スポーツ
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スポーツ 2016年09月15日 16時00分
友成那智 メジャーリーグ侍「007」 パワーピッチャーに変身「ダルビッシュ」に米国が注目
ダルビッシュ有のピッチングに大きな変化が見られる。スライダーを封印してフォーシーム(直球)主体のパワーピッチングを見せるようになったのだ。 彼にとってスライダーは伝家の宝刀と言っていいレベルのボールだ。サイヤング賞投票で2位になった2013年はスライダーが全投球の38%を占めていた。この年は277奪三振をマークしア・リーグの最多奪三振投手になったが、そのうちの178個はスライダーで奪ったものだった。トミージョン手術から復帰した今季も、7月下旬までは各試合17〜29%の頻度でスライダーを使っていた。 しかし、7月末頃からダルはスライダーを大幅に減らし、直球主体に転じた。それを象徴するのが、岩隈久志との投げ合いを制した8月30日のマリナーズ戦だ。 この試合、ダルは初回から150キロ台中頃の豪速球で押しまくるピッチングを見せ、三振と凡フライの山を築いた。スライダーを使用したのは3度だけで、豪速球が全投球の6割に達し、変化球はタイミングを外す目的とアイレベルを狂わす目的でカーブを20%くらい交えた程度だった。 この変化は、スライダーが威力を失ったからではない。ダルのスライダーは依然評価が高く、米国の野球データ会社やアナリストが行う球種評価で、トップレベルにランクされている。豪速球主体のピッチングに切り替えたのはフォーシーム(直球)の威力がスライダーのそれを凌ぐようになり、最近ではど真ん中に投げてもほとんど打たれなくなったからだ。 ダルの直球の威力には米国のスポーツメディアも注目していて、MLBコムに掲載された特集記事ではボールに以前よりずっと強いバックスピンがかかるようになったことが詳しく書かれていた。 「現在ダルビッシュのフォーシーム(直球)はスピン量が2485rpm(1分間の回転数)もある。これはメジャーでベスト10に入るレベルだ。そのおかげで今季はフォーシームの空振り率が31.7%もある。これはメジャーで2番目に高い数字だ」(マイク・ペトリエーロ記者) トミージョン手術明けの年に直球の威力が格段にアップ−−これは奇跡に近いことだ。 メジャーリーグでは平均すると毎年30人くらいがトミージョン手術を受けている。そのうちの20〜30%の投手は以前より球速が増し、スピン量もアップする。最大の要因は、若い投手ほどリハビリで体幹が鍛えられるからだ。 日本人大リーガーでは、レッドソックスの田澤純一が手術後、以前より急速が4、5キロアップし、球威も格段に増した。 しかし、球速や球威がアップするのは、術後2年が経過したあたりからだ。術後1年ちょっとで復帰して、いきなり球速も球威も大幅アップしたというケースはほとんどない。 「ダルビッシュのケースは球史に残るレベルのトミージョン手術成功例だよ。この手術は24カ月で100%の状態(以前の状態)に戻るといわれているけど、ダルビッシュは17カ月で120%の状態になっているんだから」(スポーツ専門局の記者) 復帰1年目の球速アップは、通常のリハビリを超えた過酷なトレーニングに取り組んだ成果と言っていい。今やダルの全身の筋力、瞬発力は、メジャー屈指のレベルになっている。それを証明して見せたのが、8月25日のレッズ戦で見せたセンターバックスクリーンに飛び込むメジャー第1号本塁打だ。ダルは投手が打席に入らないパ・リーグ育ち。米国でも指名打者制を敷くア・リーグのチームでプレーしているので、これまで打席に入る機会はわずかしかなく、インターリーグのゲームで年に3〜5回あるだけだ。 そのわずかな機会に125メートルの特大アーチを放ったことは、パワーが著しくアップしていることを図らずも知らしめることになった。 それに加え、8月上旬にトレードで加入し、ダルの新しい女房役となったベテラン捕手ジョナサン・ルクロイが速球主体のリードをするキャッチャーで、直球をどんどん要求してくるので、ダルもテンポよく直球を投げられるという事情もあるようだ。 ダルがパワーピッチャーに大変身したことはポストシーズン進出が確実になったレンジャーズにとって、願ってもないニュースだ。レ軍はポストシーズンに左腕のコール・ハメルズとマーティン・ペレス、それにダルの3人ローテーションで臨むことになるが、ハメルズはポストシーズンがやや苦手で、昨年もディビジョンシリーズに2試合登板し1勝もできなかった。M・ペレスは防御率がリーグ平均以下で安定感にかける。頼れるのはダルだけなので、彼の大変身は願ってもない朗報なのだ。ともなり・なち 今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流。アメリカ野球に造詣が深く、現在は大リーグ関連の記事を各媒体に寄稿。日本人大リーガーにも愛読者が多い「メジャーリーグ選手名鑑2016」(廣済堂出版)が発売中。
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スポーツ 2016年09月14日 16時00分
韓国検察がロッテ財閥解体着手で千葉ロッテマリーンズ身売りへ
広島カープの「25年ぶりのリーグ優勝」に沸く球界で、「ロッテ身売り」の情報が水面下で流れ、衝撃が走っている。韓国検察がロッテ財閥解体に着手し、それに伴い千葉ロッテマリーンズの重光武雄オーナーも「球団の身売りは避けられない」と判断したという。 韓国ロッテグループの裏金捻出疑惑などを調べているソウル中央地検は9月1日、グループ創業者である重光武雄氏(韓国名・辛格浩=93)の長男で、日本のロッテホールディングス(HD)前副会長の重光宏之氏(韓国名・辛東主=62)を横領などの容疑で聴取した。これといった勤務の実態も役割もないにもかかわらず、系列会社の取締役として登記されていただけで、10年余りにわたって数百億ウォン(数十億円)の役員報酬などを受け取っていた疑惑がもたれている。 系列会社の間で行ったとみられる秘密資金作り疑惑の一連の捜査は、グループナンバー2でグループ全体を統括する司令塔役だった李仁源・政策本部長(副会長)が8月26日に自殺したため中断していたが、これにより再開。創業家次男でグループ会長の重光昭夫氏(韓国名・辛東彬=61、千葉ロッテオーナー代行)も近く、取り調べを受ける可能性があるという。 一連の捜査では、武雄氏の長女(兄弟2人の異母姉)で、ロッテ奨学財団理事長の辛英子容疑者(74)が背任収財や横領の疑いで韓国検察に逮捕されている。ロッテ免税店への出店の便宜を図る見返りに、約3億円の裏金を受け取った容疑だ。 「日本では、長男、次男、長女による武雄氏の跡目をめぐるお家騒動のように報じられているが、韓国検察が目指すのは財閥解体です。そして武雄氏が、日本のロッテHDの持ち株を3人に贈った際の贈与税の問題もあります。こうした捜査を終えた後、武雄氏の取り調べに入り、韓国第5位の巨大財閥ロッテ解体に取り掛かることになる」(財界誌記者) 韓国のロッテグループ売上高の比率は、日本が約4000億円であるのに対し、韓国は約4兆9000億円といわれるが、日本のロッテグループの利益率は高い。その中で日本ロッテの足を引っ張っているのが、千葉ロッテマリーンズの赤字だ。宣伝費の名目で年間20億円超の赤字分を補てんしているという。 ロッテグループは、韓国にもロッテジャイアンツを所有している。そのため不良債権化した千葉ロッテの売却を求める声が強かったが、武雄氏はこれまで「日本での成功者の証」である球団売却には、頑としてして首を縦に振らなかった。 とはいえ、今回の騒動で武雄氏が完全に経営から外れることになり、球団身売りは避けられないというのが関係者の見方だ。 しかし、プロ野球人気がジリ貧なのに加え、ITバブルにも陰りが見えている昨今、かつてのソフトバンク、楽天、DeNAのように勢いのある新興企業はプロ野球の球団経営に興味を示さなくなっている。加えて、ファン離れが続く中日、神宮球場が取り壊しになるヤクルトにも球団売却の噂があり、マリーンズの高額売却は難しいのが現状だ。 「千葉ロッテがカープのような市民球団として生き残るのか、球団参入に意欲を持つ『LIXIL』などが買収するかはともかく、ロッテが球団経営から撤退するのは確実の状況になっている」(ロッテ担当記者) パ・リーグは首位を争うソフトバンクと日本ハムが丁々発止の戦いを続けるが、クライマックスシリーズでは、かつて3位から日本一に駆け上がったロッテも侮れない。資産価値を上げるため、目の色を変えた“確変”があるかもしれない。
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スポーツ 2016年09月13日 16時00分
広島カープの常勝チーム4年計画と黒田、新井コーチ残留案
25年ぶりの優勝カウントダウンの次は…。緒方カープの照準はクライマックスシリーズに向けられているが、「簡単には日本シリーズに駒を進められそうもない」とも思っているようだ。 「キーマンは、やはり黒田と新井の両ベテラン。今の広島ナインは経験値が少ないので」(球界関係者) 黒田博樹(41)が広島投手陣に及ぼした影響力は大きかった。チームにマジックナンバーが点灯した8月24日、先発した福井優也は打球が右すねを直撃するアクシデントに見舞われたが、再びマウンドに立った。その勝利に対する執念が“黒田効果”なのだ。 「黒田は先発ローテーションを守ることの意義、重要性などの『エース論』を伝えました。言葉ではなく、自らの背中で」(同) 新井貴浩(39)も秋季キャンプから1日2000スイングを自らに課し、黙々とバットを振り続けた。それがスタメンを張る体力と活躍につながったが、「新井さんが頑張っているのだから…」と、若手野手陣も奮い立たせた。球界では「チームが強くなればなるほど、ベテランが必要」と言われていたが、黒田と新井はそれを具現化したのである。 「戦力的に考えれば、マエケンのいた昨季の方が充実していました。なぜ、去年がダメで今年が強いのか? 黒田帰還から、カープナインの意識改革に1年を要したとも解釈できます」(同) 広島のレギュラー陣は若い。1番の田中広輔から3番の丸佳浩まで20代。将来の大砲候補・鈴木誠也はまだ22歳だ。そう考えると、「強い広島」はしばらく続きそうだが、そのためには彼らの中から“第2の黒田、新井”が出てもらわなければならない。 「5年先も彼らがレギュラーを張っている可能性は高い。若手の中からリーダーシップを持った選手の名前がまだ出て来ないということは、そんな選手はいないことを意味しています。いずれ田中、菊池(涼介)、丸も新井らを越えなければ…」(プロ野球解説者) 黒田、新井は年齢的に見て、そう長く現役を続けられないだろう。“その日”が来たら、彼らを解説者として外で勉強させるのではなく、「即、コーチに就任させるべき」という声も浮上してきた。 「30日、藤浪(晋太郎)が1回7失点でKOされた後、福留(孝介)が試合中にもかかわらず喝を入れました。その後、鳥谷(敬)も諭すような口調で叱り、最後は狩野(恵輔)が歩み寄り、何も言わず、藤浪の肩を叩いて暫く一緒にいました。こういうチームは強くなる。藤浪がベテランになったとき、『福留たちのようにならなければ』と思うでしょうし、黒田、新井以外となれば田中や丸たちとなる。彼らが“兄貴分”となってチームを引っ張っていくでしょうが」(ベテラン記者) 広島グッズはどれも“バカ売れ”が続き、カープ女子ブームも継続中だ。しかし、カープ本に限っては、黒田や新井を扱ったものに人気が集中しているという。 それも当然の話。今の広島の立て役者は黒田、新井の両ベテラン以外にいない。
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スポーツ 2016年09月13日 10時00分
大相撲秋場所 白鵬引退もある “不安材料”満載の中、稀勢の里「綱取り」三度目の正直なるか
横綱白鵬(31)は東京五輪まで現役を目標に掲げていたが、「五輪の1年前に引退。引退相撲が1年後だから、オリンピックで最後の土俵入りになるかな。4年やるってわけじゃない」と引退計画も語った。 そんな不安材料満載の中、大相撲秋場所が9月11日から東京・両国国技館で始まる。前売り入場券の売れ行きは上々。ファンの関心も高いが、もしかすると盛り上がりに乏しい、低調な場所になるかもしれない。 それを予兆させるのが、史上3人目の通算1000勝まであと3勝と迫っている横綱白鵬の動向だ。先場所の白鵬は終盤に大きく崩れ、横綱になってワーストタイの10勝5敗に終わった。 先場所千秋楽、日馬富士に敗れて引き上げてきた白鵬は明らかに不機嫌な様子で、「(止まらずに)攻め続ければよかった」と、取材のためにそばに来た報道陣を手で制し、わずかに反省の弁を述べただけで足早に引き上げている。 この雪辱を期すためもあって、8月の夏巡業はすこぶる意欲的だった。休場者が相次ぐ中で、最後まで土俵に上がり続けたが、そのツケが左ひざに出た。 「白鵬は先場所9日目の勢戦で踏み込もうとしたときにつまずき、右足の親指を痛めました。この翌日、『万全の治療をしたから大丈夫』と話し、相撲への影響も感じさせませんでしたが、場所後、再検査を受けたところ、ヒビが入っていたことが判明したのです。夏巡業の間、この痛めた右足をかばい続けたため、反対の左ひざに負担が掛かり、痛みが出てしまいました」(担当記者) 巡業を終えた白鵬は、階段を上がるのもやっと、という状態。もちろん、稽古どころではなく、2日に両国国技館内で行われた横審の稽古総見も休んでしまった。もし秋場所を休場するようなことがあれば、横綱になって初めての“全休”となる。 3場所連続して綱取りに挑む大関稀勢の里(30)にとっては大きな追い風となりそうだが、この注目の大関の調子もいま一つ。稀勢の里も先場所、右足首を痛め、夏巡業の前半を休場した。 その影響が出たのか、2日の稽古総見では日馬富士に手玉に取られ、なんと8連敗。いいところなしの稀勢の里は、「相手が横綱だから、こんなもんじゃないですか」と淡々と話していたが、横審の守屋秀繁委員長は「稽古で勝てないようでは、本番では勝てない。日馬富士の連続優勝じゃないか」と呆れ顔だった。 拍手喝采が轟く代わりに、溜め息ばかりが漏れる秋場所にならなければいいのだが…。 それにしても稽古とはいえ、稀勢の里の対日馬富士戦8連敗とはなんとも情けない。
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スポーツ 2016年09月11日 16時00分
プロレス解体新書 ROUND17 〈電流爆破マッチの衝撃〉 団体の浮沈を懸けた究極の闘い
旗揚げ当初は場末のイロモノ感が満々。正統派のプロレスファンから白眼視され、FMW(フロンティア・マーシャルアーツ・レスリング)は「もって1年」と言われていた。 だが、一発逆転を期した大勝負“ノーロープ有刺鉄線電流爆破デスマッチ”の成功により、弱小団体の状況は一変。大仁田厚の人気は爆アゲ状態となった。 1989年に大仁田厚が立ち上げたFMWは、正式名称にもあるように、もともとはマーシャルアーツ=格闘技を多分に意識した団体であった。初期に興行の軸となったのは、青柳政司率いる誠心会館との抗争で、プロレス対空手の異種格闘技戦。 ほかの参加選手を見ても、日本勢ではサンボ浅子、ザ・シューター、キックボクシングの上田勝次に柔道の徳田光輝。外国勢も柔道世界選手権95キロ超級優勝のグレゴリー・ベリチェフやテコンドーのリー・ガクスーといったように、格闘色を前面に出した面々がそろっていた。 「とはいえ、大仁田が最初に全日本プロレスを引退したのは、膝の粉砕骨折によってまともに動けなくなったため。当然、ガチの格闘技などできるはずもなく、UWFブームにあやかって格闘技を名乗ったに過ぎません」(プロレスライター) しかし、それは観客も承知のこと。当時はUWFの影響で、プロレス界全体がスポーツライクな方向へと進み、本来持ち合わせていたはずの猥雑さが薄れていた。そのことへの反発から、インチキ臭さを求める物好きなファンが、FMWの会場に集まって来た。 '90年1月に開催された総合格闘技オープントーナメントで、“イス大王”の栗栖正伸が優勝した際、暴動寸前まで観客席が荒れたのは、もちろん「格闘技をイス攻撃で冒とくしたから」ではない。それは参加選手たちの未熟さによる低調な試合ぶりへの不満であり、さらには暴動すらも楽しもうというマニアならではの悪癖であった。 「当時“FMWですら楽しめてこそプロレス通”という冷やかしムードは、確かに強かったですね」(同) しかし、そんな空気を変えることになったのが、アイディア勝負の過激なデスマッチ路線であった。 前出のトーナメント覇者である栗栖との完全決着のため、同年2月に行われた有刺鉄線バリケードマットマッチでは、大仁田と栗栖が共に鉄トゲで傷だらけになり、格闘技とはまた別の意味でのリアリティーを訴えかけた。 ストリートファイト・デスマッチでは、選手たちが観客席を練り歩くことで、会場の一体感を醸成することにもなった。 メジャー団体では見られないうさん臭さに釣られて、物見遊山のつもりで来場した観客の中から、徐々にではあるが熱狂的な大仁田信者が生まれ始めた。 そうしたデスマッチ路線の集大成となったのが、'90年8月4日、旧汐留駅跡地の野外特設会場で行われたノーロープ有刺鉄線電流爆破マッチだ。 そこに至るまでのストーリー−−FMW創設時から大仁田の盟友として戦ってきたターザン後藤の造反というアングルも、一部信者を除く大半の観客にとっては二の次のこと。 朝からの雨が午後にはすっかりあがる幸運にも恵まれ、「電流爆破っていったい何だ?」との興味から集まった観衆は4520人。旗揚げから1年に満たない団体としては異例のビッグマッチとなった。 だが、あくまでも大半の観客は怖いもの見たさの興味本位に過ぎず、これを満足させて初めて成功となる。大観衆を前にしてショッパイ試合をした日には、評判ガタ落ちとなり、逆に団体の未来を失うことにもなる。 「リングの周りに張り巡らせたロープ代わりの有刺鉄線に電流を流し、無数のプラスチック爆弾をぶら下げる。そんな説明を聞いても半笑いのままの観客は多かった。取材記者たちも“ショボくて記事にならないかも”と半信半疑でした」(スポーツ紙記者) だが、試合開始のゴングが鳴ってまもなく、そんな疑念は消し飛ぶことになる。 大仁田が有刺鉄線に触れた瞬間、パパーン! と激しい爆破音が鳴り響き、リング上が隠れるほどの火花が上がると、会場の全員が息を呑むことになる。そうして一瞬の間があった後、客席のあちこちからざわめきが湧き起こった。 そこからは大仁田と後藤、それぞれが有刺鉄線に近づくたびに悲鳴が上がり、耳を押さえて涙ぐむ観客もいたほどだった。 何度かの爆発が繰り返されるうちに両者のコスチュームは裂け、おびただしい血が流れ、火薬の臭いと煙が立ち込め、ついには「分かったからもうやめてくれ!」と観客が絶叫する。 サンダーファイヤー・パワーボムの3連発で大仁田が勝利すると、歓声よりも「ようやく終わった」との安堵の声が聞かれたほどだった。 もはやFMWを好奇の目で見る者はおらず、自然発生した大仁田コールは延々と止むことがなかった。
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スポーツ 2016年09月11日 12時00分
G1覇者ケニーが本格始動!ブリスコ兄弟とヤングバックスが兄弟対決!【新日本9.22広島大会展望】
新日本プロレス秋のビッグマッチ第2弾は、9月22日に広島サンプラザホールで開催される。すべての結果は来年の1.4東京ドームへと続いていく。今回は広島大会を展望したい。『DESTRUCTION in HIROSHIMA』9月22日(木・祝)広島サンプラザホール 17時開始▼全対戦カード(1)8人タッグマッチ 20分1本勝負真壁刀義&本間朋晃&ヨシタツ&キャプテン・ニュージャパン 対 天山広吉&小島聡&リコシェ&マット・サイダル(2)8人タッグマッチ 20分1本勝負柴田勝頼&永田裕志&中西学&タイガーマスク 対 カイル・オライリー&ボビー・フィッシュ&田口隆祐&デビッド・フィンレー(3)タッグマッチ 20分1本勝負ロッキー・ロメロ&バレッタ 対 タマ・トンガ&タンガ・ロア(4)タッグマッチ 20分1本勝負後藤洋央紀&石井智宏 対 高橋裕二郎&チェーズ・オーエンズ(5)8人タッグマッチ 20分1本勝負マイケル・エルガン&棚橋弘至&ジュース・ロビンソン&KUSHIDA 対 内藤哲也&SANADA&EVIL&BUSHI(6)IWGPタッグ選手権試合 60分1本勝負<第71代王者組>ジェイ・ブリスコ&マーク・ブリスコ 対 マット・ジャクソン&ニック・ジャクソン<挑戦者組>※第71代王者組2度目の防衛戦(7)ROH世界選手権試合 30分1本勝負<王者>アダム・コール 対 ウィル・オスプレイ<挑戦者>(8)スペシャルシングルマッチ 30分1本勝負オカダ・カズチカ 対 バッドラック・ファレ(9)2017年1月4日東京ドーム大会・IWGPヘビー級王座挑戦権利証争奪戦 60分1本勝負<権利証保持者>ケニー・オメガ 対 YOSHI-HASHI<挑戦者> 第1試合から、真壁、本間、ヨシタツにキャプテンを加えた4人が、小島&リコシェ&サイダルのNEVER無差別級6人タッグ王者組に天山を加えたチームと対戦する豪華なカードが実現。今後、真壁&本間がヨシタツを加えたトリオで6人タッグ王座に挑戦するのも面白いかもしれない。そんな可能性も秘めているオープニングマッチだ。 第2試合では9.17大田区大会で、NEVER無差別級のベルトをかけて対戦する柴田とフィッシュが再び激突する。柴田は先月のROH遠征でフィッシュだけではなく、オライリーにも敗れており、大田区大会の結果次第では新たな遺恨が生まれているかもしれない。対ノアでも結束を固めている永田&中西とのタッグにも注目だ。 第3試合ではジュニアのタッグ戦線を賑わせている六本木ヴァイスが、前IWGPタッグ王座チーム、G.O.Dと対戦。六本木ヴァイスは、この日、ジュニアとヘビーの枠を超えてIWGPタッグ王座に挑戦するヤングバックスをライバル視しており、この試合に勝って自分たちもヘビー級のベルトに挑戦したいと思っていても不思議ではない。一方、G.O.Dはこの試合を圧勝してブリスコ兄弟にリベンジしたいところだろう。 第4試合もIWGPタッグ王座を狙っている裕二郎&オーエンズが登場。CHAOSの中軸である後藤&石井と対戦する。今年のG1では準優勝にまで駒を進めた後藤だが、G1後にはこれといってチャンスが与えられていない。ただ今シリーズの後藤は絶好調。「いまはプロレスが楽しくて仕方がない」という。またG1で結果を残せなかった石井も中邑真輔が退団後、正式なパートナーがいないこともあり、なかなか闘いの中心に入り難い状況にあることから、この二人が正式にタッグを結成し、IWGPタッグ戦線に入り込んでいったら面白いのではないだろうか。この試合の結果如何では化学反応を起こすかもしれない。 第5試合は、9.25神戸大会でのIWGPインターコンチネンタル戦を控える、エルガンと内藤の前哨戦。9.17大田区大会でIWGPジュニア戦を行うKUSHIDAとBUSHIも再び顔を合わせることになる。また連日対戦している棚橋とSANADAの絡みは、次期シリーズにつながる可能性があるだけに見逃せない。 第6試合ではアメリカではドル箱カードと呼ばれているカードが新日本マットで実現。IWGPジュニアタッグ王者チームが、IWGPタッグ王座に挑戦するのは初めてだが、ヤングバックスはアメリカでは体重差を全く感じさせない試合で、いろんなタッグタイトルを獲得しているだけに、史上初のIWGPタッグベルト二冠王も夢ではない。しかし、ブリスコ兄弟はここ数年のIWGPタッグ王者チームの中で最も強いのではないかという呼び声も高く、かなりハイレベルな試合が見られるのは間違いなさそうだ。 第7試合ではこちらもジュニアのウィル・オスプレイが、アダム・コールが保持するROH世界王座に挑戦する。コールは先月ROHブルックリン大会で、前王者のジェイ・リーサル、棚橋、内藤と4WAYによるタイトル戦を行い防衛に成功している。オスプレイも11月にROHイギリス遠征への参加が決定しているだけに、大きな手土産を持って帰りたいところ。どんな試合になるのか予測不能なカードである。 セミファイナルは、IWGPヘビー級王者オカダが、G1で敗れたファレとノンタイトルで対戦。もしオカダがまた敗れるようなことがあれば、今後の防衛ロードも修正を余儀なくされることになるのは確実で、1.4ドーム大会のメイン出場へ暗雲が立ちこめることになるため、きっちりとリベンジを果たして、メインの盟友YOSHI-HASHIにつなぎたい。 メインイベントは、『G1クライマックス26』の覇者ケニーが、来年の1.4ドームでIWGPヘビー級王者に挑戦できる挑戦権利証をかけて、G1で敗れたYOSHI-HASHIの挑戦を受ける。YOSHI-HASHIは2011年の1.4ドーム大会でオカダとダブル凱旋試合と銘打ってシングル対決を行ったが、会場が全く沸かず、お互いに消化不良に終わった苦い想い出がある。それはオカダも同じ思いのようで、9.6栃木大会の試合後に、「このベルトをかけて、ドームでYOSHI-HASHIさんと試合をする」とマイクアピールをしている。YOSHI-HASHIにとって新日本マットでシングルのメインに立つのは今回が初めて。しかもビッグマッチでの抜擢と期待度は高い。しかし、命を削るような闘いでG1を制したケニーにとっても、新しい時代の構築に向けて、本格始動するこの試合を落とすわけにはいかない。そんなケニーをYOSHI-HASHIが連勝したら、これは本物だ。ケニーが同じ過ちを犯すとは考え難いが…。(どら増田)新日Times VOL.34
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スポーツ 2016年09月10日 16時00分
友成那智 メジャーリーグ侍「007」 サイヤング賞も狙える? 「田中将大」の2017年
名門ヤンキースは今季、序盤から打線の中軸が機能せず得点力が大幅に低下、勝率5割の線を行ったり来たりする状態が続いた。その状態はシーズン後半(7月15日〜)になっても改善されなかったため、7月末になって球団はプレーオフ進出の望みが完全に消えたと判断し、再建モードに入った。 メジャーリーグの場合、再建モードに入った球団が最初にやるのは、トレード期限の7月末に行う大型トレードである。このトレードで再建モードに入った球団が優勝を争う球団に高額年俸の主力選手を放出し、見返りに1〜3年後に主力選手に成長しそうなマイナーのホープを獲得する。ヤンキースもシーズン前半、貢献度が最も高かったセットアッパーのA・ミラー、メジャー最速のクローザーであるチャップマン、シーズン前半で打率、本塁打、打点がチーム1だった主砲ベルトラン、先発4番手のノバの4人を放出し12人のマイナーのホープを獲得した。 再建の次のステップは、チーム最大の不良資産となっていたアレックス・ロドリゲスの解雇である(表向きは引退)。契約が来季まであるので、ヤ軍は今季の残存年俸600万ドル(6億円)と来季の年俸2000万ドル(20億円)をドブに捨てる形になったが、もはや戦力になる見込みがないため、損切りを決断したのだった。 さらにヤ軍は不良資産選手の代表格タシェアラ(年俸2200万ドル=22億円。引退予定)及びサバシア(年俸2500万ドル=25億円)と契約が切れる。 その結果、チームは一気に身軽になり、新戦力の補強に回せるカネが8000万ドル(80億円)前後できる。 今オフ、ヤンキースが重点的に補強するのは先発投手と中軸を担う大砲である。 先発投手はエース、準エース級を計2人。中軸を担う大砲は2〜3人ほど獲得したいところだ。 このうち大砲の方は80億円近い補強予算を使って獲得することになるだろう。今オフ、FAマーケットには打点王確実なエンカーナシオン(ブルージェイズ)、本塁打王レースのトップを走るトランボ(オリオールズ)をはじめ長距離砲の出ものが多いので、獲得に苦労することはないだろう。 先発投手の方は、今オフ、FA市場にいい出ものがないため、7月末に集めておいたマイナーの有望株を使って獲得を目指すことになるだろう。本来なら2、3年、有望株をじっくり育成して大きな戦力に育てるべきところだが、ヤ軍は常にハイレベルな即戦力を揃えて勝つチームなので、そのようなまどろっこしいことはしない。 チーム内には、捕手のホープ、G・サンチェスの台頭で存在感が薄れている正捕手マッキャン。パワーと足の衰えが顕著な正左翼手ガードナー、チャンスに結果を出せない正三塁手ヘッドリーなど、放出したい大物が数人いる。マイナーのホープ2、3人にこうしたベテランを加える形でトレードを仕掛け、エース、準エース級を獲得するだろう。 ターゲットになりそうな投手はホワイトソックスの剛腕左腕クリス・セイル、第2エースのホセ・キンターナ、ブレーブスの悲運のエース、フリオ・テヘラン、アスレチックスの大黒柱ソニー・グレイ、レンジャーズの奪三振マシン、ダルビッシュ有、サイヤング賞受賞経験がある左腕ダラス・カイクル(アストロズ)、コーリー・クルーバー(インディアンズ)あたりだ。 気になるのは、こうしたトップクラスの先発投手が移籍してきた場合、田中将大の扱いはどうなるか、ということだ。 結論から言えば、田中はメジャーのベスト20に入る投手と評価されているので、エースの座を滑り落ちることはない。セイルやクルーバーのような大物が加入した場合は、ダブルエースの1人という扱いになるだろうが、開幕投手はあくまでも生え抜きの田中が務めるだろう。 ヤ軍にもう1人、エース級の投手が加入することは、田中にとってマイナスではなく、大きなプラスになる可能性が高い。今季のヤ軍はローテーションに田中以外、頼れる投手がいなかった。そのため、田中はヒジの故障リスクがあるにもかかわらず基本的に中4日で起用され、酷使されている感があった。 もし、チームにもう1人、同レベルの投手がいれば、もう少し登板間隔に配慮した使い方をしてもらえる可能性が高い。そうなれば防御率が大幅によくなるだろう。今季、田中は中4日で登板したときは防御率が4.64だが、中5日で登板したときは1.99である。 現在ア・リーグの防御率1位はマイケル・フルマー(タイガース)の2.58である。もし、田中が中5日で登板する機会が大幅に増せば、これをしのぐ防御率を出すだろう。そうなればサイヤング賞も夢ではない。ともなり・なち 今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流。アメリカ野球に造詣が深く、現在は大リーグ関連の記事を各媒体に寄稿。日本人大リーガーにも愛読者が多い「メジャーリーグ選手名鑑2016」(廣済堂出版)が発売中。
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スポーツ 2016年09月09日 16時00分
選手会が出場ボイコットをチラつかせるWBC代表FA加算問題の行方
選手会が“休戦調停”を破棄し、噛みついた。 8月23日、日本野球機構(NPB)と日本プロ野球選手会の事務折衝が行われ、「侍ジャパンに選ばれたら、参加した日数をFA資格取得の登録日数に加算してくれ」と訴えたのだ。来年3月には第4回WBCを控えている。返答次第では前回同様、「出場ボイコット」とゴネるかもしれない。 「昨今、NPBと選手会は良好な関係を築きつつありました。熊崎勝彦コミッショナーが『現場の声を聞く』と歩み寄り、その誠意に選手会も打たれたからです。でも今年7月、コリジョンルールのシーズン途中の改定を巡り、様相が変わってきました」(ベテラン記者) 選手会は「WBC直後のペナント開幕ではベストパフォーマンスで臨めない」と、開幕日の延期を要望。NPB側はそれを却下し、当初の予定通り3月31日の開幕を発表した。「選手会が黙って引き下がるとは思えない」の声が多いのは、こうした経緯による。 代表招集期間を登録日数にカウントしないとなった場合、交渉連敗中の選手会は強硬手段に出るだろう。“出場辞退”が誰にとっても最悪のシナリオだ。 「痛手を被るのは、特に日本テレビでしょう。日テレは自社幹部が侍ジャパンを運営する会社の社長となりました。視聴率、入場者収益で伸び悩む侍ジャパンをサポートするため、全面支援する方向ですからね」(球界関係者) FA権取得日数は一軍登録145日で1年とし、国内は8年、海外は9年。1年間で一軍登録146日以上あっても2年目としてカウントされないが、2年以上で145日に達すれば、1年となる。代表招集は1カ月ほど。これまで146日目が無効になるリスクは指摘されていないだけに、今回の代表日数の加算は「難クセ」との声も聞かれた。 「選手会会長が嶋基宏(楽天)から内川聖一(ソフトバンク)に交代するとも言われている。新体制でナメられないため、選手会背広組による勇み足との指摘もされていますが、果たしてどうなるか」(同) 小久保代表監督も気が気ではない?
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スポーツ 2016年09月08日 16時00分
白鵬「4年後も現役で…」父と迎える東京五輪“親子鷹”
リオ五輪も終わり、帰国した選手たちの関心は早くも4年後の東京五輪に移っている。去就が定まらぬ選手が多い中、東京五輪について大相撲界で最も関心を抱いているのが、横綱白鵬(31)だ。 白鵬が初めて東京五輪について語ったのは、東京招致が決まった直後の平成25年秋場所千秋楽。27回目の優勝を決めて、土俵下で表彰インタビューが行われたときだった。 「また新たな目標ができました。2020年の東京オリンピックまで引退しないで頑張っていきます」 こう宣言し、満員札止めの館内から大きな拍手を浴びたのだ。 そして今年3月、大阪市で行われた大相撲春場所で優勝した横綱の白鵬は記者会見を行い、その中で、自身の父がアルツハイマー病であることを明かした。 白鵬と五輪、とは意外に思える組み合わせだが、実はこんな因縁がある。 「白鵬の父、ムンフバトさんは5大会連続して五輪レスリング競技に出場した、モンゴルの英雄です。2回目の出場となったメキシコ五輪のフリースタイルミドル級では、モンゴル初の銀メダルを獲得していますが、初めて五輪出場を果たしたのが昭和39年の東京五輪。もしかすると、長野冬季五輪のように力士が入場式の先導役や土俵入りを任されるかもしれませんから、“親子で東京五輪を”と強く願っているんです」(担当記者) この白鵬の熱い思いが実現すれば、歴史的な快挙となる。東京五輪まで「なんとしても現役で」と意欲を燃やしたくなるのも当然かもしれない。ただ、現在31歳の白鵬は、4年後には35歳。そのときまで体力がもつかどうか…。 「35歳を超えて活躍した横綱は、決して珍しくありません。7月31日に亡くなった千代の富士も、引退は35歳11カ月。30歳を過ぎてから19回も優勝しています。最も高齢で頑張った横綱は羽黒山で、引退したのは38歳10カ月でした。白鵬も十分やれますよ」(部屋関係者) この決意をにじますように、親交のある女子レスリングの吉田沙保里選手(33)にもこんなアドバイスを送った。 「いったん休んで、(東京五輪で)また復帰すればいいじゃない。結婚して子供を産み、今度はママで金メダルを狙って欲しい」 白鵬の今の強さから見て、あと4年は大丈夫そう。引退の文字はしばらく出そうにない。東京五輪“親子鷹”なるか!?
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スポーツ 2016年09月08日 06時00分
ベテランがエースを育てる 超変革のキーマンはやっぱり藤浪だ!(後編)
藤浪晋太郎(22)が中日戦で「1イニング7失点」と炎上し、福留孝介(39)らベテランに喝を入れられた(8月30日)。阪神はクライマックスシリーズ進出も危うくなってきた。藤浪は高卒1年目から2ケタ勝利を続けてきた。今年4年連続を達成すれば、球団史上、江夏豊氏以来の快挙となる。金本知憲監督(48)や担当コーチ陣は言葉にこそ出さないが、「なんとかしてやりたい」の親心もあるだろう。 「エースとして大きく育てたい。阪神のエース、日本を代表する投手に育てたいとの思いも強く持っています」(球界関係者) 今季不振の原因を投手出身のプロ野球解説者がこう説明する。 「ストレート自体は走っていると思います。でも、変化球が全て高めに抜けてしまうんです。ストレートが走っていて、変化球が制御できない状況が、投手にとっていちばん厄介なんです」 今さらだが、大炎上した日の舞台裏の話についても聞こえてきた。 「同日、その中日戦を中継した大阪のテレビ局は、放送開始時点で、藤浪はとっくに降板、1対7のワンサイドという、最悪の状況だったんです。藤浪が投げるから、大阪のテレビ局もそれなりの視聴率を期待していたと思いますが」(在阪記者) 伝統球団のエースである以上、さまざまなプレッシャーを背負うのは仕方ないことでもある。前政権下でのこと。優勝戦線から早々に脱落してしまうと、大阪のメディアは『阪神情報』で食えなくなる。そうなると、「期待の星」として、藤浪を特集してきた。執拗にメディアに追い掛けられるのは苦痛以外の何物でもないが、タテジマのエースと称された先輩たちはそれを乗り越えてきた。精神的にも強くなってもらうしかないのだ。 「昨年のちょうど今頃、藤浪は関西メディアの単独インタビューを受けています。そのときのインタビュアが矢野燿大コーチで、毎年終盤のチームの失速について質問されると、藤浪は『こんなふうでいいのか!?』と憤っていました。一歩間違えれば、内部批判ですよ」 藤浪はペナントレース終盤で失速するチームのなかにいて、闘争心を感じないと語り、だから自分が先頭に立って変えていきたいと話していたそうだ。その約1か月後、インタビュア・矢野は「作戦兼バッテリーコーチ」として入閣する。当然、その気概は金本監督にも伝えられた。おそらく、福留たちも藤浪の気概を知っており、エースとしてだけではなくチームそのものを背負って立つ存在になると信じているから、試合中にも関わらず、喝を入れたのではないだろうか。 「藤浪は頭の良い子ですよ。22歳なのにチーム全体のことを考えられるし、侍ジャパンに招集されると、他球団の先輩たちの話も聞き、さらに自分に合うものと合わないものを取捨選択しています」(前出・同) ストレートは走っているが、変化球が浮いてしまう状況。それについて、担当コーチが修正の方法を知らないはずがない。だが、藤浪の将来を思い、あえて『答え』を教えず、自分で考えさせているのではないだろうか。藤浪が不振を脱したとき、金本監督の超変革は一気に加速するだろう。
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