スポーツ
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スポーツ 2017年01月10日 16時00分
読売vs中日 落合GM強奪で新聞代理戦争が勃発か
暮れも押し迫った12月20日、中日ドラゴンズは落合博満ゼネラルマネージャー(63、以下GM)が契約満了により今年1月末で退任すると発表した。白井文吾オーナー(中日新聞社会長)は「1年前から決めていたこと」とコメント。球団役員会でも反対する声はなく、球団の他の役職などには就かないものの、契約満了に伴う円満退団を強調した。 「落合氏は、'04年に中日監督に就任すると、“オレ流”と呼ばれる独自の策を武器に8年間でリーグ優勝4回、日本一1回に導きました。GMとなった'14年以降のチーム成績は4、5、6位と振るいませんでしたが、コストカッターとして剛腕を示し、初年度に8億円もの選手人件費を削減。翌年オフには大量15人を引退、戦力外に追い込むなど、白井オーナーの信頼は揺るぎないものになっていました」(スポーツ紙記者) 優勝争いの常連になることで、チーム総年俸は肥大化。年間20億円近い赤字を出し続けていた中日ドラゴンズだったが、今度は落合氏がGMに就任することで財政状況が好転。親会社のトップでもある白井オーナーにすれば手放したくない懐刀だったはずだが、昨年8月、チーム低迷の責任を谷繁元信監督になすりつける形で休養させたことが命取りになったようだ。 「ファンが現場、フロントの喧嘩両成敗を望んだにもかかわらず、監督代行に腹心の森繁和ヘッドを起用したことで落合バッシングが一気に沸騰。球団には『オーナーや落合GMが球団を去らなければ、生命を脅かす』といった旨の脅迫文が届き、球団は愛知県警に被害届を提出していました」(同) この脅迫文の件は犯人特定に至っておらず、白井オーナーにすれば泣いて馬謖を斬るしかなかったのだろう。「やむにやまれぬ事情があった」と振り返った。 「しかし、脅迫文以上に中日新聞社首脳を悩ませたのが、新聞の不買運動です。中日は読売新聞とは対照的に、朝日新聞とともに安倍政権に批判的。大手自動車会社のお膝元だけに、労組関係者の読者も多く、論調が民進党に近い。そういったリベラルな読者に支えられているだけに、経営陣に媚を売るように映った落合GMには批判的だったのです」(地元テレビ局幹部) もっとも中日の球団首脳にすれば、ファンの落合氏離れは織り込み済み。「ここまで嫌われて声を掛ける球団はない」と高を括って幕引きを図ったフシがある。 これに対し、「ハイ、そうですか」と淡々と応じた落合氏だが、ところがどっこい、そこには“オレ流”のしたたかな計算が秘められていたのだ。1月末の契約満了を待って、「巨人-落合」の大連合――。 「今季の巨人に必要なのが、優勝を逃した場合の“クビ切られ役”。30億円かけて巨額補強した手前、優勝を逃せば高橋由伸監督の責任問題に発展するのは避けられない。こういった場合、巨人には須藤豊氏、近藤昭仁氏といった外様のヘッドコーチの首をすげ替えることでファンの目先をかわしてきた“伝統”がある」(巨人OBの野球解説者) 今の村田真一ヘッドは生え抜きだが、高橋監督がその人柄を買って抜擢しただけに、その首を差し出すわけにはいかない。そこで白羽の矢を立てられたのが落合氏だという。 「『助監督』で迎えれば、十分メンツが立つ。何より、落合氏には中日を解雇された怨念があり、古巣でもある巨人で復活するのは望むところ。双方の思惑が合致したため、中日との契約満了を待って、大連合を組むことになります」(同) 渡邉恒雄前オーナー(読売新聞グループ本社会長)は、落合シンパで知られる。'12年8月にテリー伊藤のラジオ番組に出演した際、落合氏が巨人監督に就任する可能性について「ジャイアンツの監督というのは、生え抜きでなければならないという過去のしきたりがあるから、それを犯すわけにはいかない」と否定的な見解を示したものの、「(GMで)中日をあれだけ強くしたし、軍師としての采配力はやっぱり一番じゃないですか」と絶賛していた。 その落合氏に、巨人が期待するポイントは三つある。 まず“軍師”としてベンチ入りし、高橋監督を優勝に導くことだ。優勝経験が豊富な落合氏には、大物FA選手や外国人選手を使いこなすノウハウがある。 二つ目が、先にも書いた“クビ切られ役”。その後、フロント入りし、例外なきリストラを敢行することも含まれている。巨人には、同じポジションに高給選手がダブついており、外国人選手の増加で選手数の削減は急務のはずだ。 そして、三つ目は…。 「落合氏は中日GM時代、社会人や大学野球の現場に他球団のフロント首脳以上に頻繁に足を運んでおり、アマ野球の実情に詳しい。資金豊富な巨人なら、三軍制のもとで、広島カープのように好素材を育て上げることができる。これが、功成り名遂げた落合氏の最後の希望と聞いている」(落合氏と親しい球界関係者) 至宝・松井秀喜氏を監督に迎えるための環境整備という構図も透けて見える。“新聞代理戦争”は避けられそうにない。
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スポーツ 2017年01月08日 12時00分
2万6千人が感動! オカダとケニーが46分45秒で築いた新日本1・4闘強導夢
新日本プロレス1・4東京ドーム大会『レッスルキングダム11』のメインイベントは、46分45秒という東京ドームでのプロレス大会史上最長の試合時間で、オカダ・カズチカが脅威の粘りを見せたケニー・オメガを渾身のレインメーカーで振り切って、IWGPヘビー級王座の防衛に成功した。 この日、東京ドームに集まったのは26,192人の大観衆。メインの試合時間が進むにつれて、ドーム内の空気が変わってきたのが記者席まで伝わってきた。アリーナに降りてみると、何人ものファンが泣きながら2人の試合を見ている。毎年1・4ドーム大会に足を運んでいるが、こういう光景ははじめてだ。試合後、インタビュールームに現れたオカダにストレートにぶつけてみた。 ──今日の試合、30分を越えたあたりから、観客席で涙ぐむファンがかなり見えたんですね。こういう光景は最近新日本プロレスでなかったなと思うんですけど、会場の雰囲気の変化は感じられましたか? オカダ「どうなんですかね? 今日のオカダvsケニーがそういうお客さんの心に響く試合だったと思いますし、本当に感情移入して泣ける試合なんて腐るほどありますし、ドンドンドンドンそういう泣ける試合もそうですし、ハラハラドキドキワクワクした試合もあると思いますし、そういう試合を見せていけるのが新日本プロレスだと思いますんで、それがプロレスの魅力だと思いますんで、そういうのをドンドン見せていけたらと思います」 ファンが涙を流したのはケニーの底知れぬスタミナがオカダをかなり追いつめたのも大きいが、レインメーカーとして凱旋帰国してからのオカダは、クールさを前面に出していたこともあり、ファンから感情移入がし難い選手と言われることが少なくなかった。しかし、あれから6年が経ち、東京ドームという大会場で観客と喜怒哀楽を分かちあえる選手に成長したのが理由だろう。昨年まで6年連続でドームのメインを務めてきた棚橋弘至(今回はセミファイナルに出場)がいなくても、棚橋の影をまったく感じさせることなく、大会を締めてみせた今のオカダは、立派なIWGPヘビー級王者である。 ──試合後にケニー・オメガ選手を新日本の歴史上一番強い外国人選手だとおっしゃっていましたけど、どんなところが強いと感じましたか? オカダ「こんな47分も今まで試合したことないですもん。それは棚橋さんにしたってそう、内藤さんにしたってそう。したことないですし、今までの歴史の中で、新日本プロレスももうすぐ45周年ですけど、今が一番だと思ってますし、その中で僕とやっている選手、今回はケニー・オメガでしたけど、ここまで追い込まれてこんなにフラフラして帰ってくることは今までなかったですから、それは僕が認めます。もちろんファンの人も認めざるをえないような試合だったんじゃないかなと思います」 試合中、挑戦者ケニーの凄さに対してオカダが動揺(困惑)した表情を見せたシーンがあった。それは試合時間が30分を超え、勝負に出たオカダはツームストンパイルドライバーからの正調レインメーカーを決めたが、カウント2で返されてしまう。このときに浮かべた「信じられない…」という表情と次の技に行けないオカダ、そしてゾンビのように這い上がってラッシュをかけてくるケニー。40分を超えてからは、どちらかといえばケニーが優勢だった。しかし最後の最後にチャンスを逃さないのが、オカダの「ケニーとは背負っているものが違う」という差だったのかもしれない。 「今日は負けてしまったけど、とても誇らしい思いでいっぱいだ。こんな気持ちが沸き上がってくるとは思ってなかった。時にはこういう苦い思いもしなくてはならない。でも、オカダ、お前をリスペクトしている。お前は日本で最高、いや、もしかしたら世界でも最高のプロレスラーかもしれない。だけど、もし再戦のチャンスがあるなら、次は絶対に負けない。絶対に倒してみせるとここに誓おう。負けたとは思っていない。ニュージャパンは俺に最高のチャンスをくれた。そして2016年は、最高の時間をもたらせてくれた」 46分45秒の激闘に敗れたケニーはインタビュールームの椅子に座ると、マイクが置かれた机にもたれかかりながら、オカダへの想いと新日本プロレスへの感謝の気持ちを語った。ケニーにとって2016年はバレットクラブのリーダー就任にはじまり、ヘビー級転向、『G1クライマックス』初出場&初優勝と、新たなるチャレンジを続けた一年だった。1・4ドーム大会のメインも経験し、最大の目標であるIWGPヘビー級王座「あと一歩」まで近づけただけに、今年はさらなる飛躍が期待される。 「それは僕がケニー・オメガはライバルだと言う必要はないと思いますし、それはもう見ている人が決めればいいと思いますし、もしかしてこの試合で明らかに新日本の歴史で、ここでオカダとケニーのライバルストーリーが始まったよねっていう一戦になるかもしれないですし、もしかしたらケニーががんばらなければおしまいになってしまうかもしれないんで。僕がおまえのことをライバルと認めてやるって、そんなことはないですね。強いっていうのは認めてやります」 ケニーはライバルになったか?という質問に対して、実にオカダらしい答えが返ってきたが、1・4ドーム大会という大舞台のメインイベントで、46分45秒という試合を闘い抜いたオカダとケニーの間に何も芽生えないはずがない。シングル初対決とは思えない濃厚な試合内容は、観客のハートを鷲掴みにした。かつて新日本プロレスはドーム大会のタイトルに闘強導夢(東京ドーム)という造語を入れていたが、まさに強い者が闘い、夢を導いた試合だったと思う。今大会のツイッターのハッシュタグのトレンドが世界一を記録したことからも、世界のプロレスファンがオカダとケニーから、闘強導夢を抱いたのではないだろうか。 世界に誇れる試合が日本の東京ドームで実現したことを感謝したい。(どら増田)(C)イーデス・ハンセン【新日Times Vol.49】
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スポーツ 2017年01月01日 15時00分
プロレス解体新書 ROUND33 〈格闘史上最大の“事件”〉 猪木vsアリ戦の忘れられた視点
“世紀の一戦”と称されたアントニオ猪木とモハメド・アリの異種格闘技戦から40年。2016年はアリの死去も重なって、両雄の闘いが再び注目されることになった。名勝負か凡戦か、真剣勝負かエンタメか、今なおそれぞれに意見は分かれている。 一口に“アントニオ猪木の名勝負”と言ったとき、人それぞれに考えは異なるだろう。猪木自身は引退前の東京スポーツ紙上のインタビューで、ドリー・ファンクJr.戦をトップに挙げている。 「'69年12月、'70年8月と2試合行われたNWA王座戦は、いずれも時間切れ引き分けに終わりましたが、2戦目は3本勝負のうちの1本を、猪木がジャーマン・スープレックスでフォールを奪ったことに価値がある。ただし、50年近くも前の日本プロレス時代の試合で、実際に当時の記憶がある人は今となっては少ないのでは? ノーカット版のDVDも発売されているので、そちらを見たという熱心なファンもいるでしょうが…」(プロレスライター) ドリー戦と並んで高く評価されるのは、'75年12月のビル・ロビンソン戦である。 「ドリー戦同様にテクニックを競う好勝負でした。3本勝負の1本目を奪ったロビンソンが逃げ切り態勢に入ったところを、時間切れギリギリで猪木が卍固めに捕らえた劇的な展開。この試合が蔵前国技館で行われた同日に、全日本プロレスが『力道山13回忌特別興行』を日本武道館で開催するなど、熾烈な興行戦争が繰り広げられたというサイドストーリーも秀逸です」(同) この前年に行われた日本人頂上対決、'74年3月のストロング小林戦も衝撃的なジャーマン・スープレックスの結末から、名勝負のトップに推す声は多い。 また、プロレスの一線を越えた“キラー猪木”の原点ともいえる、タイガージェット・シンとの腕折りのマッチ('74年6月)こそが、猪木の真骨頂というファンもいるだろう。 そうして並べてみたときに評価の難しいのが、異種格闘技戦として行われた'76年6月26日のモハメド・アリ戦だ。'16年はその世紀の一戦から40周年ということで、テレビ特番が組まれ、初のノーカット版DVDも発売されている。 「猪木vsアリ戦を検証するという名目で、当時のルールにのっとった異種格闘技戦が元リングスの田村潔司と元ボクシング王者によって行われました。結果は田村のキックが当たらず完敗。とはいえ、田村もすでに40代半ばの大ベテランで、この試合をもって猪木vsアリ戦を論じることはできないでしょう」(スポーツ紙記者) いまだに猪木vsアリ戦について回るのが、まずこうしたルールの問題で「真剣勝負かエキシビションか」との論議は、今なお尽きることがない。 「関係者それぞれの立場によって試合の受け止め方が異なっていて、取材をしても結論が出ないというのが実際のところです」(同) また、試合内容についても賛否は分かれる。 「総合格闘技が一般的になって以降、対ボクサー戦での猪木の戦い方が再評価されるようになりましたが、それはあくまでも技術面からのこと。試合そのものが面白かったかどうかとは、また別の問題でしょう」(スポーツライター) 当時の『ニュースセンター9時』において、磯村尚徳キャスターが「NHKが取り上げるまでもない茶番劇」とコメントしたのが象徴的な例で、プロレスに縁のない同局だから特別に冷淡だったというわけではなく、翌日は新聞各紙も軒並み〈凡戦〉と大見出しで報じたものだった。 「この頃はボクシングにしても、まだ“拳闘”というべき殴り合いが主流でした。間合いの奪い合いなどという概念がなかった時代にあの試合内容では、皆がつまらないと感じても仕方がありませんでした」(同) 当の猪木にしても「あれだけ悪評まみれで叩かれた試合が、なんでこんなに評価されているのか」と、のちのインタビューで戸惑い気味に語っており、試合内容に満足していなかったことがうかがえる。 「試合自体の評価が高まっているのとは逆に、過小評価されている部分もある。それはアリをリングに上げたという功績です」(同) 確かにアリの死に際しては、オバマ大統領も公式に追悼コメントを寄せている。 「そんなスポーツ選手は過去にも現在にも例がない。メッシだ、ネイマールだといったところで、それはサッカーというジャンル内に限ってのスターに過ぎない。アリはボクシング界にとどまらず、反戦や反差別の主張などその言動によって近代史にまで影響を与えました」(同) '95年に猪木が北朝鮮で『平和の祭典』を開いたときのこと。金正日総書記は当初、ゲストとして現役スーパースターであるマイケル・ジョーダンの招聘を希望したものの、引退から15年が過ぎたアリを代わりに提案すると、即時に納得したとの話もある。 「もしJ2落ちした名古屋グランパスが、FCバルセロナからメッシを獲得したら、それは大ニュースとなるでしょう。しかし、猪木がアリを異種格闘技のリングに上げたのは、それ以上の“事件”だったのです」(同) 名勝負か否かはともかく、猪木vsアリ戦が格闘史に残るエポックだったことは間違いないのである。
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スポーツ 2016年12月31日 12時00分
カーリング女子 あの「マリリン」がハジかれる! 若手に重たすぎた“麻里ストーン”の存在
カーリングは“氷上のチェス”と呼ばれ、正々堂々と「いじわるの出来るスポーツ」とも言われている。カーリングのワールドツアー、軽井沢国際選手権は12月17日、長野県軽井沢町の軽井沢アイスパークで1次リーグと準々決勝を行い、女子A組はすでに1次リーグ敗退が決まっていた昨季世界選手権2位のLS北見がスコットランドチームに2-9で敗れて1勝3敗で終えた。 その結果を踏まえて、カーリング女子・LS北見の不振とともに、チームを牽引する“マリリン”こと本橋麻里(30)の動向が注目されている。 軽井沢国際カーリング選手権が12月15日から開かれたが、'15年世界選手権銀メダルのLS北見は初戦を黒星スタート。リーダーの本橋は溜め息をついた。第7エンド終了時には5点差をつけられ、“ギブアップ”を意味する握手を求めた。 「LS北見の完敗でした。11月に行われたパシフィック・アジア選手権でも3位に終わり、世界選手権出場権を逃している。戦略の立て直しは不可欠でしょう」(体協詰め記者) 本橋は五輪2大会を経験している。ベテランとして、チームの不振を予見していたのか、試合前は「追い掛ける気持ちになれるかどうか」とも語っていた。 「'15年、世界選手権で銀メダル獲得という快挙を成し遂げたLS北見は、強豪国から厳しくマークされています。本橋は『自分たちが挑戦者の気持ちにならなければダメだ』と後輩たちに訴えていましたが…」(同) 「追い掛ける」との肉食宣言も20代半ばの若い同僚たちには響かず、空回りに終わったようなのだ。 「本橋が試合に復帰したのは、11月のパシフィック・アジア選手権途中からで、銀メダルを獲得したメンバーには入っていませんでした。'15年10月に第一子を出産した本橋は応援にまわり、そこで若い藤澤五月などが頭角を現したのです。確かにメダル獲得は本橋の的確な後方支援の賜物かもしれませんが、今回の初戦敗退で“本橋はそろそろ身を引くべきでは”との空気も漂い始めた。ただ、LS北見は彼女が立ち上げたチーム。口が裂けても言えないでしょう」(同) LS北見はおとなしい草食系の選手ばかり。アイドルの座も、本橋からロリ系の藤澤に移りつつあるのが現状だ。実際、若手にとって本橋は“重すぎるストーン”の存在になっている可能性がある。 しかし、スポーツライターの飯山満氏はこう言う。 「試合会場に託児所を設ける点などで遅れている日本ですが、本橋は出産直後も医師と相談しながら練習を続け、産後も子どもを連れて会場入りしている。その行動は東京五輪を含む今後のスポーツ環境作りにも繋がるはずです。その意識も、彼女が現役にこだわる理由なのかもしれません」 19歳でトリノ五輪に出場してカーリング娘のマリリンとして人気を集めた本橋も30歳。結婚、出産を経験してママとして初の五輪出場を目指している。年明けはカナダ合宿から1月末の日本選手権に向かうLS北見は、連覇を達成すれば再来年2月の平昌五輪の日本代表が決まる。本橋の役割は重い。マリリン、いやママリン頑張れ!
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スポーツ 2016年12月30日 12時00分
白鵬が狙う“角界のトランプ”への道 有望力士の“青田買い”逆転構想
冒頭に言うが、横綱・白鵬は“親方”になれない。親方の必須条件である“年寄名跡”は日本国籍を有する者にしか与えられないため、モンゴル国籍の白鵬はどれだけ結果を残しても現状、親方にはなれないのだ。 白鵬は「今の相撲界の制度では、外国人力士は入門できるが、その後(親方などとして相撲協会に)残ることが難しい」と苦しい胸の内を明かしている。 その白鵬(31)が逆転を目指して「トランプ現象」を起こそうとしている。“角界支配”の野望を着々と進めているというのだ。今一度言うが、故・北の湖前理事長からは「モンゴル人のままでは親方にはなれない」と突き放されたこともある白鵬。しかし、所属する宮城野部屋では、すでに内弟子の石浦が先の九州場所で敢闘賞を受賞し、成長ぶりを見せつけた。 「石浦は相撲の名門、鳥取城北高校のエースでした。つまりは元大関・琴光喜の後輩になるわけです。その琴光喜と白鵬は大の仲よし。白鵬は、その琴光喜の長男を弟子にするという口約束までしているほどです」(元力士) 琴光喜の長男は、まだ小学校2年生でありながら、貴乃花巡業部長がひと目見て「将来は横綱」と太鼓判を押すほどの逸材。名古屋場所前の稽古に参加した際、自ら胸を出した白鵬も「体も顔つきもお父さんそっくりだよ。将来は横綱、大関間違いなしだ」とベタ褒めだった。 「琴光喜は、相撲勘や運動能力、どれを取っても優れていた。横綱になれなかった理由は運のなさ。小学校2年生といっても、息子さんは父親のいい面を引き継いでいる。角界のしがらみに巻き込まれなければ、白鵬の言う通り横綱になれるでしょう。白鵬の“口約束”もどうやら本気のようで、10年後に角界の門を叩く有望株に、早々に唾をつけたということです」(同) さらにこの元力士は、将来を見据えた白鵬周辺についてこう語る。 「実は先頃、宮城野部屋へ移った高島親方(元関脇高望山)は、有望なモンゴル人力士を連れている。春日山部屋が部屋のゴタゴタで閉鎖となり追手風部屋に移った高島親方ですが、弟子が白鵬になついていたため宮城野部屋に移籍したわけです。こう見てくると、白鵬は自身の引退後を考えて有望力士を揃え、部屋を構えた時の態勢を着実に整えているということ。さすがですよ」 しかし、日本への帰化に関しては、父親のジグジドゥ・ムンフバトさんが猛反対しているため、現時点では発言は慎んでいるという。 「ただ、部屋作りというのは相当な時間がかかる。横綱は四股名のままでも5年間協会に残れますが、環境が帰化できる状況になってから始めるのでは、とても間に合わない。そのため、すでに部屋を建設するための土地を銀座で見つけているという話まであります。かつて画策したモンゴル人力士を抱える旧大島部屋との合併は、協会幹部の反対で流れましたが、白鵬は引退後も角界の話題を独占できるような人材とパイプを、着々と確保しつつあります」(スポーツ紙記者) 12月14日、第4子となる女の子が誕生した白鵬。心新たに野望の実現を誓ったに違いない。 いつまでも日本人横綱が誕生しない昨今、親方の必須条件である“年寄名跡”も「日本人に限らない」となる日が来ないとも限らない。それこそトランプ次期大統領ではないが、蓋を開けてみなければわからない、という状況もあり得るのだ。
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スポーツ 2016年12月29日 18時00分
阪神 アニキvs掛布 新井弟プロテクト漏れ意趣返し
FAした糸井獲得の代償は『人的補償』で終わりではない。首脳陣の衝突、それも中核である金本知憲監督(48)と掛布雅之二軍監督(61)の信頼関係にも影響してきそうだ。 「経営陣も糸井獲得の代償が小さくないことは覚悟していました。11月11日の初交渉とほぼ同時にプロテクト名簿の作成を始めています」(球界関係者) FAによる戦力補強には苦い思い出がある。2011年1月、千葉ロッテからFA宣言した小林宏(本名=宏之)を獲得した際には「人的補償は求めてこない」と読み間違え、有望株の高濱卓也を失った。新井貴浩を獲得した'07年も、俊足の赤松真人を奪われている。致命的な痛手にはならなかったものの、「相手球団の編成が阪神選手を物色した結果。その動揺は大きかった。特に'11年、高濱を失ったときはね」(同)と、精神面でのダメージは避けられなかった。 今回もオリックス側から「リスト漏れすれば」と、鳥谷敬、福留孝介らのベテラン獲得宣言があり、阪神サイドは揺さぶられた。実際に一本釣りされたのは中継ぎ投手の金田和之。今季わずか6試合しか投げていないが、阪神サイドは28人のプロテクト名簿を何度か作り替えていたという。 「通常、高額年俸のベテランは『手を出してこない』と読み、あえてリストから外すもの。オリックスのベテラン獲得の陽動作戦により、阪神は本来ならガードしたいはずの中堅、若手も外さざるを得ませんでした。もっとも、金本監督が就任するまでの阪神ドラフトは、他球団が下位での指名を考えていた選手を上位指名していたとされ、ベテラン優先の名簿となっても、『磨けば光る原石』といえる若手はいなかったとも聞いています」(ベテラン記者) しかし、中堅、若手を大量に外した今回の名簿に「待った」の声も出ていた。 「秋季キャンプで、金本監督は野手のほとんどを自分で見たいとし、二軍の掛布監督のもとに預けられたのは西田直斗と新井良太の2人だけでした。でも、危機意識を持った新井は掛布二軍監督の指導で、打撃面での自信を深めました。掛布二軍監督は『新外国人はいらない。新井弟は絶対にイケる!』と報告していたんです」(前出・関係者) 名簿は完全非公開となっているが、関係者の話を集めてみると、その新井良太(広島・新井貴浩の実弟)はプロテクト漏れしたようだ。若手優先のスローガンは分かっているが、掛布二軍監督は「何のために新井弟を再生させるんだ!?」との疑問も生じるだろう。 「金田は今季4月の広島戦で3四球と大荒れし、金本監督に『どんな気持ちで投げているのか、まったく分からん!』と怒鳴られています。以後、信頼を取り戻せず、本人のためにも、今回の移籍はよかったのかもしれません」(同) 一度ダメ出しした選手には見向きもしない…。金本監督のそんな一面も見えてきた。育成と再生を託された掛布二軍監督の不信感は、トラ崩壊の前兆と見えなくもない。
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スポーツ 2016年12月28日 18時00分
松井秀喜監督体制を見据えた「30億円補強」新生巨人
今季、野球賭博問題により元所属投手が賭博開帳図利幇助容疑で逮捕され、球界に汚点を残してしまった巨人。親会社が何よりコンプライアンスにうるさい新聞社だけに徹底したチームの粛清・刷新はある程度予想できたが、もはや“巨人純血主義”の撤廃も辞さない大改造ぶりだった。 FA宣言していた先発投手の山口俊(29、前DeNA)、中継ぎ左腕の森福允彦(30、前ソフトバンク)の2投手を獲得したのを皮切りに、過去4度ゴールデングラブ賞に輝いた元盗塁王の陽岱鋼外野手(29、前日本ハム)も12月14日に巨人入団を発表。球界史上初となる同シーズンオフ、一挙3人のFA選手獲得をやってのけた。 しかし、これだけではまだ足りないとばかり、'13年に楽天が日本一に輝いたときの四番打者・マギーに加え、さらに抑え候補としてメジャーリーグ・シアトルマリナーズの164キロ右腕カミネロの獲得も秒読み状態と言われている。 投打ともに、今季の跡形もないほどの大改造。臆面もなく断行した大型補強に、他球団首脳はもちろん、自軍選手もあ然とするばかり。 「山口、森福、陽のFA3選手獲得だけで総額20億円以上。さらにマギー、カミネロ、ドラフト組を加われば、今オフの総補強費は30億円を超えます。もっと言えば、巨人の外国人助っ人は支配下選手だけでマイコラス(2億4000万円)、マシソン(2億8500万円)、クルーズ(2億4000万円)、ギャレット(1億6000万円)の4人もいる。これにマギー(1億9000万円)が加わり、しめて11億1500万円。さらにカミネロが6人目。試合で使えるのは4人ですから、シーズンが始まれば、取っ替え引っ替え起用する腹なのでしょう」(セ球団の編成担当) 巨人の全盛期だった川上哲治監督率いるV9時代は、長嶋茂雄、王貞治、柴田勲らを中心に“純血主義”を貫き、自前選手を育て、最強チームを作ってきた。後楽園でナイターの試合がある時は、12月4日に亡くなった荒川博コーチ(当時)の自宅に選手たちが自主的に集まり、試合前と試合終了後に素振りをするのが日課。こういった猛練習が球界の盟主・巨人軍を築き、よき伝統でもあった。 ところが、今オフの巨人は、その対極の路線に転じたと言っていい。一・三塁のレギュラーだったベテラン阿部慎之助と村田修一、さらに1番・長野久義に“刺客”を放ち、期待されながら伸び悩んでいた大田泰示や小山雄輝は日本ハムに放出。来季の巨人は28歳のキャプテン坂本勇人を中心に、陽岱鋼らが支えるシフトに移行する。 「透けて見えるのが、来オフにも誕生する松井秀喜氏の監督就任です。球宴前に優勝が危ぶまれる展開になれば、夏場にも松井氏招請のゴーサインが出ると言われています。実は、今回の巨大補強は松井氏の意見を取り入れたようなものです。大枚をはたいて大改造した以上、優勝を逃せば、松井氏は監督要請を受け入れざるを得ない。そこまで読んで、30億円もの強化費をつぎ込んだのです。巨人としては、これで優勝できればそれでよし。V逸したとしても松井政権を樹立できる、というしたたかな計算があるようです」(スポーツ紙デスク) 結果として、巨人のポジション争いは、12球団でもっとも熾烈なものとなった。 外野は陽岱鋼が中堅に入ることで長野が右翼へ。残る左翼を、今季4番にも座ったギャレットと、亀井善行らが争う。 内野は、遊撃の坂本だけが安泰。二塁は片岡治大とドラフト1位ルーキーの吉川尚輝(中京学院大)、一塁は阿部と20歳の岡本和真、三塁は村田とマギーがしのぎを削る。 捕手は今季レギュラーを勝ち取った小林誠司が一番手とはいえ、山口獲得の人的補償で巨人はプロテクトした28選手の中に宇佐美真吾と松崎啄也の2捕手を入れており、競争させるつもりだ。 今ドラフトで吉川を1位指名したのも、二塁手を固定する布石だ。これまでの主力組は、FA選手と外国人選手、ドラフト組に主要ポジションを奪われる可能性が高い。阿部が約6000万円減の2億6000万円、内海が半減の2億円。村田も8000万円減の2億2000万円で更改したことがそれを物語っている。 ベテラン勢からごっそり削った年俸を新戦力の補強資金に回したわけで、巨人内の勢力地図が塗り替わっていることが分かる。 「異様なのは、日本ハムOBが急激に増加していること。現有の乾真大投手、實松一成捕手、北篤外野手に加えて、今オフは交換トレードで吉川光夫投手と石川慎吾外野手を獲得。さらにFAで陽岱鋼が巨人に入団したことで、日本ハムOBは総勢6人になった。G選手会のドン、阿部は『読売ファイターズみたい』だと。無理やり、阿部の息のかかった選手を削った感も否めません」(巨人OBの野球解説者) 血の入れ替えは、“松井ジャイアンツ”誕生へ向けた、環境整備の序幕なのか…。同時にメジャー流のメガ球団移行への始まりでもある。
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スポーツ 2016年12月26日 16時00分
プロレス解体新書 ROUND32 〈“両者KO”極限の死闘〉 名勝負を生んだ藤波の頑張り
次代のエースを争う藤波辰巳(現・辰爾)と前田日明のシングル対決。直前の新日本プロレスvsUWFの5対5勝ち抜き戦では、藤波が藤原喜明の場外パイルドライバーで大流血し、ハンデを抱えての対戦に前田が勝利を収めたが、シングル対決でもまた、藤波は大流血のアクシデントに見舞われた。 日本人トップレスラーの中で、藤波ほど評価の分かれる選手もいないのではないか。 「ジュニア時代のドラゴンブームを知るファンなら、華やかなスター選手のイメージを強く持つでしょうが、ヘビー転向後しか知らないと、長州力らの影に隠れた“地味な存在”と感じるかもしれません」(プロレスライター) 人格についてもそうだ。 「新日社長となってからの藤波は、周囲やマスコミから“コンニャク”と揶揄されるほど、その優柔不断さを指摘されたものですが、しかし、それは深謀遠慮の故でもある。藤波ほど多くの岐路に立たされた選手はいないですから」(同) アントニオ猪木の後継をにらんだジュニアからヘビーへの転向、長州人気に押されて敵役となった“名勝負数え唄”時代、全日本プロレスのジャイアント馬場からの移籍話、さらに自身の度重なる故障…。 「今ではネタ扱いされることの多いドラゴンボンバーズの結成や無我の設立、社長時代に橋本真也の独立問題で揉めたZERO-1も、本来は興行やアングルを考えてのもの。ドラゴン・スープレックスからドラゴン・スリーパーへと至るフィニッシュホールドの変遷も、自身のパフォーマンスとリング上での説得力を考え合わせた上のことで、その時々に思い悩んでいたことがうかがえます。結果として移籍も引退もしなかったことで、低迷期の新日が完全崩壊に至らなかった事実もあるわけで、その点での藤波の功績は多大だと言わざるを得ません」(同) 藤波は“強さ”の点でも意見が分かれる。 「藤波を弱いとするのは、主にミスター高橋が著書の中で〈格闘家としてはお世辞にも強いと言えない〉と断言したことの影響でしょう。確かに五輪代表の長州と比べれば、レスリング技術でこそ劣るかもしれないが、いわゆる“極めっこ”など、新日流のグラウンド技術で劣っていたわけではない」(新日関係者) UWF軍として新日参戦していた前田日明が、藤波との対戦後に「無人島だと思ったら仲間がいた」と、賛辞を送ったのもここに由来する。 「この言葉を“藤波がUWF勢のキックや関節技を正面から受け止めた”という、受け身の部分に対する評価と理解しているファンは多いようだが、それだけではない。前田の真意は、新日道場で練習を重ねてゴッチの下で学んだ藤波に、UWF勢と同じバックグラウンドを見つけたということだったと思いますよ」(同) さて、その両雄が対戦した試合は、1986年6月12日、大阪城ホールでIWGP予選として行われた。猪木らのAグループと、藤波や前田のBグループに分かれてリーグ戦が争われ、それぞれのトップが決勝進出するという方式である。 藤波と前田は、ディック・マードックとともにトップを競っており、この試合に勝利すれば決勝進出に向けて大きく前進するという、大事な一戦であった。 猪木vs藤波の師弟対決となるのか、それともついにファン待望の猪木vs前田が実現するのか。大きな注目の中で試合は始まった。 終盤に前田が放ったフライング・ニールキックにより、藤波が目尻を切って大流血したことで知られるこの試合だが、加えて注目したいのが序盤戦だ。 藤波は前田と互角以上のグラウンドの攻防を見せ、スムーズな入りからのクルック・ヘッドシザース…U系の代名詞的な技を披露している。さらにはローキックも繰り出すなど、格闘プロレスにしっかり対応してみせたのだった。 5分を過ぎた頃からは、攻めの前田に受けの藤波と、それぞれの特色が際立つ好勝負となる。 藤波の流血アクシデントを招いた前田のニールキックが、通常の体を横に倒しながら飛び上がる形ではなく、タテ回転の大車輪キックのような形になったのは、前田いわく「藤波さんならこのくらいは大丈夫」との信頼感からのことだった。 ちなみに後年、前田は藤波との対談の中で、その出血について「(レフェリーのミスター)高橋さんがまたいらんことをしたのかと思った」と話している。 “いらんこと”とは、つまりレフェリーが故意にカットしたという意味。前田が“流血の魔術”など不要と感じるほどに、藤波との闘いに対して手応えを感じていた証左であろう。 結果は藤波のレッグラリアットと前田のニールキックが、相打ちとなっての両者KO。恐らくは事前の予定通り、共に“決勝進出しない”ための引き分けとなった。 「前田が頭から落ちて立ち上がれないというのは、やや無理やり気味でしたが、それでも観客から不満の声が上がらなかったのは、大流血を押して闘い続けた藤波の頑張りがあってのことでした」(スポーツ紙記者) なお、同年の決勝は猪木とマードックの間で争われ、猪木の勝利に終わっている。
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スポーツ 2016年12月26日 11時05分
金本監督と矢野コーチがぶつかる? 「2017年の正捕手争い」
失策97にこだわるか、それとも、将来のクリーンアップ構想を進めるか…。 金本知憲監督(48)は糸井嘉男外野手(35)の獲得に成功すると、「中堅・糸井、右翼・福留」の構想を明かした。2016年シーズンは中堅手と捕手が日替わり状態、これに遊撃手・鳥谷の不振も重なって、金本監督は守備陣営の基本ともいえるセンターラインを構築できなかった。俊足の糸井を中堅で固定したい気持ちは分かる。しかし、そのセンターラインの生命線は「捕手」である。正捕手不在は金本監督も急務の課題とし、秋季キャンプで改めて「横一線の競争」と訴え、捕手陣にハッパをかけていた。一人の捕手がシーズンを通してスタメンマスクを被るのは、チームの理想像だが、来シーズンも「日替わり」になりそうだ。 「金本監督は就任以来、コーチスタッフの反論は歓迎すると話していました。でも、実際はコーチ陣も遠慮していたようです。その反省が秋季キャンプでも話し合われ、来季こそ、忌憚なく意見をぶつけ合おう、と」(球界関係者) その通りだとすれば、金本監督はリーグワーストの失策97をカウントした守備難の弱点と、将来のクリーンアップ構想を天秤に掛けることになる。 金本監督と打撃担当コーチ、掛布雅之二軍監督(61)が抱く近未来のクリーンアップ候補は、高山俊、原口文仁、新人の大山悠輔。3人ともまだ20代前半だ。「生え抜きの大砲が育つまでまだ時間が掛かる。その間、糸井に助けてもらって」の金本発言にも筋は通っている。しかし、原口は捕手である。捕手としての守備能力だが、秋季キャンプでは坂本誠志郎、梅野隆太郎らとの正捕手争いで苦しんでいた。実際に走者をつけて二塁盗塁を防ぐバッテリーの守備練習がとくにそうで、坂本が7回やって全て刺したのに対し、原口は1、2回。梅野も4、5回刺していた。原口には右肩を故障した過去もあり、シーズン中、盗塁阻止率が2割を切った時期もあった。一塁手転向が囁かれたのはそのためだ。 守備力、肩の強さを考えると、正捕手争いは坂本か梅野ということになる。関西で活動しているプロ野球解説者がこう言う。 「原口は肩、腰の故障歴があり、二軍戦でも捕手での出場機会が少なかった。捕手としての実戦感覚が戻ってくるのはこれからだし、今季はボールを受け取ることも少なかった一軍投手とバッテリーを組んだので、この時点で評価を下すのはかわいそう」 金本監督が一塁手コンバート案を撤回したのもこのへんに理由がありそうだ。 原口の打撃力は群を抜いている。梅野の打撃練習を見ると、鋭い打球を連発していた。リーグ5位に沈んだチーム打率2割4分5厘を考えると、原口はスタメンから外せないが、矢野燿大作戦兼バッテリーコーチは正捕手争いについて必ずしも金本監督と意見が一致していないという。 「配球と肩の良さがポイント。矢野コーチは『そつなく、守備のできる捕手』を理想としています」(関係者) この「そつなく」の言葉にあてはまるのは、やはり坂本だ。この考えは編成スタッフにも浸透している。今秋のドラフト会議でまた一人、捕手を指名している。7位の長坂拳弥(22=東北福祉大)だ。彼の特徴は二塁送球のスローイングモーションが小さく、鋭いボールを投げる。他球団だが、東北地区担当のスカウトの言葉を借りると、「(対戦打者の)見送り三振が多い。裏をかくというか、対戦打者が何を狙っているのかを瞬時に見極める力がある」とのこと。坂本と同じ強肩好リードの捕手というわけだ。この矢野コーチ好みの「そつなく」の捕手がまた一人増えたことを考えると、原口は守備面で“脱落した”とも解釈できるが…。また、矢野コーチは「1年目は金本監督に遠慮していた。これからはどんどん意見を言う」とも宣言しており、原口の打撃力を買う金本監督と正捕手論でぶつかる可能性は高い。繰り返しになるが、原口の打撃力は惜しい。失策97の改善を急ぐのなら、守備力の高い捕手をスタメンに送らなければならない。だが、チーム打率2割4分5厘の底上げを優先するならば、原口は外せない。 正捕手争いは2017年も終わらず、何人かの捕手を併用することになるのではないだろうか。原口と「そつなく」の坂本の両方を生かすとしたら、コンバート案の再燃か?
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スポーツ 2016年12月25日 16時00分
トランプ次期大統領に直談判! 孫社長が目論む日米ワールドシリーズ
侍ジャパンが世界一奪回を目指す第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が来年3月に開催される。しかし、同大会は今回限りで終了、日米王者による「リアル・ワールドシリーズ」に一新する可能性が高まっている。 12月6日(日本時間7日)、ニューヨークの「トランプタワー」でトランプ次期米大統領と会談したソフトバンクの孫正義社長。2人は約45分に渡って意見交換し、孫氏は「米国でIT(情報技術)分野を中心にした新興企業に約5.7兆円投資することと5万人の新規雇用」を申し出た。見返りの一つが念願の「日米リアル・ワールドシリーズ」の創設だという。 「ソフトバンクは2013年に約1兆8000億円で買収した米携帯電話3位のスプリントと4位のTモバイルUSとを合併させ、AT&T、ベライゾンの2強に対抗する第三勢力を作る意向でした。しかし、米連邦通信委員会が寡占を警戒し断念した経緯があります。今回の会談でトランプ氏が『積極的に規制緩和する』と応じたことで、統合を仕掛ける環境が整ったのです。合わせて、長年の夢だった日米の王者同士が対戦するリアル・ワールドシリーズ創設を直談判したとみられている。携帯電話事業で日本のソフトバンクの名を知らしめるには格好のアドバルーンですからね」(経済誌アナリスト) 会談終了直後、両氏は揃って登場。トランプ氏は「業界で最も素晴らしい男の1人」と孫氏を絶賛。孫氏も「(トランプ氏が大統領になったら)もう一度(米国の)成長が加速する」と述べ、会談が大成功に終わったことをうかがわせた。 この動きと呼応するように、「WBCが来年3月の第4回大会限りで終了する可能性が高まった」と米国の各メディアは報じている。 WBCは、大リーグ機構(MLB)と大リーグ選手会が共同運営するWBCIが主催する大会。'06年の第1回大会から日本が連覇し、'13年の第3回大会はドミニカ共和国が初優勝。一方、主催国ともいえる米国は過去3大会で優勝は一度もなく、前回は2次ラウンドで敗退。日本や韓国、中南米諸国の引き立て役に甘んじ、人気もいまひとつだ。 「開幕前の3月に開催されるため、大物大リーガーは出場せず、米国は勝てません。しかも、前回大会の総収入は約80億円で、諸経費を差し引いた純利益は10億円程度。1兆円ビジネスを展開するMLBにとっては魅力がなく、出場各国との調整や会場確保などデメリットの方がはるかに大きい。今大会でも大きな収益が得られなければ、発展的解消は避けられません」(大手広告代理店幹部) そこに割って入ってきたのが、日米両国のチャンピオンが戦うリアル・ワールドシリーズ構想だ。開幕前ではなく、日米のシリーズ終了直後に開催すれば、一流大リーガーも出場できる。 これまでMLB側は日本プロ野球を見下し実現しなかったが、トランプ氏の後押しが加わった。WBCは来春で見納めになりそうだ。
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