さて、堂々の第1位に輝いたのは、やはりというべきか“燃える闘魂”アントニオ猪木。ファイトスタイルだけでなく、その生き様にも称賛の声が集まった。
「闘う男の象徴。タイガー・ジェット・シン戦での腕折りなど、時に狂気を見せるところも含め、すべてがカッコよかった」(55・男)
「格闘技世界一決定戦やIWGPの世界戦略、北朝鮮での平和の祭典などは、従来のプロレスの範疇を大きく広げてファンに夢を抱かせてくれた」(48・男)
第2位は80年代初頭に一大ブームを巻き起こした初代タイガーマスクだ。
「プロレスにハマったきっかけ。単なる飛んだり跳ねたりというだけでなく、技の一つ一つにまで凄味が感じられた」(49・男)
外国人でトップの票を集めたのは、新日、全日の両メジャー団体で長く活躍を続けたスタン・ハンセン。
「まさしくブレーキの壊れたダンプカーで、ストンピングの1発すら迫力満点。『馬場が殺される!』と本気で心配した」(48・男)
「ハンセンのラリアットこそ真の必殺技。テキサスロングホーンのポーズも子供の頃によく真似しました」(45・男)
日本プロレス界の父である力道山も当然の上位入り。中でも60歳代以上ファンからの支持は圧倒的だった。
「外国人をカラテチョップでぶちのめす姿は、爽快の一言でした」(66・男)
「祖母がファンだったようで、遺品に力道山のブロマイドがあった」(39・男)
“東洋の巨人”ジャイアント馬場は第5位。永遠のライバルとされた猪木にやや水を開けられたが、ベテランファンはそうした評価に反発を見せる。
「日本プロレスでインター王者だった頃は、完全に猪木より上。晩年はスローな動きをバカにされて本当に悔しかった」(67・男)
とはいえ、全盛時を知らない層からの支持もある。
「試合会場の物販で馬場さんに握手してもらったのはいい思い出です。大きなゴツい手で、温厚そうに見えてもやっぱりプロレスラーなんだなあって」(46・男)
40代後半のファンから、猪木や初代タイガーにも匹敵する人気を集めたのが前田日明だ。
「ドン・中矢・ニールセンとの異種格闘技戦は、私にとっての生涯ベストバウト。メインの猪木vsレオン・スピンクスがグダグダに終わったのと比べ、緊張感あふれる闘いぶりで完全勝利し、前田時代の到来を確信しました」(49・男)
第2次UWFやリングスの旗揚げが、日本の総合格闘技の礎になったことを評価する意見も多い。