スポーツ
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スポーツ 2018年02月27日 18時00分
イチロー粘り勝ち マリーンズとメジャー契約へ
イチロー(44)の粘り勝ちということか。 マーリンズがオフの補強に失敗した。ヤンキースの元スーパースター、デレク・ジーター氏が最高経営責任者(CEO)に就任した新体制は、今オフ、「世代交代」を積極的に進めたが、すべては裏目に出てしまった。 「ジーター氏の言う『世代交代』には、チーム総年俸を減らすこと、つまりコストカットの意味が強く含まれていました。高額年俸のベテラン、主力選手を放出しましたが、ファンが納得できる有望な若手の獲得もなく、単に戦力ダウンさせただけ。“メジャー最強”と称された外野陣は、一気に陳腐なものに成り下がってしまいました」(特派記者) イチローも、コストカットの流れによって解雇された1人だ。ジーター氏らの新体制が着手する前の外野陣は、他球団がうらやむ3人がレギュラーを張っていた。故障歴はあるものの、昨季59本塁打を放ったメジャーを代表する長距離砲のスタントン(28)、走攻守に長けたイエリッチ(26)、強肩・強打のドミニカ人オズナ(27)。この主軸3人をすべてトレードで放出してしまったのだ。 「コストカットの結果、マーリンズはメジャー登録可能な40人枠のうち、外野手は3人だけ。うち2人は去年、メジャーデビューしたばかりの新人で、3人目の外野手に至ってはメジャー経験すらありません。これでは戦えません」(同) 残留できた選手も怒っている。自らトレード志願する選手も出るほどの状態で、地元ファンも新体制を強く批判していた。 「キャンプイン早々、マーリンズを最下位に予想する評論家の声もあります」(大リーグ解説者) そこで、急浮上してきたのがイチロー帰還論である。 「イチローはメジャー残留を希望しています。今なら、メジャー最低保証年俸の53万5000ドル(約5700万円)でも契約できると見られています。地元ファンに愛されたイチローを呼び戻せば、新体制への批判も緩まるだろうという思惑でしょう」(同) バッシング封じのための帰還論は、イチロー獲得に動いている地元の中日、古巣オリックスにも届いている。その影響だろうか。去る2月10日、宮崎でのキャンプを視察したオリックス・宮内義彦オーナーは報道陣に囲まれた時に「私から言える立場でもない」と、はぐらかすだけだった。 メジャー帰還を目指すイチローを最後まで見守り、「その可能性がゼロになったところで動く」という姿勢は変わらないようだ。 「マーリンズのイチロー帰還論は、バッシング緩和が目的で、本当の意味でのチーム補強ではありません。イチローだって分かっているはず。こういう“ついで扱い”されても、メジャー帰還にこだわるのは疑問です。オリックス、中日は今こそ、誠意を伝えるべきでは…」(球界関係者) 今のマーリンズの外野布陣なら、レギュラー確保も可能だ。オリックスはイチロー奪回の「最大の好機」を逃したことになる。
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スポーツ 2018年02月27日 17時45分
【新日本】飯伏&ケニー対ヤングバックス!ライガー対ミステリオ!3.25アメリカ大会で実現
新日本プロレスは3月25日にアメリカ・カリフォルニア州ロングビーチ・WALTER PYRAMIDで行われる、新日本プロレスのロサンゼルス大会『STRONG STYLE EVOLVED』の主要カードを発表した。◎決定カード▼スペシャルタッグマッチ(30分1本勝負)<ゴールデン☆ラヴァーズ>ケニー・オメガ&飯伏幸太 対 マット・ジャクソン&ニック・ジャクソン▼IWGP USヘビー級選手権試合(60分1本勝負)<王者>ジェイ・ホワイト 対 ハングマン・ペイジ<挑戦者>▼スペシャルシングルマッチ獣神サンダー・ライガー 対 レイ・ミステリオJr.※全7〜9試合予定。 まず、24日の後楽園ホール大会で3年半ぶりに再結成を果たし、後楽園を札止めにする人気だったゴールデン☆ラヴァーズと、試合後に対戦表明をしたヤングバックスによるタッグ“世界最高”の座を賭けたドリームマッチが、アメリカで実現する。これまでは、アメリカをはじめ世界のファンが羨むカードを提供し続けて来た新日本だが、今回は日本のファンが羨むカードをアメリカで提供することになった。試合結果によっては、バレットクラブ内紛問題の行方も左右する可能性もある。アメリカ大会直前のシリーズ『ニュージャパンカップ2018』にケニーは出場しないが、飯伏は高橋裕二郎、チェーズ・オーエンズらバレットクラブ勢と組むタッグ戦に出場し、超党派の立場ながらもバレットクラブの“ケニー派”としての動きを加速させるかもしれない。そんな流れを差し引いても、ゴールデン☆ラヴァーズとヤングバックスによる世界最高峰の闘いは、アメリカのファンの心を掴むには十分なカードである。 ケニーからIWGP USヘビー級王座を奪取した時から、次期挑戦者にペイジを指名していたジェイだが、6人タッグマッチで対戦した24日の後楽園大会では、ライト・オブ・パッセージでペイジがジェイにフォール勝ち。試合後にはヤングバックスの制止に一旦は従ったものの、その後、イスの上にライト・オブ・パッセージを見舞いジェイをKO。US王座のベルトを掲げて挑戦をアピール。アメリカ大会でのタイトル戦が決定した。ジェイは初防衛戦になる。 2.10大阪大会の試合中に突然、ビジョンに登場し、ライガーとの対戦をアピールしたレイ・ミステリオJr.。クリス・ジェリコに続くWWEスーパースターの参戦にファンの間では期待が高まっていた。ミステリオは中邑真輔が優勝したWWEのPPV『ロイヤルランブル2018』に参戦した(スポット参戦)ばかりだが、新日本のアメリカ大会でライガーとのレジェンド対決が決定した。ライガーとミステリオは1996年12月にWCWマットで一度だけシングル対決を行っており、この時はライガーが勝利をしているが、ミステリオはWWEに移籍後、ヘビー級選手と階級を超えた試合に勝ち続けることでスーパースターの階段を駆け上がり、世界ヘビー級王座やWWE王座も獲得している。ジェリコ同様、新日本マットでの“ネクスト”にも期待したい。 今大会のチケットは発売と同時に完売しており、あとは新日本のハイクオリティな闘いを見せれば、昨年に引き続きアメリカに新日本プロレスの爪痕を残すことができる。現地に道場を建設することも決まっているだけに、世界ナンバー2のプロレスカンパニーとして、さらに躍進してもらいたい。 なお、今大会は新日本プロレスワールドで、全世界に生配信される予定だ。取材・文・カメラマン / どら増田
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スポーツ 2018年02月27日 12時00分
羽生結弦、帰国会見で笑顔「つらい時期、苦しい時期」を乗り越え、次期大会へ意欲
平昌五輪フィギュアスケート男子シングルで金メダルを獲得した羽生結弦が26日帰国し、都内で行われた日本代表選手団帰国記者会見に出席した。 日本代表選手団の主将で、スケート・スピードスケート女子500メートルと1000メートルでそれぞれ金、銀のメダルを獲得した小平奈緒など、今オリンピックを盛り上げたそうそうたるメンバーと会見に臨んだ羽生。 「たくさんの方々からの応援をいただきました。2連覇は大変なものでしたが、僕にとっては皆さんと一緒にとれたことが何より価値のあること。みなさんのおめでとうという声が自分の幸せになり、自分の幸せが皆さんの幸せになれば」と席上でファンに改めて感謝の気持ちを述べる。 「自分へのご褒美は金メダルだけで十分。金メダルをとったから皆さんが喜んでくれた。これ以上は何も望みません」と終始謙虚で、「これからも皆さんが笑顔になれるような演技をしていきたい」と次期大会への意気込みも。 また、大会を終え、「これから解禁するのは治療」だとも明かし、「つらい時期、苦しい時期を乗り越えて、また前に進んでいけたらいいなと思います」と笑顔を見せた。 小平も「今回主将として、わたしなりに目標として日本選手団の百花繚乱というのを挙げていたのですが、たくさんメダルを獲得でき、みなさんが本当に綺麗な花を咲かせてくれました」と嬉しそうに話し、「この17日間は世界の仲間とのつながりを感じた瞬間でした。人と人とのつながりを感じた瞬間。一生忘れられない17日間になりました」と充実の表情。 8度のオリンピック出場という快挙を成し遂げた日本代表選手団の旗手、葛西紀明もまた清々しい表情で、「今回メダルをとることはできませんでしたか、8度のオリンピック出場という誰も成し遂げることができなかった記録を作ることができました。誇りに思っています」とコメント。「4年後の北京オリンピックでも頑張ってメダルをとりたい。まだまだ頑張っていきます」と現役続行を明言。 銅メダルを獲得したカーリング女子のメンバーも大人気だったが、藤澤五月は「わたしたちはカーリング界で初めてオリンピックでメダルをとることができました。これはこれまで4年ごとに先輩たちが精一杯氷の上で戦ってきてくれたおかげだと思っています」としみじみ。「今回わたしにとっては初めてのオリンピック。とても楽しい時間を過ごせました」と激闘の日々を振り返っていた。 会見に出席したメンバーは以下の通り●日本代表選手団 団長 齋藤泰雄●日本代表選手団 副団長 山下泰裕●日本代表選手団 総監督 伊東秀仁●日本代表選手団 主将 小平奈緒 金銀メダル(スケート・スピードスケート/女子500メートル)(女子1000メートル)●日本代表選手団 旗手 葛西紀明●平野歩夢 銀メダル(スキー・スノーボード/男子ハーフパイプ)●高木美帆 金銀銅メダル(スケート・スピードスケート/女子チームパシュート)(女子1500メートル)(女子1000メートル)●菊池彩花 金メダル(スケート・スピードスケート/女子チームパシュート)●佐藤綾乃 金メダル(スケート・スピードスケート/女子チームパシュート)●高木菜那 金メダル×2(スケート・スピードスケート/女子チームパシュート)(女子マススタート)●羽生結弦 金メダル(スケート・フィギュアスケート/男子シングル)●宇野昌磨 銀メダル(スケート・フィギュアスケート/男子シングル)●高梨沙羅 銅メダル (スキー・ジャンプ/女子ノーマルヒル個人)●原大智 銅メダル (フリースタイルスキー/男子モーグル)●吉田夕梨花 銅メダル (カーリング/女子団体戦)●鈴木夕湖 銅メダル (カーリング/女子団体戦)●吉田知那美 銅メダル (カーリング/女子団体戦)●藤澤五月 銅メダル (カーリング/女子団体戦)●本橋麻里 銅メダル (カーリング/女子団体戦)(取材・文:名鹿祥史)
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スポーツ 2018年02月27日 08時10分
【日本ハム】荒木大輔新2軍監督率いるファームのチームスローガンが決定!
北海道日本ハムファイターズは、2018年シーズン、球団としては初めてファームチーム限定のチームスローガンを『HEAD NORTH(北を目指せ!)〜夢の舞台へ〜』に決定したと発表した。 今季から就任した元ヤクルトスワローズの荒木大輔ファーム監督が発案したもので、「強い気持ちで鎌スタから北海道を目指して欲しい」という願いが込められているという。 ロゴマークは、3月20日(火)からファイターズ鎌ケ谷スタジアムで始まるイースタン・リーグ本拠地開幕戦(対読売ジャイアンツ戦)より三塁側ダッグアウト内、また球場の正面玄関などにも掲示する予定とのこと。 今年はゴールデンルーキー、清宮幸太郎内野手が鎌ヶ谷でデビューする可能性もあり、札幌だけではなく、鎌ヶ谷も大谷翔平のルーキーイヤー以来の盛り上がりを見せる可能性が高いだけに、後輩の斎藤佑樹投手の再生とともに荒木新監督の手腕にも注目だ。■荒木大輔ファーム監督のコメント立ち止るな、頂点を見つめろ、その想いを『HEAD NORTH(北を目指せ!)〜夢の舞台へ〜』に込めました。球団初のファーム・チームスローガンです。選手たちが何を見て、この先に何を描くのか、ここ鎌ケ谷から北(北海道)へ、強い気持ちで前に進むための指標としていきたいと思います。◆荒木大輔(あらきだいすけ)1964年5月6日 東京都調布市出身。早稲田実時代は甲子園に春夏5大会連続で出場し、甘いマスクから“大ちゃんフィーバー”という社会現象を巻き起こした。これは後に後輩の斎藤佑樹が巻き起こした“ハンカチフィーバー”と似ているが、当時の方が凄まじかった。1982年秋のドラフト会議で、ヤクルトにドラフト1位指名され入団。あまりの人気ぶりから、神宮球場とクラブハウスを結ぶ荒木専用の地下道が作られ、現在もヤクルトの選手が使用している。現役時代は怪我に悩まされたが、日本シリーズで先発勝利を挙げるなど、チームに貢献した。横浜に移籍後、1996年に現役を引退。西武、ヤクルトで投手コーチを務め、解説者を経て今季から日本ハムの2軍監督に就任した。文・増田晋侍カメラマン・舩橋諄
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スポーツ 2018年02月27日 07時05分
傷心・高橋監督が若手にキツイ当たり方をするのはあの人のせい?
ヨシノブ采配に影響が出そうだ。 去る2月24日、横浜DeNAベイスターズとのオープン戦(沖縄セルラー那覇)が行われ、先発マウンドのチャンスをもらった3年目の中川皓太(24)が「5回無失点」と結果を出した。「昨秋、斎藤(雅樹=53)投手総合コーチがこの中川の飛躍を予言していたんです。故障で出遅れている投手もいるので、その中川が使えるとなれば、頼もしい限り。若い左の先発候補が頭角を現したのは大きい」(プロ野球解説者) しかし、打線のほうはかなり調整が遅れているようだ。DeNA投手陣の投げるボールに差し込まれるシーンも多く、期待の岡本和真(21)、吉川尚輝(23)は全くいいところがなかった。今後、主力選手が試合に出てくるので、若手はこの時期に結果を出しておかなければならない。投手陣はともかく、野手陣の世代交代が進まない巨人は、今年も苦しいペナントレースとなりそうだ。数少ない有望株の中川をどう使っていくかが、高橋由伸監督(42)の腕の見せどころである。「高橋監督は中川に限らず、若手をセーブしながら使ってくるのではないか…」 先のプロ野球解説者がそう予想する。その根拠は、長嶋茂雄終身名誉監督(82)のキャンプ視察にあるという。「長嶋氏は選手たちに檄を飛ばしていました。その後、『松井(秀喜=43)氏の監督姿が見たい』とする氏の発言が報じられるようになりました」(前出・同) その発言は、いつ、どんなシチュエーションで出たものなのか、よく分かっていない。また、先に、巨人の宮崎キャンプ60周年を記念し、ホークスとのOB戦も行われている(同10日)。教え子・松井氏との再会に感激し、その席上で出たリップサービスかもしれないが、メディアを介して高橋監督にも届いていたようだ。「高橋監督も長嶋氏が松井氏を鍛え上げていた時期に、同じく薫陶を受けていました。一方を応援するような内容になってしまえば、高橋監督も気になってしまいます」(取材記者) 長嶋氏は現役選手からいきなり監督になった高橋監督の境遇を、誰よりも気に掛けていた。長嶋氏もいきなり監督就任を命じられた経緯があり、その苦労を分かっているからだ。 しかし、こんな見方もされていた。「高橋監督は今季が3年契約の最終年だということを強く意識しています。優勝への思いは人一倍ですが、同時に、自身の契約任期とチームのことは関係ないとも考えています。特定の選手を酷使することはしない、自分が退団したとしても、主力選手を欠くことなく、次の監督にバトンタッチするという考えです」(球界関係者) 松井氏は巨人監督就任の話を振られる度に、「高橋監督を応援していく」といった主旨のコメントに徹してきた。自身の発言が一人歩きし、高橋監督が采配に集中できなくなることを恐れているからだという。 24日の試合後、高橋監督はDeNA投手陣に散発3安打に抑え込まれた打線について聞かれ、岡本を名指しで叱っていた。7番一塁でスタメン出場し、3打数1安打。数少ないヒットを放った一人だが、内容がないとし、「もうひとつどころではない! 練習するしかない」と言い放った。 岡本は前政権時から将来の大砲候補として期待されてきた。「レギュラーポジションを奪ってみせろ!」の厳しい姿勢で高橋監督は接してきたが、まだその才能は開花していない。「今の技術では、シーズンを通して、一軍レベルの投手を相手に戦っていけないと判断しています。そのレベルアップがなければ使えないというのが高橋監督の考え方」(前出・同) 高橋監督はどちらかといえば、ギャンブル的な采配は執らない。1点を争う場面では単独盗塁やエンドランなどのサインを送るのも好まない。失敗したときのリスクを恐れるからで、常に安全策をとる。今の岡本をスタメンで使い続ければ、技術不足で潰れてしまうとも考えているとすれば、「レギュラー定着」という育成の最終仕上げは、次の指揮官に託そうとしているのかもしれない。
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スポーツ 2018年02月26日 22時50分
【KNOCK OUT】「KO勝ちの次に評価が高いのはKO負け」木谷オーナー持論爆発!
キックボクシングイベント『KNOCK OUT』は23日、東京・秋葉原で戦略発表会を開催した。発表会には花澤勇佑代表取締役、小野寺力大会プロデューサーとともに、同イベントを運営する株式会社キックスロードの親会社、ブシロード取締役の木谷高明オーナーも出席した。 発表会ではまず、2017年の総来場者数が17,300人となり、2018年最初の大田区総合体育館大会を4,000人(超満員札止め)で終えたこと、4月からサンテレビと北陸放送でのレギュラー放送が開始すること、ブシモのゲーム『しろくろジョーカー』の実写CMに選手を起用し制作することが報告された。また、「プロレスラーのように話し上手になってもらいたい」(木谷オーナー)という狙いもあり、4月から選手がパーソナリティを務めるKNOCK OUT公式ラジオ(響ラジオステーション)の開始されることと、ぴあとのコラボでファンクラブの開設も決定した。 続いてKNOCK OUTの2018年、年間スケジュールを発表。4月14日 カルッツ川崎5月3日 エディオンアリーナ大阪・第2競技場6月8日 後楽園ホール8月19日 大田区総合体育館9月8日 エディオンアリーナ大阪・第2競技場<NEW>10月上旬 都内12月上旬 都内大規模会場 全大会で、2.12大田区大会で好評だったPeriscope(ツイッターのタイムライン上でのライブ配信)にて無料ライブ配信が行われる。2月大会ではタレントの有吉弘行など、芸能人や著名人もPeriscopeで観戦してツイートしており、KNOCK OUTの公式アカウントのフォロワーが1日で4,000人も増えたというから驚きだ。 大阪大会が増えたことについて、花澤代表は「サンテレビさんの放送が決まったことや、2020年の会場問題なども考えて、大阪はやるべきだと判断した。当然、名古屋など他の地域での開催も考えている」とコメント。地方大会もKNOCK OUT本編として開催するとし、昨年好評だった『ROAD TO KNOCK OUT』シリーズも行うとのことから、さらに日程は増える可能性が高い。木谷オーナーも「今は毎月1回でも忘れられてしまう時代。場所や内容を変えて月2回開催できるようになりたい」と大会数増加に意欲を示した。 そして、2月大会で石井一成が提唱していた、初代フライ級王座決定トーナメントの開催が6.8後楽園大会から開幕することが決定。ライト級の白いベルト、スーパーライト級の赤いベルトに続いて、黒いベルトもお披露目された。小野寺プロデューサーは「最軽量階級であるフライ級は、石井、タネ(ヨシホ)、能登(龍也)といい選手がたくさんいる。参加選手は6人が決定。残る2選手と交渉中」と明言。さらに、10月からライト級アジアトーナメントの開催が発表され、スクリーンに日本、タイ、韓国、中国の4か国の国旗が映し出されたが、木谷オーナーは「小野寺さん!もっとアジアには国があるでしょう。アジアトーナメントと名乗るなら7、8か国出さないと。僕は弱い国の選手が出てもいいと思う」と注文。小野寺プロデューサーは「交渉します」と即答した。 ここで、4月大会で現ムエタイ世界王者・ヨードレックペット・オー・ピティサックとの対戦が決定した、初代ライト級王者・森井洋介が登場。森井は「この試合に早速タイトルをかけてベルトの価値を高めたい」と発言。小野寺プロデューサーは困惑の表情を浮かべたが、木谷オーナーが「チャンピオンが言ってるんだから、交渉してください」と森井の気持ちを後押し。タイトル戦実現に向けて前向きに交渉することになった。森井は「僕はポイント取りのゲームは苦手なんで、勝つとしたら倒してだと思うんで、世界王者を倒す瞬間を見に来てください」と力強く語った。また、木谷オーナーはタイ人の名前の長さについても言及。「ヨードレック…ペット…。ヨードレックの方がいいですよね。ミルコ・クロコップだってリングネームで変えたわけで、そこは覚えやすい名前を考えてもいいと思う」こちらも今後交渉していくことになった。 最後に行われた質疑応答でも、木谷オーナーの持論は止まらず。 KNOCK OUTにとってライバルになる団体について、「RIZINさんでもK-1さんでもなくONE Fighting Championship(シンガポールの総合格闘技団体)ですね。あそこの代表のビクターは凄いですよ。今度立ち技をやるという話もあって、脅威だと思ってます」とコメント。新日本プロレス買収時に国別対抗戦であるワールドリーグ戦の復活を提唱していた木谷オーナーだが、アジアトーナメントから国別対抗戦に発展する可能性について質問が飛ぶと、「まさにその通りで。日本対他国というのがどのジャンルでもいちばんわかりやすい。いろんな国の国旗が掲げられることが重要。プロレスでは実現が難しかったけど、キックならできると思います」と語った。 最後に今後の課題については、「KO率が下がってきたのが気になりますね」とした上で、 「段々勝ちに走って来ちゃったかなと。でも、森井選手の『ポイント取りは苦手なんで』という発言。これはいいですよね。僕の中ではKO勝ちがいちばん評価が高いです。次はKO負けですよ。その次が判定勝ち、判定負けの順番です。だってKO負けするというのは、前に出てってるからされるんだと。もちろん判定でも本当に満足できる面白い試合もありますよ。昨年12月の両国でも小笠原瑛作選手の試合は引き分けでも、彼のKOしようという気負いが見られて面白かった。お互いに攻めて、結果引き分けになるのはいいんですよ。でも、ポイントを取って後は流してるなと見えた瞬間、冷めると思うんですよね。一般の人はやっぱり倒す倒されるなんですよ。格闘技見たことない人は判定のポイントがどこかなんて、わからないでしょう。ポイントにこだわったり、ルール変更の多い競技ほどダメなんです。倒したら勝ち、倒れたら負けってわかりやすいじゃないでしょ。初見の人でもスゲェなとなるわけで。だからイベント名もKNOCK OUTなんですよ。ここはKOを目指す団体なんだって誰が見てもわかる。団体名に説明が必要じゃダメなんです。だから正直言って、判定が続く選手はあまり出てほしくないですね」 と最近の大会への苦言を混じえながら、改めてわかりやすさの追求と、KO至上主義を推進していくことを断言。これには会場に集まったファンからも拍手が送られた。 KNOCK OUTは、格闘技業界では異例といえる、選手が“手売り”をせず、試合毎にギャランティが支払われるシステム。これは木谷オーナーの「手売りをしているうちはプロとは言えない」という方針のもと、旗揚げ時から徹底されている。「ハッキリ言って赤字です」と木谷オーナーは現状を明らかにしていたが、キックに可能性を感じているが故の投資なのは、言うまでもない。森井や那須川天心のように、木谷オーナーの期待に応えられる選手が増えていけば、KNOCK OUTのみならず、キック界の未来も明るくなるだろう。取材・文・カメラマン / どら増田
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スポーツ 2018年02月26日 20時40分
【QUINTET】「また桜庭選手と同じ舞台に立てるのが嬉しい」宇野薫の参戦が決定!
桜庭和志が主宰するグラップリングの新格闘技イベントQUINTETは、旗揚げ戦となる4.11両国国技館大会に、総合格闘家の宇野薫が参戦すると発表した。4チームに分かれて団体戦でトーナメントを行うQUINTETだが、宇野からPOLARIS Dream Teamで出場したいというアピールがあり、グレゴー・グレイシー、ダン・ストラウス、チャールズ・ネグロモンテ、グレイグ・ジョーンズに続く5人目の選手として出場が決定。 その他のチームは、HALEO Dream Teamの桜庭和志、所英男、中村大介、マルコス・ソウザ、ジョシュ・バーネット、JUDO Dream Teamの石井慧、ユン・ドンシク、チョン・プギョン、SAMBO Dream Teamのテオドラス・オークストリス、マリウス・ザロムスキー、ミンダウガス・ベルツビカス、ミキータ・ミフノ、セルゲイ・グレチコの参戦が発表されており、宇野は旗揚げ会見に映像出演し、参戦をアピールしていた。 修斗やUFC、HERO'S、DREAMの軽量級戦線で活躍し、プロレスの試合も行ったこともある宇野だが、1999年にはアブダビコンバットで銀メダルを受賞するなど、グラップリングルールには問題ない。経験も豊富なことから、観客に伝わるわかりやすさを追求していくというQUINTETにはとてもマッチした選手といえるだろう。総合格闘技のパイオニアが新たな格闘技に挑戦する。■宇野薫のコメントこの度、POLARIS DREAM TEAMでQUINTET参戦が決定しました。桜庭選手、所選手と同じ舞台にまた立てる事を、凄く嬉しく思います。POLARIS DREAM TEAMの一員としてしっかり自分の役割をはたし、宇野薫らしい気持ちの伝わる試合、グラップリングの面白さを伝えたいです。応援宜しくお願いします。◆宇野薫(うのかおる)1975年5月8日 神奈川県横須賀市出身。野球で有名な横浜高でレスリング部に所属。プロレスラー鈴木みのるの後輩にあたる。1996年全日本アマチュア修斗選手権で準優勝し、同年10月にプロデビュー。1998年にヴァーリートゥードジャパン'98で、ヒカルド・リッキー・ボテーリョにTKO勝ちを収めた辺りから脚光を浴びる。1999年には佐藤ルミナを破り、第4代修斗ウェルター級王座を獲得。2000年の大晦日には大阪ドーム(京セラドーム大阪)で行われたイノキボンバイエで、小路晃とのタッグでプロレスデビュー。ザ・グレート・サスケのラ・マヒストラルでフォール負けを喫したが、身体能力の高さを見せつける闘いぶりだった。2001年からはUFCに参戦。日本の総合格闘技マットへの参戦を経て、2012年に修斗に復帰。昨年もタイトルに挑戦するなど、第一線で活躍中。文・どら増田写真提供・(C)QUINTET
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スポーツ 2018年02月26日 19時44分
【新日本】“完全復活”棚橋弘至が狙うのはみのるへのリベンジか?オカダのV11阻止か?
新日本プロレスは26日、都内の事務所で3.9の後楽園ホール大会から開幕する春の最強決定戦『ニュージャパンカップ2018』(NJC)に関する記者会見を行った。優勝者には4.1両国国技館大会において、IWGPヘビー級王座(王者はオカダ・カズチカ)、IWGPインターコンチネンタル王座(王者は鈴木みのる)、NEVER無差別級王座(王者は後藤洋央紀)のいずれかに挑戦ができる。昨年は柴田勝頼が優勝し、IWGPヘビー級王座に挑戦した。今年は3タイトルの王者と、3.6大田区総合体育館大会でIWGPインターコンチ王座に挑戦する真壁刀義はエントリーしない。 会見では、1.27札幌大会で鈴木みのるに敗れ、IWGPインターコンチ王座を奪われた挙げ句、ここ数年悩まされていた膝がついにパンク、右膝変形性関節症により欠場に追い込まれた棚橋弘至が、このシリーズから復帰を果たすことも発表され、棚橋が登壇し復帰会見を行った。 「この復帰は見切り発車ではなく、自分でイケるという手ごたえを感じての復帰になる」 第一声で棚橋はこのように力強い口調で復活宣言したが、「膝変形性関節症をググったら、あまりいいことが出てこなかった」と欠場当初は不安が襲ったことも告白。その後、体重を3〜4kg絞り、トレーナーとともに膝に負荷をかけて「攻めのリハビリをした」という。2月1日からは毎日下半身のトレーニングを行い、足の筋肉が鍛えられ、太ももはスーツ越しにもわかるほど、以前より太くなっていた。 「優勝できると確信したから復帰を決めたので、優勝して優勝したあとに、鈴木みのるにリベンジするか、オカダのV11(棚橋が持っているIWGPヘビー級王座防衛記録)を止めにいくか、そこで決めます」 棚橋は優勝後に挑戦するタイトルについても言及し、IWGPインターコンチ王座またはIWGPヘビー級王座のどちらかに挑戦したい意向を明らかにした。また、今回欠場したことにより、トレーニングに対する気持ちも「過去にできたことより、今できることをやろう」と変化させることで、「昔の棚橋ではなく、新しい棚橋を見せたい」とコメント。1回戦の対戦相手となるタイチは3.6大田区大会での内藤戦からヘビー級に転向するが、「俺は内藤ほど優しくないんで、けっこうバッサリ行くかもしれない。付き合うつもりはない」と断言。ファンが心配している肩や腕など膝以外のコンディションに関しては、「ファンの方からは完全に治してから帰ってきてくださいという温かいコメントが多かった。腕は両方とも(靭帯が)切れちゃってるんで、手術しないと100%治ることはないんですけど、非常にバランスがいい(苦笑)。今は気力が充実してます。こんなに凄い1か月を入門してから過ごして来たかなって。他の選手がシリーズで頑張っているんだと思ったら、休んでいるのが悔しくて。キャリア19年目にして凄い1か月を過ごしたんで、NJCに優勝したら、2018年の2月は奇跡の2月と呼びます」と気力でカバーできることを強調した。 また、膝に負担がかからない新技の開発については、「それも考えました。ハイフライフローは自分へのダメージもあるので。それは試合の中で見せていければ」と新たな技の披露について含みを持たせた。最後のフォトセッションでは「太ももを見てもらいたい」と膝を曲げてポーズを取るなど、満身創痍だった頃には信じられないぐらい、“明るいタナ”が帰って来た印象を受ける会見だった。『ニュージャパンカップ2018』▼1回戦◎3.9後楽園ホールA. マイケル・エルガン 対 石井智宏B. ジュース・ロビンソン 対 高橋裕二郎◎3.10愛知県体育館C. 棚橋弘至 対 タイチD. バッドラック・ファレ 対 ランス・アーチャー◎3.11兵庫・ベイコム総合体育館E. YOSHI-HASHI 対 飯伏幸太F. 内藤哲也 対 ザック・セイバーJr.◎3.12高松市総合体育館G. 矢野通 対 デイビーボーイ・スミスJr.H. チャッキーT 対 SANADA▼2回戦◎3.14静岡・ふじさんめっせI. Aの勝者 対 Bの勝者J. Cの勝者 対 Dの勝者◎3.15後楽園ホールK. Eの勝者 対 Fの勝者L. Gの勝者 対 Hの勝者▼準決勝◎3.16後楽園ホールM. Iの勝者 対 Jの勝者◎3.18アクトシティ浜松N. Kの勝者 対 Lの勝者▼優勝決定戦◎3.21新潟・アオーレ長岡Mの勝者 対 Nの勝者※全試合時間無制限1本勝負で行われる。関係者の話によると、まだカードが発表されていないにもかかわらず、先日発売された4.1両国大会のチケットは前売り完売の勢いで売れているという。両国大会を占う上でかなり重要な大会となる今年のNJCは、棚橋以外にも強豪選手がそれぞれの野心を抱きながら出場するだけに、どの試合も見逃せない。取材・文・カメラマン / どら増田
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スポーツ 2018年02月26日 17時45分
【新日本】飯伏幸太&ケニー・オメガ、ヤングバックスと“世界最高”タッグを決める!
『HONOR RISING:JAPAN 2018』新日本プロレス▽24日 後楽園ホール 観衆 1,714人(札止め)◎スペシャルタッグマッチ(30分1本勝負)ケニー・オメガ&○飯伏幸太(20分15秒 片エビ固め)Cody&マーティー・スカル●※ゴールデン☆トリガー 新日本プロレスとアメリカROHの合同興行2日目。後楽園ホールは当日券があっという間に完売し、札止めとなった。注目すべき点は、オカダ・カズチカ、棚橋弘至、内藤哲也の新日本スリートップが出場していないこと、さらに、後藤洋央紀(23日には出場)、鈴木みのる率いる鈴木軍もマッチメイクには入っていなかった。 ファンのお目当ては、3年半ぶりに再結成する飯伏幸太&ケニー・オメガのゴールデン☆ラヴァーズであることは言うまでもない。極端な話、この2人だけで後楽園を札止めにしてしまったと言ってもいいだろう。前日に6人タッグ戦で“試運転”したとはいえ、大会オープニングのカード発表の際に起こった歓声は凄まじいものがあった。“あの頃”と違うのは、飯伏&ケニーという表記が、ケニー&飯伏になっていること。これはケニーが新日本所属、飯伏がフリーということもあるが、新日本マットでの実績はケニーの方が上回っている。しかし、飯伏もフリーになってから様々な試合を行っており、大きくなった2人が再結成するにはベストなタイミングだったのかもしれない。 一方で、バレットクラブの内紛劇に飯伏が巻き込まれる形での再結成とあって、飯伏以外はバレットクラブのメンバーというカードが組まれたことで、ケニーの裏切りを心配する声があったのも事実。大きな期待と少しの不安を持ちながら迎えたメインイベント。ゴールデン☆ラヴァーズはオリジナルの新テーマ曲に乗って、“あの頃”と同じように笑顔で現れ、2人で二方向に分かれ、リングサイドのファンとハイタッチしながら入場。コール時にケニーのキャッチコピーが“ザ・クリーナー”から“ベストバウトマシン”に変更されたことで、ほとんどのファンの不安は一掃したのではないだろうか。ケニーのタイツは昨年のG1クライマックス決勝戦で飯伏を意識して作られたもの。場内はゴールデン☆ラヴァーズの大チャント。 試合はスカルの粘りに手を焼く場面や多少のミスは見られたものの、3年半ぶりの再結成とは思えない、クロスラッシュなどかつてのムーブメントや、新しい連携技も披露し、最後はカミゴェとVトリガーを合体させて開発した新技ゴールデン☆トリガーをスカルに決めて再結成を勝利で飾った。 試合後、ケニーがマイクを掴み日本語を解禁!「もうバックステージで言ったんですけども、会場で言いたいことがある。ゴールデン☆ラヴァーズの復活ができました!」。その後、ROHのファンに向けて英語でゴールデン☆ラヴァーズへの思いを語ると「俺たちこそが、世界最高のタッグチームだ!」と言ったところで、マット&ニックのヤングバックスが登場。場内はヤングバックスの大チャントに包まれる。そして、マットがケニーからマイクを奪い、マイクアピールを敢行。 これを聞いたケニーは日本語で、「ヤングバックスが、ヘビー級のタッグチームになりたいって。だから、なんか『待った』みたいなことを言いました。それは、挑戦か? 挑発か? どうかわからないんですけど、いつかはゴールデン☆ラヴァーズと闘うはずじゃないですかね?それはドリームマッチじゃないですか? みんなの見たい試合ですか? だから、飯伏さん。もし、いつかヤングバックスとやったらどう思いますか?」と飯伏にマイクを振る。すると飯伏は、「ケニー。絶対にいい試合になるから。組んで下さい。お願いします」と即答。ケニーは「しかも、ベストバウトを取る可能性が高いから。久しぶりに飯伏さんとベストバウト取りましょう!」と宣言した。 ゴールデン☆ラヴァーズは2010年にプロレス大賞の最優秀試合賞(10.11両国 対田口隆祐&プリンス・デヴィット)を受賞している。また、ヤングバックスとの試合は、ケニーがDDTから新日本に移籍した際にもファンから「見たい」という声が多かった。しかし、ケニーがバレットクラブ入りし、ヤングバックスと合体したことで、こちらも“寝かされていた”黄金カードとなっていた。実現すれば、配信などを通じて世界中が熱狂するのは間違いない。 バックステージで飯伏は「ヤングバックスとやることで、ゴールデン☆ラヴァーズが世界最高ということを証明したい。最終的にはIWGPヘビーのタッグのベルトが獲りたい。それまでにも、各自なにか獲るモノがあると思うので、それを達成しつつ、タッグのベルトも獲りたい」と語れば、ケニーは「正直、私にはベルトとか関係なく、ホント“世界のベスト”を証明して見せたいです。それはベルトを持つか、持たないか、ホント私には関係ないです。We can change the world」とコメントした。 バレットクラブの内紛劇に決着はついていないが、ケニーは試合後も「バレットクラブを乱しているのはCodyだ」とバレットクラブのリーダーとしての発言をしており、ヤングバックスもゴールデン☆ラヴァーズの再結成を容認した上での対戦表明だっただけに、当面の間、飯伏はケニーとユニットの枠を超えた“超党派タッグ”としてゴールデン☆ラヴァーズの活動を続けていくものと思われる。 ゴールデン☆ラヴァーズが新日本タッグ戦線を世界一に押し上げていく。取材・文・カメラマン / どら増田
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スポーツ 2018年02月26日 16時00分
プロレスラー世界遺産 伝説のチャンピオンから未知なる強豪まで── 「ザ・デストロイヤー」国民的関心事だった“白覆面の魔王”の足4の字固め
昨年、外国人叙勲者として旭日双光章を受賞したザ・デストロイヤー(本名:ディック・べイヤー)。日本プロレス史上に輝く力道山との熱戦、その白覆面と必殺の足4の字固めは、まさに世界遺産と呼ぶにふさわしい。 プロレス特有の技の中で、足4の字固めは最もポピュラーなものの一つと言えよう。 少年時代のプロレスごっこでも真似がしやすく、よほど無茶なことをしなければケガの心配もない。4の字を仕掛けたことのある人、掛けられたことのある人、いずれも多くいるはずだ。 この技の元祖とされるのは、戦後アメリカマット界のスーパースターとして知られる“ネイチャー・ボーイ”バディ・ロジャースで、NWA世界王座を獲得したときのフィニッシュホールドであったとも伝えられる。 だが、日本でこれを広めたとなると、やはりザ・デストロイヤーということになろう。 アメリカ修行時代のジャイアント馬場とWWA(かつてロサンゼルスを本拠地に活動していたプロレス団体)王者であったデストロイヤーの闘いが日本で報じられると、覆面王者の珍しさもあって一躍注目を集めることになる。 そして、1963年5月に初来日を果たすと、力道山を相手に日本初公開となる足4の字固めで勝利を収めてみせた。 ワールド大リーグ戦5連覇を成し遂げた直後で、まさに絶頂期にあった力道山が敗北を喫したことで、4の字固めはまさしく必殺技として認知されることになったのだった。 続いて行われた、力道山にとってはリベンジマッチとなるWWA王座戦は、日本プロレス史上に残る大熱戦となる。力道山が渾身の空手チョップでデストロイヤーの前歯をへし折ると、デストロイヤーも4の字で逆襲。これに対して力道山は、秘策“逆4の字”を披露する。 「実のところ“足4の字を裏返すと掛けていた方が痛い”というのは、力道山考案のアングルで、裏返っても攻守逆転するほどのダメージの変化はないようです。しかし、この一種の“決まり事”によって、地味な寝技になりかねない4の字固めが、試合のクライマックスにまで昇華する。今でもこのアングルは、見せ場の一つになっています」(プロレスライター) 互いの体を表裏と回転させながら延々と続く攻防に、結局、ノーコンテストの裁定が下されたが、試合後も両者の脚は絡み合って解けず、リングシューズのひもをハサミで切ってこれをほどいたという。 なお、このときのテレビ生中継は、驚きの平均視聴率64%。日本のスポーツ中継では東京五輪の女子バレーボール決勝や、日韓共催となった2002FIFAワールドカップの代表戦に次ぐ歴代4位の数字で、およそ7000万人がこの試合をテレビ観戦したとも言われる。 デストロイヤーと4の字固めは、まぎれもない国民的関心事だったわけだ。 「ちなみにWWAの記録によると、デストロイヤーは来日直前に王座から陥落したことになっており、公式にはタイトルマッチではなかったようです。だから、力道山は勝つこともできたわけですが、そうしなかったのはデストロイヤーに対するファンからの評判が高かったからでしょう」(同) デストロイヤー自身も後に初来日時を振り返って、「高校時代に太平洋戦争があったため、訪日以前は反日感情を抱いていたが、日本のファンの温かさに感激した」と述懐している。 外敵は絶対的なヒールとして扱われるのが当然だった米国マット界に比べて、日本のファンは良いものは良いと認める。そんな観戦スタイルが新鮮に映り、このことが今に至るまでの親日感情につながっているのだという。 '72年に全日本プロレスが旗揚げされると、デストロイヤーは同団体の所属となり、以後、およそ6年にわたって日本勢の助っ人として活躍する。 すでにこの頃は40歳をすぎ、当時のレスラーとしてはキャリア晩年にあたるものの、それでも元来は米国のトップ選手。いくら親日家とはいえ所属するには、莫大なギャラがかかったことは想像に難くない。 日本テレビ系のバラエティー番組『金曜10時! うわさのチャンネル!!』にレギュラー出演していたのも、そのギャラの一部を日テレの負担とするためだったと類推される。 それでも馬場がデストロイヤーにこだわったのは、そのレスリング技術の高さから、若手日本勢のコーチ役を期待してのことだった。所属を離れてからも、全日には年1回の特別参戦を続け、還暦をすぎた'93年に正式引退となった。 デストロイヤーは引退後も、自身の名を冠したレスリング大会を日本で開催するなど、日米間の友好や青少年交流に尽力。その功績から昨年、外国人叙勲者として旭日双光章の受賞が決定し、この2月にはアメリカ・ニューヨークで叙勲伝達式が行われた。 御年87。全盛時と変わらぬ青い縁取りの白覆面をかぶったデストロイヤーは、覆面越しにも分かる満面の笑みで「これ以上の幸せはない」と語ったのだった。ザ・デストロイヤー1930年7月11日、アメリカ・ニューヨーク州出身。身長183㎝、体重120㎏。得意技/足4の字固め、ドロップキック。文・脇本深八(元スポーツ紙記者)
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