スポーツ
-
スポーツ 2016年11月02日 16時00分
ラグビー界の“至宝”平尾誠二氏逝く! 東京五輪・W杯2019目前の“無念”
“ミスターラグビー”平尾誠二氏が10月20日、53歳の若さで亡くなった。ラグビー日本代表として活躍し、主将、監督も務めた平尾氏は京都・伏見工高の3年時に全国高校選手権大会で初優勝。荒れていた高校をラグビー部員として日本一に導いた立役者であり、その様子はドラマ『スクール☆ウォーズ』(TBS系)でも描かれ話題となった。 「同志社大時代には、19歳4カ月で史上最年少日本代表(当時)に選出。神戸製鋼ラグビー部では主将も務め、'88年度から日本選手権で7連覇を達成し、黄金期を築きました。日本代表としてW杯にも3回出場。巧みなステップと絶妙なパス、加えてその甘いマスクから多くのラグビーファンを魅了したのです」(ラグビー誌記者) そんな日本ラグビー界の至宝を突如失ったことは、関係者にとって大きな痛手となっている。「ラグビーW杯2019日本大会」が間近に控えているためだ。平尾氏は'12年から同大会の組織委員会の理事に就任し、ラグビー界の顔として期待されていた人物。組織委員会会長の御手洗冨士夫氏も「事務総長特別補佐としても準備運営に深く関わっており、その存在は代え難く大きな痛手」とショックを隠せない。 一方、平尾氏の突然の訃報を受け、「本当に残念。ラグビーにとっては、これから活躍してもらおうとした矢先だった」とコメントしたのは、日本ラグビー協会名誉会長である森喜朗氏。今後は強いリーダーシップで平尾氏の重責を埋めてもらいたいところだが、森氏自身、問題山積の身分。 「紛糾する東京五輪の組織委員会会長も務めていますからね。小池都知事は、11月に予定されていた築地市場の豊洲移転を延期した。築地市場跡地には、都心と選手村の予定地などを結ぶ道路の建設が予定されているが、この延期により工事のスケジュールに遅れが出る可能性も指摘されている。予算の削減を含め、森氏は小池知事との主導権争いに躍起になっており、とてもラグビーどころではない」(全国紙社会部記者) 東京五輪の施設建設を巡っては、当初の予算から4倍も跳ね上がる工事費が判明。小池氏が建設中止を検討したところ、森氏が猛反対の姿勢を見せたため、ゼネコンとの癒着疑惑まで囁かれている。 ミスターラグビーを悲しませることにならなければいいが…。 親族は『平尾誠二を応援してくださった皆さまへ』と題したコメントを発表。 「2019年ワールドカップ(W杯)大会の成功と日本代表の勝利は平尾の夢でした。見届けることができず、本人はさぞや無念であったことと存じます」と語った。 平尾さんは胆管細胞がんを患い闘病していた。合掌。
-
スポーツ 2016年11月01日 16時00分
友成那智 メジャーリーグ侍「007」 30億円規模の大型契約目前「ダルビッシュ有」の再契約問題
10月中旬、レンジャーズの地元テキサス州ダラスの有力紙『ダラス・モーニングニュース』が電子版で刺激的な記事を掲載した。レンジャーズのダニエルズGMが今オフ、ダルビッシュ有側と再契約の交渉に入ることを示唆したというのだ。 ダルビッシュの現行の契約は、2012年から'17年までの6年契約(総額1億700万ドル=110億円)である。契約が切れるのは今季ではなく来季終了後だ。なぜ、まだ契約が1年残っている今オフに交渉を始めるのか? その理由はハッキリしている。メジャーでは現行の契約が切れた時点で再契約の交渉が始まるのではなく、契約最終年のシーズンに入る前に、球団と代理人の間で再契約に関する突っ込んだ話し合いが行われる。そこで交渉がまとまれば、シーズン序盤に新しい契約内容が発表される運びとなる。 交渉がまとまらない場合は、7月末のトレード期限までに他球団にトレードするケースが多い。シーズン終了後にFAになって出ていかれると何の見返りもないので、大きな戦力ダウンに繋がるからだ。 しかし、シーズン中に他球団にトレードすれば、見返りに1、2年後にレギュラーに成長しそうなマイナーのホープを2、3人を獲得できる。そのためメジャーでは毎年7月末のトレード期限になると、契約最終年を迎えた大物選手が次々にトレードされる珍現象が見られるのだ。 では、ダルビッシュの再契約は、どれくらいの規模になるのだろう? メジャー入りして5シーズンが経過したが、ダルは1、2年目はフル稼働したものの、3年目の'14年は8月中旬からシーズン終了までDL入り。4年目の昨季はトミージョン手術で全休。今季も稼働したのは半分程度だ。そのため5年間の勝ち星は46勝である(30敗)。日本のメジャーファンは勝ち星の多さを重視するので、その多くがこの程度の勝ち星では「2年30億円」「3年40億円」レベルの契約しかゲットできないのでは、と危惧しているようだ。では米国ではどのような予測が出ているのだろう? アメリカのメディア関係者は、誰もがメガ・コントラクト(総額1億ドル以上の超大型契約)になると予想している。 「おそらくレンジャーズは最初に5年1億3000万ドル(137億円)くらいのオファーを出し、ダルビッシュ側も6年1億8000万ドル前後の希望額を伝えて妥協点を探ることになるだろう。最終的に6年1億6000万ドル(168億円)くらいで話がまとまるんじゃないかな」(スポーツ専門局の解説者) 6年1億6000万ドルで話がまとまれば、田中将大の7年1億5500万ドル(163億円)を超す日本人大リーガーの最高額になる。本当に実現すれば快挙のように思えるが、メジャーリーグのサラリー動向に詳しいアナリストは、もっと高額の契約になると予測する。 「この1、2年の間にカーシヨウ、プライス、グレインキー、シャーザーといった大物先発投手が次々に2億ドルを超す規模の6年、7年契約をゲットしている。ダルビッシュも彼らと同等の評価をされている投手なので、悪くても6年1億8000万ドル(189億円)、可能性が高いのは7年2億1000万ドル(221億円)前後じゃないかと思う」(野球専門サイトのアナリスト) このアナリストが言うように、ダルビッシュは復帰後、以前と同様、トップレベルの先発投手と見なされるようになった。 通常、トミージョン手術明けの投手は球威も制球も落ちるので、評価が急落するものだが、ダルは逆で、リハビリ期間中に行った筋トレでパワーアップ。復帰後は以前より威力のある速球をビュンビュン投げるようになった。 そのため復帰後すぐにトップレベルの評価をされるようになり、9月下旬に人気野球サイト『ファングラフス』が出した『メジャーリーグの先発投手ベスト24ランキング』では7位にランクされた。これは今季レッドソックスに7年2億1700万ドルの超大型契約で入団したデービッド・プライス(10位)や、ダイヤモンドバックスに6年2億700万ドルの契約で入団したザック・グレインキー(24位)より高い順位だ。 それを考えれば、ダルが7年200億円規模の契約をゲットする可能性は十分ある。 ではダル本人は、レンジャーズに残留する気があるのだろうか? テキサス州ダラスは夏場、高温と乾燥で打球がよく飛ぶため、レ軍に来た投手は成績が悪くなることが多い。それを理由にメジャーではレ軍で投げることを敬遠する投手が少なくない。しかし、ダルはホームでの通算防御率が3.23であるのに対し、ロードでの通算防御率は3.36で前者の方がいい。そのためダラスで投げることを全く苦にしていない。 球団に対する愛着も大きいダルビッシュ。レ軍より高額な契約を出す金満球団に移籍する可能性は低いように見える。ともなり・なち 今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流。アメリカ野球に造詣が深く、現在は大リーグ関連の記事を各媒体に寄稿。日本人大リーガーにも愛読者が多い「メジャーリーグ選手名鑑2016」(廣済堂出版)が発売中。
-
スポーツ 2016年10月30日 12時00分
仮面ライダー“レスラー”棚橋弘至が悲願のライダー作品出演で1・4ドームまで突っ走る!
新日本プロレスのエース棚橋弘至が、12月10日から全国の劇場で公開される映画「仮面ライダー 平成ジェネレーションズ Dr・パックマン対エグゼイド&ゴースト withレジェンドライダー」に出演することが発表された。 棚橋が演じるのは人類を脅かす人類最恐の敵、Dr.パックマンの仲間で、屈強な肉体を誇り、怪力を活かした格闘術で敵を圧倒するという来瀬荘司(ロボルバグスター)役。棚橋は入場してからリングインした際、コーナーポストに登って決める“逸材ポーズ”が、「仮面ライダーカブト」、その後、両手を下げて広げるポーズは「仮面ライダーW」をモチーフにしていると公言したり、メキシコ遠征や、新日本とメキシコCMLLとの合同興行「ファンタスティカマニア」限定のハーフペイントも、「仮面ライダーW」を意識していると言われている。リング上や試合後のコメントでも「○○キター」(「仮面ライダーフォーゼ」)や「お前の罪を数えろ」(「仮面ライダーW」)などライダーシリーズ語録を拝借。ツイッターやインスタグラムでもたびたび仮面ライダーに関する発信をしており、テレビ朝日系列のバラエティ番組、「雨上がり決死隊のトーク番組 アメトーーク!」では仮面ライダー芸人として出演するなど、ライダー“レスラー”としても積極的に活動している。 今回の役はリング上とは違って、ライダーの対角線に立つ悪役ということだが、それこそメキシコではハーフペイントで、ルード(ヒール)として闘っており、棚橋は適任かもしれない。 棚橋は「この作品に参加させていただき、ずっと好きだった仮面ライダーの世界、夢のような空間が広がっていました。この世界観を壊してはいけないと意識しつつ、ロボルバグスターの変身ポーズでは、力があって強いキャラクターから連想して、何かを握りつぶすポーズにしました。こういう感じのやつはプロレスでもあまりやりませんから、とにかく全力で頑張りました。プロレスラー棚橋とは違う来瀬荘司をお楽しみに」とコメント。今回の出演がよほど嬉しかったのか、「孫ができたら自慢します」とまで語っている。 今作品はこれまで7年間続いた冬休み映画「MOVIE 対戦シリーズ」の生まれ変わりと位置づけられており、ライダー生誕45周年ということで、今までは2大ライダーの共闘がピックアップされていたが、今回は5人のライダーが登場し、人類の敵と対戦する。 その5大ライダーと棚橋演じる来瀬荘司がどのような遭遇をするのか楽しみだが、棚橋にとっては、まだ決まっていない1・4東京ドーム大会のカードや立ち位置を、11・5エディオンアリーナ大阪大会のSANADA戦に勝って、映画の公開前に決めておきたいところ。 棚橋が1・4ドーム大会の中心に行くことが、映画にとっても1・4ドーム大会にとっても相乗効果をもたらすだけに、なかなか思うように行かなかった2016年だが、ライダー作品出演で上がっているモチベーションを保ちながら、このまま全力で突っ走っていくしかない。(どら増田)<新日Times VOL.41>(C)東映
-
-
スポーツ 2016年10月29日 11時00分
日本シリーズ裏決戦 日本一で大谷翔平に年棒10億円&来季メジャー移籍容認
32年ぶりの日本一に挑む広島と、10年ぶりの日本一奪回に燃える日本ハム。日本シリーズ開幕戦で、注目の二刀流・大谷翔平(22)は「8番投手」で先発。最速158キロで毎回の11三振を奪ったが、4回に松山竜平、エルドレッドにソロ本塁打を浴び6回を3失点。敗戦投手となった。 結果的には戦前の期待を裏切る形となったが、この登板によってファンの「大谷にメジャーリーグでプレーしてほしい」という思いは一層強まったという。スポーツ紙デスクが話す。 「大谷がリズムを崩したのは、2回1死一、三塁での広島・鈴木誠也の本盗がすべてでした。捕手の大野奨太が二塁へ送球し、それを大谷がカットするはずでしたが、タイミングが合わず、遊撃手の中島卓也が横っ跳びで捕球。この間に三塁走者の鈴木が生還し、シリーズ史上47年ぶりのホームスチールに。その年の王者を決める大舞台で、姑息なプレーはメジャーではまず考えられません。打たれた2本塁打にしても“2ボールのあとはすべて直球”という配給を読まれていたのが原因です。これが広島の野球といえばそれまでですが、165キロ投手の大谷に“騙し合い”は似合わない。カープ女子以外のファンはみな、実力と実力が真っ向勝負するメジャー並みのプレーを望んでいるのです」 思い出されるのが、王手をかけて臨んだパ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第5戦だ。この日、3番DHで出場していた大谷は、9回表にDHを解除して“スーパーリリーフ”で登板、セーブを挙げた。それも繰り出した全15球中、8球が163キロ以上で、うち3球が自己の持つ日本最速記録を更新する165キロ。さらにフォークボールは151キロを計測するなど、まさに異次元のピッチングをまざまざと見せつけた。 「この様子は、米国内でも大きく報じられました。165キロを投げられる投手は、いまのメジャーでもカブスの左腕チャップマンくらい。それを満足なウオーミングアップなしで立て続けに記録した『オオタニショウヘイ』の名は、米国中に知れ渡りました。いまポスティングにかければ、6、7年の複数年契約で年俸2500万〜3000万ドル(約26億円〜31億円)という分析記事も出ています。これは田中将大(ヤンキース)、前田健太(ドジャース)の契約を大幅に上回るものになります」(米駐在のスポーツライター) しかし、FA資格未取得の大谷は、球団がポスティングシステムを容認するまで、日本ハムとの契約下に置かれている。今季年俸が2億円(推定)の大谷は、このオフ、最大の年俸増を勝ち取ったとしても4億円がリミットだろう。 ところが、大谷の場合、入団時に「日本一の立役者になれば、海外移籍を認める」という“密約”があったと言われる。 思い返せば、大谷は高校3年時、「米球界挑戦」を表明。これによって他球団が次々に手を引く中、日本ハムがお得意の強行指名を敢行。大谷入団にこぎつけられたのは、この密約が切り札になったというのだ。 その日本一が近づき、大慌てなのが日本ハムだ。戦力的にも興行的にも、大谷は来季も絶対に欠かせない。しかも来春には、ワールドベースボールクラシックが控えており、'20年東京五輪の野球をアピールする絶好のチャンスである。日本ハムばかりでなく、日本球界がこぞって大谷を必要としているのだ。 そこで浮上した折衷案が、「1年限定、年俸10億円」という来季の契約だという。 たとえ10億円を支払ったとしても、当初の来季年俸との差額は6億円程度。来オフに大谷をポスティングにかければ、日本ハムには20億円の譲渡金が入り元はとれる。 それらの計算の結果、来季1年だけチームに残留させるのがベストという結論に至ったわけだ。 大幅に前倒しして来オフのメジャー移籍を容認する背景には、日本ハムの新球場建設問題も絡む。これまで、本拠地は札幌市を前提に北海道大学構内案、真駒内案、札幌駅前案、札幌ドーム残留案が検討されたが、いずれも札幌市などとの折り合いがつかず暗礁に乗り上げていた。 しかし、ここにきて札幌市に隣接する北広島市への移転が有力になり、'23年までに、きたひろしま総合運動公園に球場を建設する方針が固まった。 そのお披露目に目玉として大谷が必要。戻ってきてもらうためにも、早期にメジャーに送り出した方がいいというのが、球団側の本音のようだ。 とにかく、日本シリーズ優勝が絶対条件。開幕戦の大谷のピッチングは栗山英樹監督の要望で「2戦目以降のデータ収集に身を呈した」との情報もある。 次回の登板こそ、二刀流の本領発揮となるか。
-
スポーツ 2016年10月28日 16時00分
プロレス解体新書 ROUND24 〈国際プロ至高の名勝負〉 黄金対決ガニアvsロビンソン
近年再評価される機会の増えた国際プロレス。その歴史の中でも屈指の名勝負と言われるのが、1974年11月20日の蔵前国技館大会で、王者バーン・ガニアにビル・ロビンソンが挑戦したAWA世界ヘビー級選手権試合である。 国際プロレスと聞いたときに、新日本プロレスや全日本プロレスと比べて、正直“マイナー”な印象を持つファンは多いだろう。 だが、一時期は地上波ゴールデン帯で放送枠を持ち、全国巡業となれば1000人単位で集客が見込めたことを考えれば、現在の国内団体よりよほどメジャーな存在であった。 「都市圏の大興行やテレビ視聴率で、全日や新日に大きく後れをとっていたのは事実です。しかし、それでも国際プロの経営規模は、今の新日と比べても遜色なかったのでは?」(プロレスライター) それでいて国際プロが伸び悩んだ原因としては、大きく三つが考えられる。一つ目は絶対的エースの不在。後期には“金網の鬼”ことラッシャー木村がその座に定着したが、設立からの数年間は、グレート草津、ストロング小林、マイティ井上に、外様のヒロ・マツダ、豊登、サンダー杉山、大木金太郎など、ころころと団体の顔が入れ替わった。 「もともと国際の吉原功社長は、選手を団体所属として抱えるのではなく、外部の選手たちとシリーズごとに契約を結ぶかたちを考えていた。しかし、それが団体生え抜きのスターが育たなかった一因でしょう。東京プロレスで苦労していたアントニオ猪木を取り込み、興行の目玉にしたいとの計画もあったようですが、それも実現することはなかった」(同) 日本人初の覆面選手として、その名も覆面太郎(正体はストロング小林)を登場させるなど、スター誕生のためにさまざまな趣向を凝らしたものの、いずれも結果にはつながらなかった。 二つ目は、新興団体を快く思わなかった日本プロレスによる妨害工作である。'67年1月の旗揚げ後、国際初のビッグマッチとなった同年8月14日の大阪府立体育館大会に対し、日プロはジャイアント馬場vsジン・キニスキーのインターナショナル選手権をメインとした、大阪球場大会を同日に開催している。 TBSの放送が決まった初戦、'68年1月8日の日大講堂大会(メインはルー・テーズvs草津)にも日プロは蔵前国技館大会(メインは馬場vsクラッシャー・リソワスキー)をぶつけ、それを放映する日本テレビは特番まで組むほどの念の入れようを見せた。 いずれも国際プロが興行予定を発表した後になって、日プロがわざわざ日程を組み替えてまで開催を決めたもので、国際プロはその節目となるべき大会をたびたび邪魔されることになった。 三つ目は団体解散へと至った最大の要因である、構造的な借金体質だ。 「別に放漫経営というわけではなく、当時のプロレス興行の在り方の問題です。いかに豪華な外国人選手をブッキングできるか、が興行の成否に関わるというのが当時の常識で、そのための経費が莫大になってしまった。それなりに集客も放映権料収入もあったこの頃の国際プロであれば、身の丈に合った経営もできたはずですが、時代の空気がそれを許さなかった」(国際プロ関係者) 旗揚げ直後からダニー・ホッジ、ジョニー・バレンタインなどのビッグネームを招聘した国際プロだったが、結局、それに見合うだけの興行成績を上げられなかった。TBSで放送が始まってからも赤字経営は変わらず、ブッカーを依頼したグレート東郷との金銭トラブルにより、アメリカからの大物招聘ルートを遮断されてしまう。 それでも'70年から取り入れた金網デスマッチが評判を呼び、地方興行は徐々に好成績を収めるようになったが、その金網についてはあまりの過激さから、結局テレビ放送はされず。視聴率向上にはつながらなかった。そうするうちに'74年1月には、TBSが放送打ち切りを発表。さらにはエースのストロング小林が離脱となり、団体存続の危機を迎えることになる。 しかし、半年後には東京12チャンネル(現在のテレビ東京)での定期放送が決まり、国際プロは危機を救ってくれた同局への感謝を込めて、大勝負に打って出た。AWA世界王者のバーン・ガニアと同タッグ王者のニック・ボックウィンクル&レイ・スティーブンス、さらにビル・ロビンソンと、当時AWAのオールスターを集結させたのだ。 蔵前国技館では、ガニアとロビンソンのドリームカードも実現した。互いに得意技のスリーパーホールドとワンハンド・バックブリーカーで1本ずつ取り合って、3本目はバックドロップ崩れからの両者KO。 「結果は引き分けに終わったものの、さすがにトップスター同士。その技の応酬は見応え十分で、日本で行われた外国人対決の中でも、一、二を争う名勝負となりました」(プロレス誌記者) しかしながら、当日の観衆は主催者発表で4500人と、会場の半分も埋まらず。数年後にはAWAへの高額ファイトマネーを捻出できなくなり、ビッグマッチの継続も困難となる。国際プロの社運をかけた大勝負も、結局は経営をいっそう苦しめる要因となってしまったのだった。
-
-
スポーツ 2016年10月27日 16時00分
W杯予選「勝てるハズない!」海外遠征はお小遣い付き豪華旅行
バヒド・ハリルホジッチ監督(64)はいみじくも言った。「私はアルジェリアを3年間で世界ランキングを52位から17位に上げた。日本代表でもそれと同じことをできると確信している」と。 だが、就任約1年半で、日本の世界ランキングは53位から56位に後退している。 サッカー・日本代表がワールド杯アジア最終予選でオーストラリアと戦って引き分けたのと同時に、ハリルホジッチ監督の進退問題も明るみに出た。日本はこの時点で2勝1敗1分け。予選グループBで3位の成績。W杯6大会連続出場に“黄信号”も点滅し、11月1日予定の技術委員会次第では予選途中での指揮官交代も十分にあり得る状況だ。 しかし、「悪いのは指揮官だけではない」とする抜本的改革論も囁かれている。 「代表選手にも(成績不振の)原因があるのではないかという意見です。試合でのパフォーマンスを高めるために日本サッカー協会は様々な配慮を重ねてきましたが、選手たちの“勘違い”を指摘する声も出始めているのです」(関係者) 遠征の際、日本代表の飛行機移動はビジネスクラス。国内移動はグリーン車、ホテルは“超”が付くほどの高級ホテルで、もちろん個室だ。食事は専属コックが帯同するときもある。これでは海外遠征というよりも、気心知れた仲間との豪華海外旅行である。 「同じB組のイラクは政情不安により選手の日当が遅延されており、日本と試合をしたときは、格安航空会社のエコノミークラスで深夜に現地入りしたほどです」(専門誌記者) 日本代表選手の日当は1万円。これに、試合によって勝利給が支給される。その額はW杯本大会で200万円、W杯予選で30万円、親善試合で10〜30万円。これらは「フル出場」が支給の条件だが、短時間の出場でも得点に貢献したり監督の推薦などがあれば、同様に支払われるという。 ただし、引き分けで半額、負ければゼロ。指揮官の進退問題に発展したオーストラリア戦では、フル出場した選手で15万円が支給されたことになる。苦戦が続く同代表だが、フル出場している主力はすでに75万円を得た計算だ。 いずれにしても、スポーツにはハングリー精神が必要だ。小遣い付き豪華旅行のお大尽感覚だけは止めていただきたい。
-
スポーツ 2016年10月26日 16時00分
巨人vs阪神 FA市場マネー抗争勃発!
今オフの国内FA市場は札束が飛び交う“マネーゲーム”の様相になりそうだ。豊富な資金力を持つ巨人、阪神が'16年シーズン敗退を受け、FAでの戦力補強を余儀なくされた。FA市場の活況は、そのせいだけではない。労組・プロ野球選手会が『圧力』を掛けてきたことも一因である。 「昨年オフ、前広島の木村昇吾('16年西武在籍)がFA宣言した際、『お互い次のステップに進むということ』と広島側が発言しました。東北楽天にFA移籍した今江敏晃も『ウチは(FA)宣言残留は認めていない』と古巣ロッテが言い切りました。FA残留を認めない両球団の言動に選手会が噛み付いたのです」(ベテラン記者) 選手会は昨年末、球団側との事務折衝の場で抗議。「他球団の評価を聞く権利を阻害する」と訴えた。 これに対し、球団側にも言い分はあった。対象選手がFA権を行使して他球団の評価(提示年俸)を聞けば、慰留の条件として、通常査定以上の年俸増など好条件を提示し直さなければならない。宣言残留を認めない方針はマネー戦争阻止の意味もあったが、理論武装で権利阻害と言われたら、折れざるを得ない。 こうした“労働交渉”に加え、今季は多くの実力派選手が国内FA権を取得した。オリックス・糸井嘉男(35)、中日・大島洋平(30)、同・平田良介(28)、日本ハム・陽岱鋼(29)。さらに複数年契約の切れた西武・岸孝之(31)が提示された残留条件をいったん保留。DeNA・山口俊(29)には球団が『宣言残留の権利』を許可することにした。 「当初、巨人はFA市場を静観する予定でしたが、クライマックスシリーズ・ファーストステージでDeNAに敗退し、首脳陣にも危機感が強まりました。投手陣の再編成、打線強化…今オフのFA市場には巨人の穴を埋める選手が複数います」(担当記者) つまり、FAの目玉である糸井獲得を巡って、金本阪神との一騎討ちになる可能性も出てきた。 去る10月12日、オリックスの福良淳一監督はシーズン終了のオーナー報告に出向いている。一時は途中休養も噂されたが、宮内義彦オーナーは満面の笑みで出迎え、同時に「ウチの中核、中心。残ってもらうように」と、糸井残留を改めて訴えていた。しかし、福良監督は「こればっかりは…」と顔をしかめた。実は同監督はその前日、数分だが、秋季自主トレ中の糸井と会談している。 「糸井は『考え中』といった感じでした。福良監督は残ってほしいとの気持ちを伝え、かつ『せっかくの権利なんだからよく考えろ』ともアドバイスしていました。糸井と福良監督は日本ハム時代から『選手とコーチ』の間柄で、特に糸井は信頼を寄せています」(在阪メディア陣の一人) オーナー報告で出た言葉は、糸井の気持ちを代弁したのかもしれない。 阪神のFA補強案も二転三転している。当初は大島、平田の両中日外野手を優先的に考えていたが、「同じ関西」で「35歳で53盗塁、盗塁王」という糸井のタフネスぶりを惜しみ始めた。「彼の背後には金子千尋の代理人役も務め、阪神が苦手とする有名エージェントが控えていました」(同)というのも、これまで糸井獲得に二の足を踏んでいた理由だ。 糸井は日本ハム在籍9年、オリックスに4年となるが、家族をまだ東京に残している。今回の国内FA権取得を指して、「(行使するとしたら)最初で最後」とも話していた。先の「考え中」発言もそうだが、日ハム放出の遠因ともされた糸井の海外挑戦志望は「薄れた」との見方が強まってきた。 「糸井の現年俸は2億8000万円(推定)。3億円台半ば、3年以上の複数年契約から交渉はスタートするでしょう」(球界関係者) 阪神、巨人の一騎討ちとなれば“出来高プラス”で4億円台の交渉となる。 「阪神は昨年オフ、金本知憲監督の誕生でオフの話題を独占し、その勢いのままペナントレースに突入。負けても営業的には大勝利でした。今オフはこれといった話題もない。監督人事、ドラフトで話題を作れないとなれば、ファンの期待感を煽るためにもFA補強しかない。仮に糸井に4億円出したとしても、オフの話題作りに勝利すれば問題ないはず」(前出・関係者) 西武・岸の周辺も慌ただしくなってきた。3年契約が終わり、球団はすでに残留提示額を出したが、岸はそれを保留。終了した『2億2500万円×3年+出来高』(推定)よりもダウン提示だったと思われる。 「岸は宮城県出身。補強ポイントが投手陣の楽天が獲得レースに参戦するでしょう。投手補強が必須の千葉ロッテ、DeNA、そして巨人、阪神、さらにソフトバンクも参入しそう」(同) 岸に対しては米ブルージェイズなどが熱心に視察していた時期もある。しかし、2年連続で故障離脱したことで米球界側は撤収し、移籍するとすれば国内だけとなった。8000万円プラス出来高の山口俊も1億円台での交渉が可能だ。 伝統球団の巨人、阪神に自分を高く売り込めるチャンスは滅多にない。 水面下でのマネー抗争はすでに熾烈を極めつつある。(金額はすべて推定)
-
スポーツ 2016年10月25日 16時00分
友成那智 メジャーリーグ侍「007」 「イチロー」「岩隈」「前田」「田中」今期のMVPは誰だ?
昨季の日本人選手は故障者が続出し稼働率が大幅に低下したが、今季DL(故障者リスト)入りしたのはダルビッシュ有、上原浩治、田澤純一の3人だけで、あとの選手はフルシーズン出場。成績も年俸に見合った数字を出した者が多かった。 その一方で期待を裏切った選手もいる。そこで今回は、日本人大リーガーの最優秀選手(MVP)と、もっとも期待を裏切った選手(LVP)を選んでみたい。●MVP:候補者=イチロー(マーリンズ)、岩隈久志(マリナーズ)、前田健太(ドジャース)、田中将大(ヤンキース) イチローは今季開幕時点でピート・ローズが持つ世界最多安打記録4256本に43本、メジャー3000本安打達成に65本となっていた。しかし、メジャーの野手で最高齢の42歳になっていたことや、昨季、低レベルな成績に終わったことで、ローズの記録を超えることは可能でも、シーズン中にメジャー3000本に届くかどうかは疑問視されていた。 しかもマ軍は若く優秀な外野手が三つのレギュラーポジションを固めているため、イチローが3000本達成に必要な打席数を確保するのは至難と思われた。 しかし、オフに下半身の強化に取り組んだこと、バットを立てて構える打撃フォームから寝かせて構えるスタイルに変えたことなどが功を奏し、イチローは序盤から強烈なライナー性のヒットを連発。それによって出場機会をどんどん増やしていった。 その結果、早くも6月中旬にローズの4256本に並び、8月上旬には3000本安打を達成した。 シーズン終盤に息切れし6年ぶりの「打率3割」はならなかったが、守備、走塁面では全盛期に近いハイパフォーマンスを披露。ファンに与えたインパクトは日本人大リーガーの中でも屈指のレベルだった。 岩隈久志と前田健太は日本人メジャーリーガーで最多の16勝をマーク。どちらも、一度も故障することなく、チームで唯一フルシーズン投げ抜いたことも光る。 ただ16勝の中身が、やや薄い点も共通している。岩隈はシーズン前半、失点が多かったにもかかわらず、打線の強力な得点援護で勝ち星が付くケースが多かった。マエケンも対戦する相手打線が3巡目に入ると急に打たれ出すことが多く、6回終了まで持たずに降板するケースが多かった。そのため、岩隈もマエケンも日本人投手の中で際立った働きをした印象は薄い。 田中将大はシーズン前半、打たせて取るピッチングに徹して大半の試合で先発の責任を果たしたものの、味方打線の貧打に泣かされ勝ち星がなかなか付かなかった。シーズン後半はツーシーム主体からフォーム主体に切り替えてピッチングをさらにレベルアップさせたが、7月末の大型トレード後にリリーフ陣が一気に弱体化。リードを守れず勝ち星に恵まれないままだった。 それでも表にあるように貢献ポイントであるWARはリーグ屈指のレベルであり、シーズン終盤には、一時的に防御率がリーグ1位になる場面もあった。そうした活躍のインパクトの大きさは岩隈やマエケンの比ではなかった。 こうして見ていくと最優秀選手にふさわしいのは田中とイチローの2人となる。この2人を比較した場合、田中は名門チームの「投の主役」としてフルに機能し、ヤンキースを23年ぶりの負け越しから救う大きな働きをした。一方のイチローは二つの金字塔を打ち立て、42歳とは思えぬ活躍も見せたが、チームの浮沈に関わるレベルの働きだったとは言えず田中には及ばない。 今季の日本人最優秀選手は田中将大で決まりだ。●LVP:候補者=田澤純一(レッドソックス)、青木宣親(マリナーズ) 田澤純一は2013年にブレイクしたあと、年を追うごとに成績が低下。シーズン序盤は完璧なピッチングを見せるのに、中盤以降息切れして防御率が悪くなるというパターンが続いた。 そこでシーズン終了後にFA権を得る今季は、中盤以降にスタミナ切れが起きないことをアピールして複数年契約をゲットしたいところだった。しかし、結果は最悪。序盤はこれまで以上に好調だったのに、中盤以降はこれまで以上に打ち込まれた。8月7日以降は6試合で4本も一発を食らい10失点する荒れようで、負け試合のリリーフに降格。10月にはポストシーズンのメンバーからも外された。 期待を裏切ったという点では、青木宣親も2度マイナー落ちしているので、LVP候補になりうるが、終盤、ヒットを量産して打率、出塁率を例年並みの数字に近づけてシーズンを終えている。それを考えれば、もっとも期待を裏切った選手は田澤純一で決まりだ。ともなり・なち 今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流。アメリカ野球に造詣が深く、現在は大リーグ関連の記事を各媒体に寄稿。日本人大リーガーにも愛読者が多い「メジャーリーグ選手名鑑2016」(廣済堂出版)が発売中。
-
スポーツ 2016年10月23日 16時00分
プロレス解体新書 ROUND23 〈“闘強導夢”世紀の一戦〉三沢vs蝶野の激突にファン感涙
2002年5月2日の東京ドーム大会『闘魂記念日』は、ジャイアント馬場のDNAを継承するノア(プロレスリング・ノア)と新日本プロレスの歴史的邂逅となった。それぞれを代表する三沢光晴と蝶野正洋の一戦は、時間切れ引き分けの結果にもかかわらず、ファンを大いに満足させた。 日本のテレビ地上波で最後にプロレス生中継が行われたのは、'02年5月2日、新日本プロレスの創立30周年を記念した東京ドーム大会である。 ゴールデンタイムでの放送としては、以後にもボブ・サップがメインを張った'05〜'06年の『W-1』や'07〜'08年の大みそかに行われた『ハッスル』などもあったが、こちらは録画もしくは時差中継で、昭和の香りが残る実況生中継ということでは、やはり5・2東京ドームが最後になる。 19時からのテレビ中継に合わせて、時間調整のため6分間の休憩がとられた後、田中秀和リングアナの先導で放送開始に向けてのカウントダウンがスタート。そうして試合に先立ち現れたのは、蝶野正洋とアントニオ猪木の2人だった。 「この大会のテーマは“新日の未来”でした。K-1やPRIDEの隆盛に押されるプロレス界は、今後どうあるべきなのか。プロ格闘技路線を推進する新日の創始者・猪木に対し、この大会から現場プロデューサーを務める蝶野が、どんな答えを出すのかが問われたわけです」(プロレスライター) では、実際の試合はどうだったか。 小川直也&橋本真也のOH砲登場に始まって、中西学vsバス・ルッテン、安田忠夫vsドン・フライと異種格闘技戦を意識した試合が続き、王者の永田裕志に高山善廣が挑戦したIWGP王座戦も、テレビ中継のメインながら打撃中心の展開に終始した。 セミファイナルこそは、スタイナー兄弟vs佐々木健介&棚橋弘至(レフェリーは女子レスラーのジョニー・ローラー)という純プロレスであったが、テレビ中継のトータルとしては格闘色が強く打ち出される内容となった。しかし、蝶野は猪木の要求をのんだわけではない。 「中継前に最も会場を沸かせたのが全日本女子プロレスの提供試合で、これこそが蝶野の答えでした」(同) まだ女子を男子よりも格下と見る傾向が根強かった当時に、これを新日のリング、それもドームの大舞台に上げたことは、蝶野の決意の表れだった。 「ファンの間でも全女提供試合への拒否反応はありましたが、それを実行した蝶野も立派なら、試合内容で観客を納得させた全女勢も立派でした」(同) また、大日本プロレスの提供試合も行われ、このカード編成から読み取れる蝶野の意図は“プロレス界の団結”である。格闘技人気に対抗するために、業界全体の協調を求めたわけである。その最たるものが、三沢光晴の参戦であった。 先の2000年には新日と全日の対抗戦が行われたものの、かつての全日勢のほとんどが移籍したノアこそが、ファンにとっての大本命。その総大将である三沢の招聘に成功したのは、ひとえに蝶野の誠意のたまものだった。 当時、ノアを中継していた日本テレビとの権利関係から生中継はできず、試合自体は永田戦後のボーナストラック扱いとなったが、この日、ドームに参集した全ファンの目当てが、三沢にあったといっても過言ではない。 迎え撃つはもちろん蝶野で、いきなりの頂上決戦が実現。しかしながら、試合そのものへの期待は、決して高くはなかった。なぜなら、この試合が30分1本勝負と発表された時点で、ほとんどのファンが“時間切れ引き分け”を予想していたからだ。 「ただ、30分1本勝負となったのは、まったく別の理由です。生放送の都合で21時からの試合開始となり、それで60分にすると建前上は終了が22時を超す可能性がある。しかし、それだとドームの利用規約である“22時までの撤収”に間に合わなくなるために、方便として30分にしたのです」(新日関係者) つまり30分=引き分けはファンの邪推だったわけだが、いざ試合となればそれも関係なかった。 東京ドームに『スパルタンX』が流れると、ドームの屋根が波打つほどの三沢コールの大合唱。この頃、マスコットガールとして中継に参加していたタレントの乙葉が、思わず「三沢さんて有名な人だったんですね」と漏らしたほどだった。 対する蝶野コールも負けてはいない。 「K-1、PRIDE、プロ野球。これがプロレスだ。プロレスは負けない!」と、田中リングアナのコールで会場のボルテージは最高潮に達し、ついに世紀の一戦が幕を開けた。 試合は思いのほか激しい展開となり、蝶野が花道でパイルドライバーを放てば、三沢はエメラルド・フロージョンで倍返し。卍固めにランニング・ネックブリーカー・ドロップと、互いに猪木と馬場の必殺技まで繰り出す。 さらには蝶野が、馬場リスペクトの河津掛け。残り3分を切っても一進一退の攻防が続き、ついに試合終了のゴングが鳴らされた。 引き分け試合にありがちな“延長コール”はほぼゼロ。会場にいた全員が歴史的一戦に満足し、それぞれ家路に就いたのだった。
-
-
スポーツ 2016年10月23日 12時00分
「ドームのメインは甘くない!」新日本オカダ・カズチカ、来年も1・4ドームのメインへ!
新日本プロレス10・10両国国技館大会で、来年の1・4東京ドームでのIWGPヘビー級選手権挑戦権利証を保持しているケニー・オメガが、後藤洋央紀の挑戦を、IWGPヘビー級王者のオカダ・カズチカが、プロレスリング・ノアの丸藤正道の挑戦をそれぞれ退けたことで、オカダ対ケニーのIWGPヘビー級選手権試合が、「レッスルキングダム 11 in 東京ドーム」(来年の1・4ドーム大会)のメインイベントで行われることが決定した。 挑戦者のケニーは「レッスルキングダム」シリーズ11年の歴史にして初めて、外国人選手のメインイベント出場となる。(ダブルメインイベントは除く) チャンピオン、オカダの「レッスルキングダム」戦績(レインメーカーとして凱旋帰国後)は次のとおりだ。2012年▼凱旋帰国マッチ○オカダ・カズチカ 対 YOSHI-HASHI×2013年▼IWGPヘビー級選手権試合○<王者>棚橋弘至 対 オカダ・カズチカ<挑戦者>×2014年▼IWGPヘビー級選手権試合○<王者>オカダ・カズチカ 対 内藤哲也<挑戦者>×2015年▼IWGPヘビー級選手権試合○<王者>棚橋弘至 対 オカダ・カズチカ<挑戦者>×2016年▼IWGPヘビー級選手権試合○<王者>オカダ・カズチカ 対 棚橋弘至<挑戦者>× レインメーカーとして2012年の同大会に凱旋帰国したオカダだが、同じく凱旋帰国をしたYOSHI-HASHIとの試合は消化不良に終わり、メインイベントでIWGPヘビー級王座を防衛した棚橋の前に現れ、挑戦表明したときにはブーイングと帰れコールを浴びている。しかし、その翌月に棚橋を一発で破り、IWGP初挑戦&初戴冠という“レインメーカーショック”を起こし、ファンの支持を一気に集め一躍人気選手となった。 しかし、2013年はG1クライマックスに優勝し、棚橋に挑戦するも敗戦。2014年は棚橋と直接対決はしなかったものの、中邑真輔 対 棚橋のIWGPインターコンチネンタル選手権試合にメインイベントを決めるファン投票で敗れ、ダブルメインイベント第1試合に降格する屈辱も味わっている。2015年は再び棚橋に敗れると帰りの花道で人目をはばからず、涙を流した。 今年、チャンピオンとして再び棚橋の前に立ったオカダは、激闘を制し1年越しの雪辱を果たした。棚橋に“東京ドームで”初めて勝ったことで、3勝2敗と勝ち星を先行。オカダも「これで東京ドームの嫌なイメージが払拭できた」と試合後に語っている。 「東京ドームのメインイベントは甘くないと言いたいですね」 11日にテレビ朝日本社で行われた会見でオカダは、IWGPヘビー級王座初挑戦かつドームのメインに初出場となるケニーにこう言い放った。オカダが言うと重みがある言葉だ。ケニーがこの言葉をどう受け止めたのかは知る由もないが、今まで見たことがないオカダの世界が見られるかもしれない。(どら増田)<新日Times VOL.40>【撮影/広瀬ゼンイチ】
-
スポーツ
ハッスル消滅!? 小川H軍休止宣言
2006年12月27日 15時00分
-
スポーツ
大みそかボビー弟と対戦 金子賢 前田道場入り
2006年12月14日 15時00分
-
スポーツ
珍指令 KID 秒殺禁止
2006年12月12日 15時00分
-
スポーツ
生還小橋に捧ぐ 三沢 GHC奪還
2006年12月11日 15時00分
-
スポーツ
猪木 緊急提言 想定外プロレスをやれ!
2006年12月05日 15時00分
-
スポーツ
1・4東京D「レッスルキングダム」 新日本 全日本“乗っ取り”へ秘策 長州3冠戦出撃
2006年11月16日 15時00分
-
スポーツ
復活1・4東京D大会へ秘策 新日本最終兵器サイモン猪木 IWGP挑戦!?
2006年11月07日 15時00分
-
スポーツ
来春ビッグマッチ パンクラス芸能人最強決定戦 坂口憲二 今田耕司 押尾学
2006年10月31日 15時00分
-
スポーツ
大みそか参戦ほぼ決定 芸能人対決 金子賢vs押尾学
2006年10月10日 15時00分
特集
-
岡平健治「19」解散は「お金の問題じゃない」 岩瀬敬吾、地元に戻るのを「止められてよかった」 今後はバラエティーで「ポンコツっぷりを見て笑ってほしい」
芸能
2025年08月05日 23時00分
-
野球人生“燃え尽きた”元プロ野球選手・宮國椋丞氏 今後は「周りの人に頼られたり、笑顔にしたい」
スポーツ
2025年07月25日 23時30分
-
-
豊ノ島、YouTubeチャンネルで若乃花とコラボ熱望 タレントとして相撲番組で「冠番組」持ちたい
芸能
2025年07月21日 12時00分
-
宮迫博之「雨上がり決死隊」再結成は「蛍原さん次第」 ドジャース始球式の裏話も明かす
芸能
2025年07月14日 17時00分
-
元ザブングル松尾陽介、沖縄で芸人のセカンドキャリアサポート 芸人引退に「心境の変化」
芸能
2025年04月28日 19時03分