自民党の参院選候補を応援するため、石破首相は7月9日に長崎県諫早市で演説。その応援演説のなかで、長崎県の海岸線の長さに関して「北海道に次いで2番目と言われている。北方領土を除いて考えれば、日本で一番海岸線が長いのは長崎県だ」と話した。
北方領土は現在ロシア連邦が実効支配をしている状態だが、日本政府は日本の領土だと主張し、返還を要求している。しかし、石破首相の今回の発言は、ロシアによる北方四島の不法占拠を容認したと受け取られる可能性もある。
これに対してネット上では、「あまりにも軽率過ぎる」「切り抜かれたら絶対に問題しかない発言に危機感がないことにがっかり」といったあきれたような声がある一方で、「どんな文脈だったのだろうか」「無理にあら捜しをしているように見える」など切り取り方への疑問も上がっている。また、「『北海道を除けば』って言えばいいところをわざわざ『北方領土を除けば』って言って語弊を生む」といった意見も見られた。
当サイトでは、以前も、外国人労働者受け入れに関する石破首相の発言を取り上げた。そこでは「七面倒くさい日本語、日本の習慣」と述べており、そのワードチョイスに疑問の声が上がっていた。
20日に投開票日を控える参議院選挙では、すでに期日前投票も始まっている。このような誤解を招く発言が続けば、選挙結果に影響を及ぼしかねない。選挙期間中の言葉選びには、特に慎重になるべきだろう。