棚橋が演じるのは人類を脅かす人類最恐の敵、Dr.パックマンの仲間で、屈強な肉体を誇り、怪力を活かした格闘術で敵を圧倒するという来瀬荘司(ロボルバグスター)役。棚橋は入場してからリングインした際、コーナーポストに登って決める“逸材ポーズ”が、「仮面ライダーカブト」、その後、両手を下げて広げるポーズは「仮面ライダーW」をモチーフにしていると公言したり、メキシコ遠征や、新日本とメキシコCMLLとの合同興行「ファンタスティカマニア」限定のハーフペイントも、「仮面ライダーW」を意識していると言われている。リング上や試合後のコメントでも「○○キター」(「仮面ライダーフォーゼ」)や「お前の罪を数えろ」(「仮面ライダーW」)などライダーシリーズ語録を拝借。ツイッターやインスタグラムでもたびたび仮面ライダーに関する発信をしており、テレビ朝日系列のバラエティ番組、「雨上がり決死隊のトーク番組 アメトーーク!」では仮面ライダー芸人として出演するなど、ライダー“レスラー”としても積極的に活動している。
今回の役はリング上とは違って、ライダーの対角線に立つ悪役ということだが、それこそメキシコではハーフペイントで、ルード(ヒール)として闘っており、棚橋は適任かもしれない。
棚橋は「この作品に参加させていただき、ずっと好きだった仮面ライダーの世界、夢のような空間が広がっていました。この世界観を壊してはいけないと意識しつつ、ロボルバグスターの変身ポーズでは、力があって強いキャラクターから連想して、何かを握りつぶすポーズにしました。こういう感じのやつはプロレスでもあまりやりませんから、とにかく全力で頑張りました。プロレスラー棚橋とは違う来瀬荘司をお楽しみに」とコメント。今回の出演がよほど嬉しかったのか、「孫ができたら自慢します」とまで語っている。
今作品はこれまで7年間続いた冬休み映画「MOVIE 対戦シリーズ」の生まれ変わりと位置づけられており、ライダー生誕45周年ということで、今までは2大ライダーの共闘がピックアップされていたが、今回は5人のライダーが登場し、人類の敵と対戦する。
その5大ライダーと棚橋演じる来瀬荘司がどのような遭遇をするのか楽しみだが、棚橋にとっては、まだ決まっていない1・4東京ドーム大会のカードや立ち位置を、11・5エディオンアリーナ大阪大会のSANADA戦に勝って、映画の公開前に決めておきたいところ。
棚橋が1・4ドーム大会の中心に行くことが、映画にとっても1・4ドーム大会にとっても相乗効果をもたらすだけに、なかなか思うように行かなかった2016年だが、ライダー作品出演で上がっているモチベーションを保ちながら、このまま全力で突っ走っていくしかない。
(どら増田)
<新日Times VOL.41>
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