スポーツ
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スポーツ 2017年03月23日 17時00分
センバツネット裏情報 「あのルール変更」に高校野球はどんな準備をする?
メジャーリーグで今季から『敬遠四球の申告制』が導入される。2016年、プロ野球がメジャーよりも“1年遅れて”コリジョンルールを採用した。こうした経緯を考えると、来年の今頃、プロ野球と日本国内のアマチュア、学生野球も『敬遠四球の申告制』を取り入れているかもしれない。プロ、アマチュアともに国際試合を戦う際、ルールが違えば混乱も生じかねないからだ。 『敬遠四球の申告制』に関する是非は、各メディアが報じている。プロ野球各球団首脳陣、解説者など意見はさまざまだが、高校球界は意外にも冷静だった。 「アマチュア球界は人を介して、メジャーリーグでそういう動きがあることを聞かされていたようですね」(社会人野球関係者) 独自の情報ルートを持っているのはプロ野球会も同じだ。それでも冷静である理由は、今回の申告制と類似した“変則ルール”をアマチュア野球界は経験してきたからだという。 「20年以上前になりますが、アメリカ遠征で敬遠を省く特別ルールで試合をやった思い出話を(指導者の)先輩たちに聞かされたことがあります。アメリカは時間短縮に力を入れており、近年でも、二死の場面で捕手の打者が出塁したら、特別代走を出して、攻守交代時のレガーズ着装の時間を省かせる試合もありました」(学生野球指導者) “特別ルール”の試合を経験してきたからだろう。「やっぱり、出たか」というのが正直な感想のようだ。 もっとも、申告制そのものについては賛否両論で、日本国内のアマチュア公式大会にそれを導入するかどうかを検討することになれば、それなりの時間は掛かるようだ。アマチュア野球の大会は主に公営競技場で行われる。「日程内、時間内に試合数を消化するため」であれば、受け入れざるを得ないと予想する声も聞かれたが…。 「試合中に生じる失策のほぼ半分は『送球関連』なんですよ。敬遠が申告制になれば、敬遠球の暴投もなくなるわけですから、まさに時間短縮となるでしょうね」(学生野球指導者) しかし、失策をハプニングと置き換えた場合、「敬遠球を打ち返す」「タイトル争いに水を差す行為に抗議して」「ベンチの指示を無視してライバルとの勝負に出る」といったドラマは見られなくなる。投手出身のプロ野球解説者もこんな話をしてくれた。 「敬遠で4球を投じる約30秒間に守っている側が呼吸を整える、守備陣全員でサインを確認するという『間』がなくなります。野球は『間』のスポーツだと思っているので、申告制になればゲームが単純化していくと思う」 メジャーリーグが時間短縮を目指す背景に、テレビ文化との共存がある。コマーシャルを入れるタイミングもそうだが、試合が長時間化すれば視聴者は離れていき、広告出資する企業も二の足を踏んでしまう。 高校野球はどうか? 1試合平均は2時間台である。試合途中、プロ野球と同じようにグラウンド整備も行われているのに、だ。プロ野球はバッテリー間で交換するサインも複雑で、リリーフ投手を何人も投入するので自ずと時間も長くなってしまう。それはそれで分かる。だが、高校野球の試合時間はさほど長くない。『敬遠死球の申告制』で高校球界が動じないのは、それを導入しなくても試合時間を短縮する方法を知っているからではないだろうか。攻守交代時にダラダラと歩くヤツもいないし…。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2017年03月23日 16時00分
熱き侍たちが躍動!! メジャーリーグ Times 35歳正念場を迎えた青木宣親
先週は今シーズン、いくつもの「追い風」が吹く可能性が高い日本人選手としてヤンキースの田中将大を取り上げた。今週は「逆風」が吹きすさぶ中でシーズンを迎えることになる日本人選手として、アストロズの青木宣親を取り上げたい。 メジャー6年目を迎える青木は今季、新天地のヒューストンでプレーすることになるが、4月3日から始まる2017年シーズンはメジャーリーガーとしての選手生命を賭けた年になる可能性が高い。★ア軍が青木を獲得した理由 青木のアストロズ入りは昨年11月8日に、前所属のマリナーズとトレードが成立したからだ。ア軍が青木を獲得した理由は、外野のレギュラーでただ1人の左打者だったラスマスがFAになってチームを出たため、左打者の補強が不可欠になったからだ。 ただ、青木をトレードで獲得後、ア軍は長距離砲で守備力も高い左打者の外野手ジョッシュ・レディックを4年5200万ドル(約57億円)で獲得。さらに、昨年ヤンキースとレンジャーズで主砲として活躍したスイッチヒッターの外野手カルロス・ベルトランを1年1600万ドルで獲得したので、青木は不要になったかに見えた。だが、ア軍は熟慮の末、青木とも1年550万ドル(6億円)で契約した。どんな判断があったのだろう? 「メジャーではトレードで獲得した選手を球団の都合で自由契約にすることは、ざらにあることなんだ。アナリストや記者連中は、アストロズがレディックを取った時点で青木との契約を見送る可能性が高いと見ていた。それでもアストロズが青木と契約したのは、レディックが好不調の波が激しいタイプでスランプになると長引くこと、ベルトランが39歳になる大ベテランで故障リスクが高いことなどを考えて、青木を彼らの保険としてキープすることにしたんだ。青木は毎年2割8分台の打率を出している計算できる打者。保険にするにはうってつけだからね」(スポーツ専門チャンネルのアナリスト) このような経緯でア軍と契約することはできたが、青木の今季は多難なシーズンになりそうだ。大きな逆風になりそうな要素が二つあるからだ。■二つの逆風★逆風1:強力なライバルがいっぱい 今季、ア軍の外野には強力な人材がひしめいている。 チームの構想では、外野のレギュラーはライトが長期契約で入団したレディック。センターが昨年29本塁打のスプリンガー。レフトは同じく昨年29本塁打のベルトランだ。ただし、ベルトランは半分ほどDHで起用される可能性が高く、その場合は4人目の外野手である青木がレフトで先発出場する。 ただ5人目の外野手に守備の名手マリズニクがいるため、ベルトランがDHにまわる場合でも、相手の先発投手が左の場合は右打者のマリズニクがスタメンで使われる可能性が高い。それを考えると、今季ア軍の外野陣に長期故障者が出なければ、青木は主に「9番レフト」で80〜90試合程度にスタメン出場するのがやっとだろう。 今季、青木が何よりも心掛ける必要があるのは、序盤から高打率をキープすることで、スロースタートは許されない。昨年のようにシーズン序盤の打率が2割2〜3分台に低迷するようだと、ア軍は3Aにハイレベルな若手を2、3人抱えているため、早い時期にマイナー落ちするだろう。解雇される可能性もある。★逆風2:メジャーで生き残りが難しくなる35歳 メジャーリーグでは20代後半の選手が過大評価される反面、年齢が30台半ばになった選手は過小評価されて買い叩かれる。イチローのように特別な選手は別だが、松井秀喜は35歳でワールドシリーズMVPになる活躍をしながら、翌年36歳になるという理由だけでヤンキースから再契約を見送られ、前年の半分以下の年俸(1300万ドル→600万ドル)でエンジェルスと1年契約するしかなかった。福留孝介に至っては、成績が下がったわけでもないのに35歳の年は年俸が前年の10分の1以下になり、満足に出番も与えられないままシーズン途中で解雇された。 青木は現在35歳。メジャーで生き残りが難しくなる“厄年”に差し掛かっている。大リーガーとしての選手生命を終わらせないためには、打率2割8分台、出塁率3割5分台くらいの数字をシーズンを通じてキープし、同時に100試合以上にスタメン出場する必要がある。★WBC参加は来季への布石? 青木自身も、大リーグでは30代半ばになると特別な選手以外、生存が難しくなることを重々承知しているはずだ。ア軍でレギュラーが保証されているわけでもないのに、WBC・侍ジャパンに参加したのも、まだまだやれることを日本球界とファンにアピールしたいという気持ちが強いからだろう。30代半ばを過ぎたベテランにとって、メジャーリーグが極端に冷淡であることを考えると、そう思わずにはいられない。スポーツジャーナリスト・友成那智(ともなり・なち)今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流。アメリカ野球に造詣が深く、現在は大リーグ関連の記事を各媒体に寄稿。日本人大リーガーにも愛読者が多い「メジャーリーグ選手名鑑2017」(廣済堂出版)が発売中。
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スポーツ 2017年03月22日 17時50分
WBC準決勝敗退 「侍ジャパンは米代表リーランド監督の苦悩を参考にすべき」の声
侍ジャパンが準決勝で散った。試合終了後、小久保裕紀監督(45)は「力を尽くしたと思う。選手はよくやってくれた。感謝したい」と語っていたが、試合前のアメリカ代表指揮官、ジム・リーランド監督の言葉を思い出していたのではないだろうか。 前日、リーランド監督は侍ジャパンの守備力の高さを称賛し、「ミスをしたほうが負けると思う」と答えていた。自分たちへの戒めとして話していた感もあったが、名手・菊池涼介(27)の失策が侍ジャパンの失点につながった。8回表にも松田宣浩(33)のファンブルが三塁走者を帰還させ、試合を決定づけてしまった。 「選手は責められません。ただ、守備でリズムを掴めなかったのは、予選6試合との大きな違いです」(現地入りしたメディア陣の一人) 前日練習でこんなシーンも見られた。緊急招集したクローザー、マーク・メランソンについて話題が及ぶと、リーランド監督は自国メディアからこんな質問を受けた。 「また、制約が増えるんでしょ?」 米国人ライターによれば、今回の代表招集にあたって、リーランド監督はかなり苦労したという。日本との準決勝戦で守備についた野手8人は全員、ゴールデングラブ賞の受賞経験者。ホスト国なのに、まだ一度も決勝ラウンドに進出していない屈辱…。メジャーリーグもようやく本気になったのか? 全体会見では「アメリカのために戦うとの思いが強い者を集めた」と語っていた同監督の言葉も思い出されるが、内幕は違っていた。 「大半の選手と、試合出場に関する契約を交わしているんです。選手本人だったり、所属球団だったりと契約先は異なりますが、契約書があるため、リーランド監督は選手起用に『制約』を受ける形になりました」(米国人ライター) その制約を聞くと、たとえば、スタメン捕手は登録したキャッチャーを交互に使う、リリーバーはイニングまたぎをさせない、一度肩を作ったリリーフ投手が登板せず、待機となった場合、二度目の準備はさせないなど…。たしかに、インディアンス所属のアンドリュー・ミラーは、シーズン中、当たり前のようにイニングまたぎをしてきたリリーバーなのに、日本戦では6回途中で出てきて、3分の2イニングを投げたところで交代している。全員ではないが、こうした制約だらけのなかで、リーランド監督は勝ち上がってきたのだ。 先のメランソンの緊急招集に対し、日本のメディアは「また強敵が加わった」という見方をしていたが、アメリカ側は「どういう制約があって、メランソンを追加招集できたんだ?」と聞きたかったわけだ。 今さらだが、リーランド監督は97年にマーリンズを世界一に導き、タイガースを指揮した8年間で3年連続地区優勝も果たした名将である。制約があっても必要な選手だから招集したわけだが、「自分の采配でなんとかしてみせる」との強い決意もあったのだろうか。 同時に、こんな見方もできる。起用法に関する制約を受け入れるのならば、日本人メジャーリーガーも招集できるのではないか…。小久保監督は昨夏、日本人メジャーリーガーのもとに自ら足を運び、侍ジャパン入りの説得を重ねた。その熱意は称賛に値するが、それだけでは国際大会は勝てなくなってきたのだ。 次の日本代表監督は誰に決まるのか、まだ分からない。しかし、日本人メジャーリーガーの所属球団と対等に話のできる代理人もスタッフに加えるべきではないだろうか。次期監督にはリーランド監督の精神的な強さも見ならってもらいたい。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2017年03月22日 16時00分
引退でもオールスターに出場させるバレーボール界の“サオリン頼み”
“サオリン”こと、木村沙織(30)が帰ってくる。 木村が最後の公式戦を終えたのは3月5日。バレーボール・プレミアリーグのプレーオフにあたるファイナル6(上位6チームが進出)だったが勝利で飾ることはできず、しかも、第4セット途中で両足がつって交代するハプニングにも見舞われた。しかし、試合後は「サオリン」の大コールが沸き起こり、木村は笑顔で何度も手を振り返していた。 これが、女子バレーボール界を牽引してきたヒロインのラストシーン…。そう思われたのだが、状況が一変したのだ。 「オールスターゲームのファン投票で木村が4位となり、出場資格が生まれたため、『どうする?』と改めて聞き直したところ、意外にもすんなり答えが返ってきたのです」(体協詰め記者) バレーボール協会と所属する東レスタッフがその質問をしたのは、ラストゲームの後に行われた引退会見直後だった。 マスコミもシャットアウトされた控え室でのやり取りである。木村はひと呼吸置いてから、「チャンスがあれば、しっかりと盛り上げたいと思っています」と、オールスター戦出場に前向きな姿勢を見せた。 「主催者はホッとしたんじゃないですかね。木村がいなくなれば、観客動員数が激減するのは必至。特に、今シーズンは木村の最後ということで、普段はバレーボールを観戦しない人も見にきてくれますから」(同) 所属する東レ・菅野幸一郎監督は木村の実力を誰よりも認めており、引退会見の行われていた脇で「テクニックもあるんだから、トレーニングを積めばあと5年はできる。一度休んで、またやりたいと思うのか、別の道があるのか…」と、惜しんでいた。 「関係者によれば、木村自身も『整理ができていない』と話している。出場機会を得たオールスター戦は3月25日。ここで木村の闘争心に再び火が点くかもしれない。ただ重要なのは、彼女の後継者を育てることなのですが…」(同) サオリン頼みはもうしばらく続きそうだ。
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スポーツ 2017年03月22日 12時15分
「夢はアルバム発売」DDTプロレス20周年大会で、“二刀流”アイドルNωAがタイトル奪取!
プロレス団体のDDTは20日、旗揚げ20周年記念大会『Judgement2017』を、初進出となるさいたまスーパーアリーナのメインアリーナで開催。10,702人と同団体では最多となる超満員の観衆を集めた。 DDTの客層は約6割を女性ファンが占めており、この日もいわゆるプ女子(プロレス女子)たちの黄色い声援が、出場した各選手に絶え間なく送られていた。 DDTといえば女性アイドルユニットとのコラボレーションが度々話題になっていたが、高木三四郎社長は「この1年間で女性ファンの率がグッと高くなった」と分析。昨年11月6日に新木場STUDIO COASTで開催された音楽イベント「DDTフェス2016 supported by ナタリー」では、女性アイドルの出演率を下げて、人気男性アイドルユニットDISH//が出演し、“ゲイレスラー”男色ディーノと一戦を交えてDISH//を応援している女性ファンを熱狂させた。 またこのフェスに合わせる形で、昨年の5月には、なかば強引的に? 高木社長がDDTの選手からアイドルユニットNωA(ニューレスリングアイドルの略でアイドルは片仮名の「ア」から取ったとのこと)を結成することを発表。メンバーには大石真翔、勝俣瞬馬、MAOの3選手が選ばれた。サウンドプロデュースには、DDTと幾度もコラボレーションをしてきたアップアップガールズ(仮)も手掛けているmichitomoが担当。作詞は勝俣が書き上げ、リーダーに就任し、昨年8月の両国国技館大会で会場限定ながらデビュー曲『ネバギバ☆I LOVE YOU』を発売。11月のフェスにも参加すると、今年の1月には、作詞を勝俣、作曲をMAO、振り付けを大石が担当した2ndシングル『Going my ωay!!!!!〜キミはひとりじゃない〜』を発売し、シングル2枚の売り上げが好調だったことで、NωAはプロレスラーとアイドルユニットの“二刀流”の道を本格的に歩みだした。 この日行われた大会では、会場が大物アーティストのライブの聖地、さいたまスーパーアリーナということもあり、オープニングマッチのKO-D6人タッグ選手権3WAYマッチで、最初に登場したNωAは、満員の客席に向かって「盛り上がってるか〜い?」と呼びかけてから、『Going my ωay!!!!!〜キミはひとりじゃない〜』を熱唱するなど、入場から気合いが入りまくっていた。試合は3チーム9人の選手が入り乱れる中、NωAが得意の立体殺法で他チームをかく乱すると、最後はMAOがDDTの実力者ヤス・ウラノから大金星ともいえるピンフォール勝ちを収め、NωAとして初タイトルの奪取に成功(チャンピオンチーム以外のチームから勝利してもタイトルが移動するルール)した。 試合後、大石は「俺らに唯一足りなかったのがタイトルでした。これさえあれば何でもできる」と涙ながらに語ると、勝俣も「夢は諦めなければ実現するんだということを実感した」と笑みを浮かべ、MAOは「防衛をし続けて、アルバムを発売し、ワンマンライブをやりたい」と次の目標をぶち上げた。NωAは10日に勝俣の地元である柏のライブハウスイベントに出演するなど、音楽(芸能)活動も精力的に行っており、各地で好評を得ている。勝俣は「ベルトを巻きながらライブハウスで歌えるのは、僕たちにしかできないことなので、音楽の世界からDDTに新しいファンを引っ張って来たい」と力強く語っていた。 男子レスラーによるアイドルユニット結成はNωAが初めてではないが、リング外での活動にここまで力を入れた例はなかっただけに、目標に掲げたアルバムの作成や、ワンマンライブが実現したその先には、メジャーデビューなど未知なる世界が待っていることだろう。3選手ともにプロレスラーとしてのポテンシャルが高いからこそ、プロレスとアイドルの二刀流が成り立っていることを最後に付け加えておきたい。DDTプロレス20日 さいたまスーパーアリーナ 観衆10,702人(超満員)▼オープニングマッチ KO-D6人タッグ選手権3WAYマッチ 60分一本勝負<王者組>樋口和貞&岩崎孝樹&渡瀬瑞基 vs 高尾蒼馬&彰人&●ヤス・ウラノ<挑戦者組> vs 大石真翔&勝俣瞬馬&MAO◯<挑戦者組>8分11秒 片エビ固め※キャノンボール450°。樋口組が2度目の防衛に失敗、NωAが第29代王者となる。<取材/文 どら増田>
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スポーツ 2017年03月20日 18時00分
2017年センバツ「メジャーリーガーみたいなバッターと日本流の強打者」
センバツ大会(第89回選抜高校野球)が開幕した(3月19日)。大会初日から昨秋の神宮大会覇者・履正社が登場する。それも、対戦校が東の雄・日大三高、清宮幸太郎から5打席連続三振を奪った桜井周斗が投げる。打撃力に定評のある履正社か、好投手のいる日大三か…。ネット裏の12球団スカウトは高校生野手で清宮と評価を二分する安田尚憲(新3年=内野手)が、好左腕・桜井にどう対応するのかに着目していた。 この日の安田は5打席で4打数1安打1死球、3三振を喫している。「ここにきて、評価が落ちることはない」と在京スカウトは話していたが、昨秋神宮大会でこの安田を早くから見守ってきた阪神の畑山俊二統括スカウト補佐の言葉も思い出される。履正社が早実との一戦を終えた後、同スカウトは報道陣に囲まれ、清宮、安田双方について、こう話していた。 「安田は松井秀喜のイメージ。長嶋さんとの練習で形を作ったように、しっかりとした形で打つパワーヒッター。清宮はメジャーリーグが好きなせいか、メジャーの打者みたい」 プロスカウトならではの評価である。 素人目にみれば、安田はゴジラ松井のような「豪快なイメージ」ではない。また、パワーという点では清宮のほうが相応しい。この先、この2人の超高校級スラッガーがどんな環境で野球を続けていくのか、優秀な指導者のもとで天性の素質を磨けるかが重要になるということだろう。 「スカウトのなかには、三塁手の安田のほうを清宮以上と見る者もいます。清宮は一時期外野を守ったけど、現段階での評価は『プロでは一塁しか守れないだろう』とのこと。それを補って余りある打撃力の持ち主ではありますが」(学生野球担当記者) 畑山スカウトは安田と清宮を中心に視察してきたとも聞く。役員クラスのスカウトが東西に跨がって対象選手を見比べるのは異例中の異例だ。今年のドラフト会議は「高校生野手と社会人投手」の上位指名が予想されている。センバツ大会ともなれば、対戦投手のレベルも上がる。そのハイレベルな投手にどう対応しているかが甲子園入りしたスカウトの目的であり、打撃成績などの結果は二の次のようだ。最終打席で長打を放った安田の評価だが、先の在京スカウトは「順調に伸びている」と語っていたものの、「もう少し実戦を見てから」と詳細は教えてくれなかった。 センバツ大会は対外試合数を数多くこなして臨むことができない。一方の清宮は3月7日に練習を公開し、右肩を開かない打撃の習得に時間を掛けてきたと報道陣に語っている。履正社の初戦を見る限り、今年のセンバツは「投高打低」の大会にはならないようだ。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2017年03月20日 16時00分
プロレス解体新書 ROUND43 〈名勝負の陰に裏事情あり〉 格闘技世界一決定戦の幕開け
五輪同一大会で2階級を制した唯一の柔道家、ウイリエム・ルスカ。プロレス界に転身してからも「その強さとパワーは随一」との証言は多い。 そんな“赤鬼”ルスカにとって最高の名勝負とされるのが、1976年(昭和51年)2月6日、転向初戦となったアントニオ猪木との格闘技世界一決定戦であった。 柔道経験のある日本人プロレスラーは多いものの、トップクラスからの転身は意外と少ない。 全日本13連覇の木村政彦、やはり全日本覇者の坂口征二、世界選手権覇者で五輪銀の小川直也。あとは代表候補まで広げても武藤敬司ぐらいのもので、女子でも各時代を代表するような実績を持つ選手となると、神取忍や薮下めぐみなど数えるほどしかいない。 ほかの格闘競技を見ると、レスリングからは五輪代表だけでもマサ斎藤、ジャンボ鶴田、長州力、谷津嘉章、馳浩、中西学、本田多聞らが名を連ねる。ちなみに日本における柔道の競技人口が'15年時点で約16万人。レスリングは男女合わせて1万人弱といわれている。 さらに競技人口の少ない相撲界からも、東富士、輪島大士、双羽黒(北尾光司)、曙と4人もの横綱がプロレス界入りし、さらに力道山、天龍源一郎をはじめ数多くのレスラーが相撲からの転身組である。 柔道からは吉田秀彦や石井慧、瀧本誠ら金メダリストが、全盛時の総合格闘技に進出しているものの、やはり競技人口からの比率でいうと多くはない。 「柔道の場合、社会人になってからも実業団や警察などで競技続行の道が用意されているし、トップクラスともなれば引退後も指導者として引く手あまた。わざわざプロレスなどの不安定な道を選ぶ必要がない。年寄株を取得できなければ、ちゃんこ屋ぐらいしか道のない相撲とはわけが違います。また、他競技への出場に寛容なレスリングとは違って、柔道一筋であることを求める協会の保守的な体質も、一流選手がプロに転向するための障壁となっています」(スポーツ紙記者) 柔道史上で最強ともいわれる木村政彦が力道山の踏み台にされたことで、柔道家にとってプロレスのイメージが悪いというのも理由の一つとしてありそうだ。では、他国の事情はどうか。 日本以上の柔道大国で競技人口50万人以上ともいわれるフランスの場合、法律で総合格闘技やプロレスが禁じられていることもあって、ジェロム・レ・バンナが少年時代に柔道経験があるというぐらい。 他国の主だったところでは、アントン・ヘーシンク(オランダ出身、'64年東京五輪で金、全日本プロレス参戦)、ウイリエム・ルスカ(オランダ出身、'72年ミュンヘン五輪で金、新日本プロレス参戦)、ショータ・チョチョシビリ(旧ソ連出身、'72年ミュンヘン五輪で金、新日参戦)、バッドニュース・アレン(アメリカ出身、'76年モントリオール五輪で銅、新日ほかに参戦)、グレゴリー・ベリチェフ(旧ソ連出身、'87年の世界選手権で金、FMW参戦)、ダヴィド・ハハレイシビリ(ジョージア出身、'92年バルセロナ五輪で小川を破って金、リングス参戦)などがいる('72年ミュンヘンはルスカが93キロ超級と無差別級の二冠。チョチョシビリは93キロ以下級で優勝)。 この中ではオランダの金メダリスト2人のプロレス入りが目につく。 「今では柔道人口約6万人ともいわれ、人口比率でいえば日本以上の柔道大国となったオランダですが(オランダの人口は約1600万人)、へーシンクやルスカの頃はまだマイナー競技にすぎなかった。そのため、柔道師範としての稼ぎ口も少なく、2人ともやむを得ずのプロレス入りだったわけです」(同) それでも初の五輪頂点に立ったヘーシンクはオランダ国内での評価が高く、幹部指導者として将来も開けていたという。それを日本テレビが全日中継の視聴率アップ目当てでスカウトした、いわばVIP待遇であったが、対してルスカは事情が異なった。 へーシンクとの対立関係からオランダ柔道界においては傍流に追いやられ、病気の妻を抱えていたこともあって生活に困窮。青少年を指導する一方、夜の街で“用心棒”を務めたりもした。 売春や大麻が合法の国際的ナイトスポット、アムステルダムを抱えるオランダにおいて、用心棒という職業は日本でイメージするほどアンダーグラウンドなものではないが、それでも五輪の柔道二冠王者にとってふさわしい職業とは言い難い。 歴代でも屈指の強豪柔道家が、4カ月後にモハメド・アリ戦を控えたアントニオ猪木の引き立て役を受けたのは、複雑な事情があってのことだった。 そうして挑んだ初めてのプロのリングにおいて、ルスカは持ち前のパワフルさを発揮し、猪木の格闘技戦の中でも最上級の名勝負を繰り広げてみせた。 その後、プロレスに本格参戦してからの適応はいま一つであったが、しかし、それはルスカの強さを存分に発揮できるだけの相手に恵まれなかったゆえのことだったかもしれない。
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スポーツ 2017年03月19日 12時00分
WBC情報 「世界一奪還」まであと2勝 侍ジャパンはアメリカでの違和感を楽しむことができるのか
第4回WBCの二次ラウンドは全て終わっていないが(3月17日時点)、今大会の観客動員数はすでに60万人を超えたという。前大会の同時点では40万人強。前売り券の売上げ状況から見出した計算ではあるが、WBCは認知され、大会回数を重ねるごとに野球ファンを拡大しているようだ。 「侍ジャパンと対戦したキューバ、オーストラリア、中国、オランダ、イスラエルの選手たちは、日本の応援に驚いていました。今大会はトランペットなどの鳴り物を使った応援を禁止していますが、声援だけでこんなに球場全体に響くのか、と。日本の球場は整備が行き届いていてキレイだと感心していました」(米国人ライター) 野球文化の違いも攻撃面で表れた。日本のように大量リードしていても貪欲に1点を取りに行くスタイルに対し、「侮辱された」と誤解した投手も出たという。その通りなら、余計な敵愾心を買う恐れもある。まだ一方で、まるでマスゲームのように一糸乱れぬ日本のバントシフトに驚いていたチームもあった。技術や戦略のきめ細やかさならば、日本は世界一である。しかし、フィジカル面やパワーでは敵わない。米国内球場に多く見られる急勾配のマウンド、表面が滑るとされるWBC使用球への違和感にしてもそうだろう。 「NPBの大半の選手は学生時代に『国際大会』を経験しています」 学生野球の関係者がそんな話をしてくれた。観客席全体が敵陣営を応援するビジターゲームの苦しさはもちろんだが、学生の国際大会における練習環境は必ずしも『公平』ではないことも多かったという。日本の大学代表チームがアメリカに乗り込んだ際、現地の野球場を借りられず、陸上競技場で練習したこともあった。また、ホテルのシャワーからはお湯が出ず、冷たい水で身体を洗ったそうだ。今回のWBCで来日した海外チームに対し、日本の主催関係者は最大限のもてなしをしたが、過去の学生の海外遠征では練習環境の不公平はむしろ当たり前だったと話す。 「松坂世代の選手が大学生だったころは、陸上競技場での練習しかできませんでした。でも、和田毅は走り幅跳びの踏み切り板をプレート板に見立てて投球練習をしていましたし、野手陣もバットの振れるスペースを探して自分なりに練習していました」(関係者) こうした不公平感のなかで、学生指導者たちは「コイツはプロに行ってから伸びる選手」と「そうでない選手」が分かったとも話していた。 急勾配のマウンド、ボールへの違和感はハンディになるかもしれない。しかし、こうした違和感や野球文化の違いを楽しむくらいでなければ、国際試合では勝てないのだ。 「今、NPBの選手が海外で自主トレをするのは当たり前のようになってきました。単に温かい気候を理由に海外に行くのではなく、現地の野球環境も同時に学ぼうとしてきた選手が、今回の侍ジャパンに招集されたようにも思います」(前出・同) 筒香嘉智(25)はシーズン後のウインターリーグで自身を鍛え上げている。野球文化、球場施設の違和感はあって当たり前…。侍ジャパンはドジャース、カブスとの練習試合を経て、準決勝に臨む。米アリゾナでの調整をかねた練習だが、風が吹くたびに土埃が舞う。行き届いた日本の球場施設では考えられないことだ。彼らには違和感を存分に楽しんでもらいたい。(スポーツライター・飯山満)*写真、ドジャー・スタジアム
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スポーツ 2017年03月19日 12時00分
松井珠理奈も代表入り!? 新日本プロレス“タグチジャパン”に大ブレイクの予感!
新日本プロレス田口隆祐率いるタグチジャパンの人気が沸騰中だ。 1.5後楽園ホール大会にて、棚橋弘至、中西学との即席トリオで、前日1.4東京ドーム大会で王座を奪還したばかりのロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン(L・I・J)からNEVER無差別級6人タッグ王座を奪取。試合後、棚橋が「何かチーム名を決めよう」と田口に提案すると、1.27後楽園大会から田口を監督とするタグチジャパンが始動した。 NEVER無差別級6人タッグ王座は2.11エディオンアリーナ大阪大会で、L・I・Jに再び奪われてしまったが、田口監督がIWGPジュニアヘビー級王者高橋ヒロムに挑戦表明。3.6大田区総合体育館大会で行われたタイトルマッチでは、敗れはしたものの必殺のアンクルホールドを巡る攻防でファンを熱狂させた。試合後にはKUSHIDAが「監督の仇はオレが獲る」とヒロムに挑戦をアピールするなど、パートナーだった棚橋、中西だけではなく、他の選手にもタグチジャパンの輪が広がりはじめている。そんな空気を察したのか、田口監督はSNSを通じて【タグチジャパン通信】なる発信をしはじめた。【タグチジャパン通信】3/14現在監督田口隆祐A代表棚橋弘至中西学招集SANADA(返答待ち)オカダ・カズチカ(辞退)強化指定ハリウッドJURINAKUSHIDA外国人枠エルガンドラゴンリージュースフィンレー ハリウッドJURINAとは、テレビ朝日系列で放映中のドラマ「豆腐プロレス」でSKE48の松井珠理奈が演じているプロレスラー。松井は1.4東京ドーム大会を観戦してから、新日本プロレスの大ファンになり、SNS上で田口監督のオーマイ&ガーファンクルポーズを披露。これが田口監督の目に止まり、勝手に代表に招集されてしまった。また、タグチジャパンは新日本内のユニットに関係なく招集する方針を打ち出し、CHAOSのIWGPヘビー級王者オカダ・カズチカをSNS上で招集したが、オカダは「タグチジャパンでは100%の力を発揮できないと思うので辞退させていただきます」と丁重に辞退。すると田口監督は…3つ言わせてください1つとても残念な返事です2つ69%の力を発揮してくれれば充分なんですがどうです?3つやっぱりタグチジャパン入り希望というならいつでもウェルカムです4つ特にありません とオカダのマイクアピールをオマージュする形で再オファーするも「タグチジャパンに選ばれることはとても光栄な事ですが、次の防衛戦に向けて今はしっかり休養を取る事が大事だと思っております」と再度断られた。現在はL・I・JのSANADAに狙いを定めているが、SANADAは滅多にコメントを出さないだけに、このまま黙殺される可能性が極めて高い。しかし、こうしたやり取りや、ユーモア溢れる試合後のコメントが、ファンの心を掴んでいるのは事実で、会場でも田口に対して「監督ガンバレ!」という声援が多く飛ぶようになった。入場後にリング中央で決めるタグチジャパンの記念撮影ポーズも徐々に浸透してきている。 田口は公式サイトのインタビューで「中西さんが復活するキッカケになればいいなと思った」と話しているように、今シリーズはインフルエンザで欠場をしているが、タグチジャパンを結成してから中西のコンディションは明らかに上昇している。また、本来であればチームリーダーを務めてもおかしくない棚橋も、1.4ドーム大会で内藤哲也に、3.11愛知県体育館大会での『NEW JAPAN CUP 2017』はEVILに1回戦負けを喫してしまうなど、昨年から続くスランプから、なかなか抜け出せないでいるが、3.15松本平広域公園体育館大会の試合後に「『NEW JAPAN CUP』中盤の5連戦、公式戦は1回戦で敗退してしまったけど、監督のおかげで、なんとか気持ちを維持してます」と前向きなコメントを残した。これは田口監督の「棚橋さんには、いちレスラー棚橋弘至として再びエースを目指してもらいたい」という気遣いが棚橋にも伝わっている証だろう。 即席トリオから始動したタグチジャパンだが、田口監督の本気度が浸透してきたこともあり、ファンの支持率も急上昇している。田口監督が勝手に作ってきた「タグチジャパンタオル」も商品化を望む声が多く、グッズが発売されてヒットするようなことがあれば、バレットクラブ、L・I・Jのように、一気に大ブレイクするかもしれない。 田口監督が考えているタグチジャパンの当面の目標は、NEVER無差別級6人タッグ王座の再奪取。無傷の6連勝でWBC準決勝に進出し、日本中を熱狂させている侍ジャパンのように、タグチジャパンが新日本マットでさらなる熱狂を生み出すことが出来るか否か。田口監督の手腕に期待したい。(どら増田)【新日Times vol.60】
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スポーツ 2017年03月18日 18時08分
WBC情報 「世界一奪還」まであと2勝 侍ジャパン二次ラウンドで直面した『アメリカ式流儀』
6戦全勝。侍ジャパンが二次ラウンド最後のイスラエル戦に勝利し、世界一奪還まで、あと2勝と迫った。 「平野(佳寿=33)を早いイニングで使って、最後は増井、秋吉を挟んで、牧田に繋ぐ…。クローザーを決められずに大会本番を迎えましたが、なんとなく、継投策のパターンができてきましたね」(プロ野球解説者) イスラエルは最後の攻撃で意地を見せた。予選ウランドを戦いながら構築された“クローザー・牧田”を苦しめ、3点をもぎ取った。この反撃を予想する取材陣は少なくなかった。8回裏、3番・青木宣親(35)が二塁打で出塁した直後のことだ。イスラエルベンチは迷わず、4番・筒香嘉智の敬遠を指示した。この時点でのスコアは、6対0。ワンサイドゲームである。勝負を諦めていたら、敬遠策は取らなかったはずだ。 今大会は、このイスラエルの快進撃も大きく報じられていた。代表チームのスタッフによれば、国内リーグはあるそうだが、国全体としての野球人口は約5000人。28人の登録メンバーのなかで、イスラエル国籍の選手はS・リペツだけ。あとはアメリカ国籍で、「イスラエル出身の先祖がいる」「イスラエルで生まれた」などの選手だ。WBCは代表チームに関する取り決めが緩い。そんな“もうひとつのアメリカチーム”を指揮したジェリー・ウェインスタイン監督は、各メディアに今大会の快進撃について聞かれ、こう語っていた。 「ケミストリー」 直訳すると、化学、相性ということになるらしいが、「組織の能力、パフォーマンスが高まっている」との意味で使うこともあり、メジャーリーグではよく使われるフレーズだそうだ。「試合を重ねるごとにチーム力が高まっていく」という意味では、侍ジャパンにもケミストリーは起きている。オランダ戦では走者を背負いながら1点を守る苦しい展開が続き、キューバ戦では得点してもすぐに失点し、ビハインド・ゲームを跳ね返す重圧との戦いとなった。この精神的重圧を乗り切っての決勝ラウンド進出であり、それまで積み上げてきた組織力を爆発させたのが、二次ラウンド最後のイスラエル戦だった。 そのイスラエル戦で興味深いシーンが見られた。 7回裏、先頭打者の坂本勇人(28)が出塁すると、次打者の鈴木誠也(22)がバントの構えを見せた。イスラエルの投手はホワイトソックス傘下のマイナーチームに所属するゴールドバーグだ。そのゴールドバーグは鈴木の顔面近くを襲い、鈴木は寄せた勢いでバットに当ててしまった。投げ損ないか? この時点でのスコアは、5対0。侍ジャパンの一方的な展開になっていた。アメリカ球界には、いくつかの不文律がある。ワンサイドゲームで勝っている側のチームが犠打や盗塁などを仕掛けてきた場合、「オレたちを侮辱している。やりすぎだ」と“警告”する意味で、ピッチャーが相手打者の顔面近くに投じるときがある。「アンリトン・ロー」、「シュール・ルール」などと呼ばれているそうだ。ゴールドバーグが鈴木に投じたボールには、そんな意味が込められていたのだろうか。そのすぐ後、一塁を守っていたフレイマンがゴールドバーグに耳打ちをする。「日本は貪欲に1点を取りに行く」と説明されたのか、ゴールドバーグがギアをワンランク上げてきた。 「1点を貪欲に取りに行くのなら」の“報復”は、8回裏に行われた。3番青木宣親(35)が二塁打を放つと、イスラエルベンチは迷わず、4番筒香嘉智(25)を敬遠した。侍ジャパンの応援団で埋めつくされたスタンドからは大ブーイングが沸き起こったが、「まだ勝負を諦めていない」というイスラエル代表の宣言であり、9回表、最後の攻撃で牧田和久(32)から3点を奪ってみせた。 「菊池のバントの構えが消沈していたイスラエルベンチに再び火を点けたと思います。日本では貪欲に1点を取りに行くのは当たり前でも、そう解釈されないこともある」(前出・米国人ライター) 「今回も」だが、侍ジャパンのスコアラーは優秀である。少ない実戦視察から相手チームの攻撃の特徴、選手の長所短所を解析し、小久保監督に届けている。 しかし、大差が開いたときの野球文化の違いについては報告されていない。また、牧田を始め、救援陣は登板過多なのが気になる。 「牧田はキューバ戦とイスラエル戦で、投球内容が違いすぎました。キューバ戦では遅いボールを巧みに使っていました。そのキューバ戦でマスクをかぶったのは、チームメイトの炭谷だったので、牧田をクローザーにして準決勝、決勝に臨むつもりなら、バッテリーごと交代させることも考えないと…」(前出・プロ野球解説者) スタメンマスクの小林誠司(27)は打撃好調で、ラッキーボーイのような存在だ。こうした最後の選手起用について、小久保監督はチャーター機が米アリゾナに到着するまでに結論を出さなければならない。(スポーツライター・飯山満)
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