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WBC情報 侍ジャパン「世界一奪還」への試練

 壮行・練習試合の最終戦を勝利で飾ったが、2勝3敗と負け越した。その投打ともに不甲斐ない結果となったせいだろう。第4回WBCを戦う今回の侍ジャパンは「史上最弱」とも揶揄されている。だが、招集された28人の顔ぶれを見ると、過去3大会にも引けを取らない好選手ばかりだ。なぜ、壮行・練習試合で苦戦したのか…。

 小久保裕紀代表監督(45)は日本球界の変化に適応できなかったのではないだろうか。

 チームのまとめ役としても期待されていた嶋基宏(32)が故障を理由に侍ジャパンを離脱した(3月3日)。その代役として緊急招集された炭谷銀仁朗(29)は過去の代表経験を生かし、他球団投手とも息の合ったところを見せてくれた。

 「国際大会において捕手は非常に重要な役目を担います。過去3大会もそうでしたが、ベンチスタートとなった捕手には相手チームの分析もやってもらいます。マスクを被っている捕手は緊張するし、それどころではない。各投手のボールも受け、好不調、仕上がり具合も伝えてやるのも控え捕手の役目」(球界関係者)

 もちろん、守備の要としての役目もある。ペナントレースでも捕手は重要な役割を担うが、昨季の打撃成績を改めて見てみたところ、規定打席数に到達したのは巨人・小林誠司(27)だけだ。どのチームも正捕手不在の状態で、なかには先発投手との相性でスタメンマスクを使い分けているチームもあれば、長年務めてきたベテラン捕手との世代交代の時期を迎えたところもあった。

 また、過去3大会でマスクを被ってきた侍ジャパンの主な捕手だが、里崎智也、谷繁元信、城島健司、阿部慎之助など、打線の中核選手やリーグを代表するトップ選手が目立つ。離脱した嶋は東日本大震災直後のスピーチや労組選手会の会長職でも存在感を発揮してきた。東北楽天に欠かすことのできない正捕手ではあるが、城島たちの圧倒的な存在感と比べられない。

 過去3大会でマスクを被った先人たちは、その圧倒的な存在感で投手陣を牽引し、守備の要も務めていた。それが過去3大会と現侍ジャパンのチーム力の『差』となっているのではないだろうか。

 また、外国人投手にクローザーを託すチームも増えてきた。小久保監督は松井裕樹の調子が上がってこないことに一抹の不安をこぼしており、年長の権藤博投手コーチは早い時期から、巨人菅野、楽天則本の救援起用も示唆してきた。

 12球団が世代交代の途中にある。正捕手不在、日本人クローザーを持っていないチームの増えた状況にあることが侍ジャパンにも影響したのかもしれない。

 第2回大会で原辰徳監督(当時)は大砲タイプの日本人スラッガーが少なくなった課題に直面した。村田修一を故障で欠き、稲葉篤紀を「つなぎの4番」として戦い、不調の藤川球児に代えてダルビッシュ有を緊急リリーバーとして登板させた。現有戦力でどう補って戦うか、そこは指揮官の腕の見せどころである。(スポーツライター・飯山満)

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