救援ともに不安」ということになるが、補強には“制限”がある。 「外国人枠を見ると、メッセンジャー、マテオ、ドリスの3投手を一軍登録しています。外国人投手4人は登録できないルールになっているので、投手補強の選択肢は国内トレードだけ」(在阪記者) 同一リーグでの投手交換トレードはまとまりにくい。「斎藤の6日の初登板をセ・リーグの偵察部員も見ていた」との話も聞かれた。その偵察部員が阪神スタッフか否かは確認できなかったが、こんな情報も入手。 「斎藤を蘇生できると見られるチームが特にそうなんですが、彼はセ・リーグ向きだと解釈されています。斎藤の武器は制球力でもなければ、球威でもない。セットポジションでのクイック、牽制の巧さなんです。投手が打席に立つセ・リーグは伝統的に投内連携プレーの練習に時間を多く割きます。斎藤は走者にモーションを盗まれて盗塁を許したとか、ガンガン走りまくられたなんてことは一度もない」(前出・球界関係者) 今後、斎藤が先発、救援のどちらに活路を見出すのかは分からない。しかし、リーグワーストの失策数を数える阪神にとって、ディフェンスに長けた斎藤は確実に戦力になる投手なのだ。 「金本監督は野手がエラーする度にベンチ後方で天を仰ぎ、イライラを押し殺しています。負けが込んでくれば、ファンもガマンの限界となって、アニキ批判が起きるかもしれない。そうならないためにも、球団は『補強をした、優勝を諦めていない』との姿勢を見せるべき」(前出・在阪記者) 10日後、一軍再登録される保証はどこにもない。ならば、牽制の巧さが武器になる“新天地”を自ら求めたほうが良策かもしれない。
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スポーツ 2017年04月18日 10時42分
「気分が良かった」“止まらない”那須川天心、初の横浜アリーナで67秒秒殺劇!
『RIZIN 2017 in YOKOHAMA-SAKURA-』。16日、横浜アリーナ 観衆 12,729人。 「みなさんの期待以上のことをして格闘技界を変えていきたいと思います!」 わずか67秒の出来事だった。 キックボクサーの“神童”那須川天心(TARGET/チーム天心)が、MMA(総合格闘技)の3戦目に挑み、試合開始早々に対戦相手であるフランチェスコ・ギリオッティの動きをコントロール。左ストレート、左ハイキックを放ちグラつかせたところで、隙を逃さずに出した左ストレートが見事にヒット。ダウンしたギリオッティにパウンド(パンチ)を連打し、たまらずレフェリーが試合を止めた。那須川は昨年の12月29日にRIZINさいたまスーパーアリーナ大会でMMAデビューを果たすと快勝。リング上から高田延彦RIZIN統括本部長に、中1日ながらも大晦日の大会参戦を直訴。「格闘技といえば大晦日じゃないですか。どうしても大晦日に試合をしたかったんですよ」当時のことについて、那須川は笑顔でこう振り返っていたが、この大晦日もMMAルールで勝利したことにより、キックボクシングの域を超えて“格闘技界のレインメーカー”として名を広めることになる。 「僕がRIZINさんに出て、地上波のテレビで僕の試合が流れることで、キックボクシングや格闘技を盛り上げたいし、広めたいんですよ」MMAに挑戦してもキックボクサーとしての自覚は揺るがない。那須川に関してはMMAファイターではなく、あくまでもキックボクサーがMMAに挑むスタンスと捉えたほうがいい。 今回の対戦相手だったギリオッティも、那須川と同じキックボクサー。戦前は「MMAルールなんて関係ない。キックボクシングのルールで勝ってやる」と息巻いていたが、試合後、インタビュースペースに現われると、「強い選手とは聞いていたが、こんなに強いとは…」と言葉を失っていた。 「次の試合も決まっているので、早く倒そうと思っていて、相手をコントロールできたので良かったんですけど、もっといろんな技を見せたかったなというのがあるんですけど、また次観たいと思わせるような試合ができたので良かったです」 予想以上の秒殺劇に若干の物足りなさを滲ませた那須川だが、来月10日には渋谷TSUTAYA O-EASTで開催される『ROAD TO KNOCK OUT.1』で元ラジャナムダンスタジアム認定スーパーライト級王者、石井宏樹と3分1Rの夢のエキシビションマッチが決定。続く20日の『RISE 117』後楽園ホール大会では、自身が保持するISKAオリエンタルルール世界バンタム級(-55kg)王座の防衛戦をライアン・シェーハン相手に行うことが既に発表されている。 キックボクシングの試合の前にMMAで負けてしまったら、ファンからも本末転倒と思われかねないだけに、絶対に負けられないという気持ちが、今回の秒殺劇を生んだのかもしれない。 RIZINのド派手な演出に合わせて、入場テーマ曲、矢沢永吉の『止まらない Ha〜Ha』(なんと矢沢の事務所の使用許可を得ている!)が流れると、横浜アリーナの空気が一変。「試合の時だけではもったいないなと思っているので私服でいきたい」という新調したレザーの黒いロングガウンに、ドラゴンボールの孫悟空を意識した青い髪に染め上げた那須川が花道に現われると、この日一番の大歓声が起こった。 「とにかく気分が良かったですね。大きい会場はモチベーションが上がります。いい経験になりました」 入場のときに初めて見た横浜アリーナの景色について、「気分が良かった」とサラッと言えてしまうのが、“神童”と呼ばれる所以かもしれない。また今大会はフジテレビ系列のゴールデンタイムにて全国放送。那須川も“ジョクカクファイター”RENAとともに事前番組などで期待の選手として取り上げられている。これに関しては、「僕の得意なのは打撃なので、それで決めるって思っていますけど、打撃のほうがお客さんが盛り上がるというか、お客さんが見たいのは倒し合いだと思うので、打撃で倒すっていうのは格闘技を盛り上げるっていうか、人気を上げる近道なのかなというのを示せたと思います」と満足気な表情で語った。 全試合終了後、大会を総括した榊原信行RIZIN実行委員長は、「天心には総合格闘家として、コンプリーターに成長していく過程を、RIZINでファンの皆さんと一緒に見つめていきたい。まだ18歳ですから。5年やっても23歳なんですよ。そのときに世界と勝負できるように、今はそれに向かって彼が光る選手を当てていきたい」と、那須川が秘めている無限な可能性について期待を込めた。 次回のRIZINは7月30日(さいたまスーパーアリーナ)。格闘技界の“天心旋風”は、まだまだ止まらない!▼第7試合 RIZIN MMA特別ルール(3分3R)◯那須川天心(1R 1分07秒 TKO)フランチェスコ・ギリオッティ●取材/文 どら増田写真 (c)RIZIN FF
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スポーツ 2017年04月16日 15時00分
プロレス解体新書 ROUND47 〈伝説の“鶴龍対決”第5戦〉 三冠王者となった天龍の憂い
1989年4月の三冠王座戦では、ジャンボ鶴田の頭から落とすパワーボムで失神KO負けを喫した天龍源一郎。その後、首と腰を痛めて戦線離脱した天龍は同年6月に復帰して雪辱を果たしたが、その表情が晴れることはなかった。 世間から頑固や偏屈と言われる人間も、当人には当人なりの理由がある。自分なりに考え尽くしたことを赤の他人に対して簡単に説明できるわけがないとの思いがあるから、どうしても無口になってしまうのだ。 '89年6月5日、日本武道館において天龍源一郎がジャンボ鶴田に挑戦した三冠王座戦。天龍は人生初にして唯一、鶴田戦でピンフォール勝ちを収めたにもかかわらず、喜びの様子を一切見せなかった。勝利者インタビューを求めるマイクに背中を向けると、リングを下りながら「まだまだこれからです」とだけコメントを残している。 プロレス大賞の年間最高試合賞を獲得したこの一戦。満場1万5200人の声援の中、パワーボム2連発からの完璧なピンフォール勝ちに、いったい何の不満があったのだろうか。後年、天龍自身が選んだ生涯ベストバウトも、同じ鶴田戦ではあるが、バックドロップ・ホールドに敗れた全日本プロレス離脱直前の試合であった。 「天龍というレスラーを読み解くキーワードの一つに“職業・プロレスラー”というのがあります。入団時の会見で『全日本プロレスに就職します』と言った鶴田が、プロレスを仕事として捉えていたのとは似て非なるもので、要するにプロレスを天職として全うしようということになるでしょうか」(プロレスライター) プロレスが仕事である鶴田は、職場のリングでだけプロレスラーになり、家では素顔の鶴田友美に戻る。お勤めだから当然、定年もある。片や天龍は職業として選んだからにはと、24時間プロレスラーであろうとした。常にプロレスとは何か、プロレスラーとはどうあるべきか考えを巡らせた。 「スタン・ハンセンからはプロレスラーのすごさを、ブルーザー・ブロディからはプロレスのすごさを教えられた」などの天龍語録からは、確かに考え続けた人間にしか出せない深みが感じられる。 「大相撲時代に所属した二所ノ関部屋のトラブルに巻き込まれたことで、予期せずプロレス転向を決めた天龍ですが、そこには天賦の才に恵まれた鶴田がいた。お仕事気分で強豪外国人を相手に、楽々とメインイベンターの務めを果たす鶴田に比べ、天龍は相撲とレスリングの違いもあって、スタミナ面やグラウンドのスキルなどでどうしても力及ばなかった」(同) しかし、その差を埋めるための試行錯誤がレスラー天龍の基礎となった。 「チョップやパンチ、キックで試合をつくるスタイルも、長年のアメリカ修行時に身に付けたアメリカンプロレスのテンポに、日本流の激しさを組み合わせた天龍による一種の発明ですが、これもレスリング技術では鶴田にかなわないことから生み出された部分があったのでしょう」(同) ジャイアント馬場、鶴田、タイガー戸口に次ぐ全日4番手の頃から、ライバル団体・新日本プロレスの総帥であるアントニオ猪木の延髄斬りや卍固めを使い始め、心ないファンからは“偽猪木”とのそしりを受けたりもした。しかし、その懸命なファイトは徐々に周囲から認められ、'83年には鶴田との“鶴龍タッグ”を結成するに至った。 だが、ようやく鶴田に近づけたとの思いを抱くも、同時にそのプロレス観への違和感が生じることにもなる。ハンセン、ブロディ、ロード・ウォリアーズらの技を受けることで試合を盛り上げ、主役の鶴田に見せ場を作ろうという天龍の思いが、当の鶴田には伝わっていないと歯噛みをすることもしばしばだった。 「天龍のキャラクターから誤解されがちですが、'87年に長州力らジャパンプロレス勢が離脱したのを契機にスタートした天龍革命は、別に激しい試合がやりたかったわけではない。その当時、アメプロよりもそうした試合の方がウケるという読みからの行動であって、それは後に天龍がインディー団体やハッスルに出場した動機とも大きく違わないのです」(同) 天龍の挑発にようやく鶴田が乗ったことでファンからも大きな反響を得ることになったが、しかし、そこで天龍は本気の鶴田のすごさを知らしめられる。天龍自身の人気も高まり、鶴田のライバルとされたはいいが、どうしてもそのナチュラルな強さにかなわない。 冒頭の試合に勝利した直後、コーナーにへたり込む天龍に対し、鶴田は何事もなかったかのようにスクッと立ち上がり、さわやかに握手を求めてきた。天龍はそれに応えようとせず、ただうつむいていた。 「結局、鶴田は天龍の気持ちや天龍革命の目的について、何も分かっちゃいないという絶望感が『まだまだこれからです』との言葉になったのでしょう」(同) 会社からも金銭という目に見える形での評価を受けることはなく、上には必ず鶴田がいてその枠組みが変わることはない…。そんな思いが約1年後のSWS移籍へと、つながることになったのではないだろうか。
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スポーツ 2017年04月16日 12時00分
新日本5.3福岡でIWGP初挑戦のファレ、21世紀のベイダーになれるか?
新日本プロレス4.9両国国技館大会。10,231人(超満員札止め)と、昨年4月の両国大会よりも多くの動員に成功。関係者の話によると、「雨だったにもかかわらず、残り僅かだった当日券も完売しました」とのこと。この大会で最もファンの興味を引いたのは、メインイベントで行われたIWGPヘビー級選手権試合、オカダ・カズチカに柴田勝頼が挑戦したタイトルマッチだったのは言うまでもない。オカダと柴田による前哨戦は、前哨戦の域を超えるような意地のぶつけ合いだった。試合は38分を超える死闘の末、オカダがレインメーカーで勝利。4度目の防衛に成功する。試合後、柴田は体調不良を訴え病院に緊急搬送。診察の結果、硬膜下血腫が見つかり、処置の為の手術を行ったが無事成功し、現在は安静状態となっている。 当然、勝ったオカダもかなりのダメージを受けていたが、勝ち名乗りを受けようとしたその瞬間、背後にバッドラック・ファレが現れオカダを急襲。必殺バッドラックフォールでKOした。これにはオカダのマイクによる締めとエンディングを期待していたファンから大ブーイング。屈辱を味わったオカダはファレの実力行使による挑戦表明を受諾。翌10日に5.3福岡国際センター大会での対戦が決定した。 「闘うなら『ヤバいファレと闘いたいな』って思いますよね」 オカダは「ファレも(バレットクラブの用心棒として歴代のリーダーである)プリンス・デヴィットやAJスタイルズ、ケニー・オメガの陰に隠れていて溜まっているものがあると思う」と前置きした上で、“ヤバい”ファレと闘いたいと挑戦者に注文をつけた。 さらにオカダは話を続ける。 「『いま』って言ってるボクが、『昔、昔』言って申し訳ないですけども、最近の外国人選手はみんな強いですけど、キレイすぎるというか、上手すぎるというか、そういう選手がいた中で、ファレはどちらかというか、昔ながらの外国人じゃないですけど、まだまだ持ってるモノはあると思いますし。そういうのを出して大暴れしてもらわないと、ボクに勝てないと思いますので、勝つ気で来てもらいたいと思います。そのファレをボクが倒したら、また『俺、強ぇな』って思うと思うんで」 ファレには昔ながらの外国人を感じると分析したオカダだが、そう感じているのはオカダだけではない。古くから取材をしている報道陣や、ファンの間からも、かつて新日本プロレスのエース外国人として、日本人選手の壁になっていた“皇帝戦士”ビッグバン・ベイダーと、ファレを被らせる声は大きい。これまでも棚橋弘至や中邑真輔、そしてオカダも怪物的なパワーで、節々に圧殺してきたファレだが、意外にもIWGPヘビー級王座は今回が初挑戦となる。この試合でさらなる覚醒を果たし王座奪取となれば、ファレが21世紀のベイダーとして新日本マットを席巻するのも夢ではない。バレットクラブ内のパワーバランスも変えられる大チャンスである。 ファレにとって課題をあげるとするなら、今年に入ってからのIWGPヘビー級選手権はいずれも40分前後の試合が続いており、王者のオカダは底知れぬスタミナを見せつけて勝利を収めている。これはファレにとって未知なる領域。しかし、ファレが圧倒的なパワーで試合の主導権を握り、オカダが得意とする長期戦ではなく短期決戦で勝負をかければ、十分に勝機はある。 今回のIWGPヘビー級選手権は、大型外国人選手の“復権”もかかった重要な試合。ファレはベイダーを超える素質と、レスラーとして大切な柔軟さを持っているだけに、大いに期待したい。(どら増田)(C)新日本プロレス【新日Times vol.64】
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