スポーツ
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スポーツ 2017年04月29日 14時00分
熱き侍たちが躍動!! メジャーリーグ Times 暗雲たちこめる大谷翔平のメジャー挑戦
4月9日のオリックス戦で、日本ハムの大谷翔平がハムストリング(大腿二頭筋)の肉離れを起こし戦列を離脱した。復帰まで4週間かかるという発表が球団からあったが、これは打者として復帰する場合で、投手としてマウンドに復帰できるのは7月になる可能性が高い。そのためメディアの中には「大谷を欲しがるメジャー球団が激減する」「日本ハムに支払われるポスティング金も上限の2000万ドルではなく、もっと低い額になる」と悲観論を流すところも出始めている。 それ以外にも、大谷のメジャー挑戦に関しては不透明な部分が多いので、今週は日本のファンが持つ6つの疑問を提示し、それに答えを付けていきたい。 Q1:米国での関心はダルビッシュ有や田中将大の時と比べてどうか? A:はるかに高い。 米国の主要メディアは今オフのメジャー移籍を見越し、大谷に関する力の入った報道をやるようになった。さらにCBSテレビは看板番組の『60分』で本人のインタビューを交えながら、その怪物ぶりを紹介。発行部数300万部の『スポーツ・イラストレイテッド』誌も取材陣を札幌に派遣して長い特集記事を掲載した。 それ以外にも多くのメディアが大谷にスポットを当てた記事を掲載しており、関心の高さはダルビッシュや田中のときよりはるかに高い。 Q2:ケガが続いたことで大谷の市場価値は下がったか? A:2〜3割落ちた可能性が高い。 たて続けに故障したことで、大リーグ球団は予想稼働率を下げざるを得ない。2〜3割程度、市場価値が落ちたと見るのが妥当だ。半年くらい前の市場価値は2億ドル(220億円)だったのが、現在は1億5000万ドル(165億円)くらいに落ちた可能性が高い。 Q3:故障の影響で大谷獲得に動く球団は大幅に減るか? A:減らない。 昨年11月末に成立したMLBの新労使協定で、25歳以下でメジャーに参入する海外の大物選手は「契約金500万ドルまで」という足かせをはめられることになった。それにより大リーグの各球団は、以前なら2億ドル(総契約額)+2000万ドル(ポスティング金)=2億2000万ドル(244億円)必要だった超大型物件を、500万ドル(契約金)+2000万ドル(ポスティング金)=2500万ドル(27億5000万円)という超安値で獲得可能になった。 足首の故障と肉離れによる離脱で市場価値が2〜3割落ちても、超お買い得であることに変わりはない。それゆえ獲得を目指す球団が減ることは考えにくい。 Q4:ポスティング金が下がる可能性は? A:ない。 ポスティングは最高額で入札した球団が交渉権を得る。最高額が同額になった場合は、その金額で入札したすべてのチームが交渉権を得る。おそらく10を超す球団が上限の2000万ドルで入札し、すべてが交渉権を得るだろう。そんな中、ちょっとケチって1800万ドルで入札し、みすみす世紀のバーゲンセールに参加する道を閉ざすようなバカな球団はないはずだ。 Q5:大谷を投手と打者を兼ねるツーウェイ・プレーヤーとして獲得する球団はあるか? A:ある。 大リーグ球団はどこも「投手としての大谷」が欲しいのであり、「打者としての大谷」は付け足し程度に考えているだけだ。それでも、打者としても積極的に活用する意向であることをアピールしないと大谷の心を掴むことはできない。その場合、有利なのは金満球団ではなく貧乏球団の方だ。 金満球団の外野陣とDHは、高額年俸の一流選手で占められており、大谷の出場機会を確保することは困難だ。しかし、資金力に乏しい球団は選手層が薄く、それが可能だ。特にDH制のあるア・リーグの球団は、投手大谷を、先発ローテーションで使うことを確約するだけでなく、打者大谷に150打席以上を保証できるので、いちばん大谷の希望に近いオファーを出すことが可能になる。 DH制がないナ・リーグの球団はそこまでおいしい条件を出せないので、外野手として20〜30試合に先発出場させることを契約書に明記することになるだろう。 大谷が受け取る契約金は、どの球団と契約しても500万ドルなので、二刀流を貫ける球団を選択するだろう。そのため、移籍先が弱小球団になる可能性が出てきた。 Q6:大リーグで二刀流を貫く場合、最大のリスク要因は何か? A:一番怖いのは故意死球。 メジャーには新入りに、大きな顔をさせない文化がある。そのため将来、大打者になりそうな有望新人は、ベテラン投手から挨拶代わりに故意死球を食らうことがよくある。 大谷は超大物新人である上、ベーブ・ルース以来の二刀流に挑戦する選手として脚光を浴びるのは確実。それがベテラン投手たちの強い反感を買うのも必至で、幾度も故意死球を食うことになるだろう。 左打席に入る大谷には、故意死球は投手の生命線である右腕を直撃する。それゆえピッチングに深刻な影響を与える可能性がある。スポーツジャーナリスト・友成那智(ともなり・なち)今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流。アメリカ野球に造詣が深く、現在は大リーグ関連の記事を各媒体に寄稿。日本人大リーガーにも愛読者が多い「メジャーリーグ選手名鑑2017」(廣済堂出版)が発売中。
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スポーツ 2017年04月29日 09時00分
本拠地移転へ 日本ハムが目指すボールパーク構想(2)
日本ハム球団が札幌ドームを本拠地としたのは、2004年だった。02年7月のオーナー会議で承認されたわけだが、当時、札幌ドームは西武球団が準フランチャイズ化を進めていた球場でもあった。 いや、単なる球場ではなかった。札幌ドームはサッカースタジアムにも変化する。昇降式ピッチャーズマウンド、人工芝巻敷機、ムービングウォール、開閉式可動席、遮光スクリーン…。まるで、テレビ番組の特撮・戦隊シリーズの乗り物が合体して、ロボットに変形するように、ドーム内のマウンドや座席、フェンスが動かされ、120m×85m、8300tのホウァリングサッカーステージがドーム内に進入してきて、“サッカースタジアム”に変化するのだ。 その作業過程の映像は球場内でも公開されている。まだ、ダルビッシュ有が在籍していたころだが、米国人ライターと札幌ドームでの日本ハム戦を観戦したときだった。乗り物がロボットに変形する映画『トランスフォーマー』を指して、「そのホンモノを観ているみたいだ」と驚いていた。 これだけ大掛かりなスタジアムを造ったとなれば、当然、維持費も掛かる。日韓共催のワールドカップ大会が開催された02年に取材した限りだが、「建設費は422億円、年間維持費は10億円」と聞かされていた。日本ハムの移転が決定する前段階だが、「赤字額は年間25億円」との概算も伝えられていた。 サッカーのコンサドーレだけでは札幌ドームを維持できない。そう考えたのだろう。東京ドーム時代の日本ハム球団は「年間30億円の赤字」を抱えていたとされ、経営改革を迫られていた。札幌ドームの使用料は1試合800万円(観客2万人以下)、02年当時の球団スタッフの話によれば、「東京ドームの使用料の半分以下、40%ほどで済む。年間支出も5億円くらい減るはず」とのことだった。 しかし、それだけでは終わらなかった。日本ハム球団は累積赤字を解消しただけでは満足できないほど、球団経営を進化させていたのだ。 「選手戦力を数字化するBOS(ベースボール・オペレーション・システム)を日本で最初に導入したのは、日本ハムでした。今では全球団がそれに類似したシステムを持っていますが、一時期、巨人までが日本ハムに相談に来たほどです」(在京球団職員) 2016年4月、札幌ドーム側は日本ハム球団に対し、球場使用料を値上げした。これまでは、2万人以上を集客した場合、「観客1人につき400円の別途料金」を球団は払っていた。だが、「年間9億円」と決められ、その関連費用は約17億5000万円。日本ハムの選手総年俸は約27億円だから、それに匹敵する支出となった。 プロ野球球団の年間収入平均は約100億円。その内訳は入場料、グッズ収入、球場内広告料、売店の売上げ、スポンサー広告料、テレビ放映料など。日本ハムは推定120億円の収入があったとされるが、球場内広告料と売店の売上げは球団には入らず、札幌市に流れる契約になっていた。球団決算は近年、黒字を続けていたものの、「本社からの広告料約27億円を加えて、辛うじて維持していた」(関係者談)という。 「札幌ドームでは野球以外のイベントも行われています。その都度、日本ハム選手が使うトレーニング機器などを一時的に撤去しなければならず、再設置の人件費も球団の負担となりました」(前出・同) 札幌ドームにもっとも観客を集めているのは、日本ハム球団である。そのスケールメリットが働かないことへの不満は、一般企業ならば当たり前だろう。 球団はスケールメリットが働かないことで移転を検討したのではない。きっかけにすぎない。観客を増やすには1枚のチケット代に相応しいサービスを施していかなければならない。球場を自由に使えなければ、ファンサービスにおける自由な発想もできない。本社からの広告出資に頼らない球団経営を目指す――。球場のボールパーク化が当たり前であるメジャーリーグの経営スタイルを学び、自前球場を持つ必要性を感じたのだ。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2017年04月28日 16時00分
日本ハム・大谷翔平にヤンキースが「DH&投手」の二刀流準備
ニューヨークの地元メディアが「いまヤンキースに必要なのは“日本のベーブ・ルース”、ショウヘイ・オオタニの獲得」とのキャンペーンを始めている。 そのメジャーきっての名門球団は、ワールドシリーズ制覇どころか、4年連続ア・リーグ東地区優勝を逃し、ファンの不満は爆発寸前だ。そこで「およそ100年前、“最後の二刀流”ベーブ・ルースをレッドソックスから獲得して常勝軍団になったことを思い出せ」との声が日増しに大きくなっているのだ。何が何でも日本ハムの大谷翔平選手(22)を獲得すべきだ、と。 今オフのメジャー移籍が濃厚と報じられた大谷は、打者として開幕から8試合に出場し、27打数11安打の打率4割7厘。本塁打も2発放ち、メジャー・リーグのスカウト陣をシーズン73本塁打した「通産762本塁打のバリー・ボンズ級の完成度」とうならせた。 その大谷は、4月8日のオリックス戦で、走塁中に左太もも裏の肉離れを発症。昨秋痛めた右足首の故障が影響したのか、戦列を離れ早々と表舞台から姿を消した。場合によっては、骨棘を取り除く手術を受ける可能性もあるというから、日本のスポーツマスコミはこれで「メジャー移籍消滅」と報じている。しかし、これを額面通りに受け止めるMLB関係者は少ない。 大谷本人、栗山英樹監督、球団幹部が合意の上で「オフのメジャー移籍」に向けて、大事をとった可能性が高いと囁かれているのだ。いま無理をさせて「二刀流」を潰すことがあってはならない、とMLB側の期待を忖度しているとみられる。 ショービジネスにたけたMLBが、もう2度と出てこないと思われる「二刀流スーパスター」を放っておくはずがない。昨季の大谷は、投手をメーンとして日本最速の165キロを記録する一方、打者として104試合に出場し382打席、104安打、本塁打22、打点67で打率3割2分2厘の成績。'15年シーズンの大谷投手は15勝、防御率2.24、勝率7割5分で最多勝、最優秀防御率、勝率1位の「三冠」を獲得。投手としての実力は既に証明済みだ。 「生涯通算714本塁打したベーブ・ルースは1918年、レッドソックス時代20試合に投げ、13勝7敗。同年は11本塁打し、本塁打王のタイトルを獲得しました。それが現在でも“野球の神様”と称されるゆえんです。投手と野手が完全分業化した現在の野球で“二刀流”は不可能と思われましたが、そこに出現したのが大谷。チーム再建を急ぐヤンキースは、来季の主軸に据える腹づもりのようです」(スポーツ紙デスク) 今季、ヤンキースのDHはマット・ホリデー外野手が務めているが、来季以降は空席になる確率が高い。エース田中将大も今季終了後に契約を破棄してFAになるオプトアウトの権利を有しており、行使する可能性もある。そこで、田中の後釜に備えると同時に、投げない日は大谷をDHで起用しようというのだ。 来季、ピンストライプの二刀流が見られるかも。
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スポーツ 2017年04月28日 12時00分
本拠地移転へ 日本ハムが目指すボールパーク構想(1)
札幌に留まるのか、それとも、北広島に移転か…。2016年5月、北海道日本ハムファイターズが札幌ドームからの本拠地を移す『ボールパーク構想』を進めていることが報じられた。それに“敏感”に対応したのが、北広島市だった。 北広島市は新千歳空港から札幌駅方面に向かうJR北海道・千歳線の途中にある。道内では札幌圏のベッドタウンとして近代化も進んでいるが、人口は約6万人。政令指定都市の札幌の比ではない。 「球団はあえて、地方に行こうとしている。どうして?」 北広島市が日本ハム球団の進める『ボールパーク構想』のパートナーとして名乗りを上げたとき、道内からそんな声も多く聞かれた。 そんな道民の疑問の声が上がった理由が、もう一つある。とにかく早かったのだ。同年5月23日に第一報が出てから、立候補まで1か月と間を空けなかった。地元メディアのなかには「5月中、球団と北広島市側はすでに会っていた」と言い切る者もいた。 北広島市がボールパーク構想の候補地として挙げたのが、『きたひろしま総合運動公園』(約37ヘクタール)。まだ使われていない敷地の約20ヘクタール分を提案してきた。すでに球団との実務者協議も始まっており、今年4月の段階で5回目を数える。施設配置やグラウンドデザインなどに関する外部の専門会社を加えての意見交換も行われた。 この北広島市の迅速、かつ具体的な対応を見ると、日本ハム球団の北広島市移転はすでに決まっているような印象も受けた。 球団は「札幌市からの移転前提」の報道を完全否定していたが…。 一方、札幌ドームからの撤退案を突き付けられた札幌市側だが、行政として「全力で慰留する旨」は決定している。しかし、北広島市に対抗できる提案書を正式に示したのは、4月14日。秋元克広市長自らが球団事務所を訪ね、その詳細を説明したものの、実務者協議が始まるのはこれからだ。 そもそも、ボールパーク構想とは何なのか。また、日本ハム球団が札幌ドーム移転を検討しなければならない理由はどこにあったのか。日本ハム球団が目指す構想とは、まず、自前球場を持つこと。そして、その周辺に何年か掛けて商業施設、ホテルなどを隣接し、公式戦の行われていない時期も多くの人が集まる『空間』を造ろうとしている。 「札幌ドームを運営しているのは第三セクターです」(地元関係者) 球団がファンサービスのイベントを企画し、球場内で新しいメニューの飲食物を考えても、実現できないことのほうが多かった。ファンサービスはもちろん、集客アップのための企画を実現していくためには、自前球場でなければならない。球団はそう決断したのだ。 プロ野球12球団のなかで、自前球場を本拠地としていないのは(経営権委託を含む)、東京ヤクルト、巨人、そして、日本ハムの3球団だけだ。DeNAの横浜スタジアムや広島のマツダスタジアムなどが観客動員数を増やしていることが、日本ハムを後押ししたようだ。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2017年04月27日 16時00分
「五月場所」前売り券“90分完売”で、病み上がり力士にかかるイヤ〜な重圧
相撲人気は相変わらずスゴイの一言に尽きる。8日に売り出された夏場所(5月14日初日、両国国技館)の前売り券も、発売からたった1時間半で15日分すべてのチケットが売り切れ。春場所の前売り券の完売が2時間半だったので、それより1時間も早かったことになる。これには協会首脳もびっくり。力士たちの稽古にも熱が入ってきたが、巡業の売り物である朝稽古の盛り上がりはいま一つ。 「仕方ありません。春場所、逆転優勝して日本中を沸かせた稀勢の里(30)は、痛めた左肩などの治療のためにお休み。春場所を途中休場して、治療のためにモンゴルへ帰国していた白鵬や、負傷していた照ノ富士、豪栄道らも、巡業参加は17日の靖国神社からで、まだ本調子にはほど遠い。上位でなんとか頑張っているのは、春場所で5敗もした鶴竜と日馬富士の2人だけ」(担当記者) 唯一、館内が沸くのは、ベテランによる若手かわいがりの場面だ。14日の長野県松本市の巡業でも、鶴竜が先場所、小結で勝ち越した地元のヒーロー、御嶽海(24)に「地元だからね」とぶつかり稽古で胸を出し、泥まみれになって起き上がるたびに観衆から大きな拍手が送られていたが、それ以外は終始、盛り上がりに欠けたといえるだろう。 それでも、90分で前売り券は完売。 「春場所の稀勢の里の逆転優勝で、日本中が盛り上がったおかげだと思います。まして、今度は(稀勢の里が)横綱として初めて東京の土俵に上がる場所。いずれにしても、ありがたいことです」 チケット売り場担当の親方はそうニコニコ顔だったが、心配なのは肝心の相撲内容だ。こんな入手困難なプラチナチケットに値するのかどうか。なにしろ、お目当ての稀勢の里はすでに3日から土俵に上がり稽古は再開しているものの、左肩だけでなく、先日の再検査で左大胸筋も損傷していたことが判明。果たして夏場所までに、どこまで回復するか、心配の種は尽きない。 「白鵬も、照ノ富士も、豪栄道も、土俵に上がってみないと分かりません。最初から巡業に参加している鶴竜、日馬富士の2横綱も古傷持ちですから、信用はできない。夏場所は、評判倒れの場所になるかも分かりませんよ…」(協会関係者) 五月場所は夏場所と呼ばれているが、5月の気温は真夏に比べて涼しく、また寒くもないため、体を動かす力士たちにとっても快適な時期だ。4横綱の中では横綱稀勢の里が一番若く、優勝に多くの期待が集まっている。だが、何と言っても人気力士がほとんど“病み上がり”という状態。上位陣にイヤ〜な重圧がかかっている。「五月場所」が“五月病”なんてことにならなきゃいいが。
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スポーツ 2017年04月25日 16時00分
黒田の抜けた広島カープの強さは「本物」か「鯉のぼり」までか
開幕5カードを終えて、貯金8。リーグ連覇を狙う緒方カープは10連勝も達成して、11勝3敗1分け。2位阪神とのゲーム差は、すでに2.5(4月17日現在)と開いており、2年続けて『独走態勢』の土台を築きつつある。だが、広島東洋カープには“悪しきジンクス”もあるのだ。 好調なのは「鯉のぼりの季節まで」――。 昨季も、前半戦は勝率5割ラインを超えた程度で、独走態勢となったのは中盤戦以降だった。今シーズンは出だしがあまりにも好調すぎただけに、ジンクスを知るカープのオールドファンは、勝てば勝つほど不安を覚えてしまうようだ。 「巨人が水面下でトレードを模索しているとの情報が聞かれます。クローザーを予定して獲得したカミネロが早々に打ち込まれ、長野久義が絶不調なので、中継ぎタイプの投手と長打力の見込める野手を狙っています。複数トレードになるのか、ビッグネーム同士の大型トレードになるのかは分かりません。昨年オフに大型補強をして勝てないとなれば、巨人のメンツにも関わります」(球界関係者) 裏を返せば、巨人サイドは「広島の強さはホンモノ」と見ているのだろう。今、広島の勢いを止めておかなければ、中盤戦以降、戦力を整えたとしても追いつけなくなる…。巨人側の焦りとも捉えられるが、対照的に、「放っておいても、いずれ落ちてくる」と見る球団もある。 「広島は今季、補強らしい補強はしていません。黒田博樹の抜けた穴をどう埋めるのか。昨季、101打点も上げたベテランの新井貴浩が2年続けて活躍できるのかが連覇のポイントでした。黒田の挙げた10勝分は若い投手で補えるかもしれないが、チームの精神的支柱に代わりはいない。序盤戦の好調さは、新井が4番として機能しているからで、そのいいリズムがどこまで続くかが今後の明暗を分けそうです」(在阪球団職員) プロ野球界では「連覇がもっとも難しい」とされている。原因は色々あるが、一つは「選手の慢心」。また、優勝チームだと、フロントも補強に出にくいからだ。 「野手のほとんどが昨年の成績がキャリアハイでした。他球団のスコアラーも『今年は広島の打撃成績が落ちる』と見ていましたが、新井が好調なのでどうにかなっている状況です。でも、投手陣は分かりませんよ」(前出・球界関係者) “慢心”とは違うが、緒方孝市監督(48)は、昨季オフからスポーツマネジメント会社と契約している。現役選手がマネジメント会社と契約することは珍しくなくなったが、監督となると異例中の異例だ。 また、投手陣の新戦力だが、ドラフト1位・加藤拓也がデビューマウンドで、9回一死までノーヒットノーランの快投を演じた(4月7日)。さらに、ドラフト3位左腕・床田寛樹も巨人戦で先発デビューし、プロ初勝利を飾った。2年目の岡田明丈、4年目の九里亜蓮も順調であり、黒田の10勝分はこの4人で十分埋られそうだ。 しかし、昨季の沢村賞投手・ジョンソンの調子が全く上がってこない。 「今、左の先発は新人の床田だけというのが気になります」(スポーツ紙記者) 経験値の高いジョンソンの復調が、中盤戦以降のカギとなるだろう。 「田中広輔、菊池涼介、丸佳浩の『タナ・キク・マル』も好調です。気になるのは、『神ってる』の鈴木誠也ですよ。緒方監督は4番として、鈴木を育てるつもりでしたが、そのタイミングを逸した。開幕前、『4番は鈴木で』と一度言い、その後、『(鈴木の)調子が悪ければ』と、4番固定ではない旨も付け加えていました。緒方監督は就任1年目の'15年も、鈴木を開幕スタメンで使いましたが、すぐに引っ込めてしまいました。不振の選手を我慢して使い続けることを、緒方監督は苦手のように見受けられます」(前出・スポーツ紙記者) だとすれば、投手陣を支えている加藤、床田の新人が対戦チームに研究され、負け始めたとき、「ガマンして使い、成長させる」采配にはならないとなる。 気になるのは、交流戦だ。広島は交流戦を苦手としてきた。'16年は勝ち越したが、過去12年間で「勝利5割ライン」を超えたのは、4季だけ。12球団最下位も3度経験している。 ここに重なってくるのが、近年のカープ人気である。 「広島にとって、5月以降は地獄のロードです。苦手の交流戦が始まり、その後は地方遠征も少なくありません。セ球団が地方遠征を組む際、地元の営業サイドが希望するカードは巨人戦でした。『3年に一度は巨人戦を』というやり方でしたが、近年は『広島戦』を要望する地方が多く、広島との主催ゲームを地方で組むチームも増えてきました」(前出・球界関係者) 全国区人気は喜ばしいものの、地元広島県民が「マツダスタジアムのチケットが取れない」との悲鳴も聞こえてきた。今後、球団も何かしらの措置を取るだろうが、さらなるファンサービスは選手の負担と化す。 広島の強さが本物かどうか、それは交流戦とその後の地方遠征を乗り越えたときハッキリする。
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スポーツ 2017年04月25日 06時00分
WBCの後遺症(3) 代表チームがあるから? 「ライバル球団選手との自主トレ」を巡る是非
阪神・藤浪晋太郎(23)が鳴尾浜球場で練習を再開させた(4月20日)。藤浪は「ローテーションで投げている投手として、やってはいけないことだと思っている」と、インフルエンザA型に感染して一軍登録を抹消されたことを反省していた。 「WBCの疲れもあったんだと思います。本人に自覚がなくても、疲労で体調も崩れていたんだと思います」 取材記者の多くが藤浪を擁護していた。藤浪の野球に対する真摯さ、練習熱心さからそう言われたのだろう。 だが、問題は復帰後の投球内容だ。藤浪は今季から投球フォームを変えている。無駄な力を入れない「脱力投法」だ。この投球フォームだが、厳密には2015年1月、現ドジャースの前田健太との自主トレで“ヒント”を掴み、昨年オフ、これまた自主トレで一緒だったダルビッシュ有にアドバイスをもらって、今に至っている。 「向上心の強い投手なので、先輩たちの長所を吸収しようとしています」(球界関係者) 無駄な力を除いて、バランスの良い投球フォームでキレのあるボールを…。得点圏に走者を置いたときにギアを上げる…。藤浪の目指す方向性は間違っていないが、この投球フォームの改造について、全員が賛成しているわけではないようだ。 投手出身のプロ野球解説者がこう言う。 「藤浪という投手の特徴は猛々しさ、ストライクゾーンで適度に暴れているというか、力強いボールを投げるところが最大の長所。脱力系のフォームはその長所を殺してしまう」 猛々しさ。その長所は短所でもある。藤浪は与四球も多い。そのため、たとえ完投勝利を飾っても、他の先発投手よりも投球数が多くなる。守っている野手の側からすれば、テンポの良くない投手ということになる。 藤浪はさらに高いレベルを目指すため、投球スタイルそのものを変える必要があると思ったのだろう。 その向上心には首脳陣も一目置いているが、“フロント泣かせ”でもあるようだ。 自主トレ期間の12月、1月だが、球団は選手を“完全管理”できない。監督、コーチも選手を指導できず、一般論として、選手がどこで誰と練習をしても自由なのだ。しかし、チーム関係者によれば、阪神は「高卒選手は入団から3年間、二軍の鳴尾浜球場で合同自主トレをするように」と課している。藤浪が前田健太との自主トレを行った2015年1月は、プロ2年目のシーズンを終えた後。藤浪は契約更改の席でその要望を伝え、球団は特例でそれを認めた。 「球団は快諾したわけではありません。藤浪の熱意に根負けしました」(チーム関係者) 藤浪は球宴出場、2014年10月の日米野球に招集され、他球団エース投手の調整方法や体調管理、練習方法などを見入っていた。自ら歩み寄って質問もした。 「当時、他球団選手が愛飲しているサプリメントにも興味を示していました。一部球団は、選手が自由にサプリメントを服用できるよう、球場内にサプリメントバーを設置しています。藤浪は阪神フロントにサプリメントバー設置の検討もお願いしていました」(前出・同) 当時はまだ20歳だったはず。こういうフロント泣かせはむしろ歓迎すべきだが、こんな指摘もある。年長のプロ野球OBが言う。 「ひと昔前なら、対戦チームの主力選手と自主トレをするなんて考えられなかった。同じチームでも先輩の自主トレに同行することを嫌がる選手もいました。先輩の自主トレに同行するということは、『この選手を超えられません』と言っているのも同じだから…」 12球団の精鋭を集める侍ジャパンが常設され、ライバル球団との垣根はほとんどなくなった。技術論やトレーニング情報を共有し、結果で勝負する…。そんなスポーツマンシップは否定できないがしかし、仲が良すぎるのもいかがなものか? 試合前、今回のWBCを戦った精鋭たちが笑顔で挨拶を交わす姿に、年長のプロ野球解説者は「早く気持ちを切り換えてくれ」と嘆いていた。(了)
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スポーツ 2017年04月24日 12時01分
WBCの後遺症(2) 侍ジャパン新監督よりも難航しそうな重大人事
去る4月5日、プロ・アマ合同の日本野球協議会侍ジャパン強化委員会が招集された。同日の主テーマは、侍ジャパンの小久保裕紀監督(45)の後任人事についてだ。他出席者も新監督の人事案が提議されることは事前に聞かされていたという。だが、NPBの熊崎勝彦コミッショナー(75)はこうも言い切ったそうだ。「4月から5月に掛けて(新代表監督を)決めたい」と。なぜ、そんなにも急ぐのか…。関係者の一人が同コミッショナーの心中をこう説明する。 「次期代表監督の任期については明言しませんでしたが、『21年春の次回WBCまでの4年間』というのが周囲の一致した見方で、それに異議を唱える委員も出ないでしょう。コミッショナーは『東京五輪に向け、万全の新体制作りを』とも話しており、その第一歩が代表監督人事と位置づけていました。一刻も早く決めて、安心したいと思っているのでは」 新監督のお披露目は今年11月16日から開催される新国際大会・アジアプロ野球チャンピオンシップ2017になるだろう。 その国際試合スケジュールから逆算して考えれば、ペナントレース終了の10月まで人選の時間は稼げる。代表監督の選考は、野球・ソフトボールが追加競技となった東京五輪をまたぐ重大な人事だ。「新体制の第一歩を」とするコミッショナーの言葉も理解できるが、「4月から5月に掛けて」と期限を定めてしまったので、十分な議論はできないかもしれない。 別のNPB関係者がこう予想する。 「熊崎コミッショナーの任期は今年11月まで。自身の任期中に体制を整え、次の人にバトンタッチしたいと考えているのでは」 同コミッショナーの任期だが、本当は昨季でいったん満了している。しかし、一部の巨人選手による賭博事件が発覚し、その真相究明と事態収拾のため、1年の延長を要請している。 「ハッキリ言って、熊崎氏は近年のプロ野球コミッショナーのなかで、いちばん仕事をしてくださった方です。毎日出社してくださり、会議はもちろん、各部署への指示も的確で、新聞、雑誌の野球報道にも目を通してくれました。表彰式にしか来ないコミッショナーも過去にはいましたが」(NPB関係者) かつて、熊崎氏のコミッショナー就任に難色を示したパ・リーグ球団も、この仕事熱心さを見て、シンパに一転したそうだ。周囲には残留を望む声も多いが、「引き際を意識している」と見る向きもないわけではない。 「熊崎氏のように一生懸命やってくださった方の後任となれば、適任者を見つけるのは大変ですよ」(前出・同) 歴代のプロ野球コミッショナーの前職を張れば分かるが、政財界や法曹界などで名を馳せた要人に要請してきた。前出のNPB関係者の言葉を借りれば、「肩書欲しさで引き受けたのでは?」と勘繰りたくなるようなヒドイご仁もいたそうだ。 近年、アマチュア球界との衝突もなくなり、選手会とももめることはなかった。東京五輪の野球競技はプロ野球界の力だけでは成功には導けない。代表監督として、采配を託せるプロ野球OBは少なくない。しかし、政治力、他団体との調整力、そして、野球界を盛り上げたいとする熱意と責任感を兼ね備えた“有識者”は決して多くない。WBCの盛況を受けて、12球団は代表監督よりも、コミッショナー人事に頭を抱えているそうだ。
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スポーツ 2017年04月23日 15時00分
プロレス解体新書 ROUND48 〈長州vs天龍“伝説の死闘”〉 1・4東京ドームの最高試合
1992年に始まった新日本プロレス恒例の1・4東京ドーム。四半世紀にわたる大会の歴史の中でも、一、二を争う最高のメインイベントと評されるのが、正月のドーム初進出の翌年となる'93年、SWS崩壊後の天龍源一郎が長州力に挑んだ一戦である。 SWS旗揚げに対するバッシングは、昭和プロレスにおける黒歴史の一つと言えるだろう。 「メガネスーパーの資本による新団体の設立は“金権プロレス”と批判を浴びましたが、今になってみればレスラーに高待遇を用意したことの何が悪いのか分からない。しかし、当時のファンの間には全日と新日による引き抜き合戦に辟易した記憶がまだ根強く残っており、それを焚きつけるような感情論でのSWS叩きを展開した週刊プロレスの影響は大きかった」(スポーツ紙記者) SWSへ移籍した選手たちを「金に釣られた」とののしった同誌のターザン山本編集長が、あとになって全日から裏金を受け取っていたと告白したのも、笑えない話ではある。 「ただ、これもターザンが突出して金に汚かったというわけではなく、本人としては“もらって当然”ぐらいの気持ちだったのでは? なにせ記者会見や大会の取材に行けば、大入り袋で1000円、5000円と配られていた時代のことですから」(同) 当時の記者のそれぞれが、大なり小なり団体からの恩恵にあずかっていたのだ。 「全日の社長だったジャイアント馬場の意向を受けてSWSを叩いた癒着にしても、アングル作りや選手の引き抜きにまで関わっていた記者もいたわけで、つまりターザンはその真似をしただけとも言えます」(同) 一方、叩かれたSWSの方も決して褒められたものではなかった。ただ楽に稼ぎたいというだけで、どんなプロレスをやりたいかという理想を欠く選手が少なからずいた。また、プロレス界で初の試みとなった部屋別制度の導入が派閥意識を生み、選手間の深刻な分裂を招く結果となった。 それまでの実績から本来エース格であるべき天龍源一郎の独走を許さず、足を引っ張ろうという選手もいたという。 また、その天龍にしても、全日時代にはジャンボ鶴田ら強者に挑む姿にファンは感情移入をしていたが、SWSでは格落ちの日本人、もしくはエンタメ色の濃いWWF勢を相手にすることで、どこか不完全燃焼の印象を持たれることになってしまった。 結局、SWSは'90年9月のプレ旗揚げ戦から'92年6月のラストマッチまで、2年弱の活動期間をもって崩壊へと至る。だが、皮肉なことに、これが天龍のレスラー人生における好機となった。 新団体のWARを旗揚げした天龍は、その直後から新日本プロレスとの団体対抗戦に討って出た。 「巨大メジャー団体への挑戦は、まさに天龍にとっての真骨頂。天龍革命の復活は改めて熱心なファンの心をガッチリつかみ、また、この頃には鶴田が肝炎発症により長期欠場を決めていたことから、鶴田vs天龍の時代を懐かしむ層からの共感を得ることにもなりました」(プロレスライター) 越中詩郎率いる平成維震軍との絡みから始まった抗争は、年を越した'93年1月4日の東京ドーム大会、メインイベントの長州力戦で一つのクライマックスを迎える。 両者のシングルマッチは、最後の対戦から実に6年4カ月ぶり。ジャパンプロレス興行における、エプロンでのバックドロップによる長州リングアウト勝ちに始まって、全日では天龍が2度の反則勝ちを収めている。 前年から始まった1・4東京ドームで、長州は藤波辰爾戦から2年連続のメインイベント出場。一方の天龍は前年暮れの大阪府立体育館、越中戦から2大会連続で新日ビッグマッチのメインを張ることになった。 試合は両者ともに気迫を前面に出すゴツゴツとしたぶつかり合いで、最後は天龍がパワーボムで3カウントを奪った。 「歴代1・4メインの中でもナンバーワンと称されるほどの名勝負。なにせ滅多なことで他人を褒めないアントニオ猪木が、試合後に『ありがとう! 素晴らしい試合!』と評したほどですから」(同) その後、天龍は新日において、橋本真也をはじめとする多くの選手との激戦を繰り広げ、一方ではインディー団体のリングでも大仁田厚や神取忍らと相まみえている。ハッスルではエンタメプロレスにもチャレンジした。 「猪木や馬場はどこかプロレスラーであることに対して引け目を感じ、他の格闘技と比べてやたら優位を誇ったり、リングを下りればイメージとは程遠い絵画をたしなむなどしたのに対し、天龍はプロレスラーとしての矜持を持ち、どんな相手とでも自分のプロレスを表現してみせた。65歳の引退までメインを張り続けた、そんなレスラーは世界を見ても天龍以外にどれほどいるでしょう」(同) まさに“ミスタープロレス”として、現役生活を全うしたのである。
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スポーツ 2017年04月23日 12時00分
夢は柴田とのIWGPヘビー戦! NEVER王者、後藤洋央紀が鈴木みのるを挑戦者に逆指名!
「初めて、初めて、この俺から指名してやるよ。次、鈴木みのる。いつでも来い!」 新日本プロレス4.9両国国技館大会で、鈴木軍の“秘密兵器”ザック・セイバーJr.を相手に苦戦を強いられたものの、最後は裏GTRからの正調GTRで完膚なきまでに叩きのめし、NEVER無差別級王座3度目の防衛に成功した後藤洋央紀は、次期挑戦者に鈴木軍の“ボス”鈴木みのるを試合後に逆指名した。 ザックとの試合では、セコンドに付いていたエル・デスペラードがエプロンに上がり、レフェリーを引きつけている間に、背後からみのるが急襲。後藤を突き飛ばしてレフェリーと激突させると、スリーパーで後藤を捕らえ、ゴッチ式パイルドライバーの体勢に入るも、後藤がバックスープレックスでみのるを投げ捨て、ザックとデスペラードを蹴散らし、牛殺しで鈴木を排除するという、後藤1人で鈴木軍の3人を蹴散らすシーンがあった。 昨年の春にCHAOSに入ってから、『G1クライマックス』準優勝や、柴田勝頼を破ってNEVER無差別級王座を獲得するなど、実績は残している後藤だが、ここまでインパクトのある強さを見せたのは久々である。 試合後、後藤も手ごたえを感じたのか、場外に残っていたみのるにNEVER王座を見せつけるように掲げると大乱闘。鈴木軍のボスであるみのる自身が介入して失敗した例は記憶にないだけに、みのるのプライドもかなり傷をつけられたに違いない。インタビュースペースに現れたみのるは、立て札をぶん投げるなど大荒れだった。 これを受けて新日本プロレスは4.27広島グリーンアリーナ・小アリーナで、両者によるタイトルマッチを決定した。 「お前らが持っている“宝”を全部寄越せ!」 今年の1.5後楽園ホール大会に、2年振りとなる新日本マットに鈴木軍のメンバーを引き連れて現れたみのるは、IWGPヘビー級王者オカダ・カズチカを急襲するとこう言い放った。この“宝”とは、新日本が管轄しているすべてのタイトルを指している。鈴木軍としては、タイチ&金丸義信がIWGPジュニアタッグ王座を、ザックがブリティッシュヘビー級王座を獲得しているが、2.5北海きたえーる大会ではみのるがオカダに敗れ王座奪還に失敗。またランス・アーチャーの怪我などもあり、当初の思惑通りに“宝”が獲れていないのが現状だ。 過去に両者は、2011年8月8日に横浜で行われた『G1クライマックス』公式戦で対戦しているが、この時はみのるがゴッチ式パイルドライバーで勝利を収めている。しかし、後藤に4.9両国大会で見せたような強さがあれば、鈴木軍の介入があったとしても、問題がないのかもしれない。むしろ、みのるを相手に防衛すれば、これまでIWGPヘビー級、IWGPインターコンチネンタルに続く、“3番手”と思われがちだったベルトの価値は一気に上がることになる。また後藤には、現在欠場中の柴田勝頼とIWGPヘビー級王座をかけて闘いたいという長年の夢もあり、ここでつまずくわけにはいかない理由がある。 対するみのるも、最近まで抗争を繰り広げていただけに、柴田に対しては思うところもあるだろう。しかしそれ以上に、鈴木軍のボスとして今回も敗れるようなことがあれば、新日本マット内の影響力の低下は否めない。 今回のタイトルマッチは、両者とも負けられないという、見る側にはとても興味深い展開となった。(どら増田)【新日Times vol.65】
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