スポーツ
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スポーツ 2015年06月23日 11時00分
USA発 新聞、テレビではわからないMLB「侍メジャーリーガーの逆襲」 ダル提案「先発6人制」が無視されるのはなぜ? 異常に高い日本人投手 トミージョン手術率の原因
ここ数年トミージョン手術(以下TJ手術)を受ける日本人投手が急増している。この10年間のデータを見ても日本人投手のTJ手術率は25%(24人中6人)という高い率で大リーグ平均の16%よりずっと多い。 それに加え、日本人投手は手術が失敗に終わるケースが多い。同手術を受けた6投手のうち今年3月に受けたダルビッシュは来年にならないと結果が判明しないが、すでに結果が出ている5人は、大塚晶則が再起不能、松坂大輔と藤川球児は大幅なレベルダウンで投手生命の危機を迎えている。この3人を失敗と定義すれば失敗率は6割(5例中3例)にもなる。メジャーの投手の失敗率は3割前後と推定されているので、TJ手術はメジャーで投げる日本人投手にとって生殺与奪権を握る手術になったといっても過言ではない。 これらは、すでにメジャーの球団関係者や記者連の間で知れ渡っており、日本人投手の評価が暴落する最大の要因になっている。 「これまでメジャーの金満球団は日本のスター投手に、1億ドル(120億円)超の投資をしてきたけど、TJ手術で莫大な金が無駄になっている。レッドソックスは松坂に1億300万ドル(124億円)の投資をしたがTJ手術で3400万ドル(約41億円)が無駄になったし、レンジャーズもダルビッシュに投資した1億700万ドル(128億円)の3割くらいが死に金になるのは確実だ。これほどリスクが高いと当然どの球団もおよび腰になる。当分は、日本の大物投手がメジャー行きを表明しても契約規模が1億ドルを超えることはないだろうね」(契約関係に詳しい大リーグ球団のスカウト) 日本人投手の暴落はすでに現実のものとなっていて、前田健太も少し前までは1億ドル級の契約になると予想されていたが現在は3割ないし4割、契約規模の予想値が下がっているという。 メジャーでは日本人投手のTJ手術率が高いのは、高校時代からのヒジの酷使や120〜150球が当たり前の前近代的な野球環境でヒジが脆弱になっているのが根本的な原因とみる傾向が強い。 しかしこれは、ヒジを消耗品と考えるメジャー独特の発想が作り上げた仮説にすぎず、具体的な根拠がある主張ではない。確かに日本のプロ野球の投手は、大半が高校時代に酷使された経験があり、プロ入り後は150球前後投げることが当たり前と思って投げている。しかし、ヒジの腱を痛めてトミージョン手術を受ける投手は3.6%でメジャーの16%よりはるかに少ない。 ダルビッシュは、原因が先発投手を5人で回すメジャーのシステムにあると見て、昨年、田中将大がヒジの故障でDL入りした折に、先発ローテーションを6人制にすべきだと主張し、米国のスポーツメディアで大きく報じられた。しかし、それに対する反応は鈍く、ほとんど無視された。 理由ははっきりしている。先発を6人にすれば、リリーフ投手が7人から6人に減り、皆、登板過多でパンクするからだ。 メジャーではどのチームも投手を12人ベンチに入れ、5人を先発、7人をリリーフで使っている。リリーフ投手は1試合平均で3人登板するので、登板数は1シーズン=162試合でのべ486登板になる。そのため7人いても一人当たりの登板数は70試合前後になる。 日本では年間60試合程度が限度で70試合投げさせると壊れると思われている。その壊れるとされる試合数をメジャーのリリーフ投手は普通に投げているのだ。そんなギリギリの状態なのに、定員が1人減れば一人当たりの登板数は80試合になり壊滅状態になる。 それを考えればリリーフの枠を先発に一つ回すことは不可能なのだ。 メジャーではベンチ入りできる選手は25人で大半の球団が野手13人、投手12人の配分で戦っている。野手のレギュラーはDHも入れて9人なので、控え選手は4人しかいない。180日間の間に162試合も戦う超過酷なスケジュールを乗り切るには、野手を休ませながら使わざるを得ないので、野手の定員を一つ減らして先発を一人増やすこともできない。 現実的に考えるとベンチ入り25人、1シーズン180日で162試合という縛りの中でダルの言う6人ローテを実現するのは無理がある。一番いいのは日本のようにベンチ入り選手を28人、試合出場選手を25人にすることだ。米国の経営者は効率を最大限追求するので180日間で162試合を戦うシステムを変えることは難しいだろう。しかしベンチ入り枠を三つ増やして、6人目の先発投手、8人目のリリーフ投手、内野の控え1人の計3人が増えても出費増はたかが知れている。 プロ野球の国際化が急速に進み、わが国では大リーグ使用球を公式球にする動きが加速している。ならばその見返りに、日本側からメジャー側に、ベンチ入り規定に関しては、日本のものを国際ルールに採用するよう提案するくらいの積極性があってもいいのではないだろうか。スポーツジャーナリスト・友成那智ともなり・なち 今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流。アメリカ野球に造詣が深く、現在は各媒体に大リーグ関連の記事を寄稿。'04年から毎年執筆している「完全メジャーリーグ選手名鑑」(廣済堂出版)は日本人大リーガーにも愛読者が多い。
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スポーツ 2015年06月22日 17時00分
復帰戦混乱 浅田真央がトヨタと専属契約失敗で中京大“留年”の裏事情
フィギュアスケートの浅田真央(24)が、今年3月に卒業したばかりの中京大学のアドバイザーに就任した。現役続行を決意したのと同時に新たな所属先を探していたのだが、最終的に母校のリンクを拠点にすることを選んだようだ。 「浅田クラスのビッグネームともなれば、どの企業も所属先として名乗りを上げたはずなのに…」(日本体育協会担当記者) 確かに、地元愛知県のトヨタ自動車を予想する関係者は多かった。 「浅田が第一線に復帰できるのは、もっと先になるとの判断が企業側にあったのでしょう。10月下旬からは来季のGPシリーズが始まります。浅田は過去の実績から出場する権利を持っていますが、ブランクがあり、昨年の世界選手権でショートプログラムの歴代最高を出した時点からは程遠い。一応、GPシリーズの出場は、ぎりぎりで決断したようですが」(同) 企業側も浅田の人気は認めている。しかし、所属先となって“専属契約料”を払うとなれば、年間数億円の複数年は必至。大会スポンサーになるのとはワケが違う。たとえGPシリーズに出場したとしても、大金に見合う活躍はまだ期待できないと判断されたのだろう。 「本人も準備不足は認めています。6、7月はアイスショーに出て感覚を取り戻し、それから自身の演技プログラムを作成する予定なので、本当ならGPシリーズに間に合うタイミングとはいえません。とはいえ、GPシリーズに出場しないで来春の世界選手権を目指すとなれば、代表最終選考を兼ねた12月の全日本選手権に出場し、そこで優勝か、それに準ずる成績を収めなければなりません。そちらの方がハードルは高いでしょう」(同) 復帰の肩慣らしの場ともなるアイスショー『TheICE2015』の関係者によれば、収益は「浅田効果で5億円」だという。しかし、公式大会でブザマな滑りしかできなかった場合、協賛企業が一気に離れてしまう危険性もある。 「留年したのと同じだと陰口する人もいますが、中京大のリンクは慣れているし、練習環境としては最適だと思いますよ」(地元関係者) 年末の全日本選手権に出場するためには、元世界チャンピオンといえども地区予選から突破していかなければならない。 地方の“どさ回り”をする真央−−。それはそれで見てみたいが…。
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スポーツ 2015年06月22日 14時00分
ソフトバンク・松坂大輔「食ってすぐ寝る」習慣に引退勧告
どうやら肩の調子だけの問題ではないようだ。 予定されていた二軍戦の登板を直前で回避した松坂大輔(34=福岡ソフトバンクホークス)に、引退を勧告する声が囁かれている。 「気持ちの問題です。本人は先発で使ってもらえれば結果を出せると思い込んでいた。でも、投球フォームは修正できず、気持ちばかりが焦り、かつ復帰してみせるという思いまで萎えてしまった」(ベテラン記者) チーム内でも孤立しつつある。今はリハビリ組が練習する福岡市内の西戸崎合宿所を離れ、県外のリハビリ施設を一人で転々としている。「試合で投げて痛めたものではないので、肩の痛みはさほど重傷ではない」(同)とのことだが、「こんなはずじゃない」という落ち込んだ気持ちに、孤立感が拍車を掛けている。 「松坂は3月のオープン戦の際、30分近く遅刻をしています。周囲は笑っていましたが、実際は違う。ホークス選手は放っておいても練習する精鋭集団。プロとしての心構えができていない。監督、コーチ、スタッフもそれを口に出していないだけです」(球界関係者) 佐藤義則、吉井理人両投手コーチは「罰金を払えば…」としか言わなかったが、以後、松坂は試合で名誉挽回すらできていない。 「松坂は食べたらすぐ寝る体質。だから眠りも深いし、目覚ましが鳴っても起きられないんです。そういう子供みたいな習慣は西武の新人時代から変わっていません」(前出・記者) 野球に関する心構えも成長していない。 松坂は股関節が硬い弱点があった。若い時分はストレートの速さでいくらでもごまかせたが、年齢的な衰えと同時にそれができなくなった。若手時代に「ストレッチや股関節の柔軟運動を必死にやった」という話もなく、これがメジャーの硬いマウンドに適応できなかった遠因となり、結果としてトミー・ジョン手術を受けなければならなくなるまでに至ったといわれている。その後、体はさらに硬くなり、今のメチャクチャなフォームにつながったというわけだ。 若手時代にサボってきたツケが、今日になって回ってきたのである。 「せっかくホークスでチャンスをもらったのに遅刻するなんて、精神的な甘さは変わっていないということ。入団して以来、自己流調整を許されてきた上、結果を出せないとなれば全て自己責任。球団が県外での単独リハビリを認めたのは、ラストチャンスという意味でしょう」(前出・関係者) 事実上の戦力外通告か…。せめて“食べたらすぐ眠くなる”という子供みたいな体質だけでも改善されれば救いようがあるのだが、チーム関係者は「故障前よりも太った」と嘆いている。
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スポーツ 2015年06月21日 14時00分
ペナントレース再開「隠し球」 広島カープ動く! 絶好の中継ぎ藤川球児獲得(2)
高知はかつて、藤川の実兄がGMを務めた経緯もある。まさに郷土愛を感じさせるが、藤川自身は無報酬だという。 「阪神以外のNPB各球団は、復活に一抹の不安を抱いていました。一昨年の6月にトミー・ジョン手術を受けていて、復活したのか否かを判断するデータが少な過ぎたのが積極的になれなかった理由です。ただし、これからは藤川を視察するために米テキサスまで行く必要はなく、中国・四国地区担当のスカウトが確認できますからね」(前出・球界関係者) NPB各球団は高知での試合を見て、「復活した」と判断すれば、そこから動きだす作戦に変更したのだ。 「四国リーグのフロントの方に話を聞くと、『トランジット』という言葉をよく口にされます。つまり、NPBから戦力外通告を受けた選手が『一時的に立ち寄る場所』でもあり、それも同リーグの存在価値だと話していました。確かに四国リーグには元NPB選手も多いのです」(スポーツライター・美山和也氏) ここで急浮上してきたのが、セ・リーグ優勝候補に挙げられながら下位に低迷している広島カープ。高知の監督は巨人、旧横浜などでコーチを務めた弘田澄男氏だが、もともと四国リーグと太いパイプを持っているのが広島なのだ。 「広島は若手選手を四国リーグに派遣して“武者修行”させています。今シーズンの広島は、中継ぎと抑えで泣かされている。期待していたヒース、あるいは中崎翔太がパッとせず、ついには昨季の新人王、大瀬良大地をコンバートさせました。それでも、まだ勝ちパターンを構築できていません」(ベテラン担当記者) 12球団のうち、クローザーが決まっていないのは緒方カープだけ。NPBは7月末まで選手の支配下登録が可能だ。藤川の復活を見極めるには「十分な時間がある」と言っていい。 「阪神時代、藤川は米挑戦を願い出ても受け入れられず、苦しみました。わだかまりがあったとすれば、やはり今回の帰還にも影響したのではないか」(前出・在阪記者) いきなり阪神以外と契約すれば、非難もあるだろう。そして、クローザーの絶対的地位を保証できるのは広島カープだけ−−。 郷土愛を背負ってマウンドに立つ藤川への“トランジット大作戦”が、水面下で始まっている。
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スポーツ 2015年06月20日 17時06分
巨人・原監督の憂うつ 「阿部よ、オールスターファン投票で選ばれないで!」
「マツダオールスターゲーム2015(第1戦=7月17日・東京ドーム、第2戦=同18日・マツダスタジアム広島)」のファン投票が、いよいよ大詰めを迎えた。 ファン投票は6月20日で締め切られるが、同19日、NPB(日本野球機構)は最後の中間発表を行った。 セ・リーグでは、抑え投手部門の山崎康晃(DeNA)=26万3974票、一塁手部門の新井貴浩(広島)=22万5938票、二塁手部門の菊池涼介(広島)=25万614票=は、2位に大差をつけており、ほぼ当確。 3枠ある外野手部門では、1位=筒香嘉智(DeNA)=32万9127票、2位=丸佳浩(広島)=21万3083票、3位=梶谷隆幸(DeNA)=19万5952票=と続き、4位の平田良介(中日)=14万9589票=とは4万票以上の差がつき、この上位3人で決まりそうな気配だ。 その他の部門は、まだ予断を許さない。先発投手1位の黒田博樹(広島)=14万2283票=は、2位と約2万7000票差。中継ぎ投手1位の山口鉄也(巨人)=17万4290票=は、2位と約1万8000票差。三塁手1位のアーロム・バルディリス(DeNA)=14万3659票=は、2位と約1万6000票差。遊撃手1位の鳥谷敬(阪神)=21万1756票=は、2位と約2万3000票差となっている。 なかでも、シビアな闘いになっているのが捕手部門。1位は阿部慎之助(巨人)=17万4109票=で、2位の會澤翼(広島)=15万9833票とは、わずか1万4276票差しかなく、最後の1日で逆転の可能性も十分ありそうだ。 阿部といえば、今季は一塁にコンバートされたが、開幕早々、相川亮二が故障で離脱すると、捕手に復帰。今度は阿部が首を痛めて2軍落ちすると、原辰徳監督は体への負担を考慮して、一塁への再コンバートを決断。阿部は同19日に1軍に戻ったが、一塁手で起用されている。 その状況下で、阿部が捕手部門のファン投票で選出されるとなると、オールスターで指揮を執る原監督は、その起用法で頭を痛めることになりそうだ。原監督は「99%捕手はない」と断言しているだけに、阿部を捕手としては使いたくないはず。そうなると、監督推薦で捕手を多めに選ばなければならなくなる。阿部を捕手としてカウントした場合、使いたくなくても、捕手で使わざるを得なくなる。 本来なら、故障を抱える阿部はオールスターは休ませたいところ。だが、ファン投票で選ばれてしまったら、そうもいかない。原監督のホンネは、阿部がファン投票で選出されないことを願っているのでは?(落合一郎)
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スポーツ 2015年06月20日 14時00分
ペナントレース再開「隠し球」 広島カープ動く! 絶好の中継ぎ藤川球児獲得(1)
6月8日、独立リーグ・四国アイランドリーグplus、高知ファイティングドッグスへの入団会見−−。 「自分がバリバリ投げられるうちに、地元の子供たちに見てもらいたかった」 藤川球児(34)のこの郷土愛に、高知県民は大いに盛り上がった。チーム初合流となった13日、いきなりシート打撃に登板し、打者9人と対戦して「被安打1、与四球1、奪三振2」と、まずまずの内容を披露。“練習”にもかかわらず、約500人のファンがグラウンドに駆け付けた。チーム関係者によれば、「普段の100倍」とのことだ。 「最後のバッターにライト前に運ばれました。高めの甘い球でしたが、この1球は新しいチームメートに花を持たせた感じも受けました。独立リーグでやっている選手と、ほんの1カ月ほど前までメジャーにいた投手とでは、やはり力の差があり過ぎます」(地元紙担当記者) 藤川の郷土愛にウソはない。しかし、NPBつまりは“プロ野球”復帰の可能性は、むしろ高まったと見るべきだろう。 「独立リーグ行きを決めた理由の一つに、古巣阪神の説得失敗もあります。彼もこのまま独立リーグで終わるつもりはないでしょう」(球界関係者) 藤川の高知入りに至るまでの経緯には、不可解な点が多い。まず、テキサス・レンジャーズから事実上の戦力外通告を受けたのは、5月17日(現地時間)。その後、ウエーバー公示されたが、獲得の意思を示す米球団は現れず、日本球団との交渉も可能となった。 「古巣阪神の反応は早かったですよ。特命を受けた現地関係者が藤川との接触に成功し、帰還に関する条件も聞き出しています」(在阪記者) また、国内では藤川の代理人を務める人物とも接触。前向きな回答は得られなかったが、この時点で「藤川は阪神に帰ってくる」と思ったファンも多かったはず。 「'14〜'15年のオフ、実は巨人渉外担当者が藤川の獲得に動いていました。シカゴ・カブスからレンジャーズ入り後もメジャー昇格の厳しい競争にさらされ、巨人だけでなく、横浜DeNAもその推移を見守っていました」(前出・関係者) 6月1日に高知入りが発表されたわけだが、その際、本誌は水面下の興味深い情報をキャッチした。 「藤川サイドから売り込みがあったんですよ。5月25日、電話で『入団は可能か?』と。大慌てでしたよ」(四国リーグ関係者) 藤川の代理人は高知に売り込みをする一方で、阪神首脳陣とも会っていたわけだ。また、藤川自身も高知入団会見で、「(阪神入りが)決まったみたいな報道もあった。何で、勝手に話が進んでいくのか…」と、首をかしげた。満面の笑顔だったが、このときだけは憤った表情を見せた。しかも、阪神以外のNPBチームからもオファーがあった旨も明かしている。 「高知では登板試合ごとにチケット収益の10%が児童養護施設に寄付されることも決まりました。藤川の契約は『1試合ごと』で、登板日が事前告知されます」(前出・在阪記者)
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スポーツ 2015年06月19日 18時00分
俺たちの熱狂バトルTheヒストリー〈沢村忠の真空飛び膝蹴り〉
“キックの鬼”沢村忠。 その全盛時の人気は凄まじく、1973年には初めて三冠王を獲得した王貞治を抑えて、日本プロスポーツ大賞を受賞したほどであった。 そのいかつい顔付きと試合毎キレイにそろえられた角刈りの印象から“ストイックな格闘家”とも思われがちだが、キックボクサーとしてプロデビューする以前には芸能の仕事にも関わっていた。中学3年時には新東宝のニューフェースに合格し、以降何本かの映画やドラマに出演している。 後に沢村人気が絶頂のころ、ゲストの形で何度か映画やテレビドラマに出演した際に素人離れした演技を披露したのも、こうした下地があってのことだった。 また高校卒業後には映画スタッフを志して大映に入社している。 その大映での研修として日本大学芸術学部映画学科へ入学することになるが、これによって沢村の運命は大きく変わった。 大学でのクラブ活動として始めた剛柔流空手でめきめき頭角を現すと、日本初となるキックボクシング興行の立ち上げ準備をしていた野口修氏のスカウトを受け、プロへの道を歩むことになったのだ。 結果的には給料を支払いながら大学生活を支えた大映を裏切る形になったが、映画というエンターテインメントの世界で積んだ経験は、その後の沢村に大きな影響を与えることになる。例えば沢村の代名詞である“真空飛び膝蹴り”だ。 「もともとはデビュー戦で相手のノド元へ決めた飛び上がっての前蹴りを指して“真空飛び蹴り”と呼ばれたのが始まりだった。しかし、これでは語呂が悪いからと“飛び膝蹴り”の呼び名が生まれ、それに合わせて沢村も膝蹴りを出すようになったのです」(キック関係者) まず技名ありきで、その後に必殺技を開発するなどは、およそファンを意識せずにはあり得ない。ただ強さを求めるだけの格闘家とは一味違い、こうした姿勢が沢村人気の下支えとなった面は大いにありそうだ。 1966年4月に大阪府立体育館で行われたデビュー戦、さらに同年6月の2戦目も“空手vsムエタイ”と銘打たれた興行色の強いもので、沢村はいずれも空手代表として道着でリングに上がっている。このとき沢村は既にムエタイをビデオで研究していて、実際の試合での動きもキックボクシングのそれであったが、あえて空手を前面に出したあたりは、やはり話題性を最優先に考えていたことがうかがえる。 だが、その2戦目において、沢村はさらなる転機を迎えることになる。 相手のサマン・ソー・アディソンはタイの由緒正しきルンピニースタジアムでフェザー級8位のランカー。そんなムエタイの実力者に対して沢村はまったく歯が立たず、都合16度のダウンを奪われ、4R2分53秒KO負けを喫した。全身に打撲を負い、奥歯も数本折られる完敗だった。 この敗戦により、沢村は本気でキックボクシングに取り組むことになる。国内ではボクシング技術の習得に励み、これに並行してタイでのムエタイ修行にも取り組んだ。 そうして'67年、敵地タイで強豪相手のムエタイマッチで引き分けたことを自信とし、ここから沢村の快進撃が始まった。 以後の活躍は、その記録だけを見ても、とうてい現在の格闘技の常識では計れるものではない。 毎週のテレビ中継に合わせて少なくとも月間3試合、多いときには月に10試合という過酷なスケジュールをこなしつつ、“100連続KO勝利”“134連勝”等々、前人未到空前絶後の大記録を次々と打ち立てていった。 '76年7月2日に行われた最終試合までの約10年、通算成績は公式のものだけでも全241戦232勝5敗4分(うち228戦がKO勝利)。実際には、これ以上の試合を闘ったともいわれている。中には、いかにも未熟な相手を一蹴するような試合もあったが、派手な打ち合いから沢村がダウンを喫する場面もしばしば。 「とんでもない試合数や、ハデな闘いぶりから、沢村の試合を八百長とする声は当時からあったが、いったい沢村以外の誰に同様の闘いができるのか」(前出の関係者) 唯一無二の偉大な格闘家であったことに間違いはない。
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スポーツ 2015年06月19日 16時00分
W杯日韓大会に捜査網拡大 ジーコVS鄭夢準 次期FIFA会長をめぐる責任転嫁の代理戦争(3)
そこでブラッター氏が米国司法当局と取引しているのが、2018年ロシアW杯と2022年カタールW杯の招致。こちらには、同氏と反目するプラティニ氏が深く関わっているからだ。舞台裏を誰よりもよく知るのは、他ならぬFIFA会長なのである。 「カタールW杯が決まった2010年、プラティニ氏はエリーゼ宮殿に招かれ、サルコジ・フランス大統領からカタールへの投票を要請されたのです。当時、フランスはユーロ危機に見舞われ、経済状況が悪化していた。しかし、カタールW杯が決まれば、スタジアム建設をはじめ、インフラ整備でもフランス企業が参入できる。フランスの名門チーム、パリ・サンジェルマンにカタールの政府系投資ファンドが出資するという話もあった。結局、それまで2022年米国W杯を指示していたプラティニ氏はカタール支持に寝返った。そのときのプラティニ氏の豹変が不正取引の証拠とされ、“カタールゲート”として報じられている。ブラッター会長はこの情報を差し出す見返りに、日韓W杯を封印しようとしているのです」(同) この構図がそのまま形となって現れたのが、次期FIFA会長選。日本はアヴェランジェ前会長、ブラッター会長の後継者として“神様”元日本代表監督のジーコ氏を擁立する構え。一方、韓国もFIFA元副会長の鄭夢準氏が手を挙げている。 「ともに2002年日韓W杯の招致が問題になった場合、相手国に疑惑をなすり付けようという魂胆です。ああ見えて、ジーコ氏はスキャンダルには無縁の男。浮いた女の噂さえない。クリーンで、本業のサッカー以外のカネは受け取らない。南米と欧州が贈収賄でもめている今、選挙をすれば、かなりの支持が集まるでしょう。そうなっては困る韓国は、鄭夢準を使ってプラティニ氏に急接近し、日韓W杯招致がそうだったように日本案をひっくり返そうとしているのです。日韓共催に至った招致合戦の“闇”があるだけに、双方引くに引けないのです」(日韓W杯招致関係者) 疑惑は2018年ロシアW杯の招致にもあるが、こちらはプーチン大統領が毅然と構えているだけに米国司法当局も手が出せない。果たして、捜査の網を日韓W杯へ向けるか、カタールW杯に進路を取るか、予断を許さないのだが、こんな見方もある。米国政府の真の狙いは「2022年W杯の強奪にある」と。 「中東のカタールではさすがに夏開催は難しく、11月〜12月開催にしてもらう見返りに数百億円の放映権料をFIFAに支払った。この資金がFIFA幹部に流れ、2022年のカタールW杯開催につながった。これを立件できれば、カタールはW杯を返上せざるを得ず、一度は敗れた米国W杯が復活する。2022年W杯は日本も代替開催を狙っていますが、米国捜査当局に足元をつかまれており、身動きが取れない。落とし所は、2022年米国W杯、ジーコ新会長、そんな情報も流れてきています」(チューリッヒのFIFA本部を取材するスポーツジャーナリスト) とにもかくにも、スイスで噴出した“火砕流”が、日韓W杯に流れて来ないことを祈るばかりである。
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スポーツ 2015年06月18日 16時00分
W杯日韓大会に捜査網拡大 ジーコVS鄭夢準 次期FIFA会長をめぐる責任転嫁の代理戦争(2)
2018年ロシアW杯、2022年カタールW杯、そして以前の2002年日韓大会に延焼することを避けたかったのか−−。 確かに今取り沙汰されているのは、2010年に開催された南アフリカW杯について。招致に絡み、ブラッター会長は元副会長と共謀し1000万ドル(約12億円)を受け取った疑いがあるとされるが、そこから透けて見えるのが、FIFA内部の利権争いだ。 ブラッター会長追い落としの急先鋒になっているのが、FIFAの改革を求めるUEFA(欧州サッカー連盟)のミシェル・プラティニ会長(フランス)。UEFAのFIFA離脱や、W杯ボイコットの可能性を示唆するなどして揺さぶりをかけている。 「問題の根底にあるのが、アジア・アフリカ問題です。ご存じのようにW杯開催国を決めるFIFA理事や会長は各国の協会の票がものをいう。そうなると断然数の上で多いのが、アフリカやアジアの国々です。そこでブラッター氏はアジア、アフリカの新興国に資金を使い、支持を集めてきた。原資は米国や欧州から集めたW杯の放映権料です。このお金はもっと米国や欧州に使うべきというのが、プラティニ氏らの考え。そこで贈収賄事件の責任を取る形でブラッター会長を退陣させ、主導権を欧州に呼び戻したいのです」(サッカーライター) 思惑通り、ブラッター会長が辞任を表明したことで、にわかに注目されることになったのが次期会長選。本来であれば、ブラッター氏を辞任に追い込み、現役時代に「将軍」の異名を誇ったプラティニ氏が最有力視されるが、すんなりと進まないところにFIFAが抱える“闇”がある。今回の「贈収賄事件」が2010年の前に戻るか、以降に発展するかで、捜査当局とFIFA首脳の間でせめぎ合いが続いているからだ。 現時点では、米国の捜査当局は「1991年以降の贈収賄だけでも計180億円の疑惑がある」とし、過去にさかのぼる方向性を示唆している。先にも書いたが、'91年は日本が2002年W杯招致活動を始めた時期と重なる。狙いを定めているのは、熾烈を極めた揚げ句、予想外の共催で落着した日本と韓国の招致争いという見立てである。 「トヨタカップの実績に加えて当時のジョアン・アヴェランジェFIFA会長(ブラジル)の後押しもあり、当選確実とみられたのにもかかわらず、日本より招致活動が遅れていた韓国が、鄭夢準韓国サッカー協会会長を先頭に、政財界を挙げて招致活動に乗り出し、これをひっくり返した。アヴェランジェ氏の後のFIFA会長を狙っていた当時のUEFA会長、レナート・ヨハンソン氏(スウェーデン)に接近し、欧州を味方に付けたのです。結果、2002年W杯は日韓の一騎打ちとなり、アヴェランジェ氏の側近だったブラッター事務局長(当時)が韓国との共催にする案を持ち出し、韓国を懐柔するとともに日本にも恩を売り、FIFA会長に就いた経緯がある。このドンデン返しには、双方で巨額の金が動いたとされています。日本は各国協会や国にドーンと資金援助したのに対し、韓国は21人いたFIFA理事個人にベンツ1台分相当の資金が流れたと噂になったものです。米国司法当局は、このときの資金の流れを掌握している。アヴェランジェ政権の金庫番がブラッター氏だったわけですから、これは過去の話として封印したいのです」(ベテランサッカー記者)
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スポーツ 2015年06月17日 18時00分
USA発 新聞、テレビではわからないMLB「侍メジャーリーガーの逆襲」 今季絶好調で念願のオールスター出場へ… 地元メディアが称賛する青木宣親“本当の評価”
青木宣親(ジャイアンツ)に対する評価が日に日に高まっていて、地元サンフランシスコのメディアは「ノリ・アオキ、ジャイアンツの新しい起爆装置」(ゴールデンゲート・スポーツ)、「青木は打撃成績の数字以上の値打ちがある男」(MLBコム)といった見出し付きで活躍を伝えている。メディアが称賛しているのは次の四つの点だ(評価の高い順)。(1)際立って高い出塁率 青木は今季打撃好調で打率3割1分1厘(6月3日現在)はナ・リーグ打撃十傑の9位。そのうえ選球眼がいいため四球が多く出塁率が際立って高い。ジャイアンツは昨季ワールドシリーズ制覇を果たした強豪チームだが、トップバッターだけは適材が不在で、一番打者の出塁率はリーグ平均より多少低い3割1分4厘だった。それが、今季は出塁の鬼=青木の加入で様相が一変。ジ軍の一番打者の出塁率は6月3日現在3割8分9厘でリーグ1位だ。(2)メジャー1三振をしない男 青木は追い込まれても相手投手の決め球をカットしてしのぎ、滅多に三振しない。ブリュワーズに在籍した一昨年は三振に倒れる頻度が16.9打席に1回で「メジャーで一番三振しない男」になった。ロイヤルズでプレーした昨季はやや三振が多かったが今季は一昨年のペースに戻り、三振数がリーグ最少。5月8日から6月1日まで85打席連続無三振も記録し「メジャーで一番三振しない男」に返り咲く可能性が高くなっている。ジャイアンツは本拠地(AT&Tパーク)がメジャー屈指の広い球場であるため、一発ではなく打線のつながりで勝つチームだ。そのため青木の「三振しない能力」は球団首脳から高く評価されている。(3)1点が欲しいときのキーマン ジャイアンツはリリーフ陣が強力で接戦に強いチームだが、機動力を発揮できる打者が不在で昨年は盗塁と送りバントの数がリーグ最少だった。そのため1点を欲しい場面で足や小技を使った攻撃ができなかったが、今季は盗塁とバントに長けた青木の加入でチームの盗塁数と送りバント数がリーグ平均レベルに増加している。(4)意外に広い守備範囲 青木は昨年ロイヤルズでプレーしたが、4人目の外野手に守備範囲が驚異的に広いダイソンがいたため、ゲーム終盤にダイソンが青木に代わって守備固めに入ることが多かった。それによって守備力が過小評価されることになり、ジャイアンツも守備に関しては期待していなかった。ところがレフトで使ってみると肩は並だが守備範囲の広さは予想していたよりずっと広く、広いAT&Tパークにピッタリで、守備面での貢献も大きい。 ジャイアンツファンの多くは開幕前、青木に大きな期待をいだいていなかった。年俸がメジャーの平均レベル(400万ドル=4.8億円)で、年齢も30代半ば、オープン戦での成績も悪かったので、レギュラーが務まる選手のようには見えなかったためだ。 ところがいざシーズンが始まると、走攻守すべてでハイレベルな活躍を見せ、不動のリードオフマンとなったため、青木ファンが急増。現在進行中のオールスター投票では6月2日時点で101万票を獲得しナ・リーグの外野手部門の次点(4位)に付けている。 外野のイスは三つあり、順位を一つ上げて3位に入ればオールスターにスタメンで出場できる。6月2日現在、3位は昨年の本塁打王ジャンカルロ・スタントンで差は20万票ほどだ。 スタントンは今季も打点王レースの先頭を走っているが所属するマーリンズは不人気球団だ。しかも今季は負けが込んでファンの意気も上がらない。それに対し、人気球団のジャイアンツは今季も好調なのでファンも応援に熱が入っており、オールスター投票の締め切り前には大量の駆け込み票を期待できる。 それが不十分でファン投票で選出されなくても、現在の打撃成績を7月初旬までキープしていれば、監督推薦で出場できる可能性もかなりある。今年のオールスターはジャイアンツ、ボウチー監督がナ・リーグの指揮を執るからだ。 大リーグは球団数が日本の2.5倍あるため、メンバーに選出されることは容易ではない。年俸1000万ドル超の名のある選手でも、出場経験のない選手がゴロゴロいる。 青木が選出されれば、大きな名誉になるだけでなく、来季以降の契約にも好材料になるだろう。 ジャイアンツとの契約では今季550打席をクリアすれば、来期は年俸550万ドルでジャイアンツに残留できることになっている。しかし、それは今季の活躍に見合った金額ではない。青木が欲しいのは3年3000万ドルレベルの複数年契約だと思うが、メジャーでは30代半ばになった選手は極端に冷遇されるので、複数年契約はたやすいことではない。それを勝ち取るためにも、オールスターに出場して箔を付けておきたいところだ。スポーツジャーナリスト・友成那智ともなり・なち 今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流。アメリカ野球に造詣が深く、現在は各媒体に大リーグ関連の記事を寄稿。'04年から毎年執筆している「完全メジャーリーグ選手名鑑」(廣済堂出版)は日本人大リーガーにも愛読者が多い。
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