スポーツ
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スポーツ 2016年09月24日 16時22分
世界遺産の石橋から生身のまま超絶ダイブ。レッドブル・クリフダイビング、ボスニア・ヘルツェゴビナで開幕
最高28メートルの高さから水面に飛び込むクリフダイビングの国際大会「レッドブル・クリフダイビング・ワールドシリーズ」第7戦が23日、東欧ボスニア・ヘルツェゴビナの観光地モスタルで開幕した。大会初日は男子第1ラウンド、女子第1・2ラウンドが行われ、男子は過去5回の年間王者に輝く”王者”ギャリー・ハント(英国)が絶好調を維持し、ミハル・ナヴラティル(チェコ)と同率首位、女子はヤナ・ネスチャラバ(ベラルーシ)がトップを走っている。 レッドブル・クリフダイビングは、断崖絶壁から身一つで水面に飛び込む、エクストリームスポーツ。オリンピック競技の10メートル高飛び込みを優に超える最高28メートルの高さから崖下の海や湖に飛び込む。踏み切り、空中での姿勢、着水の3項目で採点され、その合計に技の難易度を掛けたスコアを競い合う。男子は4ラウンド(ダイブ4回)、女子は3ラウンド(同3回)を行い、総合得点の最も高いダイバーがその大会の優勝者となる。1997年の初開催以降、年を追うごとに規模が拡大し、世界各地でファンが広がっている、近年人気急上昇中のエクストリームスポーツだ。 第7戦はボスニア・ヘルツェゴビナの最も有名な観光名所である石橋「スタリ・モスト」を舞台に開催された。エメラルド色に輝くネレトヴァ川に架かるスタリ・モストは16世紀の橋で、川に隔てられた旧市街を結ぶ。ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争中の1993年に破壊されるも、川底から拾い上げた石材を使って再建。2005年に世界遺産に登録された。 世界遺産から飛び込みをしてよいのかと心配になるところだが、その歴史は古く、地元土産店の店主は「年に一度の祭りのときは、街の勇気ある若者たちがこの橋から飛び込むんだ。450年続く伝統行事なんだよ」とほほ笑む。しかし、実際に川辺に降りてみるとネレトヴァ川の流れはとても早く、9月だというのに川の水はキンキンに冷え切っていた。 そんな過酷な状況下の中で、大会では女子は橋の頂上24メートルから、男子はさらにその上に設置された飛び込み台からダイブを試みる。特別に記者も男子の飛び込み台にあがらせてもらったが、その高さは異次元。さえぎるものなく広がる美しい絶景と眼下のギャラリーからの視線に恍惚を感じる一方で、止まらぬ足の震えは地面に降りてからも小一時間続いた。 大会初日は、選び抜かれた世界屈指のクリフダイバー男女22名がアーチ橋から次々と果敢に飛び込み、華麗な技を披露。「バンッ」という音を響かせながら着水を決めるたび、詰めかけた数百人のギャラリーが沸き上がった。大会は24日もあり、男女の決勝が行われる。なお、次回の第8戦は10月15日、16日の両日、和歌山県白浜町の三段壁で日本初開催されることになっている。
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スポーツ 2016年09月24日 14時00分
経済効果332億円! “セ界”の黄金カードになる広・横戦
広島が25年ぶりにリーグ優勝を決めたことで、プロ野球の人気復活が加速する。カープ女子など若いファンが急増したのが原因だが、おかげで“セ界”の勢力地図も一変。「巨神」全盛時代から、「広横」黄金時代に突入−。 プロ野球に新しい潮流が押し寄せている。広島が優勝を決めた東京ドーム外野席にはカープ女子が全国からどっと押し寄せ、赤一色に染まった。 近年、プロ野球のテレビ視聴率の低迷が叫ばれているが、その一方で入場者は増えている。地上波の中継が消えたことで、球場に足を運ぶファンが増えたのだが、けん引しているのはちょっと前まで「お荷物球団」と言われた広島カープと横浜DeNAの2球団なのだ。 「この流れは、来年はもっと顕著になるでしょう。プロ野球がテレビ観戦から、スマホ観戦に変わってきたからです。今年7月、Jリーグと英国のパフォーム・グループが10年間で約2100億円の放映権契約を締結し、傘下の『DAZN(ダ・ゾーン)』が来季からJリーグの試合をスマホ配信することが決まりました。ダ・ゾーンは英国プレミア・リーグ、NFL、F1も高画質で中継し、月額1750円ですべて楽しむことができる。プロ野球では広島とDeNAを組み込んでおり、両球団のファンが急増しているのです」(スポーツ紙デスク) 広島は女性向けのプロモーション「カープ女子」が大成功。JR広島駅から徒歩10分の地に新設したマツダスタジアムへ向かう“カープロード”沿いの飲食店には、赤色の看板が並び、ワクワク感を演出する。スタンドの座席も34種類あり、フードやショッピングも充実。ファンサービスに徹した米国仕様が功を奏した。 カープ女子の急増で選手も奮起。チーム打率2割7分6厘だけでなく、本塁打、盗塁、得点もリーグ1位。防御率もNo.1で球団創設67年目にして初の80勝の大台をクリア。ここに「快適な球場→女性歓迎→ファン急増→選手奮起=V」の優勝方程式が完成した。 全国で赤ヘル優勝セールがスタートしたが、関西大学の宮本勝浩教授によると、経済効果は広島県内だけでおよそ331億5000万円。'14年阪神の429億円には及ばないが、'10年中日の220億円、'13年楽天の230億円を大きく上回るという。 そのカープ人気に猛チャージをかけているのがDeNAだ。今年、横浜スタジアムを横浜市から74億円で買い取り、球場の改革に着手。靴を脱いで試合観戦できる「リビングBOX」をはじめ、試合の満足度に応じて返金する「全額返金チケット」などの企画を試み話題をさらった。 球場内の飲食店も見直し、独自の醸造ビールを販売するなど収益は上昇。徹底した「コミュニティーボールパーク」化でテレビ放映料に頼らない球団経営に取り組み、球団初のCS進出も手中にしている。 かたや、従来の古い体質から抜け出せない巨人、阪神、中日、ヤクルトのセ4球団。人気の上では、すでに勝負はついたようだ。
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スポーツ 2016年09月23日 17時00分
相撲協会の咆哮! 稀勢の里がダメなら“誰が? いつ”(日本人)横綱になるんだ〜
豪栄道(30)が優勝戦線トップに躍り出て、大相撲秋場所(両国国技館)は大盛り上がりだが、場所前から注目を集めた大関稀勢の里(30)の綱取りはほぼ消滅した。横綱白鵬(31)不在の場所を誰が制するのか。ヤキモキする土俵が続いているが、期待したのはやっぱり稀勢の里の動向だった。 今場所、星数はともかく「優勝さえすれば横綱」という、これまでよりも緩い条件を掲げられていたが、いきなり黒星発進。3日目にも2つ目の黒星を喫し、大関同士の豪栄道戦も負けて、貴乃花が引退して以来13年半も途絶えている“和製横綱”の誕生を待ちわびていたファンや関係者をがっかりさせた。 とりわけ、協会関係者の落ち込みようはひどかった。八角理事長(元横綱北勝海)も、初日の波乱の主役が自分の愛弟子である前頭筆頭の隠岐の海(31)だったにもかかわらず、まるで稀勢の里応援団長のようにがっくりと肩を落とし、「最後まで粘り強くいけば、まだチャンスは出てくる」と懸命にエールを送る始末。 それにしても、どうしてこんなに協会関係者が新横綱誕生に必死になるのか。今場所も大相撲人気は沸騰。初日の3日前に相撲協会は早々と15日間全部の前売り券の完売を発表している。この人気を不動のものにするために、今、なんとしても和製の目玉が欲しいのだ。 しかし、その大本命である稀勢の里がつぶれてしまったらどうなるか。番付を見渡しても、稀勢の里に続く第2、第3のホープが見当たらないのだ。 「十両の人気者の宇良も、幕内上位で大暴れするような器ではない。今場所、横綱、大関を次々に倒して大旋風を巻き起こした隠岐の海も、来場所はどうなるか分かりません。改めて見てみると、本当に大相撲界は玉不足なのです」(担当記者) 3横綱はいずれも30代。稀勢の里もすでに30歳を超し、たとえ横綱に上がったとしても、長期政権は築けない。 秋場所を見る限り、日本人横綱への可能性を感じさせてくれるのは、今場所小結に復帰した高安だ。幕内では、遠藤が盛り返してきた。これがホンモノなら、綱への可能性がないこともないのだが…。 「日本人横綱は誰が、いつ?」相撲協会の咆哮はしばらく続きそうだ。
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スポーツ 2016年09月23日 14時00分
ポスト緒方に浮上した石井琢朗打撃コーチ
四半世紀ぶりのペナント制覇、その大きな勝因は打線の好調さだろう。 マジック1で敵地・東京ドームに乗り込んだ時点でのチーム打率は12球団トップの2割7分6厘。総安打数1237、同本塁打数141も12球団でもっとも多い。興味深いのは、総三塁打の数。こちらも12球団トップの33で、機動力の広島野球を再認識させられた。 「今年の広島打線は2ストライク後からが粘り強いんです。足を上げてフルスイングしていたバッターが2ストライク後は、摺り足打法に変えてきます。より確実にミートするためで、右打者の右方向へのヒット数も増えました。打線全体に『つなぐ』という意識が浸透していました」(在京球団スコアラー) 今季の広島は『打撃コーチ3人制』。打線好調の理由は、単にコーチの人数が増えたからではない。打撃陣の「つなぐ」意識改革に取り組んだ石井琢朗コーチ(46)の功績によるものだ。 「緒方監督はもちろん、選手、フロントからの信頼感も厚い。将来の広島監督候補はメジャー経験のある黒田であり、他球団に属したことのある新井や前田智徳氏(45)などが挙げられます。ですが、こうした生え抜きの面々を選ぶ前に、石井コーチを挟む可能性も出てきました。石井コーチを外様と位置づける人は1人もいません」(球界関係者) 影の功労者・石井コーチが『ポスト緒方』に急浮上してきたのだ。 同コーチは'08年オフ、旧横浜から戦力外通告を受け、広島に拾われた。「まだ出来る」という思いと古巣への雪辱を胸に、'12年シーズンまで現役を続けた。引退と当時にコーチ業に専念したが、特筆すべきは現役最後のシーズン。“外様”でありながら、兼任コーチを託されているのだ。 「広島での現役4年間は単身赴任でした。でも、コーチ就任と同時に家族を広島に呼び寄せています。こちらに骨を埋める覚悟を固めた証しでしょう」(前出・同) 守備走塁部門からスタートした。そして、緒方監督の誕生と同時に、“指揮官の分身”でなければ務まらない三塁コーチ役を任された。打撃担当となったのは昨秋キャンプからだが、異例の3人制は緒方監督のたってのお願いだったという。 「3人制となり、コーチが選手を個人指導する時間も増えました。ティー打撃ではボールに500円玉ほどの大きさの文字を書き、それを音読させながらやっていました。ボールをしっかり見極める意識改革の第一歩でした」(スポーツ紙記者) また、石井コーチには別の任務も託されていたようだ。二軍コーチ補佐を兼務していた東出輝裕(36)が正式に引退し、打撃コーチとなった。東出はその次の世代の監督候補である。これも緒方監督の石井コーチへの信頼によるものだろう。 「石井の現役引退により、テスト生入団選手が消滅しました。ドン底から這い上がってきた根性は広島選手の気質にも合う」(同) “広島のオトコ”となった石井コーチが緒方路線を継承する。
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スポーツ 2016年09月22日 14時00分
日本シリーズが最後となる完全燃焼「黒田引退」と「4番新井」
最後の喝を入れる。 広島東洋カープが25年ぶりのリーグ優勝を飾った。その牽引役は投打の両ベテラン、黒田博樹(41)と新井貴浩(39)と言っていい。 「新井はMVPに選ばれる可能性が高い。彼の活躍について聞くと、フロントも毎度お馴染みのフレーズとなった『まさか、ここまでやるとは』の声が返ってきます。シーズン中盤までは親しみを込めた言い方でしたが、最近は本当に尊敬しているというか…」(スポーツ紙記者) 4番・新井、先発・黒田。優勝を決めた9月10日、敵地・東京ドームのスタンドは真っ赤に染まっていた。オールドファンは1975年、リーグ初優勝を決めた舞台が後楽園球場だったことを思い出していた。 「'75年も巨人の本拠地・後楽園で優勝を決めました。敵地にもかかわらず、その日も広島ファンのほうが多かった」(ベテラン記者) 黒田にとっては、プロ生活初の優勝である。自身の登板日が優勝を懸けた大一番になったのは“巡り合わせ”だ。「マジック1」のままでの足踏みがしばらく続いた。しかし、黒田の寡黙に投げ続けた姿は、広島ナインに「最後の喝」を入れたという。 「前日(9月9日)、試合のなかった広島ナインは、遠征先のホテル近くの飲食店で巨人とヤクルトの一戦を見守っていました。グラウンドで勝って胴上げをするのが一番ですが、どんな形でもいいから優勝したいという雰囲気でした。と同時に、翌日の先発が黒田だから勝てる、といった確信のようなものを選手たちは抱いていました」(関係者) 別方面からは、こんな声も聞かれた。 「終盤戦に入り、ベテラン新井を4番に定着させました。緒方孝市監督を始め、首脳陣がエルドレッドの故障後、誰を4番にするかを話し合って新井になったんですが、交流戦でブレイクした4年目の22歳、鈴木誠也を推す声もあったんです。新井に決めたのは、25年ぶりの優勝に相応しい4番は誰かなのかを考えた結果です」(前出・ベテラン記者) 『4番鈴木』は、まだ時期尚早と判断されたわけだ。しかし、「1番・田中広輔、2番・菊池涼介、3番・丸佳浩」と続く今年の広島打線に、日本人の、それも生え抜きの新4番が定着すれば、カープは長期政権を築ける。それが今後の課題だ。 「新井は『広島に拾われた。救われた』の思いが強い。その恩返しができたとも考えています。黒田にしても同様で、広島に帰還した理由が『このチームで優勝したいから』。引退も示唆した昨年オフにあえて踏みとどまったのは、後輩投手たちに『生発ローテーションを託された重み、責任感』を、言葉ではなく自らの態度や背中で教えるためでした」(前出・関係者) リーグ優勝で、投打のベテランは「自らの役目を終えた」と判断している。 「広島が首位に立った直後、選手たちは対戦投手のマークが厳しくなり、それを苦痛に感じていました。でも、新井はエース対戦を楽しんでいたというか…。広島の若手はクライマックスシリーズの最終ステージ、日本シリーズの舞台を経験していません。両ベテランはあの独特の緊張感を乗り切るサポートをしたら、役目を終えたと思うでしょうし、いつまでも、両ベテランに頼っていてはいけないと若手も自覚するはずです」(同) CS、日本シリーズで、広島は黒田を軸としたローテーションを組むと予想される。メジャー時代、「中4日、100球」の登板間隔で投げていたので、調整は問題ないだろう。緒方監督は「日本シリーズ進出なら、初戦は最多勝(候補)の野村祐輔、第2戦と第7戦は黒田。7戦前に決着が付くようなら、救援も」と考えているそうだ。 緒方監督は優勝に相応しい4番として新井を指名したように、黒田を胴上げ投手に選ぼうとしている。当然、その雄姿が後輩投手にも響くことを願っている。 「広島は'75年に初優勝したときのチームスタイルに回帰していきます。もともと育成のチームでしたが、近年の主力選手は育ててもFAで出て行ってしまうので、首脳陣は育成のピークを何年後に設定すればいいのか分からなくなっていました。今の広島選手はFAでの国内移籍を考えていないので、鈴木のように4、5年後を見据えてじっくり育てることができます。今秋ドラフトから高卒選手の大量指名が見られるかも」(前出・ベテラン記者) その教育係に苦労人の黒田、新井は相応しい。黒田の男気と「4番・新井」は今季が見納めのようだ。
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スポーツ 2016年09月21日 14時00分
W杯“世紀の誤審”UAE戦余波 GLT設置4000万円にJリーグ「そりゃ、無理だわ」の声
“世紀の誤審”の余波が世界に拡大している中、日本サッカー協会に、新たな難題が突き付けられた。 「目下、ハリルジャパンはワールドカップ・ロシア大会出場に向け、アジア最終予選を戦っています。2戦目で勝利したものの、黒星スタートとなったUAE戦の“悪夢”を引きずっています」(スポーツ紙記者) UAE戦の“悪夢”とは、幻の同点ゴールのことだ。VTRを見る限り、完全にゴールラインを割っていた。日本サッカー協会の田嶋幸三会長は「国際サッカー連盟とアジアサッカー連盟に厳重抗議する」と憤っていた。だが、この“正義の訴え”が自らの首を締めることにもなりかねないのだ。 「サッカーにVTR判定はありませんが、ハイスピードカメラか磁気センサーを設置し、ボールがゴールラインを割っていたか否かを確認する『GLT(ゴールラインテクノロジー)』と、『AAR(追加副審)』の方法が検討されているのです」(専門誌記者) 思い当たる発言もあった。UAE戦後、本田圭佑が「なぜ第4審判がいないのか」とこぼしていた。サッカーの審判は3人。アクシデントに備え、4人目の審判が控えている。本田の言う第4審判とは、その控え審判ではなく、AARを指していた。これはピッチに立つ3人の審判と1人の控え審判に、さらに2人の審判を加えること。追加の2人が両ゴール付近に立ち、ゴールラインを割ったかを確認する。海外の主要大会などではすでに導入されている。 「今季は試験的に、天皇杯準決勝以降など重要な試合に限り、AARが採用されていきます」(同) しかし、このAARは『主審ライセンス』を持った者でなければならない。今季、Jリーグに登録されている審判員は全部で134人。J1は18チーム、J2が22チーム、J3は16チーム。一節当たり最大28試合をAARを含めた審判6人制で行うとすると、合計168人が必要になる計算で、審判員の数が絶対的に足りない。 また、'14年W杯ブラジル大会から採用された『GLT』は、「初期投資で4000万円強」が必要という。当然、全試合会場に設置しなければ、不公平が生じる。 「日本がUAE戦の誤審を訴えた時点で、『オマエんとこはどうなんだよ!?』となる。AARに対応できるだけの優秀な主審数を増やすか、GLTを全スタジアムに設置しますと表明したのも同じ」(Jリーグ関係者) 追加副審をつけるという形で当面は良しとするしかないか。
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スポーツ 2016年09月21日 12時13分
緒方カープの舞台裏 4番・新井の打点が表す「育成の強さ」
ペナントレースが開幕した当初、プロ野球ファンの注目度がもっとも高かったのは阪神タイガースだった。ドラフト1位の高山俊(23)がトップバッターを務め、横田慎太郎(21)が続く。この初々しい打線は「何かやってくれるんではないか?」との期待を持たせた。しかし、交流戦を終えたころ、阪神は首位戦線から脱落し、広島東洋カープが混戦状態から抜け出した。 巨人、DeNA、ヤクルト、阪神、中日は、なぜ、広島に敵わなかったのか…。興味深いデータがある。広島が優勝を決めた9月10日の試合終了時点でのチーム別対戦データを見ると、広島は2位巨人と11勝11敗、3位DeNAには13勝11敗。4位ヤクルトには15勝8敗、5位・阪神とは17勝6敗、最下位・中日とは15勝6敗1分け。Aクラスのライバルチームとはほぼ互角で、Bクラスチームから確実に貯金を上げていた。もっといえば、最大のお得意サマは「貯金11」を稼いだ阪神ということになる。 阪神との戦い方が違っていたら、広島は独走態勢を築けなかったのではないだろうか。新井貴浩 打率3割4厘 本塁打18 打点98福留孝介 打率3割9厘 本塁打9 打点51 両チームの4番バッターの成績を比較してみた。本塁打数こそ違うが、打率ではほとんど差がない(同日時点)。新井の打点98はリーグトップ。得点圏打率は福留が3割5厘なのに対し、新井は3割4分5厘。出塁率は福留のほうが上。大きく違うのは「打点」だ。打点は「得点圏打率の高さ」でも証明されているが、こうも解釈できる。前打者が出塁し、得点圏まで進まなければ、打点は稼げない。「打点の差」は打線(全体)にあるのではないだろうか。1番から3番のバッターを比較してみた。 田中広輔 打率2割7分2厘 本塁打13 盗塁26菊池涼介 打率3割2分 本塁打13 盗塁13丸佳浩 打率2割9分2厘 本塁打19 盗塁21 田中は全試合出場(同時点)、菊池、丸も130試合以上出場している。広島が1番、2番、3番を固定できたのに対し、阪神は1番を務めたバッターが計10人、2番は11人、3番は13人。1番をもっとも多く務めたのが高山俊の55試合だから、広島打線のような安定した得点力は望めない。 「阪神は世代交代の真っ最中。高山、横田、北條、原口らの若手が成長すれば…」(在阪記者) 阪神も広島のお得意サマにされたままでは終わらないだろう。 今年の広島は逆転勝ちが多かった。82勝(同時点)のうち、42試合がそうだった。4番新井の前に走者をためることのできる打線の力も大きいが、見方を変えれば、「先発投手陣が先に失点するケースが多かった」ということになる。巨人、DeNAは故障者続出で苦しんだ時期があった。中日は世代交代に進まない。ヤクルトは絶対的な守護神を失い、戦い方を変えなければならなかった。ゲーム差は大きく開いたが、広島は圧倒的な強さを誇ったわけではないが、1、2、3番を託せる選手を育てた。そして、上位打線を固定させた。この得点能力を高めた野球が優勝に引き寄せたのではないだろうか。
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スポーツ 2016年09月19日 16時00分
プロレス解体新書 ROUND18 〈ライバル闘争の裏事情〉 長州力vs藤波辰巳“名勝負数え歌”
新日本プロレスで中堅の座に甘んじていた長州力が、スター街道を走る藤波辰巳(現・辰爾)に牙をむいた下剋上。パワーの長州と技の藤波、異なる個性が絡み合う両者の対戦は、さまざまなドラマを内包した“名勝負数え歌”として、黄金期の新日マットを彩った。 かの有名な“噛ませ犬発言”の印象もあって、ブレイク前の長州力は何か冷や飯を食わされていたと記憶するファンもいるようだが、事実は異なっている。 そもそも長州は、日本レスリング界の父・八田一朗の肝入りで新日入りした超有望株。同じミュンヘン五輪に出場した全日本プロレスのジャンボ鶴田の向こうを張って、次期エース候補と見る向きは強かった。 デビュー戦からオリジナル技のサソリ固めをフィニッシャーに使い、リングネームも一応は一般公募としながらも、会社側が力道山から一文字をとった「力」の名をあらかじめ用意していたという、まさに破格のデビューだった。 テレビ中継への登場回数も多く、これには同世代の藤波辰巳や木村健悟が嫉妬したとの話もあるほど。ちなみに藤波は長州よりも二つ年下だが、デビューは3年も早い先輩である。その立場が逆転するのは1978年1月23日、藤波が米ニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデンでWWWFジュニアヘビー級王座を奪取し、ドラゴンブームが起こってからだった。 一方の長州もNWA北米タッグ選手権を戴冠したが、これはあくまでも坂口征二が主体のもの。 「爽やかなルックスで女性ファンをつかんだ藤波に対し、パンチパーマにずんぐりとした体形の長州は見栄えで劣り、人気面ですっかり水を開けられてしまった」(プロレス記者) '78年から始まったMSGリーグ戦でも藤波は猪木、坂口に次ぐ日本人3位が指定席であったのに比べ、長州は下位低迷するばかり。五輪代表の経歴から強さで勝負しようにも、その五輪が韓国代表としての出場とあっては、日本のファンにアピールしづらいという側面もあった。 藤波がWWF王者のボブ・バックランドやハルク・ホーガンらのトップどころと好勝負を繰り広げて、ヘビー級転身へのキャリアアップを順調に進める中、長州は初来日のローラン・ボックにわずか3分で敗れるなど、中堅レスラーの座に甘んじていた。 '82年のメキシコ遠征も選手としての格上げが目的ではなく、国際運転免許を取るためというリング外の理由によるもの。この時、長州は“このままくすぶっているぐらいなら…”と思いつめ、ついには日本へ引退の意思を伝えるまでに至ったという。 しかし、このSOSが転機となる。 「会社としては、エース候補として入団させた長州をこのまま腐らせるわけにはいかない。そこで持ち上がったのが、藤波との日本人対決だったのです」(同) 藤波も長州もヘビー級としては体が小さく、無理に大型選手と戦わせるより良策との判断だったが、この読みがズバリ当たる。 '82年10月8日、後楽園ホールのシリーズ開幕戦で長州の造反劇が始まり、22日の広島で最初のシングル対決を迎えると、互いに感情むき出しの好勝負を展開。結果はノーコンテストではあったが、ジュニア仕込みのスピードと切れのいいパワーファイトという互いの異なる個性が絶妙に噛み合い、これまでにないハイスパート・レスリングを生み出した。 両者の闘いは回を重ねるたびに練度が上がり、いつしか“名勝負数え歌”とまで呼ばれるまでになった。そんな闘い模様の最初のクライマックスは、'83年4月3日、蔵前国技館において長州が藤波からWWFインターナショナル王座を奪取し、「俺の人生にだって一度ぐらい幸せなことがあってもいいじゃないか」とつぶやいた場面になろうか。 くすぶりから一念発起した長州が、スター街道をひた走る藤波を倒したことは、プロレス史に残る下剋上として、多くのファンの支持を受けた。 実際には、エリートの長州が叩き上げの藤波を倒して、元の位置に戻ったに過ぎなかったのだが、これによって遅まきながら長州人気が爆発する。 抗争の第2章は、同年夏、藤波のリベンジだった。先の敗戦後に、藤波は失意の海外遠征を経て帰国。第1回IWGP決勝で失神敗退した猪木が欠場するシリーズで、エースの座を任された藤波だが、それはあくまでも仮の措置というのが大方の認識であり、一方の長州はすでに革命軍(のちに維新軍)として確固たる地位を築きつつあった。 そんな中での7月7日、大阪府立体育館の対戦で、藤波は長州にサソリ固めを仕掛けた。実況の古舘伊知郎が絶叫した“掟破りの逆サソリ”だった。ロープブレークを無視して技をかけ続け、反則負けにはなったものの藤波の“団体を守るためのなりふり構わぬ姿”は、ファンに好感をもって受け入れられた。 続く8月4日、蔵前国技館の対戦では、リングアウトながら藤波が勝利してタイトルを奪還。これまで長州コール一色だった客席からは、徐々に藤波コールも復活し始めた。 珠玉のライバル闘争にファンの期待は高まる一方であったが、それから半年後の'84年2月3日、札幌中島体育センターにおいて藤原喜明が長州を襲撃する“テロ事件”が勃発。さらには長州が全日移籍となり、両者の抗争はファンの望まぬ形でいったん終止符を打つことになった。
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スポーツ 2016年09月18日 12時00分
IC挑戦! 内藤哲也の反撃が始まるか? オカダvs丸藤が前哨戦! 【新日本9・25神戸ワールド大会展望】
新日本プロレス秋のビッグマッチ第3弾は、9月25日に神戸ワールド記念ホールにて開催される。メインでは内藤哲也が、マイケル・エルガンが持つIWGPインターコンチネンタル王座(IC王座)に挑戦する興味深いカードが組まれた。9・25神戸ワールド大会の展望を書いてみたい。『DESTRUCTION in KOBE』9月25日(日)神戸ワールド記念ホール(16時開始)▼全対戦カード(1)6人タッグマッチ 20分1本勝負デビッド・フィンレー&ヘナーレ&金光輝明 対 ウィル・オスプレイ&ロッキー・ロメロ&パレッタ(2)タッグマッチ 20分1本勝負ヨシタツ&キャプテン・ニュージャパン 対 高橋裕二郎&チェーズ・オーエンズ(3)6人タッグマッチ 20分1本勝負真壁刀義&本間朋晃&田口隆祐 対 天山広吉&中西学&タイガーマスク(4)スペシャルタッグマッチ 30分1本勝負柴田勝頼&永田裕志 対 カイル・オライリー&ボビー・フィッシュ(5)NEVER無差別級6人タッグ選手権試合 60分1本勝負<王者組>小島聡&リコシェ&マット・サイダル 対 アダム・コール&マット・ジャクソン&ニック・ジャクソン<挑戦者組>(6)スペシャル8人タッグマッチ 30分1本勝負後藤洋央紀&石井智宏&ジェイ・ブリスコ&マーク・ブリスコ 対 ケニー・オメガ&バッドラック・ファレ&タマ・トンガ&タンガ・ロア(7)スペシャル6人タッグマッチ 30分1本勝負棚橋弘至&ジュース・ロビンソン&KUSHIDA 対 SANADA&EVIL&BUSHI(8)スペシャル8人タッグマッチ 30分1本勝負オカダ・カズチカ&YOSHI-HASHI&邪道&外道 対 丸藤正道&矢野通&原田大輔&小峠篤司(9)IWGPインターコンチネンタル選手権試合 60分1本勝負<王者>マイケル・エルガン 対 内藤哲也<挑戦者> まず、注目は第5試合のNEVER無差別級6人タッグ選手権。両チームともにヘビー級の選手とジュニアヘビー級のタッグチームによるトリオ編成になっており、無差別級の魅力を最大限に発揮した試合になりそうだ。ROH世界王者(18日現在)のアダム・コールが新日本のベルトに絡んで来るのも注目である。王者組の小島聡は、同王座を獲得したのを機に、天山広吉に『G1クライマックス26』出場を譲渡するなど、このベルトに対する愛着は思いのほか深いだけに、タイトル流出は避けたいところだろう。 第6試合のCHAOSとバレットクラブの8人タッグマッチは、G1決勝以来となる後藤洋央紀とケニー・オメガの絡みが注目される。後藤は今シリーズ好調をキープしており、22日の広島大会で、同門のYOSHI-HASHIがケニーに敗れるようなことがあれば、ケニーとの再戦へ向けて走りだす可能性は充分に考えられる。後藤の年明けを左右するような8人タッグマッチになるかもしれない。 第7試合では、今シリーズ連日行われている新日本本隊とロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン(L・I・J)による6人タッグマッチ。棚橋弘至とSANADAの行方も気になるところだが、12日の後楽園ホール大会でEVILとシングルで対戦し、敗れはしたものの一気に株を上げた、ジュース・ロビンソンに期待したい。最近のロビンソンの成長は目覚ましいものがある。神戸の大舞台でも存在感を大いに発揮してもらいたい。 セミファイナルでは、10月10日の両国国技館大会でIWGPヘビー級選手権が決定している、オカダ・カズチカと丸藤正道による前哨戦が行われる。オカダはG1公式戦の初戦、7・18札幌大会で丸藤に敗れているだけに、前哨戦は優位に立っておきたいところ。ただ、CHAOSはノア本隊と友好関係を築いており、現在、CHAOSの矢野通が丸藤をパートナーにGHCタッグ王座を保持している。そのため、前哨戦では矢野もノア側についてCHAOSとは対峙することに。CHAOSきっての頭脳派である矢野の存在はオカダを悩ませるかもしれない。 メインイベントは、マイケル・エルガンに内藤哲也が挑戦するIWGPインターコンチネンタル選手権。12日の後楽園大会で内藤は「あくまでも最上級のベルトはIWGPヘビー級王座」とした上で、「(IC王座が)俺のもとに来たいというのなら、来ればいい。ブン投げてやるから」と内藤流のコメントを残している。しかし、内藤がG1でエルガンから勝利を収めたとはいえ、この後楽園大会での前哨戦でも内藤が何度か表情を歪めるなど、エルガンの底知れぬパワーに手を焼くのは間違いない。L・I・Jならではの頭脳プレーでエルガンを撹乱しながら勝機を見出していくのか? それとも正攻法で崩して行くのか。内藤が常々口にしている来年の1・4東京ドーム大会で“ファン投票”によるメインイベント出場を果たすには、IC王座の獲得が一番早い。なぜなら2年前のファン投票ではIC王座戦にメインの座を奪われたからだ。だが、今シリーズはエルガンの好調さが目立っているだけに、L・I・Jを結成してからの集大成を内藤は見せないと勝利は難しいのではないだろうか。1・4ドーム大会のメインを左右する重要な一戦になりそうな予感がする。(どら増田)<新日Times VOL.35>
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スポーツ 2016年09月16日 16時00分
長友がハリルに反旗? W杯出場“黄色信号”で加速する代表分裂危機
サッカーワールドカップ・ロシア大会(2018年)のアジア最終予選が始まった。6大会連続出場を目指す日本代表は初戦のUAEに敗退。2戦目はタイに勝ったものの、過去、初戦を落として出場を果たしたことがないだけに、日本はさらに厳しい戦いを強いられることになる。 「微妙な判定に泣かされての敗戦とも言えます。ただ、それよりも問題なのは、海外組の選手招集です」(専門誌記者) 今回、代表の常連でもある長友佑都(29=インテル)が外れた。いったん招集を決めた長友が合流できなかった理由は“ケガ”だが、重症ではないという。セリエAのリーグ戦も始まり、「所属チームが大事を取って」の措置。今回の長友離脱は海外チームに所属する選手の招集に大きな影響を与えそうなのだ。 「ヨーロッパは秋に公式戦が始まり、翌年春に閉幕するスケジュールです。だから、この時期に行われるW杯予選において、“海外組”は出せない。リーグ戦序盤でとりこぼすわけにはいきませんからね」(同) W杯常連国の代表チームは、一般的に予選では若手や代表経験の浅い選手を試しながら戦い、本大会でベストメンバーを組む。長友、本田、香川など海外で活躍する選手はこうした“代表のあり方”を見ており、常にベストメンバーで臨もうとする日本の手法に疑問を持っている。 「長友らにすれば、代表で招集される度に所属チームを離れるわけですから、ライバルとのレギュラー争いもあって、帰還後の苦労は並大抵ではありません。他国はW杯予選を若手や控え選手で戦い、経験値を積み上げて強化される」(同) ハリルホジッチ監督も、W杯本番までベストメンバーを組むことが少ない他国のやり方は分かっている。それでも海外組にこだわるのは「国内組を信用していない」(関係者)からだという。 「海外組、そしてチャンスをもらえない国内組双方から不満の声が出そう。まして黒星スタートでチームの雰囲気も悪い」(同) “アモーレ長友”がハリル・ジャパンの爆弾に!?
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