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W杯日韓大会に捜査網拡大 ジーコVS鄭夢準 次期FIFA会長をめぐる責任転嫁の代理戦争(3)

 そこでブラッター氏が米国司法当局と取引しているのが、2018年ロシアW杯と2022年カタールW杯の招致。こちらには、同氏と反目するプラティニ氏が深く関わっているからだ。舞台裏を誰よりもよく知るのは、他ならぬFIFA会長なのである。
 「カタールW杯が決まった2010年、プラティニ氏はエリーゼ宮殿に招かれ、サルコジ・フランス大統領からカタールへの投票を要請されたのです。当時、フランスはユーロ危機に見舞われ、経済状況が悪化していた。しかし、カタールW杯が決まれば、スタジアム建設をはじめ、インフラ整備でもフランス企業が参入できる。フランスの名門チーム、パリ・サンジェルマンにカタールの政府系投資ファンドが出資するという話もあった。結局、それまで2022年米国W杯を指示していたプラティニ氏はカタール支持に寝返った。そのときのプラティニ氏の豹変が不正取引の証拠とされ、“カタールゲート”として報じられている。ブラッター会長はこの情報を差し出す見返りに、日韓W杯を封印しようとしているのです」(同)

 この構図がそのまま形となって現れたのが、次期FIFA会長選。日本はアヴェランジェ前会長、ブラッター会長の後継者として“神様”元日本代表監督のジーコ氏を擁立する構え。一方、韓国もFIFA元副会長の鄭夢準氏が手を挙げている。
 「ともに2002年日韓W杯の招致が問題になった場合、相手国に疑惑をなすり付けようという魂胆です。ああ見えて、ジーコ氏はスキャンダルには無縁の男。浮いた女の噂さえない。クリーンで、本業のサッカー以外のカネは受け取らない。南米と欧州が贈収賄でもめている今、選挙をすれば、かなりの支持が集まるでしょう。そうなっては困る韓国は、鄭夢準を使ってプラティニ氏に急接近し、日韓W杯招致がそうだったように日本案をひっくり返そうとしているのです。日韓共催に至った招致合戦の“闇”があるだけに、双方引くに引けないのです」(日韓W杯招致関係者)

 疑惑は2018年ロシアW杯の招致にもあるが、こちらはプーチン大統領が毅然と構えているだけに米国司法当局も手が出せない。果たして、捜査の網を日韓W杯へ向けるか、カタールW杯に進路を取るか、予断を許さないのだが、こんな見方もある。米国政府の真の狙いは「2022年W杯の強奪にある」と。
 「中東のカタールではさすがに夏開催は難しく、11月〜12月開催にしてもらう見返りに数百億円の放映権料をFIFAに支払った。この資金がFIFA幹部に流れ、2022年のカタールW杯開催につながった。これを立件できれば、カタールはW杯を返上せざるを得ず、一度は敗れた米国W杯が復活する。2022年W杯は日本も代替開催を狙っていますが、米国捜査当局に足元をつかまれており、身動きが取れない。落とし所は、2022年米国W杯、ジーコ新会長、そんな情報も流れてきています」(チューリッヒのFIFA本部を取材するスポーツジャーナリスト)

 とにもかくにも、スイスで噴出した“火砕流”が、日韓W杯に流れて来ないことを祈るばかりである。

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