スポーツ
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スポーツ 2017年03月12日 16時00分
プロレス解体新書 ROUND42 〈馬場晩年のベストマッチ〉 弟子2人に見せた不屈の闘志
1994年3月5日、日本武道館で行われた三沢光晴&小橋健太(現・建太)vsスタン・ハンセン&ジャイアント馬場のタッグマッチは、馬場の現役後期における屈指の名勝負である。とおに全盛期を過ぎたはずの馬場が、新たに団体の屋台骨となるべき三沢&小橋の前に、鬼神のごとく立ちはだかった。 アントニオ猪木がどうしてもジャイアント馬場にかなわなかったのは、その“存在感”ではなかったか。 「もちろん猪木も街を歩けば多くの人が振り返る大スターですが、馬場は別格。威厳と親しみやすさを兼ね備えたその佇まいから、地方巡業のときなどは地元のお年寄りが手を合わせて拝む姿を何度も見かけましたよ(笑)」(スポーツ紙記者) レスラーとしての全盛期は、日本プロレス時代から全日本プロレスの旗揚げに至る1970年前後。以後は徐々に衰えが目立ち始め、下腿に比べて貧弱な上半身やスローな動きを笑いのネタにされることもしばしばだったが、それでも馬場自体の価値は変わらない。 '85年、スタン・ハンセンに敗れてPWF王座から陥落した後は、タイトル戦線を離れてカード中盤が定位置となったものの、馬場への歓声はむしろ増加したかにも見えた。 「馬場の姿が“見られるだけでもありがたい”とのファンの思いがあったからこそ、晩年まで支持を集め続けたのでしょう」(同) 90年代に入ると馬場はラッシャー木村と義兄弟タッグを結成し、そこに百田光雄が加わった『ファミリー軍団』と、渕正信、大熊元司、永源遥ら『悪役商会』による明るく楽しいプロレスがすっかりファンの間にも浸透していたが、久方ぶりにメインイベンターとしてスポットライトを浴びることになる。 '93年の世界最強タッグ決定リーグ戦。優勝候補と目されていたのは大会直前まで世界タッグ王座に就いていたハンセン&テッド・デビアス組であったが(当時はリーグ戦開幕時に王座を返上。優勝チームが同王座に就くシステムだった)、デビアスがシリーズ序盤の負傷により欠場。その代役としてハンセンに指名されたのが、当初、出場予定のなかった馬場だった。 「デビアスの欠場は米国での契約問題からのこと。ケガというのも前王者チームの解体を自然に見せるためであり、馬場の代役出場はあらかじめ予定されていたはずです。近いところで'91年には、アンドレ・ザ・ジャイアントとの大巨人コンビで話題を集めた馬場が、大会に出場しないわけがないですから」(プロレスライター) 果たして計算通りであったか、このハンセン&馬場コンビは大当たり。巡業先の各会場で一番の歓声を集めると、準優勝の好成績を収めたのであった。 同大会で優勝を果たした三沢光晴&小橋健太とも30分時間切れの引き分け。そのため翌年3月には武道館大会のメインとして、両コンビによる特別試合が行われることとなる。 だが、これは単なる再戦ではなかった。 「カギとなったのは'92年、ジャンボ鶴田の肝炎発症です。エース鶴田の離脱により、その壁に挑む三沢ら超世代軍という闘いの構図から、なし崩し的に三沢や川田がメインを張ることになった。しかし、ファンから全幅の信頼を得るためには、上の世代を乗り越えることが絶対的に必要だったのです」(同) 全日の歴史そのものである馬場に勝利してこそ、真のエースとして認められる。一線を退いてなお“ロートルに勝ったところで”とファンに思わせないのも、やはり馬場の存在感があってのことだろう。馬場は捨て石になる覚悟を持ち、自ら高い壁となるべく立ち上がったのである。 三沢&小橋もそれは重々承知のことで、試合序盤から全力のエルボーとチョップを師匠の馬場に向かって打ち込んでいく。馬場もこれを真っ向から受け止めると、ネックブリーカー・ドロップやかわず落とし、脳天唐竹割りと惜し気なく得意技を繰り出していく。 十六文キックで吹き飛ばした小橋の腕を取るやハンセンに向かって振り、ラリアットが炸裂。失神状態の小橋を救出すべくエルボーを乱打する三沢をジャイアントコブラに捕らえると、すっかり会場は馬場コールに包まれ、カットに入った小橋にはブーイングが飛ばされる。 三沢に対しても十六文からバックドロップ、ランニング・ネックブリーカー・ドロップと畳みかける馬場。しかし、三沢&小橋も真のエースになるための通過儀礼として、試合に勝つことはもちろん、馬場からピンフォールを取らなければ意味がない。 ハンセンをダブル・ドロップキックで場外に叩き落とすと、小橋がムーンサルト・プレスを放ってカウント2.9。さらに2人掛かりで馬場を攻め立てて、三沢がトップロープからのネックブリーカー・ドロップでついに3カウントを奪ったのだった。 「敗れて悔しくないといえば嘘になるけど、今はとても爽やかな気持ちだよ」 試合後、爽やかに語った馬場。これを機に全日は、四天王プロレス時代に突入していくことになる。
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スポーツ 2017年03月12日 12時00分
IWGP王者オカダ・カズチカ「ワクワクする」カードで『旗揚げ記念日』を札止めに!
新日本プロレス創立45周年となる『旗揚げ記念日』が、6日大田区総合体育館で開催された。3年振りにビッグマッチとして行われた今大会は、IWGPヘビー級王者オカダ・カズチカが、アニメの世界から飛び出した“ゴールデンタイガー”タイガーマスクWを対戦相手に指名。過去3試合で驚異的な身体能力の高さを見せつけたタイガーマスクWとオカダによるドリームマッチは、ファンの関心を集め、平日開催にもかかわらずチケットは事前に完売。3,896人(超満員札止め)の大観衆が会場に詰めかけた。 1日の後楽園ホール大会では、オカダ&外道 対 タイガーマスクW&(4代目)タイガーマスクという前哨戦が組まれ、タイガーマスクが外道からタイガースープレックスで勝利を収めると、リング上でマイクを掴み「彼を初めて両国(国技館)で見たときは、『またタイガーマスク出て来たよ』と、『何人タイガーマスク出んだよ?』と、『誰でもタイガーになれちゃうのかな?』なんて、思ってました」と新たなタイガーマスクが誕生したことについて、初めて複雑な心境を語った。しかし、この試合を通じて感じるものがあったのだろう。最後は「でも! 今日の試合見てどうですか? 彼は、タイガーマスクではなく、“真のタイガーマスクW”です! 僕も当日はセコンドに付いて応援します! 大田区期待してください!」と締めてみせた。1980年代の新日本プロレス黄金時代を築いた、初代タイガーの教え子であるタイガーが、Wの後見人を買って出たことで、オカダ対Wの『NJPW旗揚げ45周年記念試合』は、“歴史を超えた”ドリームマッチという意味合いが出てきたのは大きかった。 そして迎えた当日。試合開始直後から場内は割れんばかりの大タイガーコール。これは80年代黄金時代の会場のムードを思い出させるものだった。試合に関しては既に各メディアが報じているように、素晴らしいの一言。オカダがWの、Wがオカダの“危険な”引き出しを開け合ったことで、二人にしかできないストロングスタイルの世界を見ることができた。近年のプロレス界において、ここまでワクワクした試合があっただろうか。このカードを提案し、会場を超満員札止めにさせたオカダにあっぱれである。 試合後、ワクワクさせるカードを提案し、そのカードで超満員札止めにした気持ちをオカダにぶつけてみた。 「単純に、僕も、ワクワクした試合、1月ケニーとやって、2月鈴木さんとやって、僕自身がワクワクするような試合を、楽しめるような試合をしたいなと思っていただけで、それがお客さんにも伝わったと思うんですけど。ワクワクだけじゃ、楽しいだけじゃ、終わらない一戦でした。キツかった。強かった。俺ほどではないけど」 最後に強がるあたりがオカダらしいが、笑みを交えながら語ったその表情からは、普段のタイトルマッチとは違った充実感が伝わってきた。会見ではアニメ『タイガーマスクW』についても「きょうの試合を見たらアニメも気になる人も出てくるんじゃないですかね。試合時間は? 27分? ちょうどいいじゃないですか。この試合をアニメ化してもらいましょう(笑)」と報道陣の笑いを誘っていたが、新日本プロレスに「カネの雨を降らせる」ために、オカダのワクワクした闘いは終わることがない。 「新日本はオカダがいれば大丈夫」 そう感じた45年目の『旗揚げ記念日』だった。(どら増田)【新日Times vol.59】
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スポーツ 2017年03月11日 20時59分
WBC情報 「ボールの違和感はやっぱりある!」の声
WBC開幕前から指摘されてきた問題が、WBC使用球への違和感だ。第1戦の石川歩(28)、第2戦の菅野智之(27)の好投を見ると、解消されているようだった。野手を含め、侍ジャパンのメンバーは自主トレ期間からWBC使用球で練習していた。両先発投手の好投はその成果だと思われる。また大会直前、「もう違和感はないよ」と明言した投手もいた。しかし、「違和感」はあったのだ。 「菅野は侍ジャパン合流前、チェンジアップを習得することを公言していましたが、第2戦では投げていないんじゃないかな…。二次ラウンド以降のために隠したというよりも、『使えない』とバッテリー間で判断したんじゃないかな」(プロ野球解説者) 壮行・練習試合の段階でも、スコアラーと小久保裕紀監督(45)たちが話し合っていた相手打線の攻略法のなかに、「変化球の使い方」があったという。2月28日の台湾リーグ選抜との試合がとくにそうだったが、変化球を痛打される場面が多かった。 同試合でマスクを被った大野奨太(30)は外角中心の配球を組み立てていた。他国の代表チームの練習試合を偵察してきたスコラアー陣も「変化球をヒットにするバッターが多い」と付け加えた。威力のあるストレートを投げられるかどうかが重要なポイントに挙げられたが、キューバとの第一戦後、新たな課題も見つかった。威力のあるストレートを投げられる投手のなかにも、WBC使用球が適さない者がいた、と…。 「則本(昂大=26)ですよ。則本の真っ直ぐはスピンが掛かっていて、浮き上がってくるような軌道を見せます。でも、本番になっても、その真っ直ぐが浮き上がってこないんです」(関係者) 第1、2回大会に招集された藤川球児(36)のケースがそうだった。大炎上ではなかったが、浮き上がってくる彼本来の真っ直ぐは投げられず、第2回大会で原辰徳代表監督は、ダルビッシュ有をリリーフに配置換えしている。WBC球でもペナントレースと同じストレートを投げられる投手と、そうではない投手に分かれるようだ。 「変化球にしても、WBC球だとボールの回転数が少なくなる。だから、バットに当てられると、ヒットにされてしまうんです」(前出・同) 菅野と小林のバッテリーがチェンジアップを“温存”したのは、そのためだという。 守っている野手にしてもそうだ。送球でミスをしないように気を配っており、菊池涼介(27)はスナップスローを多用している。過去3大会を知る関係者によれば、WBC球の滑る感触を嫌い、野手はグラブのなかの汗を利き腕側の指先に付け、外野手は芝生を触るなどして湿気を与え続けていたそうだ。準決勝、決勝ラウンドまで勝ち上がれば、その滑る感触はもっと強くなるだろう。「もう、違和感はない」と言い切った投手も、本番に突入してWBC球の怖さを知った者も何人かいる。一戦必勝の決戦は続くが、二次ラウンドでどう再修正していくかが「世界一奪還」のカギとなりそうだ。(スポーツライター・飯山満)*写真はWBCなど国際試合使用球に違和感をなくすために2014年に導入された統一球。
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スポーツ 2017年03月11日 16時00分
「錦織圭はグランドスラムの頂点に立てない」IMGコーチの解けない呪文
錦織圭(27)が13歳でテニス留学したアメリカのIMGアカデミーのボロテリーコーチはこう言った。「圭は素晴らしい選手だが、今のままではグランドスラムの頂点に立つことはできないだろう」と。残念ながら、それがいま現実となりつつある。 もう一つ、アメリカのテニス専門誌も錦織圭を酷評した。その実力は“一流”として認められているものの、「もう一歩、上」の“超一流”になれるかどうかの瀬戸際に喘いでいると評したのだ。 “課題”がまだ克服されていないことが露呈したのは、アルゼンチン・オープン決勝戦だった(2月19日/現地時間)。相手は世界ランキング66位で、メディアやファンは同5位の錦織の今季初優勝を信じていたが、ストレート負け。苦手とされるクレーコート(赤土)に翻弄され、いいところをまったく見せられなかったのだ。 「錦織サイドはクレーコートの経験値を積むための出場と言っていました。その言葉通りなら、同じクレーコートで行われる5月の全仏オープンに標準を合わせているということになりますが、今大会を見る限り、勝算があるとは思えません」(専門誌記者) 本来、錦織のように打ち合いを得意とするプレーヤーは、クレーコートを好む。ハードコートよりもボールに勢いがなくなる分、打ち合いの持久戦に持ち込みやすいためだが、錦織はその逆。「ジュニア時代は得意だった」と強がったことはあるものの、過去のツアー戦歴11勝のうち9勝がハードコートで挙げている。今大会で錦織は“強いサーブ”を打ち込む作戦に出たのだが、それを「グッドだが、グレートではない」と、米専門誌に叩かれたのだ。 クレーコートでも失速しない、強いサーブを打つ作戦は間違っていない。しかし、それで勝っても錦織のためにならないというのだ。 「クレーコートでの打ち合いになると、ミスショットが出てしまう。錦織はサーブのスピードにも定評がありますが、世界の超一流は190センチ台の長身揃い。角度という点で、錦織がこの先サーブをどれだけ進化させても敵いませんよ」(同) 2月27日付で男子テニスの世界ランキングが発表されたが、錦織圭は5位で変わらなかった。 「錦織圭はグランドスラムの頂点に立てない」IMGコーチの呪文はこれからも解けないのか?
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スポーツ 2017年03月10日 16時00分
ヨシノブ巨人を蝕む3つの病巣 〜史上最悪キャンプ舞台裏〜
“魔の2年目”を迎えたヨシノブ巨人が3月1日、沖縄キャンプを打ち上げた。“魔”というのは、三顧の礼で迎えられた原辰徳の第一次政権、堀内恒夫政権とも3年契約の2年目オフに解雇されているからだ。今季優勝を逃せば、高橋由伸監督もまた、同じ道筋をたどってしまう可能性がある。 2月1日からの宮崎キャンプのスタートは、当初こそ、20億円とも30億円とも言われる超大型補強で評判が高かったが、終わってみれば「まるっきり活気がない。史上最悪のキャンプ」と評論家たちのコメントは酷評ばかりだった。史上初のFAトリオのうち、下半身の張りを訴えた陽岱鋼(前日本ハム)と右肩痛の山口俊(前DeNA)はともに三軍で調整中。森福允彦(前ソフトバンク)こそ順調のようだが、新外国人マギーなどの移籍組にチームの主導権を奪われ、チームの士気は下がりっぱなしだ。 巨人担当記者によると、「ヨシノブ巨人を蝕む病巣」が3つあるという。 まずは、常に本心を明かさぬ高橋監督の慎重発言だ。記事にしようにも面白くないコメントばかりで、話題性に事欠くという。それでいて担当記者にも「巨人は常に紳士たれ」を要求し、ジャケット、スラックス着用のドレスコードを押し付け、ヒゲもNGとなった。揚げ句は雑談での記事にも規制を設ける始末で、野球技術に関する報道ばかりを押しつけているという。ネガティブな記事ばかりが増殖しているのはそのためで、自然とメディア露出も激減している。 超大型補強の反動も予想以上に大きい。FA3人と新外国人マギーの加入で生え抜きスター選手が次々に配置転換の憂き目に遭っているのだ。次期主砲と期待される岡本和真三塁手は村田修一、マギーの壁に阻まれ外野手へ。ポスト鈴木尚の俊足外野手・立岡宗一郎は陽岱鋼加入で二塁へコンバートされた。どちらも守備練習に追われ、打撃に影響が出始めている。超大型補強で押し出された選手で二軍は満員御礼状態。一軍残留組は苦渋のポジション変更で生き残りに懸命の構図だ。 球界の人気を独りで支えてきた二刀流・大谷翔平(日本ハム)が今シーズン限りでのメジャー移籍が決定的になったことも響いている。この球界のピンチに救世主と期待されているのが、早実の“怪物”清宮幸太郎だ。早大進学が有力と言われるが、今秋のドラフトではソフトバンク、西武、オリックス、DeNA、ヤクルト、中日の6球団が指名準備を進めている。巨人も岡崎郁元ヘッドコーチをスカウト部長に起用し、清宮指名シフトを敷いた。 しかし、慶応閥の強い巨人と早大は、あの桑田事件以来、険悪な関係が続いたまま。清宮獲得に慶大OBの高橋監督も障壁となっている。ドラフト前の“慶応色払拭”が緊急課題という。 次期監督が確実視されるOBの松井秀喜氏だが、今秋の就任には否定的なようだ。そこでつなぎに急浮上したのが、豪華生え抜き選手を預かる斎藤雅樹二軍監督。異例の一、二軍の監督入れ替え説も、ネット裏では囁かれ始めている。
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スポーツ 2017年03月09日 16時00分
「笑って…泣いて…汗かいて…」白鵬が語った“内弟子”と“引退”と“親方株”
先場所、横綱になって最長となる4場所続けて優勝を逃した白鵬。“平成の大横綱”がこのまま終わるはずはない。不死鳥のごとく蘇ってくるはずだ。 2月21日、宮城野部屋は都内で記者会見を開き、大学2、3年時に世界相撲選手権軽量級(85キロ未満)で連覇した中村友哉(金沢学院大=22)の入門を発表した。身長167センチ、体重95キロと小兵だが、かいなひねりなどのひねりワザを得意とするワザ師で、白鵬の内弟子となる。内弟子とは、引退して部屋を持った際、弟子になることを約束された力士のことで、白鵬にとっては幕内の石浦、十両の山口に次いで3人目だ。 「横綱はこの社会では一番強い方。あとに付いていけば、間違いないと思ったので」 白鵬の内弟子になることについて、中村はそう語った。入門会見に同席した白鵬も、「若い力士と一緒に土俵に立って汗をかいて、笑って、泣いていきたい。中村は石浦と同じような体形で、スピードがある。宇良にも負けない」と、終始にこにこ顔だったが、最後にひと言、「2年で関取になってもらいたい。あと3年で引退するので」と付け加え、報道陣をドキリとさせた。もちろん、引退後の備えはいまだ盤石ではない。 白鵬はかねて「東京オリンピックまでは現役で頑張る」と話していた。その東京オリンピックは、3年後に迫っているが、自ら引退期限の線引きをしたのは初めて。一時の強さに陰りが見えてきていると言われるだけに、自分でもいよいよ身の引き際を考え始めたようだ。 ただ、親方になる道は相変わらず閉ざされたまま。史上最多37回も優勝した白鵬は一代年寄の授与を求めているが、親方になるには日本に帰化することが必須条件だ。しかし、国民的英雄を父に持つ白鵬はモンゴル国籍を捨てることに大きな抵抗がある。そのため、帰化せずに親方になる特例を求めてきた経緯がある。 「どうするか、白鵬自身が決める問題だ」 八角理事長は、そう突き放し、まったく歩み寄る姿勢を見せていない。このままいくと、白鵬は時間切れで親方になれないことだってあるのだ。となると、せっかく内弟子を集めても自分の弟子にすることができない可能性がでてくる。果たして、白鵬はこの問題をどう処理するつもりなのか。 白鵬は春場所直前には32歳になる。いつ引退しておかしくない年齢に達するが、大横綱・白鵬の“心・技・体”はまだまだ土俵の上にあることを信じたい。
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スポーツ 2017年03月09日 12時40分
WBC情報 好投しているピッチャーを交代させる勇気
「1対1」の同点で迎えた5回裏、侍ジャパンの名伯楽・権藤博投手コーチ(78)は、先発・菅野智之(27)に続投を指示した。4回を投げ終わった時点で、菅野の投球数は「48」。今さらだが、一次ラウンドで投手が1試合で投げられる投球数は「65」までと決められている。「1イニング平均15球」とした場合、4回まで投げて60球到達となる。そう考えると、菅野はソロアーチこそ食らったが、実に効率良く投げ抜いてくれたわけだ。また、プロ野球解説者の多くが語っているが、WBCを勝ち上がっていくポイントとして、先発投手を降板させたあとに、もう一人の先発タイプの投手の存在が挙げられていた。 菅野のあとを託される“ロングリリーバー”は誰になるのか、その交代の時期は――。 4回を投げ終えたとき、交代するのかどうか、ネット裏の意見が別れた。効率の良い投球内容からして、「投球数制限内で5回まで行けるのではないか」の声も多く聞かれた。投球数の制限ルールだが、細かいところまで見れば、65球に到達した時点で2アウトを取っていれば、そのイニングは投げきっても良いことになっている。「あと17球」で、アウトカウント2つなら、今日の菅野でも十分行けるのではないか…。しかし、結果は、1アウトを取った時点で57球、次打者にファールで粘られ、「一死一・二塁」の場面で交代することになった。 その岡田俊哉(25=中日)がワイルドピッチや制球難で満塁までピンチを広げてしまい、大量失点に陥り掛けたところを二塁手・菊池涼介(26)の好守に救われた。 岡田は昨季57試合に登板したタフネス左腕だ。もし、その岡田が5回のマウンドを最初から任されていたら、投球内容は違っていたのではないだろうか。 スポーツの世界で「もしも…」は禁物だ。球場入りしていたプロ野球解説者の一人がこう言う。 「経験豊富な権藤さんのことです。イニングの途中なら岡田、菅野が5回を投げきっていたら、6回からは千賀と決め、彼らにもそう伝えて準備させていたと思う。昨季、岡田はイニング途中からマウンドに上がったこともあったはず。その岡田がオドオドしてしまうんだから、国際試合はコワイよね」 投手を交代させる時期の見極めは、本当に難しい。「好投している」となれば、なおさらだ。攻守交代の見極めというと、思い出してしまうのが、北京五輪の敗退だ。星野仙一監督(当時)は後続を出し惜しんだのか、岩瀬仁紀に“イニング跨ぎ”を課して失敗した。続投は結果論だが、「岩瀬はシーズン中、イニング跨ぎをやっていたか?」の非難も聞かれた。 菅野を続投させた今回のオーストラリア戦だが、岡田の次の登板がちょっと心配になった。ピンチに陥ったときの顔面蒼白ぶりは、次登板に影響しないだろうか。 「初戦でリリーフ登板した投手の何人かが失点しています。権藤さんは救援陣に若干の不安を抱えていたから、菅野を引っ張ったんだと思う」(前出・プロ野球解説者) 東京ドームのブルペンだが、3人同時に投げられるように造られている。しかし、一塁側、三塁側ともに3つ目のマウンドにシートが掛けられ、使えない状態になっていた。大会ガイドブックにはブルペンのことは記載されていなかったが、規制があったのだろうか。同時に2人までしか準備できないとなれば、投手継投はますます難しくなる。名伯楽・権藤コーチはどんな策を講じているのだろうか。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2017年03月08日 17時00分
WBC情報 やっぱり気になる野球観の日米摩擦
「ここまで硬くするのかよ!?」 キューバとの一戦を控えた前日(3月6日)、侍ジャパンは午後3時から合同練習を行った。ここまでくれば、練習と言っても「調整」だ。小久保裕紀監督(45)もノンビリと構え、ゲージ後方で主力野手陣のフリー打撃を見守っていた。しかし、投手陣からは「アメリカに行ったら、もっと硬いんじゃないか?」の声が漏れていた。彼らが「硬い」とこぼしていたのは、アメリカ仕様に合わせたマウンドのことだ。 メジャーリーグ球場のマウンドは、日本と比べ、硬く、しかも高い。その違いは大会前から指摘されていた。また、ソフトバンクの春季キャンプ地・生目の杜運動公園野球場のブルペンが、1か所だけだが、『アメリカ仕様』に造り替えられた。千賀滉大や後に代理招集された武田翔太がアメリカ仕様のマウンドに早く馴染めるよう、球団側が配慮したのだ。アメリカ仕様のマウンドへの違和感をなくそうと、他投手も自主トレ期間からさまざまな準備をしてきたが、東京ドームに実際に立った途端、「こんなに違うのか?」と驚いたのである。 「侍ジャパンは練習・壮行試合(5試合)を行うにあたって、アメリカ仕様のマウンドに造り替えてもらった球場もあります。3月5日のオリックスとの練習試合からWBCI(主催者)が派遣するグラウンドキーパーが合流してくれたんですが、彼らの作ったマウンドが想像していた以上に硬くて…」(関係者) オリックス戦前までは日本のグラウンドキーパーがマウンドを造っていた。しかし、ヒューストンアストロズの球場でグラウンドキーパーをしている彼らは、「これでもか!?」と言わんばかりにマウンドに土を盛り、ガンガンとかためてしまった。あくまでも日本側の感想だが、「急斜面すぎる」「スパイクの歯が刺さらない」といった“悲鳴”も聞かれた。 「決勝ラウンドはアメリカ国内で行われます。向こうに行ったら、もっと硬いぞ」(前出・同) また、投手陣は審判にも泣かされたようだ。MLBの審判がジャッジを務めたのは、一次ラウンド本番から。NPBは壮行・練習試合からの派遣を打診していたが一蹴され、“ぶっつけ本番”になったのである。 「内角球を取ってくれない(ストライクコールしてくれない)。日本なら、確実にストライクなのに」(スタッフの一人) 一次ラウンド本番に先駆け、侍ジャパンは各球団から敏腕スコアラーを借りて、対戦チームのデータ収集を行っていた。その効果が普段、盗塁をあまりしない中田翔が自信を持って二盗した場面であり、「今回のキューバ打線はスピードボールに適応できない選手が多い」との報告を上げていたのだ。 しかし、ストレート中心の配球と言っても、変化球を投げないわけにはいかない。内角球や内側への変化球がウィニングショットにつながる重要な要素になっていたのだが、そこでストライクカウントが稼げないため、侍ジャパンの投手は必要以上の球数を放ることになった。 「一次ラウンドを戦いながら慣れるしかないよね…」 前出のスタッフは、自分に言い聞かせるようにそう語っていた。 年長のNPB関係者にみれば、第1回大会当時はデータと呼べる代物がなく、まさに、ぶっつけ本番だったそうだ。先発投手は実力だけではなく、センスとカンが試された。スタメンマスクをかぶった捕手も「この投手の特徴をどう生かすか」を必死に考えながらサインを出していたという。大会を重ねるごとに対戦国のデータ収集の分析力が進むのは当然だが、日本とアメリカの野球観というか、使用球やマウンドへの違和感はなくなりそうにない。(スポーツライター・飯山満)【写真】ダルビッシュも苦しんだメジャーリーグの硬いマウンド
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スポーツ 2017年03月08日 16時00分
清宮幸太郎を全面支援する「王・長嶋・野村」鉄板トロイカ体制(2)
野村氏に清宮家と幸太郎の少年時代を語ってもらえばさらに盛り上がるが、そのためには幸太郎がまず、五輪代表選手に選ばれなければならない。 「アマ側が希望する特別枠が認められれば、早大生として選ばれる可能性が高い。プロの世界で勝負するとなれば、1年目から使ってくれる球団を希望するでしょう。幸太郎はメジャー挑戦の夢も持っているので、1年目から使ってくれるのなら、どこでも入団するはず」(スポーツ紙記者) その試金石となるのが、プロ予備軍の好投手が揃ったセンバツ甲子園だ。清宮の真価について語る際、どうしても昨秋の東京都大会で左腕・桜井周斗投手(日大三)から5三振を喫したことが議題にあがる。「プロに入れば、もっと苦戦する」との見方が支配的だが、プロスカウトの評価は少し違った。 「その5三振だが、すべて右足でしっかり壁ができていました。体重が前に流れないので、左投手のスライダーに対応できるまでそう時間はかからないと思う。まあ、プロに入ってくれればだけど」(在京スカウト) また、NPB内ではセンバツの試合抽選次第で、清宮の出場する早実戦とWBCがテレビ視聴率を争うことも危惧されている。「その際は負けるかも」と予想する声は少なくなかった。 WBC、センバツともに放送は日中だ。若い野球ファンはスマホやパソコンでWBCを見るだろうが、それは視聴率に反映されない。また、その時間帯にテレビのチャンネルをつけるのはオールドファンであり、ONに憧れた世代は若いスターの到来に飢えている。 「ラグビーファンの女優・吉永小百合さんも克幸氏に連絡を入れ、幸太郎の話をしていました」(関係者) 若いスターの到来を期待する世代にアピールするには、清宮を五輪メンバーに選出すべきなのだ。 ONと野村氏、このトロイカ支援トリオが東京五輪の野球で、清宮幸太郎を激励する。最高の世代交代の瞬間となる。東京五輪で21歳になった彼が海外代表チームを相手に躍動すれば、野球・ソフトボール競技は“次”に繋げられるだろう。 「2024年の五輪開催地にアメリカのロサンゼルスも立候補しています。同地が当選すれば、米国として野球とバスケはアピールすべきですし、日本が野球で盛り上がったとなれば尚更」(前出・スポーツ紙記者) センバツで活躍し、日本一ともなれば、幸太郎の人気は不動だ。野球関係者は視聴率戦争の恐怖を抱きつつも、活躍を願っている。
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スポーツ 2017年03月08日 11時15分
WBC情報 小久保監督の期待に一発回答した松田のインサイドワーク(対キューバ)
3月7日、侍ジャパン初戦。壮行・練習試合を負け越し、一抹の不安を抱えWBC本番に突入したが、初戦を白星で飾った。小久保裕紀監督(45)がキーマンに挙げていたのは、松田宣浩(33)だった。壮行・練習試合ではバットで結果を出せず、「スタメン三塁は田中(広輔=27)ではないか」の声も聞かれたが、小久保監督は迷わなかったという。『誰よりもノッてほしいオトコ』として、松田のスタメンを決めていたそうだ。 松田は本塁打を含む5打数4安打とその期待に応えた。試合中盤、東京ドームのプレスルームを出ると、通路にまで松田のナインを鼓舞する声が響き渡っていた。松田が打てば、チーム全体が盛り上がる――。小久保監督の狙いはそこにあったわけだ。 その松田が『走塁』でもチームに貢献していたという。 2回一死、松田がセンター前安打で出塁した。次打者の小林も同じくセンターに弾き返すのだが、犠打のサインが出ても決められず、ヒッティングに切り換えての“結果オーライ”だった。松田が三塁まで進み、打席には2年連続トリプルスリーの山田哲人(24)を迎えた。その山田が打ち損じて三塁ゴロとなったときだった。松田は本塁に飛び出し、『三塁−本塁間』に挟まれ、タッチアウト。スタンドからはため息も聞かれたが、侍ジャパンのスタッフたちは「さすが、松田」と称賛していた。 「いや、一戦必勝のゲームなんだから、アレでいいんだよ」 本塁を狙った積極性を買ったのかと聞くと、完全否定された。 「一死一・三塁の場面なんだから、『5-4-3』で併殺プレーが成立していたかもしれない。松田があえて飛び出し、タッチアウトになることで、二死一・二塁に変わる。これなら、次打者の菊池(涼介=26)、青木(宣親=35)に期待が持てるじゃないか」(関係者) このイニングは得点を挙げることはできなかったが、松田の“次打者に期待を残す”走塁が、後の大量得点につながったと見る関係者は多かった。通常のペナントレースであれば、松田が飛び出したことは凡ミスだが、一戦必勝の短期決戦ではこちらが正解だというのだ。 4回、山田の一撃がレフトスタンドに突き刺さったと思ったが、審判団はファンがフェンスを乗り出してボールに触れたのを見逃さなかった。三塁塁審が山田をストップさせたときは、一体何が起きたのかと思った。メディア配布された資料によれば、「本塁打かどうか」に限り、ビデオ判定をするルールになっていた。“疑惑”を見逃さずに、映像確認を行った審判団のファインプレーではあるが、マイクで観衆に説明しないまま、ゲームは再開された。できれば、説明してほしいと思った。 ハプニング、インサイドワーク…。野球は難しい。壮行・練習試合で負け越した侍ジャパンの打線爆発を、誰が予想しただろうか。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ
三沢に負のスパイラル
2007年03月07日 15時00分
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スポーツ
新日本プチシルマ争奪戦勃発
2007年03月07日 15時00分
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スポーツ
大日本 関本が破天荒トレ
2007年03月07日 15時00分
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スポーツ
K-1 シュルト初防衛戦に サップ浮上
2007年03月05日 15時00分
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スポーツ
K-1新遺恨 魔裟斗vsTBS
2007年02月27日 15時00分
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スポーツ
棚橋時代到来
2007年02月19日 15時00分
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スポーツ
アングル 永田 新日制圧へ IWGPヘビー級タッグ王者中西、大森組への挑戦急浮上
2007年02月19日 15時00分
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スポーツ
ポスト魔裟斗ヘ アンディ・オロゴン 帰化計画
2007年02月06日 15時00分
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スポーツ
輪島氏 自爆テロ
2007年01月24日 15時00分
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スポーツ
ハッスル消滅!? 小川H軍休止宣言
2006年12月27日 15時00分
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スポーツ
大みそかボビー弟と対戦 金子賢 前田道場入り
2006年12月14日 15時00分
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スポーツ
珍指令 KID 秒殺禁止
2006年12月12日 15時00分
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スポーツ
生還小橋に捧ぐ 三沢 GHC奪還
2006年12月11日 15時00分
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スポーツ
猪木 緊急提言 想定外プロレスをやれ!
2006年12月05日 15時00分
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1・4東京D「レッスルキングダム」 新日本 全日本“乗っ取り”へ秘策 長州3冠戦出撃
2006年11月16日 15時00分
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復活1・4東京D大会へ秘策 新日本最終兵器サイモン猪木 IWGP挑戦!?
2006年11月07日 15時00分
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来春ビッグマッチ パンクラス芸能人最強決定戦 坂口憲二 今田耕司 押尾学
2006年10月31日 15時00分
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大みそか参戦ほぼ決定 芸能人対決 金子賢vs押尾学
2006年10月10日 15時00分