スポーツ
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スポーツ 2017年02月10日 16時00分
プロレス解体新書 ROUND38 〈ジュニア版名勝負数え歌〉 生き残りを懸けた越中の執念
全日本プロレスを飛び出して新日本プロレスに流れ着いた越中詩郎と、新日からUWFの流れで純粋培養された高田伸彦(現・高田延彦)。 ルックスも含めて好対照な両者の対戦を白熱させたのは、生き残りを懸けた越中の執念だった。 IWGPジュニアヘビー級王座の初代チャンピオンは誰か? これが即座に分かる人はなかなかのプロレス通だ。答えは越中詩郎。1986年2月6日、同王座決定リーグ戦においてザ・コブラをジャーマン・スープレックスで下し、これを獲得している。 さらに越中は、'88年に始まる『トップ・オブ・ザ・スーパージュニア』(現在も毎年開催されている『ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア』の前身)の初代優勝者でもある。 高校卒業後、いったんは就職しながらプロレスラーの夢を諦めきれず、見習い期間を経て全日に入団した越中。後輩にあたる三澤光晴との対戦は、早くから“前座の黄金カード”としてコアなファンから注目されていた。 '84年にはその三澤と共に海外修行のためメキシコへ渡ったが、そこで両者それぞれに転機が訪れる。三澤が2代目タイガーマスクになるため日本に戻された一方で、越中には何のお呼びもかからなかったのだ。 1人で異国に残されて、「俺は必要とされていないのか」と不安にさいなまれる越中。そこに声をかけたのが、全日と興行戦争の最中にあった新日だった。 UWFや維新軍の大量離脱に見舞われた当時の新日だが、その中でも悲惨だったのがジュニア勢。初代タイガーマスクの後継とされたザ・コブラは一向に人気が上がらず、ライバルとされたダイナマイト・キッドやデイビーボーイ・スミス、小林邦昭らは相次いで全日に移籍。あまりの人員不足のため、コミカルファイトで前座の顔に定着していた荒川真(ドン荒川)まで、タイトル戦線に駆り出したほどだった。 「正直なところ新日は越中がどんな選手かもはっきりとは把握しておらず、“元全日の肩書で多少なりとも話題になれば”という程度の考えでした」(団体関係者) 最初のIWGPジュニア王座戴冠も、いわば箔付けの意味だけのこと。わずか3カ月後には、同年から新日のリングに復帰していたUWF勢のホープ・高田伸彦に、あっさりとパイルドライバーで3カウントを奪われ、王座を明け渡すことになる。本来ならばここで使い捨てにされても不思議はなかったが、越中にとって幸いだったのがやはり選手層の薄さであった。 王者・高田は初防衛戦で越中を退けると、次のコブラの挑戦も両者リングアウトで防衛。その試合後にコブラはあっさりマスクを脱いで、素顔のジョージ高野としてヘビー級に転身してしまう。そうなるとほかの新日正規軍のジュニア勢は、デビュー3年目の新人だった山田恵一(のちの獣神サンダー・ライガー)ぐらいしかいない。 それで越中に再度のチャンスが巡ってきたわけだが、とはいえこれは単なる員数合わせではなく、先のリターンマッチの内容を評価されてのことだった。 「越中vs高田の最初の2戦はいずれもテレビ中継なし。それだけファンからの期待は薄かった」(プロレスライター) ストロングスタイルの新日とショーマンスタイルの全日、この思想は当時の新日ファンの間に深く浸透していた。 「全日ナンバー3との触れ込みのタイガー戸口ですら、新日で大した活躍ができなかったのだから、前座の越中なんてすぐ消えるに決まっているという、強烈な先入観があったのです」(同) 一方の高田はUWF所属だが、もとは新日の選手。UWFの強さやテクニックを信奉するファンは多く、形式的に新日正規軍扱いされている越中よりも、むしろ高田こそがストロングスタイルの正統後継者と見られていた。 これは高田自身も同様で、当初は越中のことを「技も気迫もない選手」と見下しており、年齢で4歳、プロレス歴で1年先輩にあたる越中を「エッチュー」と蔑称することに一切ためらいはなかったと、のちに語っている。 だが越中は、そんな周囲からの低評価を執念で覆していった。 実況の古舘伊知郎が“わがままな膝小僧”と称した高田の蹴りを受けまくり、最初は一発でダウンを喫していたものが、数発受けても耐えるようになり、ついには蹴りをくらった直後に反撃するまでになる。 最初は見た目のコミカルさから失笑の対象だったヒップアタックも、使い続けるうちに精度を増し、必殺技と認知されるに至った。そんな越中を応援する声は日増しに大きくなり、ついに主役の一角にまで上り詰めたのだった。 生まれながらの天才や怪物ばかりがスターではない。蹴りまくられる一方で“人間サンドバッグ”とさげすまれた越中が、ジュニア版名勝負数え歌の一端を担うまでに成長を遂げる、そんな物語もまたプロレスの醍醐味なのである。
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スポーツ 2017年02月09日 16時00分
巨人・高橋由監督が巻き込まれた慶大vs東海大「派閥抗争」
巨人・高橋由伸監督(41)は、今季も“鉄仮面采配”となりそうだ。理由はチーム内にあるという。指揮官として気を遣う先はグラウンドだけではないからだ。 「山口俊(前DeNA)、森福允彦(前ソフトバンク)、陽岱鋼(前日本ハム)、そして元楽天のマギー、新クローザー候補にメジャーからカミネロ…。これら巨大補強の陣頭指揮に立ったのは堤辰佳GMです。これだけの巨大補強を敢行してペナントレースに敗れれば、フロント組織の人事問題にも発展しかねません」(スポーツ紙記者) 堤GMが高橋監督の慶応大学時代の先輩でもあるのは有名な話だ。「後輩かわいさ」もあったのかもしれない。だが、これら補強は、フロントが一丸となって進めてきたわけではない。 「大田泰示のトレード放出が幕開けでした。伸び悩んでいたとはいえ、元ドラフト1位を出すということは、指名当時のチーム編成、補強を否定しているのと同じです。面白くないと思ったスタッフもいたと聞いています」(同) 大田は原辰徳前監督が期待していた若手だった。前任者の時代、巨人は大田以外にも東海大グループ出身選手を獲得している。原前監督が同グループ出身である以上“自然な流れ”だが、GM、監督が慶応閥となれば、前政権下で要職にあったスタッフも「このまま」とはいかなくなる。 岡崎郁氏のスカウト部長就任もその一環だろう。 「堤GMは'15年5月の就任直後、代打の切り札だった矢野謙次を日本ハムへ放出しました。世代交代が進む中で出番がないと見れば、移籍させた方が本人のためとの考えによるものですが、チーム功労者でしたし、賛否両論ありました。今オフの大田放出も、堤GMらしいというか…」(関係者) しかし、大田は東海大グループの期待の星でもあった。これで敵対勢力を作ってしまったのかもしれない。 「第4回WBC後、原氏が次の代表監督に就任するとの声もあります。この話はまだ生きていて、決まれば、堤GMの方針から弾かれた前政権時のスタッフは出向のような形で追随するはずです」(同) 高橋政権、堤体制が長く続くかどうかは30億円補強の結果次第だが、チームに最も影響力を持つ阿部慎之助の出方も重要だという。 昨季の阿部は二軍スタートだったが、調整中も東京ドームに顔を出し、不振の選手に声を掛けてまわっていた。また、復帰と同時にチームがまとまりだし、首脳陣もその影響力は認めざるを得なかった。 「今季の阿部は一塁手に専念しますが、大型補強の影響でスタメンが保証されてはいない。仮に阿部が造反でもすれば高橋監督でも抑えられない」(前出・記者) 阿部は4年目の小林誠司を正捕手に育てるため、指導役も買って出た。新加入の山口たちも「阿部への挨拶」はイの一番に行った。 現政権で冷や飯組となった面々が阿部を担ぎ上げ、“対慶応閥”の図式となれば、高橋監督の命取りになりかねない。
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スポーツ 2017年02月08日 16時00分
インテル長友佑都 退団必至で悩める新婚生活の危機
サッカー日本代表DF・長友佑都(30)が新婚早々、失業の危機にさらされている。イタリア最大のスポーツ紙『ガゼッタ・デロ・スポルト』は“断定形”で所属するインター・ミラノ(インテル)から「今季終了後に退団する」と報じたが(現地時間1月25日)、奇しくも同日、タレントで新妻の平愛梨(32)はレギュラー番組の卒業企画に臨んでいた。「長友の待つイタリアに引っ越す」旨を幸せそうに語っていたのだ。 「長友も覚悟していたのかもしれません。昨年11月、新たに就任したステファノ・ピオリ監督の下で構想外となり、今年に入ってリーグ戦出場は4試合中(1月27日時点)ゼロ。さらに1月、同じポジションにスイス代表選手の補強に動いています」(専門誌記者) インテルのオーナーである中国・蘇寧グループ会長も、若手イタリア人を中心としたチーム構想を地元メディアに語っており、今夏の移籍・補強市場での莫大な資金投資も示唆していた。 近年、ケガは多いものの、長友の能力にまだ衰えは見られない。見切りを付けて新天地を探すべきだが、そうはいかない事情がある。 「長友自身、これまでイタリアに固執してきました。1月にフランスの強豪・マルセイユが長友に興味を示しているとの報道も出ましたが、その可能性を打ち消すように、『マルセイユが左サイドバックの別の選手を獲得した』と発表されました」(同) イタリアの住居も新婚用に作り替えられた。ミラノ残留を希望する理由はそれだけではないが、日本代表ハリルホジッチ監督は事あるごとに、「出場機会のあるクラブへの移籍」を海外組に訴えている。 「長友の年俸は推定130万ユーロ(約1億6000万円)で、チーム全体で20番目程度。高額選手ではないため他クラブも手を出しやすい。ただ、世界には有望なサイドバックが掃いて捨てるほどいて、競争の激しいポジションです」(特派記者) イタリア残留が叶わなかった場合、Jリーグ帰還もあるかもしれない。新婚早々、職探しとは…。もう「アモーレ」は使えない?
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スポーツ 2017年02月07日 16時00分
「心・技・体」新横綱・稀勢の里の“心”を惑わす“内憂外患”
稀勢の里(30)が初優勝を果たした初場所千秋楽の翌日、『ユアタイム〜あなたの時間〜』(フジテレビ系)で、メーンキャスター・市川紗椰によるインタビューコーナーが設けられた。市川は胸元が開いた真っ赤なノースリーブのドレスで、ヤル気満々。「まるで公開お見合いみたいなインタビュー」との非難の声すら上がった。市川だけではなく、全国民が待ちに待った19年ぶりの日本人横綱の誕生だった。 1月25日に行われた日本相撲協会からの使者を迎えての伝達式も、部屋が狭いということで帝国ホテルに会場を移して行われ、詰めかけた報道陣も150人以上。若貴フィーバー以来の盛り上がり。 その一挙手一投足に熱い視線が集まった稀勢の里とは対照的に、影が薄かったのが師匠の田子ノ浦親方(40)だ。 使者を迎えての伝達式では、稀勢の里の隣でカメラに一応収まりはしたものの、その後の記者会見などではほとんど発言することもなく、存在感ゼロ。 「それも仕方ありません。現師匠は、稀勢の里を育てた先代師匠(元横綱隆の里)が6年前に急逝したため、急遽、祭り上げられたも同然ですから。現役時代の最高位は前頭8枚目。幕内在位も5場所だけ。相撲部屋には師匠がいなくちゃいけませんから、ただそのためだけにいるようなもので、これまでもアドバイスしたりすることはまったくありませんでした。稀勢の里も、師匠とは思っていないんじゃないですか」(担当記者) もう一つ、晴れの場面で姿を見せなかった人たちがいる。稀勢の里が今でも「心の師匠」と呼び、昇進会見で、「あの人と出会わなかったら今の自分はない。感謝以外にない」と話した、先代師匠のファミリーだ。 田子ノ浦親方と先代師匠ファミリーとは折り合いが悪く、先代師匠が亡くなった翌年の2月、「鳴戸」の名跡を返上して「田子ノ浦」を取得し、弟子たちを連れて千葉県松戸市にあった部屋を飛び出して以来、絶縁状態が続いているのだ。 「横綱になった稀勢の里が土俵入りに使用した化粧まわしは、元横綱初代若乃花が持っていた鬼のデザインの化粧まわし。この社会では、こういうときには先代師匠が使っていたものを借りるのが普通です。遺族も親族と同じ思いのはずなんですが、いまだに会話もできないぐらい、こじれてしまっているのでしょう」(大相撲関係者) 横綱ともなれば、これまでより責任は段違いに重く、大事な決断をしなければいけない場面も増えてくる。しかし、稀勢の里に仲のいい力士仲間はいないし、師匠も、先代師匠ファミリーも、頼りにはならない。まさに“内憂外患”だ。 相撲は心・技・体と言われる。その“心”の曇天をスッキリさせたいのが稀勢の里の本心だろう。 孤独とも思える稀勢の里だが、部屋の稽古始めは2月に入って「(まわしを)明日つけてもいいし、今でもいいし」と語り、実際に1日には稽古に入っている。「お祝いムードは昨日まで」と3月の大阪場所に向けて標準を合わせている。“内憂外患”孤高の新横綱は果たしてモンゴル3横綱にくさびを打ち込むことができるか。
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スポーツ 2017年02月06日 16時00分
イ・ボミ ゴルフ女王が魅せるセクシーボディーの秘密
昨年、2年連続の賞金女王を達成した人気女子ゴルファーのイ・ボミ(28)。プロゴルファーのオフといえば、フォームやスイングスピードといったメンテナンスに余念がないが、彼女の場合、ボディーの“修正”も怠りないという。 「女子ツアーは3月開始なので、かなりの時間を韓国で過ごしているはず。彼女といえば、その華麗なるプレーに加えて、ルックスでも注目される存在だけに、オフを使ってビジュアルの修正をしていると噂されているんです。担当記者の間では、休みが明けるたびに、美人度がアップしていると言われています」(ゴルフ雑誌記者) 韓国が整形大国なのは周知のとおり。ほとんどの芸能人は、目元、口元といった顔だけでなく、ボディーにもメスを入れていると言われるほど。もちろんイ・ボミも、例外ではないようだ。 「1回のオフでは、どこが変わったのか分かりませんが、長い期間をもって見ると、その変化は明らか。むろん、整形大国ではあるが、露骨に変えるのはイメージダウンに繋がる。極端に修正しないのが、彼女流だと囁かれているのです」(同) その修正疑惑の一つが鼻だ。かつては傷があったという。 「本人は写真撮影を嫌がるほど気にしていたそうですが、ある日を境に、突然、傷が消えていたのです。その噂は瞬く間にネットで広がり、“鼻が高くなった”“目元もパッチリ二重になった”と、さまざまな怪情報が飛び交っています」(スポーツ紙記者) そして、彼女の修正疑惑は、とうとうオッパイにまで波及。彼女は身長158センチと小柄だが、グラドル並みのFカップに進化したというのだ。 「当初は、ゴルファーに多い下半身太りの体型で、バストもCカップでした。ところが、今の彼女の胸といえば、谷間を見せつけるようなドレスを着るほど進化しているのです。なんでも、男性ファンからの注目を集めるため、オフになると、修正のメディア作戦を練っているなんて話まであります」(同) その疑惑を裏付けるかのように、昨年、フォトブック『イ・ボミ STYLE』を出版。写真嫌いの彼女が、見せたがりになった。 「彼女の美貌に惹かれるファンは多いのですが、何事もやり過ぎはよくないという声も多数あります」(ゴルフライター) 狙うは、セクシー女王。
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スポーツ 2017年02月05日 16時00分
プロレス解体新書 ROUND37 〈究極の外国人頂上対決〉 東京ドームが揺れた喧嘩マッチ
アンドレ・ザ・ジャイアントvsスタン・ハンセンと並び、外国人対決の最高峰と称されるのが“皇帝戦士”ビッグバン・ベイダーと“不沈艦”スタン・ハンセンの一戦である。 片や新日本プロレス、片や全日本プロレスで、共に外国人トップを張っていた両雄。互いのプライドと団体の看板を懸けた“絶対に負けられない闘い”が東京ドームを揺るがせた。 昨年12月、ビッグバン・ベイダーが「医者から余命2年を宣告された」と、米国のテレビ番組内で告白した。うっ血性心不全との診断で、これは心臓から血液を送り出す働きが低下して、むくみや息苦しさなどが生じるもの。病状が進行すると、肺水腫による呼吸困難などの危険があるという。 今後はヨガによるダイエットで症状の改善を目指すとされ、減量で延命がかなうのならば、ぜひともそう願いたいものである。 1987年12月、ベイダーの日本初登場は、観客の暴動騒ぎというマイナスイメージから始まった。試合に至るまでのドタバタや3分ほどでの決着というしょっぱい試合内容も、すべては対戦相手のアントニオ猪木とアングルをつくった団体側の責任であり、ベイダーに一切の非はなかったが、当初の“たけしプロレス軍団の刺客”という、うさんくさい触れ込みのせいでファンからは色眼鏡で見られていた。 それでも常連外国人として定着すると、徐々にそのポジションを高めていく。 「身長190センチ、体重170キロの巨体から繰り出すド迫力のパワーファイトと、時にムーンサルトプレスも繰り出すほどの軽快な身のこなし。そうした身体能力の高さに加えて、甲冑からスモークを噴き上げるパフォーマンスも秀逸でした。さらに団体の意向を理解した上で、しっかり自分に与えられた役割を果たすだけの“プロレス頭”のよさまで備わっているのだから、人気が出たのも当然です」(プロレスライター) 日米でトップを張りながら、プロレスの隠語でいう“セル(技を派手に受けるなど対戦相手を引き立てて見せ場を作ること)”もいとわない。 「有名なところでは'96年、東京ドームでの猪木戦が挙げられます。ベイダーの投げっぱなしジャーマンで意識の飛んだ猪木に対し『ガンバッテーガンバッテー』と檄を飛ばしながらベイダーハンマーの連打で試合をつなぐと、最後は背中に当たった延髄斬りで一回転してのフォール負け。引退を間近に控えた猪木に対する、ベイダーの心遣いがうかがえた試合でした」(同) 全般的な能力の高さがあったからこそ、新日本に始まりUWFインターナショナル、全日本、ノア、さらには米国でもWCWにWWFとさまざまな団体を渡り歩き、いずれも頂点に君臨することとなった。 「引く手あまたの中、契約違反まがいのことも何度かあったようですが、それでも団体側が使いたくなる価値が高い選手だったわけです」(スポーツ紙記者) 晩年にはハッスルなどのエンタメ系や、一般には誰も知らないような“どインディー団体”にも精力的に参戦した。 そんな幅広いキャリアを誇るベイダーが、自ら『男と男の闘いだった』とベストバウトに挙げるのが、'90年2月10日、新日本の東京ドーム大会『'90スーパーファイトIN闘強導夢』におけるスタン・ハンセン戦である。“ベルリンの壁崩壊”とも称された全日本勢の参戦や、大相撲から転向した北尾光司のデビュー、橋本真也の「時は来た!」発言など…話題山盛りだった同大会の中にあっても、ベイダーとハンセンによる外国人頂上決戦はひときわ熱い闘いとなった。 ベイダーの持つIWGP王座に、ハンセンが挑戦する形で組まれたこの試合。すでにベテランの域にあったハンセンだが、挑戦者らしくゴング前から猛然と突っかかっていく。これにベイダーも応じると、試合序盤から激しい肉弾戦が繰り広げられた。 ベイダーハンマーがラリアット気味にヒットすると、お株を奪われたハンセンは目の色を変えてパンチ、エルボーを乱れ打ち。そんなハンセンをグラウンドに捕らえたベイダーだが、そこで異変が起こる。 やにわに立ち上がったベイダーはコーナーにもたれかかると、かぶっていたマスクを脱ぎ捨てたのだ。その右目はドス黒く腫れ上がり、ほとんどふさがった状態。マスクを脱いだのは視界を確保するための緊急措置だった。 会場内のオーロラビジョンにベイダーの姿が大映しされると、そのただならぬ様子を察した観衆からどよめきが起こった。だが、そんなアクシデントさえも2人は意に介することなく、さらに試合は激しさを増していく。 驚愕に値するドロップキックまで披露して、むしろいつも以上の動きを見せるベイダーに対し、ハンセンもついに“伝家の宝刀”ウエスタン・ラリアットを抜くが、これは勢いを欠いて倒すまでに至らない。 闘いの場をリングの外に移しても、互いのプライドと団体の看板を懸けた殴り合いは収まることなく、ついに両者リングアウトの裁定が下された。 完全決着ならずとも観客に不満の声はなく、それどころか逆に大歓声が送られたのであった。なお、この試合の評判は本場の米国にまで届き、のちになってWCWのリングで両者の対戦が再現されている。
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スポーツ 2017年02月05日 12時00分
IWGPジュニア王者高橋ヒロム、最初の旅のお相手は“ライバル”ドラゴン・リー
「(質問は)終わりですか? 終わりなら帰りますよ。早く休みたいんで。これだけ記者の人がいるのに、寂しいですね。もっと強くなった、質問してください」 1.4東京ドーム大会で、チャンピオンKUSHIDAの厳しい攻めを耐えしのぎ、悲願のIWGPジュニア王座を獲得した高橋ヒロム。試合後、インタビュースペースに現れると、ベルトへの思いを一方的にまくし立て、集まった報道陣から質問が出ないと見るや、冒頭のコメントを残し控室に引きあげた。 大会前には、KUSHIDAを圧倒するとかなり強気な発言が出ていたが、約3年半に渡り新日ジュニアの中心選手として、内部だけではなく他団体(ジュニア)のトップ相手でも、底知れぬ強さを誇示してきたKUSHIDAの壁は、ヒロムが想像したよりも高く厚かったのかもしれない。 この会見でヒロムは「俺はこのIWGPジュニアのベルトと一緒にこれから旅をしていく」と話していたが、「IWGPヘビー級王者にも負けないIWGPジュニア王者になりたいから、その自信がつくまでは帰らない」と昨年の1月に語っていたヒロムの実力は、どこまで本当なのか。これからはじまる旅(防衛ロード)で、真価が問われることになる。 そして早速敵が現れた。 ドームでの戴冠に喜んだのも束の間、翌5日の後楽園ホール大会に、メキシコCMLLのドラゴン・リーが乱入したのである。リーは試合を終えたヒロムを急襲し、ブレーンバスターボムでKOすると、ヒロムが持っていたIWGPジュニア王座のベルトを掲げて、挑戦をアピールした。 「俺はナンバー1になりたいんだ。去年、ファンタスティカマニアで、ヴィールスと闘っていた時に、カマイタチが突然やってきた。だから、今回は、俺が日本にやってきたんだ。カマイタチとは、日本でもメキシコでも、ROHでも闘ってる。今日は、カマイタチのタイトルに挑戦するためだけに、俺は日本に来た。明日もうメキシコに帰る」 インタビュースペースでリーは、とても興奮した口調で改めて挑戦表明をした。リーは新日本プロレスとCMLLの合同興行「ファンタスティカマニア」シリーズでのタイトル戦を望んでいたようだが、新日本はビッグマッチである、2.11エディオンアリーナ大阪大会での対戦を発表。「ファンタスティカマニア」では幾度か前哨戦を行っている。 この2人はヒロムがCMLLに、カマイタチというマスクマンで参戦してから因縁が勃発。2015年3月には、敗者覆面剥ぎマッチを行いカマイタチが敗れたため、カマイタチの正体がヒロム(リングネームはカマイタチのまま)であることが明らかになってしまった。その後も抗争を繰り広げた2人だが、リーも話しているように、昨年1月23日の後楽園ホール大会にカマイタチが乱入。リーを急襲すると、リーが保持するCMLL世界スーパーライト級王座に挑戦表明。翌24日の後楽園大会でリーへの挑戦が急遽決定した。その試合で2人はファンの心を掴む試合をやってみせたのは、記憶に新しいところ。その試合はカマイタチが勝利を収め、王座を奪取している。今回のタイトル戦は、2人の立場を入れ替えるかたちで行われるのが面白い。 ヒロムが「オマエ(リー)は、俺のこと、もっと! もっと!! もっと!!! もっと!!!! もっと!!!!! もっとー!!!!!! 楽しませてくれる相手」と言えば、リーも「俺とアイツの試合は、どこへ行っても、必ず満足してもらえるような試合になる」と語るなど、お互いを認め合っているのは間違いない。海外遠征時代に抗争を繰り広げていた選手と、帰国後もライバル関係を継続し、IWGPジュニア王座というジュニア最高峰のベルトを懸けて試合ができるというのは、これから旅をはじめるヒロムにとって、大きな財産ではないだろうか。恐らくこれからも、ヒロムの前にはリーが節々に現れるはず。まだまだ伸びしろがあるだけに、成長とともに試合も進化していくだろう。 2.11大阪大会はまたもや事前完売をしている。メキシコやアメリカのファンを唸らせた黄金カードは、目の肥えたなにわのファンも唸らせるのは間違いない。(どら増田)写真:ジョー・オアンコ【新日Times Vol.54】
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スポーツ 2017年02月04日 16時00分
テニス・大坂なおみは「東京五輪」で開花する! “雑草魂”が栄冠を勝ち取る日
女子テニス界の新鋭、大坂なおみ(19)の“雑草魂”が開花した! コーチはお金のかかるプロは頼めず父親ひとりだ。ライバルがアカデミーに通う中、お金が掛からない公営のコートや公園で黙々とラケットをひたすら振り続けた。大坂が、世界四大大会の一つ、全豪オープンで大健闘。2回戦で敗れたものの、世界ランキング9位の強豪相手にサービスキープをするなど、一時は互角以上のプレーも見せた。 大坂の持ち味は、日本人離れした体格とパワー、そしてスピードだ。いずれも中南米・ハイチ共和国出身の父親譲りのものだが、実は彼女、“清貧のナニワ節”で這い上がってきた選手。 「彼女はアカデミー出身のエリートではありません。ジュニア大会にも出場せず、下部の無名大会でコツコツとやってきた叩き上げの選手です」(特派記者) テニスに限らず、近年のスポーツ組織は、幼少期から英才教育が行われ、全国から有望な人材をアカデミーに集めてふるいにかける。そこで生き残った者が“世界のステージ”へ上がる図式だ。しかし、大坂はそのエリートコースを歩んではいない。 「父親もテニス経験者ですが、一流プレーヤーではない。彼女も年上ばかりを相手に、ボロ負けを繰り返してきました」(関係者) また、テニス界では14歳以下のプロ宣言が認められていない。大きな国際試合では、17歳まで出場できない大会もある。 「そのためテニス界では、15歳から17歳を対象に、次世代の有望株の発掘も行われる。そこで、“アカデミー出身のエリートを打ち負かす骨太な選手がいる”と目を付けられ、大坂にもやっと光が当たった。年上相手に戦ってきたことでパワーとスタミナはピカイチでしたからね」(同) サーブは女子では最速レベルの200キロ超えも計測する。あの錦織圭以上のスピードだ。 「今では協賛企業の援助も受けられるまでになりましたが、公園での練習も続けています」(同) アメリカでの生活が長かったため、まだ日本語は片言の大坂。公園で培われた雑草魂には好感が持てるが、大観衆を前にすると緊張してしまう一面もあるという。 大坂は、「東京オリンピック」に出場するのが夢と語っている。これから2020年に向かって確実にランキングを上げてくるはずだ。褐色のクイーン・大阪が“雑草魂”で栄冠を掴み取る可能性は限りなく高い。
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スポーツ 2017年02月03日 16時00分
イチロー、松井秀喜、黒田博樹 東京五輪野球代表「トロイカ体制」(2)
万年Bクラスだったベイスターズを立て直した中畑清氏、イチロー、ゴジラ松井、そして「北京五輪の汚名返上の機会を与えてやりたい」と、星野仙一氏の名前を挙げる要人もいないわけではない。 「WBCが今回で消滅するとの米報道もありましたが、その話はNPB内ではタブーです。新しい常設侍ジャパンのお披露目は今年11月の国際試合ということでNPBは動いています。4月にポスト小久保を発表して、その新監督が東京五輪も指揮するかどうかの点に関しては曖昧にしておき、オリンピックイヤーの2020年前半に正式発表するつもり。まずは常設侍ジャパンの監督を決め、そのあとで五輪監督の交渉を水面下でスタートさせます」(同) NPBには、東京五輪で金メダルを獲得するという絶対的な使命がある。また、「本当の成功」とは、次のオリンピックに野球・ソフト競技を繋ぐことと考えている。そのためにも、「野球はこんなに盛り上がる」ということを世界中にアピールしなければならないわけだが、まずはアメリカの野球メディアを東京五輪に向けさせることが前提となる。 メジャーリーグは五輪期間がシーズン中であることを理由に、東京五輪への参加を拒んだ。それ以上にNPBが懸念しているのはアメリカ国民のオリンピック熱で、ここ3大会連続でテレビ視聴率がダウンしているという事実だ。東京の次の五輪開催地は今年9月のIOC総会で決まるが、米ロサンゼルスが選ばれるのならまだしも、他地域では野球・ソフトの「次大会継承」の可能性は極めて低い。 「米野球メディアが東京五輪に関心を持てば、『五輪の野球にビジネスチャンスがある』という風潮につながります。だから、米球界に影響力を持つ大物OBに東京五輪の指揮権を託したい」(前出・関係者) トコトン現役を続ける意向のイチローだが、'20年には47歳になる。現時点で第4回WBCを戦う侍ジャパンへの再合流についても不透明のままだ。 「招集メンバーには好外野手が多く、1番タイプ、3番タイプの打者も多い。そのことはイチロー本人も分かっており、NPB幹部と話をしてから最終結論を出す予定」(前出・ベテラン記者) トロイカ体制の両翼となるゴジラ松井と男気・黒田は、引退後の現在も米国を生活拠点としている。米メディアの関心も高い。 「松井は春季キャンプでの臨時コーチを断りましたが、巨人、NPB要人には季節の挨拶は欠かしていません。黒田も広島球団からの臨時コーチ要請を辞退したが、某TV局のWBCでの解説は引き受ける方向で話が進んでいます。黒田の解説招聘にはNPBの意向も含まれています」(前出・関係者) この3人がトロイカ体制を組めば、日本中は歓喜し、米メディアも扱わざるを得ない。イチローが現侍ジャパンに再合流したとき、このビッグプロジェクトの交渉が前倒しで動き出す――。
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スポーツ 2017年02月02日 16時00分
イチロー、松井秀喜、黒田博樹 東京五輪野球代表「トロイカ体制」(1)
2020年東京オリンピックの野球・ソフトボールは、是が非でも成功させなければならない。「こんなに盛り上がったんだ」と、世界中にアピールしなければ、NPBの将来に大きな影響を及ぼしかねないからだ。 「ポイントは、アメリカの野球メディアをこちらに向けることができるかどうか。米球界にも影響力を持つイチロー、松井、黒田にも一役買ってもらうことになる」(NPB関係者) 東京五輪を戦う侍ジャパンは、イチロー(43)、松井秀喜(42)、黒田博樹(41)の“トロイカ体制”で戦うことになるというのだ。 1月5日、NPBの仕事始めでのことだった。熊崎勝彦コミッショナーは3月開催のWBCを指し、世界一奪還の号令をかけた。所信挨拶の後、記者団に囲まれ、こんな質問を受けた。 「世界一を奪還したら、小久保(裕紀)監督の続投はあるのか?」 熊崎コミッショナーは後任の有力候補者の名前こそ口にしなかったが、間髪入れず、こう答えたという。 「WBCが終わった後、3年半後のオリンピックを見据え、監督人事を含めて、新しい体制作りをする」 新しい体制作り。額面通りに受け止めれば、侍ジャパンの指揮官は交代となる。 これまでも、熊崎コミッショナーは東京五輪における基本方針を語ってきた。 「WBCもプロ野球ファンが大きな関心を寄せる国際大会だが、オリンピックは国民的関心事だから別物」 本誌既報通り、4月以降の常設侍ジャパンの指揮官と、東京五輪の監督は“別人物”になるようだ。 「原辰徳氏が常設侍ジャパンの有力候補と報じられてきました。指揮官としてリーグ優勝7回、日本一3回、第2回WBCでは世界一に導いた経歴からしても、原ジャパンが想定されるのは当然の流れです。でも、女性スキャンダルで暴力団関係者に大金を支払っていた件に加え、野球殿堂のエキスパート部門で落選してしまいました。次期侍ジャパンの監督もスンナリとは決まらない」(ベテラン記者) 前出のNPB関係者によれば、熊崎コミッショナーは東京五輪の指揮官について、こうも語ったという。 「国民的な支持のある大物OBでなければ…」
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スポーツ
三沢に負のスパイラル
2007年03月07日 15時00分
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スポーツ
新日本プチシルマ争奪戦勃発
2007年03月07日 15時00分
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スポーツ
大日本 関本が破天荒トレ
2007年03月07日 15時00分
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スポーツ
K-1 シュルト初防衛戦に サップ浮上
2007年03月05日 15時00分
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スポーツ
K-1新遺恨 魔裟斗vsTBS
2007年02月27日 15時00分
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スポーツ
棚橋時代到来
2007年02月19日 15時00分
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スポーツ
アングル 永田 新日制圧へ IWGPヘビー級タッグ王者中西、大森組への挑戦急浮上
2007年02月19日 15時00分
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スポーツ
ポスト魔裟斗ヘ アンディ・オロゴン 帰化計画
2007年02月06日 15時00分
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スポーツ
輪島氏 自爆テロ
2007年01月24日 15時00分
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ハッスル消滅!? 小川H軍休止宣言
2006年12月27日 15時00分
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大みそかボビー弟と対戦 金子賢 前田道場入り
2006年12月14日 15時00分
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珍指令 KID 秒殺禁止
2006年12月12日 15時00分
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スポーツ
生還小橋に捧ぐ 三沢 GHC奪還
2006年12月11日 15時00分
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猪木 緊急提言 想定外プロレスをやれ!
2006年12月05日 15時00分
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1・4東京D「レッスルキングダム」 新日本 全日本“乗っ取り”へ秘策 長州3冠戦出撃
2006年11月16日 15時00分
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復活1・4東京D大会へ秘策 新日本最終兵器サイモン猪木 IWGP挑戦!?
2006年11月07日 15時00分
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来春ビッグマッチ パンクラス芸能人最強決定戦 坂口憲二 今田耕司 押尾学
2006年10月31日 15時00分
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大みそか参戦ほぼ決定 芸能人対決 金子賢vs押尾学
2006年10月10日 15時00分