8月23日、日本野球機構(NPB)と日本プロ野球選手会の事務折衝が行われ、「侍ジャパンに選ばれたら、参加した日数をFA資格取得の登録日数に加算してくれ」と訴えたのだ。来年3月には第4回WBCを控えている。返答次第では前回同様、「出場ボイコット」とゴネるかもしれない。
「昨今、NPBと選手会は良好な関係を築きつつありました。熊崎勝彦コミッショナーが『現場の声を聞く』と歩み寄り、その誠意に選手会も打たれたからです。でも今年7月、コリジョンルールのシーズン途中の改定を巡り、様相が変わってきました」(ベテラン記者)
選手会は「WBC直後のペナント開幕ではベストパフォーマンスで臨めない」と、開幕日の延期を要望。NPB側はそれを却下し、当初の予定通り3月31日の開幕を発表した。「選手会が黙って引き下がるとは思えない」の声が多いのは、こうした経緯による。
代表招集期間を登録日数にカウントしないとなった場合、交渉連敗中の選手会は強硬手段に出るだろう。“出場辞退”が誰にとっても最悪のシナリオだ。
「痛手を被るのは、特に日本テレビでしょう。日テレは自社幹部が侍ジャパンを運営する会社の社長となりました。視聴率、入場者収益で伸び悩む侍ジャパンをサポートするため、全面支援する方向ですからね」(球界関係者)
FA権取得日数は一軍登録145日で1年とし、国内は8年、海外は9年。1年間で一軍登録146日以上あっても2年目としてカウントされないが、2年以上で145日に達すれば、1年となる。代表招集は1カ月ほど。これまで146日目が無効になるリスクは指摘されていないだけに、今回の代表日数の加算は「難クセ」との声も聞かれた。
「選手会会長が嶋基宏(楽天)から内川聖一(ソフトバンク)に交代するとも言われている。新体制でナメられないため、選手会背広組による勇み足との指摘もされていますが、果たしてどうなるか」(同)
小久保代表監督も気が気ではない?