「マスコミが予想している候補者の中から決まると思う。でも、誰がどうやって決めるか、きちんと決まっていない」(球界関係者)
前巨人監督の原辰徳氏、DeNAを再建させた中畑清氏などの名前が報じられている。次期代表監督は東京五輪の野球競技も指揮する可能性もある。追加競技とはいえ、日本中がもっとも関心を抱いているのが野球・ソフトボールだ。そのため、「侍ジャパンと東京五輪を切り離す計画」が腹案として温められている。
この重大人事に、清宮幸太郎(17=早稲田実業)が影響してきそうなのだ。
清宮は“WBCの裏番組”となりそうな今春のセンバツ甲子園を戦う。進路問題はまだ『白紙』だが、将来の目標は明言している。
「東京五輪に出たい!」
現時点で五輪野球はオールプロで臨む方向だが、追加種目として当確するまで二人三脚の関係で戦ったアマチュア、学生野球組織から「自分たちも」と、特別枠による出場希望が打診されている。この経緯は本誌先週号で既報した通りだが、新たな展開も見えてきた。
「ONに“前”に出てきてもらうことになりそうです。王貞治会長は東京五輪のエンブレムマークを選び直す特別委員を務めました。野球競技の話になると、『若い人たちが』と一歩引いた言い方をされていましたが、次期代表監督の人選について、コミッショナー側が相談を持ち掛けるのは必至。アテネ五輪の予選を指揮した長嶋茂雄氏も同様です」(球界関係者)
ご意見番ともいうべき年齢に達したON両氏が、東京五輪の指揮を執ることは考えにくい。しかし、激励に駆けつけるくらいの協力は惜しまないはずだ。その激励の相手が清宮であれば、ONが本来望んでいる『次世代へのバトンタッチ』もでき、最高の演出となる。
それだけではない。野村克也氏にも一役買ってもらうことになりそうだ。幸太郎の父・克幸氏は野村氏とも親しい。さかのぼれば、克幸氏の父が南海ホークスの選手時代から野村氏の大ファンで、克幸の『克』の字はそこから付けたのだという。克幸氏がラグビー界でカリスマ的存在になってから、「克の字」の話をすると、親交がさらに深まり、野球を選択した幸太郎のことも相談してきたという。