スポーツ
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スポーツ 2015年07月24日 16時00分
俺たちの熱狂バトルTheヒストリー〈初代タイガーマスクvsダイナマイト・キッド〉
スポーツや格闘技の世界で「進化」「革命」なる言葉はよく見掛けるが、そのほとんどはメディアによる一時的な修飾語にすぎない。真に「革命的」な出来事などは、めったにお目にかかれるものではない。 そんな中にあって初代タイガーマスクの登場はまさしく「プロレス界の革命」であり、当時のファンは「進化したプロレス」を目の当たりにすることになった。 1981年4月23日、東京・蔵前国技館、タイガーマスクvsダイナマイト・キッド。前週のワールドプロレスリング中継において、その参戦が唐突に告知された。もちろんアニメにおいてはその名を知らぬ者のいない“超大物”である。 「ただ当時は既存キャラクターとのコラボという概念は薄く、マスクマン自体もイロモノ的に見られていました。そのため多くのファンは興味以上の期待は抱いていなかったように思います」(スポーツ紙記者) そのころの新日本プロレスの主役はあくまでもアントニオ猪木であり、当日来場したファンのほとんどの目当ても、メーンに組まれた猪木vsスタン・ハンセンのNWF王座戦であった。 試合開始直前には、原作者としてタイガーを激励するために梶原一騎がリングに上がると、観客からブーイングが起きる一幕も。その理由は、つい1年ほど前に猪木vsウィリー・ウィリアムスが行われたことから、梶原を極真側の人間と見るファンも多かったのだ。 実際は、このころの梶原と極真は対立状態にあり、そのため梶原がプロレス界に接近してタイガー誕生となったわけだが、事情を知らないファンからすれば、タイガーが新日にとっての敵か味方かすら分からない。さらに、マスクやコスチュームもどこかチープでマンガとは似つかわしくない…。 そうしたことから、決してタイガー初登場はファンから大歓迎されたわけではなかったが、試合開始のゴングと同時にそんなムードは一変する。 ブルース・リーのごとき軽快なステップからのローリングソバット。これは空振りとなったが、それまでプロレスのリングで見たことのない軽やかな動きに、会場の至るところから静かな驚きの声が漏れる。 相手にバックを取らせておいて、その場で自身の体をクルクルと回転させると、スライディングしてのカニ挟みで倒し、脚を取ってのレッグロック。 そうした動きのすべてにおいて、スピード、キレのいずれもが、これまでのプロレスとは別次元のものであり、観客はただただ見惚れるしかなかった。 対戦相手のキッドとて、藤波辰爾をはじめとする新日ジュニア勢と好勝負を繰り広げてきた実力者である。だがそんな強豪を、ひと回り身体の小さいタイガーが翻弄している。 「極め付けはキッドをコーナーに詰めてのサマーソルトキック。相手の胸板を踏み台にしてフワリと宙を舞うと、そのまま後方に一回転する。その姿のあまりの華麗さに、普段は闘いのライブ感を重視していたテレビ中継が、禁を破って試合途中でのリプレー映像を挟み込んだほどでした」(プロレスライター) タイガーに半信半疑だった観客も、いつの間にか大歓声を送り始めていた。 「見慣れたはずのドロップキックやフライングクロスチョップも、タイガーがやると見栄えが違う。言っては悪いが、それまでのジュニアヘビー級の闘いは、タイガーの出現と同時に鈍臭い過去の遺物になったのです」(同) そんなタイガーに対し、気迫とパワーで存在感を示したキッドもさすがだが、しかし、この日の主役にはかなわなかった。 タイガーが場外からリングに戻るところを捕えたキッドはロープ越しにブレーンバスターを仕掛ける。だが、タイガーは空中で身体を反転させてこれを逃れると、すかさずキッドのバックに回ってジャーマンスープレクス! 爪先までピンと伸びた完璧なブリッジが完成し、カウントが3つ数えられた。 「今の選手と比較したとき、ドロップキックならオカダ・カズチカ、フライング系の技なら飯伏幸太などはタイガー以上に高度なことをやっていますが、それでもトータルでは全盛時のタイガーを越えるレスラーはいまだ現れていない」(同) タイガーデビュー戦の衝撃は瞬く間に広まり、ほどなく、空前の新日ブームが巻き起こることになる。
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スポーツ 2015年07月23日 16時00分
USA発 新聞、テレビではわからないMLB「侍メジャーリーガーの逆襲」 シーズン前半は過去20年間で最低の働き… 期待以上の働きを見せたのは青木宣親ただ一人
大リーグは7月12日にシーズン前半が終了し、17日から後半戦に入る。そこで今回は、日本人大リーガーの今季前半の総括を行い、前半戦のMVP(最優秀選手)、LVP(最も期待を裏切った選手)、新人王を選出したい。■総括 今季前半の日本人大リーガーを総括する場合、キーワードは次の二つになる。(1)「故障者続出」(2)「先発投手は壊滅状態」 ここ数年、大リーグでは即戦力になる海外の大物選手を獲得する場合、「先発投手は日本人、野手はキューバ人」というのが定説になっていた。そのため資金力のあるメジャー球団はトップレベルの日本人先発投手に莫大な投資を行ってきた。しかし、今季は3月にダルビッシュがトミージョン手術(ヒジの靭帯再建手術)を受けて1年以上登板不可能になったのをはじめ、4月下旬に岩隈久志が広背筋(肩の背中側の筋肉)の炎症、田中将大も手首の腱鞘炎と前腕筋の炎症で相次いでDL入り。和田毅もキャンプ中に左大腿部の付け根に痛みが出て開幕から欠場したため、4月末からひと月ほど、日本人の先発投手が1人もマウンドに立てない状態が続いた。 昨年まで、日本人大リーガーは先発投手の傑出した働きで存在感を示していた。しかし、今季前半はそれが壊滅状態に陥ったため、彼らの存在感が極めて希薄な印象を受けた。それでも期待を大きく上回る働きをした選手は存在する。■今季前半のMVP候補者:青木宣親、田澤純一受賞者:青木宣親 今季前半、日本人大リーガーの中で給料以上の働きをしたのは2人しかいない。青木宣親と田澤純一である。 青木は年俸400万ドル(4億8000万円)なので、前半のサラリーは200万ドル(2億4000万円)だが、選手の貢献度を示すWARは前半戦終了時1.7で680万ドル(8億2000万円)相当の働きをした。 リードオフマンとしての働きも見事で、出塁率(3割8分2厘)はナ・リーグの一番打者でダントツの1位。三振をしない能力はメジャー全体で1、2を争うレベルだ。 ポジションがライトからレフトに変わったが、守備面での活躍も目立ち、走塁面でもチームでただ一人盗塁を二桁マーク。6月下旬に死球を手に受けて骨折し現在はDL入りしているが、ファンの評価も高く、オールスター投票ではケガの直前まで外野手部門の3位に食い込み、ケガさえなければオールスターに出場していた可能性もあった。 田澤純一は年俸が225万ドル(2億7000万円)なので、前半のサラリーは112.5万ドル(1億3500万円)となるが、400万ドル(4億8000万円)相当の働きと評価されている。今季も名門レッドソックスのトップ・セットアッパーとして機能しており、13ホールドはリーグ7位の数字だ。 ただ大事なゲームで3度リリーフに失敗していること、同地区のブルージェイズに相変わらず弱く、今季もメッタ打ちにあっていることなど、ハッキリしたマイナス要素もある。それを考慮すれば、前半戦のMVPは青木宣親しかいない。■LVP候補者:ダルビッシュ有、岩隈久志、田中将大、イチロー、藤川球児受賞者:岩隈久志 今季前半、期待を大きく裏切った選手はこの5人となるが、イチローと藤川は低年俸なのでチームに与えたダメージはそう大きくない。LVPの候補は超高額年俸の田中、高額年俸のダル、岩隈の3人に絞られる。 このうち、田中は全体からみれば期待外れではあるが、4月中旬から下旬にかけてと6月前半はエースらしい投球を見せていた。 また、ダルビッシュも投手に頻発する職業病に見舞われたのが「全休」の原因であり、すべてを自己責任とすることはできない。 それに対し岩隈は肩の故障で約2カ月欠場したのは仕方がないにしても、登板した4試合すべてが不甲斐ない内容でことごとくチームに黒星が付いたのはいただけなかった。この岩隈の不振は地区優勝候補だったマリナーズが低迷する要因の一つになっているので、今季前半もっとも期待を裏切った選手とした。■新人王候補者:村田透受賞者:なし 巨人時代に1度も一軍登板がなかった村田透が、マイナー暮らし5年目に、打たせて取るピッチングをマスターしてインディアンズでメジャーに昇格したことは、賞賛に値する。だが、1試合限定の登板であり、結果も良くなかったので、努力賞には値するが好成績が条件になる「新人王」には合致しない。スポーツジャーナリスト・友成那智ともなり・なち 今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流。アメリカ野球に造詣が深く、現在は各媒体に大リーグ関連の記事を寄稿。'04年から毎年執筆している「完全メジャーリーグ選手名鑑」(廣済堂出版)は日本人大リーガーにも愛読者が多い。
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スポーツ 2015年07月22日 16時00分
巨人・楽天VS阪神・ヤクルト toto導入をめぐる攻防戦裏
新国立競技場の建設費捻出を御旗に実施が検討されている「野球くじ」を巡り、「巨人・楽天VS阪神・ヤクルト」の裏攻防が熱を帯びている。 プロ野球のオーナー会議が7月8日、都内で開かれ、各球団のオーナーが野球振興策くじ(toto野球版)の導入について意見を交わし合った。 元東京地検特捜部長の熊崎勝彦コミッショナーは「賛同できないという意見が多い。今後はそれを踏まえた対応になると思う」 と後ろ向きの見解を示したが、関係者によると過半数のオーナーが導入に賛成だったという。 「賛成派の筆頭は巨人と楽天。そもそも新国立競技場が完成し、東京五輪、パラリンピック後は、巨人軍の本拠地球場に貸与される公算が高く、タナボタ式の資金捻出は渡りに船。一方、楽天はサッカーくじtotoのネット販売を手掛けており、プロ野球totoでも販売権獲得が確実視される。こちらもとんでもない手数料が転がり込む公算から、もろ手を挙げて大賛成」(スポーツ紙記者) ほかに、ドーム球場を所有する日本ハム、西武、中日、オリックス、ソフトバンクも賛成派。totoが導入されると、雨天中止を回避するためドーム球場開催の試合が中心となり、観客動員の増加、増収につながるからだ。 一方、反対派の筆頭は、阪神とヤクルト。その阪神の反対理由が面白い。採用されるのは、八百長防止のため、機械がランダム式に勝敗を選ぶBIG方式なのだが、この人気球団は「ファンが自分の好きな球団の勝敗を選べないのは納得がいかない」のが不満のよう。虎ファンは皆、タイガースの勝利に投票したいと望んでいるということだ。 「もっと深刻なのは、神宮を本拠地とするヤクルトの反発です。本誌先週号でも報じたように、toto収益金から年100億円程度が新国立競技場の建設費に充てられ、いずれ巨人の本拠地球場になることが予想されます。つまり、『ザケンナヨ!』とムカついているわけです」(同) 今後に注目だ。
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スポーツ 2015年07月22日 12時00分
【甦るリング】第16回 馬場三回忌興行舞台裏でタッグの大仁田と号泣したテリー・ファンク
大物外国人プロレスラーというと、どこか威厳があって、なかなか近寄りづらい雰囲気を醸し出しているものだが、とても気さくで陽気だったのが、兄ドリー・ファンク・ジュニアとのザ・ファンクスでおなじみのテリー・ファンク(71)だ。今ではNWA世界ヘビー級王座は有名無実化してしまったが、かつて、それはプロレス界の世界最高峰のベルトだった。プロボクシングでいえば、WBC、WBAに相当する王座であった。そのベルトを、ドリーとともに、兄弟で戴冠したのだから、テリーは世界のトップ中のトップのプロレスラーだったのだ。 私がテリーを本格的に取材するようになったのは、インディー団体に参戦するようになってからだ。IWAジャパン・プロレスに上がっていた当時は、カクタス・ジャックらとハードコアな試合を繰り広げていたが、その頃、単独インタビューをする機会に恵まれた(通訳付き)。その後、試合会場で会うと、とてもフレンドリーに接してくれたものだ。ドリーは沈着冷静なタイプだったが、テリーは好対照で、とても陽気な性格だった。 テリーといえば、忘れられない試合がある。それは、2001年1月28日、全日本プロレスが開催した「ジャイアント馬場三回忌追悼興行」でのこと。久しぶりの全日参戦となったテリーは、弟子筋にあたり、全日本での“最初の”引退以来、16年ぶりの古巣への登場となった大仁田厚と師弟タッグを結成。かつての怨敵アブドーラ・ザ・ブッチャー&ジャイアント・キマラと対戦した。試合はテリーが必殺技のスピニング・トー・ホールドで、キマラからギブアップを奪い勝利した。 テリーと大仁田は、1993年5月5日、FMWの川崎球場大会で、電流爆破デスマッチで相まみえた因縁もあったが、バックステージに戻った2人は、馬場の三回忌、そして古巣のリングに上がれた喜びから、抱き合って号泣。ファンの時代から、この2人を見てきた私にとって、このシーンはたまらないもので、思わずもらい泣きしそうになったほどであった。 日本プロレスにテリーが初来日したのが、70年6月のことで、もう45年も前の話。71年12月には、ドリーとのタッグで、馬場&アントニオ猪木のBI砲を破り、インターナショナル・タッグ王座を奪取している。馬場が日プロを離脱し、72年10月に全日本を旗揚げしてからは、ドリーとともに同団体の看板外国人選手として活躍。日本におけるテリーのポジションを決定付けたのは、77年12月に開催された「世界オープンタッグ選手権」。同リーグ戦には、馬場&ジャンボ鶴田を始め、ファンクス、ブッチャー&ザ・シーク、大木金太郎&キム・ドク、ラッシャー木村&グレート草津、ビル・ロビンソン&ホースト・ホフマンら、世界の強豪タッグチームが出場。同月15日、蔵前国技館での最終戦で、優勝を懸けて、ファンクスとブッチャー&シークの最凶コンビが対戦した。 悪の限りを尽くすブッチャー組は、凶器でテリーの腕をズタズタに切り裂いたのだった。その非道な攻撃を耐え抜いたテリーは、必死に反撃。結局、試合はファンクスの反則勝ちとなり、リーグ戦を制覇。この一戦をきっかけに、テリーは究極のベビーフェイスとして、日本人選手を上回る人気者となった。 馬場、鶴田も顔負けの興行人気を誇ったテリーは、全日本には欠かせない選手となるが、ヒザの状態がかんばしくなく、長期間にわたるサヨナラツアーの末、83年8月に引退し、リングに別れを告げた。しかし、1年後にあっさり復帰。85年には、まさかのWWF(現WWE)入りし、日本では考えられないヒールとして活躍。だが、ヒザの故障が悪化し、引退宣言して俳優に転身し、映画やドラマに出演した。ところが、リングの魔力には勝てなかったようで、再度復帰し、WCWやECWでファイトし、ハードコア・レスリングにトライ。日本では、FMWやIWAジャパンといったインディー団体に上がった他、95年5月には新日本プロレスのリングにも参戦した。 13年10月には、古巣・全日本のマットで、22年ぶりにファンクスを結成。昨年12月には、東京愚連隊の後楽園大会に参戦し、元気な姿を見せてくれた。今年5月31日には、天龍プロジェクト・大阪大会に出場予定だったが、肺炎のため、残念ながら来日中止。その病状が心配されるところではあるが、カムバックを果たして、その勇姿を再び見せてほしいものだ。 “テキサス・ブロンコ”の魂は永遠だ!(ミカエル・コバタ=毎週水曜日に掲載)
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スポーツ 2015年07月21日 16時00分
オールスター開催記念 特別企画 プロ野球「光」と「影」 季節外れの「戦力外通告」 〜監督の期待に応えられなかった男たち〜(3)
広島は黒田博樹の登録を抹消した(7月8日)。右腓骨筋腱と右肩の炎症。足の違和感は以前から伝えられていただけに「球宴には登板する」との球団発表も鵜呑みにはできない。 「黒田は無理をする。そういう彼の闘争心が広島ナインを必要以上に緊張させている感もしないではない」(担当記者) 先発予定だった7月14日の阪神戦は回避する予定。 「抹消前日に黒田は投げていますが、その試合途中に痛みを感じたようです。不本意な敗戦はそのせいだが、本人はそれを口にしようとしない」(前出・同) 故障が長引く可能性も高い。「チームのために」の思いが、緒方孝市監督の構想を大きく狂わすかもしれない。 「救援投手が定まらないのも痛い。大瀬良大地が中継ぎでの登板に慣れてきたらクローザーを託すと聞いているが、救援向きとは思えない。肩ができるのが遅く、疲労も取れにくい体質。救援陣全体が不調だから、前田健太が投げて抑えても負けてしまう」(前出・スポーツ紙記者) オフに戦力外通告を受ける選手は、この時期に察するらしい。二軍投手は中6、7日で投げていた間隔が「中1カ月」に変わり、これまで衝突していたコーチが急に優しくなるという。 「DeNAに拾われた東野峻は2年連続トライアウト受験の危機。岡島秀樹、複数年契約の切れる高橋尚成、毎年トレード候補の多村仁志も危ない」(球界関係者) トライアウトから一線に復帰した選手はやはり少ない。2年連続で受験する選手も大勢いそうだ。 「ヤクルトも厳しい選択を迫られそう。館山昌平は4年契約の最終年です。万年リハビリ要員で9000万円の年俸では…。バレンティン、ミレッジの両外国人も複数年契約を交わした途端、成績を落としています。両選手とも最終年ですが、危機意識がない」(同) ベテランの多い中日も同様だが、今年50歳になる山本昌は先発して勝てば、それだけでニュースになる。一方で岩瀬仁紀のように“勤続疲労”の否めないベテランもいて、無下な減俸査定をすれば、たとえ落合博満GMでも反感を買うのは必至だ。 どの球団も苦しい展開は変わりそうにない。
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スポーツ 2015年07月21日 11時00分
監督賞が“金一封”から“お手紙”に 日ハム栗山監督が金欠で出し渋り
首位ホークスを追走する北海道日本ハムファイターズだが、チームの士気に関わる問題が起きているという。栗山英樹監督(54)が監督賞を出し渋っているというのだ。 「乱発は止めたということ。これまで栗山監督が大盤振る舞いをしていたのを適正にするためだそうです。現金での報奨をしばらく止め、いまは監督は直筆の手紙を贈るなどしています」(チーム関係者) 監督賞とは、指揮官が試合で活躍した選手に渡す臨時ボーナスのようなものである。金額は12球団それぞれで多様だが、猛打賞のバッター、好投したピッチャーに対してだけではなく、犠打なども支払われることがあり、文字通り監督が対象選手を選ぶものだ。 「監督賞の金額? 確かめたことはないが、10万円単位だと思う」(スポーツ紙記者) 億単位の年俸をもらっている選手でも、臨時報酬は嬉しいものだという。これが選手の励みになり、チームの活気にも繋がっていく。 「そのままポケットに入れる選手は少ないはず。仲間同士で食事に出掛ける、あるいは、普段お世話になっている裏方さんにご馳走したりするのが一般的」(同) 監督賞の有無がチーム全体の活気に直結することは、栗山監督も承知している。それを渋り始めた理由だが、同監督は一部メディアに「ここぞというときに出したほうが、効果がある」と話していた。本当にそうだろうか…。 球界関係者が「一般論として」と前置きしたうえで、こう言う。 「監督賞の資金源はポケットマネーだけではありません。オフの個人後援会で集まったご祝儀を使うんです」 監督賞の金額も一律ではない。20万円、30万円と大きな金額で渡されるときもあれば、貢献度によっては5万円くらいのときもある。金額の多寡が問題ではないという建前はあるだろうが、現金の代わりが直筆の手紙では、監督賞の価値が伝わらないケースもあるだろう。 「心配なのは大谷ですよ。二刀流の大谷は調整が他選手と異なるため、単独で遠征移動することも少なくありません。そういうとき、裏方さんがいろいろとサポートしている。だから、大谷も同年代の仲間だけではなく、裏方さんも頻繁に食事へ誘っています」(前出記者) 栗山監督は選手全員の前で監督賞を渡すなどして、チームを盛り上げる演出もしていたという。そういう機会がなくなれば、チームの士気はもちろん、別行動の多い大谷は孤立してしまうかもしれない。 「長嶋茂雄、王貞治両氏が監督だった時代は、後援会をやればたくさんのお金が入ってきました。しかし、原辰徳監督もONの集金率には敵いませんし、巨人の監督ですらそうなのだから、他監督はもっと苦しいのではないか。最近では、監督賞の名目で球団がそれを用意するパターンも出てきたらしいが」(ベテラン記者) パ・リーグは、ソフトバンクホークスが圧倒的な戦力で貯金22を稼ぎ出し、優勝へ抜け出しつつある。それを日ハムが3.5ゲーム差(7月13日現在)でなんとか追撃している状態だ。先のチーム関係者は金欠ではないと否定していたが、監督賞の金額の目減りによって、日ハムがソフトバンクに引き離される。そんな展開が待っているかもしれない。
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スポーツ 2015年07月20日 16時00分
オールスター開催記念 特別企画 プロ野球「光」と「影」 季節外れの「戦力外通告」 〜監督の期待に応えられなかった男たち〜(2)
話題先行なら千葉ロッテの田中英祐もいる。“京大卒”で大注目されたが、やはり即戦力ではなかった。田中の年俸は1500万円。内定を取り付けていた三井物産に進み、安定した人生を送っていたらどうなったか。同社の平均年収は1200万円強。平均勤続年数20年を全うすれば、約2億5000万円を得る計算だ。契約金が約1億円といわれる田中は、安定した生活を選んだ際の半分弱をすでに得た計算になり、たとえ次の人生に進んだとしても悔いはないだろう。 「斎藤佑樹は悔いが残るはず。田中マー君の現年俸は約23億円。斎藤の年俸は田中の約5日分」(スポーツライター・飯山満氏) 千葉ロッテは過渡期にある。井口資仁は1億8000万円、サブローは1億3000万円。高給取りのベテランの出場機会は減るばかりで、観客動員数も伸び悩んでいる。京大・田中を指名した理由は、このあたりにもあったようだ。 「楽天・星野仙一シニアアドバイザーの年俸が1億円ともいわれています。選手よりも高い年俸ですから、前半戦不振の戦犯はこの人で決定かも」(前出・飯山氏) 三木谷浩史オーナーは費用対効果の低いビジネスを嫌うという。それゆえ最下位はいただけないのだが、費用対効果の言葉は巨人も意識した方がいい。 大竹寛=3年契約年俸1億円の2年目、杉内俊哉=4年契約年俸5億円の4年目、マシソン=2年契約年俸1億5000万円の2年目、内海哲也=4年契約年俸4億円の3年目、片岡浩大=2年契約年俸9500万円の2年目、阿部慎之助=2年契約年俸5億1000万円の2年目、村田修一=3年契約年俸3億円の2年目。ここに、キューバ政府への寄付金と化したセペダの年俸1億5000万円が加わる。これだけの大金を掛けて勝率5割ラインをウロウロしているのだ。 「内海が投げてから全部おかしくなっちゃったな。ずっと休んでおきながら、足が痛いから交代してくれだなんて!」 原辰徳監督は名指しで内海をそう批判した。この1カ月の戦いを振り返ってみると、オリックス戦で3タテを決め、セ首位に立ったものの、陥落。そのきっかけを作ったのが次カードのソフトバンク戦で“背信登板”した内海だった。 「足をつって自ら降板を申し出る醜態をさらして内海は即二軍落ちを通告されましたが、あれから1カ月以上たっても内海への不満が聞かれます。昨季も故障で遅れ、目下二軍戦でも5、6回を投げると3失点してしまう」(担当記者) チーム関係者は「練習は人一倍やっている」と言う。その通りだとすれば、内海は“年齢的限界”ということかもしれない。 年齢的な限界で思い浮かぶのは、いまや“ミスタータイガース”とよばれる阪神の鳥谷敬も…。メジャーに行く行かないの話も、はるか遠い昔のことのようだ。 「鳥谷は4億円で5年契約を交わしました。巨人に限らず、複数年契約を交わした途端、プロ野球選手は成績を落とします。巨人、阪神は複数年そのものを見直そうとしています」(前出・ベテラン記者)
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スポーツ 2015年07月19日 16時00分
オールスター開催記念 特別企画 プロ野球「光」と「影」 季節外れの「戦力外通告」 〜監督の期待に応えられなかった男たち〜(1)
「こんなはずじゃなかった!?」−−12球団の監督たちは、そう叫びたい心境だろう。パ・リーグはソフトバンクの独走を許しつつあり、セ・リーグは一時期、全チームが勝率5割を切る醜態。交流戦での惨敗ばかりが取り上げられるが、その原因の一つは主力・高額年俸選手の“誤算”だ。 快調に首位戦線を走るソフトバンクにしても、決して万全ではない。主力選手の裏切りは、チームを瓦解させかねない。 「松坂はソフトバンクだけではなく、日本中のプロ野球ファンを裏切ったとも言えます。松坂の帰還、復活を楽しみにしていたファンは大勢いて、その獲得に批判的だったフロントスタッフを説き伏せた王貞治会長をも裏切ったことになる」(ベテラン記者) 松坂大輔は6月末、工藤公康監督とリハビリ状況について話し合っている。工藤監督は対談後、記者団に囲まれ、対談の中身こそはぐらかしたが、「復帰の時期を来季に先延ばしした」(関係者)と明かした。“年俸4億円のリハビリ選手”の誕生である。 「2012年ドラフト1位の東浜巨が順調に育っていれば、松坂は獲得しなかったかもしれません」(スポーツ紙記者) 東浜はプロ3年目だが、通算登板数はわずか14。契約金1億円プラス出来高5000万円。出来高はゼロとしても、ホークスがドブに捨てたのは松坂の年俸だけではないのだ。 “給料ドロボー”はオリックスにもいる。今年、年俸3億5000万円で日本球界に復帰した中島裕之もその一人だ。 「渡米前の打撃フォームとは別人。守備にしてもショートを守る脚力は残っていない」(同・記者) '14、'15年オフに要した補強費は41億円強。中島の他、日本ハムからFAの小谷野栄一、DeNAのブランコ、広島のバリントンを獲得。ここにFA権を取得したエース金子千尋、クローザー平野佳寿の残留交渉が重なった。その両投手が故障、不振でシーズン序盤は戦力にならず、森脇浩司監督を途中休養に追い込んだ。 「計算外といえば、西武の岸孝之の故障も痛かった。年俸2億2500万円のエースがキャンプ初日にいきなり怪我ですからねぇ…」(前出・べテラン記者) 監督を裏切ったといえば、日本ハムの斎藤佑樹だろう。 7月3日に2度目の二軍降格。6月13日に一軍復帰した後、10試合に登板したが、防御率9点台。他の選手だったらとっくに“解雇”されていたはずだ。 「人気があるから解雇されない? 日ハムの看板選手は大谷翔平に完全に移っていて、モチベーションも落ちている」(前出・スポーツ紙記者) 「営業目的で指名した選手」との“残酷な証言”も聞かれ、斎藤の登板が観客増につながったとの話も聞かれなくなった。今秋のドラフト会議で超高校級の高橋純平投手(県岐阜商)が獲得できれば、決断するともいわれるが…。
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スポーツ 2015年07月19日 13時00分
自力優勝消滅の楽天も監督交代か? 決断リミットはオールスター期間
東北楽天ゴールデンイーグルスが7月12日のオリックスバファローズ戦に敗れ、自力優勝の可能性が消滅した。まだオールスター前にもかかわらず、首位ソフトバンクとのゲーム差は14.5と大きく水を空けられた。オリックスの大不振がなければ最下位に沈んでいてもおかしくない。そこで記者席では、首脳陣の人事で一波乱あるのではないかと噂されている。 「大久保(博元=48)監督の今後ですが、両極端に意見が分かれています。一つは、三木谷オーナーの強い推薦で就任したので長い眼で見るというもの。そしてもう一つは、たとえ大久保監督であっても、ビジネスライクに割り切り、責任の所在を明確にする、という意見です」(ベテラン記者) 楽天は2度、監督を1年で交代させた経緯もある。「厳しい措置は免れない」とする意見の根拠は、球界参入直後の田尾安志元監督の際のことがあるからだ。 「田尾さんを推薦したのは初代GMだったマーティ・キーナート氏ですが、それに三木谷オーナーも賛同しての就任でした。ただし、三木谷氏は決断するときは個人的な感情を挟まない」(同) 同じく三木谷氏がオーナーを務めるヴィッセル神戸では、シーズン中の監督交代が何度も行われてきた。チーム浮上の兆しが表れないようであれば、三木谷オーナーは大久保監督に固執する理由がないはずだ。球宴まで前半戦が勝負どころとなりそうだが、こんな声も同時に聞かれた。 「適当な後任が見つからない」 楽天は球団の歴史が浅く、監督が務まるOBは少ない。そうなると、元監督でもある星野仙一シニアディレクター(68)の存在がクローズアップされてくる。星野SDは、三木谷オーナーがまず一番にチームの今後を相談するであろう人物に間違いない。星野SD自身は「自らの現場復帰はない」と公言したことがあるため、監督を引き受けることはないと思われる。だが、チーム再建を誰に託すのかをアドバイスすることはできるはずだ。 「星野SDの強い影響を受けたコーチだと、二軍打撃コーチの仁村徹氏(53)がいます。外部招聘もあり得るが、三木谷オーナーは億単位の年俸を保障するような監督人事は、基本的に嫌いなはず」(前出記者) シーズン途中での監督交代となれば、橋上秀樹ヘッドコーチ(49)や、年長の田代富雄打撃コーチ(61)といったあたりが内部昇格して監督に就任する候補といえる。二軍打撃コーチの仁村コーチが抜擢されるようなことがあれば異例中の異例だ。 だが、反対に星野SDが大久保監督を全面バックアップする体制になるのではないかという見方もある。 「三木谷オーナーは星野SDに大久保監督の後ろ楯を託しているので、場合によっては、星野SDが大久保監督に救いの手を差し伸べる可能性はある。星野SDの人脈でチーム補強に乗り出すなど」(球界関係者) そうなった場合、楽天は星野SDの影響力を強く受けるチームに生まれ変わる。 「大久保監督は三木谷オーナーの御前試合で負け試合にも関わらず、松井裕樹を投入しました。三木谷オーナーに松井を育てているところを見せるためだとしたら、したたかな監督ですよ」(同) 現在、楽天には勝ち星が計算できる先発投手が則本しかいない。松井がクローザーで結果を出しても、救援転向にいまだ疑問の声が尽きないのはそのためだ。そういうところから大久保監督の手腕が疑われている。疑念を晴らすためには、星野SDが大久保監督と直接会談をし、真意を聞き出す必要もある。 昨夏も監督問題で揺れたが、楽天の人事はこれからまた一波乱ありそうな雰囲気である。
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スポーツ 2015年07月19日 10時00分
小塚桃子ゴルフ連載(41) 第八部・「ラフでの攻略法」
夏のゴルフで一番厄介なのが、深い粘っこいラフです。 ラフの上にボールが浮いている場合ならいいのですが、ラフにボールがスッポリ沈んでしまい、且つ粘っこいラフになると出すことが難しい…。 このような場合は、どうしても力任せになりがちで、飛距離が出ないのは勿論、飛距離どころか『チョロ』をしてしまいラフから出せずに大叩き…そんなことがよく起こりますよね。 私は、『ラフからのラフ』だと、『絶対にラフから出したい!!』と気持が強くなり、前回よりも更に力任せに力んでしまって、またラフから出せず…という経験があります。 このようなことにはならないためにも、覚えておくととても役立つラフの攻略法をお教えします。 ファーストショットや、セカンドショットを打ってボールがフェアウェイではなく、ライに転がってしまうと『えーーーっ最悪〜』ってなりますよね… ただ、ラフでも比較的浅いラフでボールが半分出ている場合、ティーアップされていると思うようにしているので、『ラッキー』って気持ちになります。 比較的浅いラフでボールが浮いている場合は、フライヤーといってクラブフェースとボールの間に芝が入る事により、ボールの回転数が少なくなり、ボールが飛びすぎてしまうので、クラブの番手を1〜2番手ぐらい下げる事をお勧めします。 若干深いラフでボールが3分の2以上、ボールの頭が出ているなぁというぐらいであれば何とか打てます。 いつもより、グリップを1センチ短く握り、しっかりと握り払い打ちます。テイクバックは小さめに抑えて、パンチショットのようにシャープなコンパクトなスイングをイメージしてください。かなり深いラフでボールがスッポリ沈んでいる場合は、通常のショットでは出ないと考えていいでしょう。 スイングは、大袈裟な程コンパクトにシャープに…ハーフスイングの振り幅で打ちます。グリップは2センチほど短く持ち、上から打ち込むのがポイントです。私はいつもこのラフの場合、バンカーショットのイメージをします。ボールの手前から叩きつけるようにイメージして打つ。飛距離はあまり出ませんが、この深いラフの場合は何よりもラフからの脱出を最優先させる事が賢明だと思います。 サンドウェッジや、ピッチングウェッジなどで確実にフェアウェイに戻した方がスコアにもつながるでしょう。番手の小さなクラブで打つ事が、一番確実な方法です。小塚桃子オフィシャルブログ「季節はずれのももリンダ」http://ameblo.jp/koduka-momoko/
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