新日本
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その他 2019年11月24日 18時00分
蝶野正洋の黒の履歴書 ★貴ノ富士「付き人暴行事件」の私見
相撲界では、貴ノ富士(22)が付き人に暴行して引退に追い込まれたな。前回話題に取り上げた「神戸教師イジメ」と別問題と思えるが、根っこの部分は同じような気がするね。 貴ノ富士がああなってしまったのは「相撲界の付き人制という特殊な環境が悪い」という意見もあるみたいだけど、俺は制度そのものは悪くないと思う。 まぁ、20歳そこそこのあんちゃんが、関取ということで付き人がついて、ちやほやされたら勘違いしちゃうこともある。付き人は先輩の素行が悪い所を見てるから、内心は「なんだこいつ」って思ってることも多い。そういう人間関係をコントロールするには、ある意味で力を見せないと…という流れもあったと思う。 要は、どちらも人間ができあがってないのが問題で、それを親方なり、先輩がちゃんと教育しなくちゃいけないんだよ。 昔だったら、素行の悪い関取を先輩や親方がしょっちゅう喰らわしてたんだよ。関取のほうも、付き人を殴ろうが、酒飲んで女遊びしようが、相撲が強けりゃ問題ないっていう価値観があったけど、今は全部を見られるからそうもいかない。 プロレス界も似た環境だと思うかもしれないけど、俺らの世代では先輩から理不尽に殴られるようなことはほとんどなかった。俺も付き人を殴ったことはない。俺は個人的に体罰が嫌いだし、そもそも暴力で人は動かないと思ってるしな。 少なくとも、俺が新人だった頃の新日本プロレスは体罰で育ててない。ただ、俺以降の世代で後輩に対して体罰をやっている奴がいたんだよ。ということは、制度の問題じゃない。やっぱり、体罰をやるのはその人間が元から持ってる“資質”なんだろうね。 俺は新弟子の頃に、猪木さんの付き人を2年半やらせてもらった。ミスが許されないから常に緊張してたけど、多くのことを学ばせてもらった貴重な経験だったと思ってる。 ちなみに俺の場合は、メインイベンターになったくらいから、元小結だったヤス(安田忠夫)が付き人としてついてくれたけど、黒に転向するときに外した。年齢的に、俺とヤスは同級生。それに相撲時代に小結までいった人間を、プロレス業界では新弟子だからって付き人として使うのは、俺の中でやりにくかった。 俺は外してしまったが、付き人をやると勉強になることは多い。気配りもできるようになるし、「自分の立場を理解する」という社会人として絶対に必要な感性を学べる。 最近は欧米型というか、上下関係をなくしたフラットな関係性が賞賛される風潮があるけど、みんなが横一線でやりはじめたら、仕事はうまくいかないよ。 例えば、商談時にサポート役として同席してるのに、話に割り込んで前に出ちゃう人がいる。付き人関係が分かっている人間なら、そんなことはしない。サッカーで点を取らないやつは、最前線に行ってもシュートを決められないんだから、だったらパスを回す位置にいけ、と。要は“ポジション取り”だな。これは、付き人を経験すれば必ず学べる。 こういうことは学校じゃ教えてくれないから、付き人までいかなくても、先輩・後輩の関係性から自分で学んでいくしかないのかもしれないな。********************************************蝶野正洋1963年シアトル生まれ。1984年に新日本プロレスに入団。トップレスラーとして活躍し、2010年に退団。現在はリング以外にもテレビ、イベントなど、多方面で活躍。『ガキの使い大晦日スペシャル』では欠かせない存在。
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スポーツ 2019年11月24日 08時00分
プロレスラー世界遺産 伝説のチャンピオンから未知なる強豪まで── 「ケンドー・カシン」ファンを煙に巻く制御不能の“悪魔仮面”
日頃の言動は、いわゆるプロレス的なヒールの文脈から逸脱したものばかり。誰しもケンドー・カシンの正体を知っているだろうが、それでいて常にミステリアスな雰囲気と危うさがついて回る。まさに制御不能の存在だ。※ ※ ※ 今年8月、ケンドー・カシンこと石澤常光は、WWEパフォーマンスセンター(基礎トレーニングからリング上の演出までを学べるWWE式道場)のコーチに就任した。 レスリング全日本学生選手権3連覇の実績を持ち、ルタ・リーブリなど格闘技術の習得にも熱心。メジャーからインディー、総合格闘技とさまざまな舞台で闘ってきた経歴からしても、コーチには適任と言えそうだ。しかし、その一方でこれまでのカシンのひねくれた言動からすると、「あのカシンがコーチ?」と疑問を抱く向きも多いだろう。「昔から他のレスラーたちと感覚の異なるところがあって、新日本プロレスに入門して4年目の’96年、若手の登竜門であるヤングライオン杯で優勝した際には、賞金として渡された小切手風のパネルを折り、その半分を決勝で闘った永田裕志に渡しました。相手の健闘をたたえるパフォーマンスだとしても、栄誉として贈られたパネルを半分に千切るという行為自体が普通ではありません」(プロレスライター) 欧州遠征でマスクマンとなり、’97年4月に凱旋帰国を果たすと、そうしたカシンの振る舞いがクローズアップされ始める。 ’97年10月、新日ジュニアでは獣神サンダー・ライガー、エル・サムライ、カシンの覆面トリオと、金本浩二、高岩竜一、大谷晋二郎のトンガリ・コーンズによる抗争が繰り広げられた。その渦中で金本とシングル対決したカシンは、壮絶な喧嘩マッチの末に敗れると、自らマスクを脱ぎ捨てて金本に襲いかかった。 興奮状態のまま控室に戻ったカシンは、「俺は別にいつ辞めたっていいしね。全然プロレス界に必要な人間じゃないし、潰すか潰されるか、それだけだ」とコメント。隙あらば味方にさえ牙をむこうとするカシンの姿勢には、覆面軍リーダー格のライガーも「あいつは制御不能」とサジを投げていた。 空中殺法に関節技で対抗していくスタイルからしても、カシンは予定調和的だったジュニア戦線に紛れ込んだ異分子であった。 ’99年1月にIWGPジュニアタッグ王座を獲得(パートナーはドクトル・ワグナーJr.)、5月にベスト・オブ・スーパージュニアで優勝すると、8月には金本を破りIWGPジュニア王座も奪取した。「勝利者トロフィーを投げ捨て、認定書を破り捨てるなどはざらのことで、自作のベルトを巻いて本来のベルトを足蹴にすることもありました」(同)★唐突なコメントの裏にある真意 カシンは発言においても、制御不能ぶりを加速していく。 ’99年9月、ジュニア王座の初防衛戦でライガーを下した後、記者からの「おめでとうございます」の声に「うん、余計なお世話だ」と返答。 スーパージュニア優勝後には、テレビ朝日の真鍋由アナに「お前、これ換金して寄付しとけ、ネコババするなよ!」「コソボだ、コソボ!」と、賞金として受け取った500万円の小切手ボードを投げつけた。 当時、紛争状態にあったコソボに寄付というのは、善行には違いなかろうが、プロレスラーの発言としてはあまりにも唐突である。 しかし、これには裏事情もあったという。「当時、新日からの賞金というのは発表したものよりもかなり少額だったそうで、あのあとカシンは100万円をコソボに寄付しているのですが、これはつまり実際の賞金が、500万ではなく100万だったという告発の意味もあったのでは?」(同) もっともカシン自身は多くを語らないため、真意がどこにあったのかは分からない。 全日本プロレス移籍後、世界タッグ王座のベルトを返還せずに訴訟騒ぎになったことも、自身に対する契約のいい加減さや、元全日役員への給与未払いに対する抗議の意味からだったとする説もある。しかし、これも結局のところ真相不明のままだ。「NHKの朝ドラ『マッサン』では、毎回、エンディングで国際結婚したカップルの写真を紹介していたのですが、ある日そこに素顔の石澤と奥さんらしき女性、幼子2人の家族写真が登場したことがありましたが、これもカシンは『人違い』で通しました」(同) かつてプロレスの魅力の一つには、“未知の強豪”や“謎の怪物”などのミステリアスさがあった。 ネットやSNSの発達でそれが難しくなった現在において、マスクと素顔、プロレスと格闘技を行きつ戻りつしながら、ファンに謎を提供してきたカシンは、極めてプロレス的に貴重な存在であろう。ケンドー・カシン**************************************PROFILE●1968年8月5日生まれ。青森県南津軽郡出身。身長181㎝、体重87㎏。得意技/飛びつき式腕ひしぎ十字固め。文・脇本深八(元スポーツ紙記者)
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スポーツ 2019年11月21日 18時40分
“猪木”が捨てられかけていた? 新日本・棚橋が「危なかった」と雄たけび、ファンは「バレたら怒られそう」
新日本プロレス・棚橋弘至が20日に自身のツイッターを更新。団体が保有するアントニオ猪木のパネルが、廃棄寸前の事態に見舞われていたことを報告した。 棚橋はまず「『猪木さんのパネルが清掃局に出されてましたよ』と聞いたのは昨夜(19日夜)。菅野トレーナーが出発前に見かけたそうで。台風被害での道場改修工事のためリング下に置かれていたパネル」と事の発端について説明。その後清掃局へ電話した上で、「福島から帰ってきて、清掃局内を見たら…(続く)」と清掃局を訪れたことを明かした。 続けて、「(続き)『まだあるじゃん!』。急いで清掃局の方に事情を説明して、パネルを救出 選手バスで倉庫に移動してもらいました。間一髪。危なかったぁぁぁー!」と、すんでのところで猪木パネルの救出に成功した旨をつづった。 ツイート内にある「道場」とは、東京・世田谷区にある団体の道場『野毛道場』のこと。野毛道場は先月12日に関東地方を襲った台風19号の影響で浸水などの被害が発生しているが、その改修工事が今月19日に行われている中、何らかの手違いで猪木パネルが清掃局に出されてしまったと思われる。 ただ、19日の棚橋は、同日に開催される試合のため福島県に遠征中。そのため、連絡を受けた直後は電話で問い合わせることぐらいしか対応できなかったようだが、帰京後に自ら清掃局へ足を運んだことが功を奏したようだ。 「新日本プロレスの創立者である猪木のパネルですが、もともとは道場内の壁面にかけられていたもの。2008年に『新日本プロレスがいつまでも猪木さんのイメージのままではいけない』という棚橋の意向により外されていますが、その後は道場内の倉庫に保管されていたものと思われます」(プロレスライター) 今回のツイートを受けてツイッター上のファンからは、「無事に戻ってきて良かった、けど捨てられそうになったこと自体もバレたらめちゃくちゃ怒られそう」、「元々は自分が壁から外したパネルだけに、福島からの帰り道はずっと気が気じゃなかったんだろうな」、「なんで捨てられなかったんだろう?清掃局で働く人の中に新日本プロレスのファンがいたのかな?」といった反応が多数寄せられていた。文 / 柴田雅人写真 / 萩原孝弘記事内の引用について棚橋弘至の公式ツイッターよりhttps://twitter.com/tanahashi1_100
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スポーツ 2019年11月19日 22時30分
新日本ワールドタッグ開幕!KENTAの次なる標的は後藤か?
新日本プロレス『ワールドタッグリーグ2019』▽17、18日 東京・後楽園ホール 新日本プロレス毎年恒例の『ワールドタッグリーグ2019』が16日、神奈川・藤沢市秩父宮記念体育館大会で開幕した。今年は史上最多の16チームが総当たりで対戦するとあって、過酷なリーグ戦が続いている。 シリーズ2戦目からは後楽園ホール2連戦。17日のセミファイナルでは鈴木軍の同門対決があった。鈴木みのる&ランス・アーチャー対ザック・セイバーJr.&タイチが実現したのだ。昨年もかなり激しい同門対決を繰り広げていた鈴木軍だが、今年もお互いに容赦がなかった。序盤から場外戦に突入し、大荒れの展開に。最後はザックが、鈴木のゴッチ式パイルドライバーを丸め込みで切り返して3カウント。タイチ組が今年もボスのチームから大きな1勝を挙げた。 メインイベントでもEVIL&SANADAと、鷹木信悟&テリブレによるロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンの同門対決が実現。EVIL&SANADAと鷹木は、なんとこれが初対決。鷹木は自身が持つ全てのパワーを2人にぶつけていったが、最後はチームワークに勝るEVILがテリブレをEVILで沈めて勝利。EVILは高らかに「3連覇」をファンの前で誓っていた。 18日の後楽園2日目では、第1試合の真壁刀義&本間朋晃対後藤洋央紀&カール・フレドリックスの試合後に事件が発生した。試合は真壁がキングコング・ニードロップでフレドリックスから勝利を収めたが、ここでKENTAが乱入し、後藤を襲撃。PKでKOした。NEVER無差別級王座の次期防衛戦はまだ決まっていない。KENTAは、“元”ソウルメイト柴田勝頼の盟友である後藤を次なる標的に定めたのだろうか?今後の行方が気になるところだ。 なお、タッグリーグは石井智宏&YOSHI-HASHIが3戦3勝と好調なスタートを切っている。(どら増田)
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スポーツ 2019年11月18日 22時30分
全日本・宮原健斗、SANADAとの再会に「何が起こるかわからない」
『ザ・デストロイヤー メモリアル・ナイト〜白覆面の魔王よ永遠に〜』▽15日 東京・大田区総合体育館 観衆2,500人 ザ・デストロイヤーさんの追悼興行『ザ・デストロイヤー メモリアル・ナイト〜白覆面の魔王よ永遠に〜』のメインイベントで、令和初のプロレスオールスター戦にふさわしい豪華な6人タッグマッチが実現した。 全日本プロレスの三冠ヘビー級王者の宮原健斗が、WRESTLE-1の武藤敬司、新日本プロレスの獣神サンダー・ライガーと一夜限りのトリオを結成した。対戦相手は、新日本プロレスでロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンとして活躍しているSANADA&BUSHIと、フリーのKAI。3人は、武藤が全日本の社長時代に入団した同期トリオ。BUSHIは全日本時代に新日本へ。SANADAとKAIは武藤が旗揚げしたW-1に移籍し、エース争いを繰り広げたが、後に2人とも退団している。 武藤に「俺らが知らないタイプのレスラー」と言わしめた宮原は、最初に入場すると“健斗”コールをあおった。今年2月に開催されたジャイアント馬場没後20年追善興行で、棚橋弘至とタッグで対戦したときと同様に「食われてたまるものか」という気迫を感じた。注目されたSANADAとの対決は、お互いに触れた程度。それでも宮原にとっては爪痕を残しておけば「何が起こるか分からない」という気持ちがある。この2人の短い攻防には目を見張るものがあった。続きを期待してしまうのは当然の流れだろう。 試合は武藤がKAIに、ライガーがBUSHIに、そして宮原がSANADAに、デストロイヤーさんに捧げる足4の字固めを決め、試合の権利があった武藤が弟子のKAIから一本取った。同期トリオは最後までロスインゴの2人とKAIの溝が埋まらず、チームとして機能しなかった。武藤とライガーは締めを宮原に譲り、先に控室へ。宮原は「デストロイヤーさん、最高!」と叫び、三冠ヘビー級王者として全日本色の強いメモリアル大会をしっかりと締めてみせた。 インタビューブースではSANADAについて、「デビュー戦以来くらいの、11、2年ぶりに当たったんで。まあ多少触れたのみですけど、デビューしてからこういう形で会うっていうのは想像してなかったし、何が起こるか分からないのがこの世界なので、絶対はないですね」と、いつかまた再会する日を楽しみにしている様子だった。 棚橋、SANADAと、接することがないと思われた選手たちと、今年2度も三冠ヘビー級王者として対戦できたのは、プロレス大賞を狙う宮原にとって大きな収穫。今後もまだ触れたことがない選手との闘いもこなして、さらに成長していくはずだ。(どら増田 / 写真・萩原孝弘)
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スポーツ 2019年11月12日 22時30分
プロレスラー世界遺産 伝説のチャンピオンから未知なる強豪まで── 「クラッシャー・バンバン・ビガロ」どんな仕事もこなした“刺青獣”のプライド
デビュー以前は不良として鳴らし、頭の刺青はその頃からのものだという。見るからに危険な雰囲気とは裏腹に、名前の響きは耳に楽しいクラッシャー・バンバン・ビガロ。そのキャラクターを愛する声は、今もなお多く聞かれる。※ ※ ※ レスラーを評価するときに、よく「プロレスがうまい」ということがある。 一口に「うまい」と言っても、それは確かな技術であったり、多彩かつ華麗な技であったり、あるいは見栄えのする受け身や試合のつくり方、気の利いたマイクパフォーマンスなど、その基準はさまざまである。 プロモーターや団体関係者からすると「誰が相手でもいい試合をしてくれる」「用意したストーリーを期待以上にこなしてくれる」というのも、うまさのポイントとなるだろう。「それらをすべて備えたプロモーターからもファンからも信頼されるレスラーというと、日本人なら獣神サンダー・ライガー、外国人ではクラッシャー・バンバン・ビガロあたりがその筆頭になるでしょう」(プロレスライター) 頭頂部にまで刺青をほどこし、炎柄の全身タイツをまとった面妖な出で立ち。1987年1月、新日本プロレスへの初来日時には、プロレスラー養成機関“モンスター・ファクトリー”出身と紹介され、いったいどんな化け物なのかと注目された。そうしていざ試合となれば、見た目そのままのパワーファイトはもちろんのこと、アンコ型でいながら軽々と空中殺技まで披露し、いきなりトップ戦線に名乗りを上げた。 同年暮れにビッグバン・ベイダーが登場すると、コンビを組んでIWGPタッグ王座を獲得するなど期待に応えるのだが、そこでビガロは、キャリアの浅かったベイダーを補助する役割を担うことになる。「ビガロがお膳立てしてベイダーが決めるというのが、2人のタッグマッチの基本形で、自ずと“勝つときはベイダー、負けるときはビガロ”となってしまった。また、スコット・ノートンとの仲間割れアングルでは、ノートンの格上げに使われるなど、次第に初来日時のインパクトは薄れていきました」(同) その一方で、新日フロント陣からのビガロの評価は、上昇の一途をたどる。「’89年、ソ連のレッドブル軍団初来日でサルマン・ハシミコフと対戦したビガロは、わずか3分足らずで敗れましたが、これが関係者からするとパーフェクトの出来。まだプロレスの動きに慣れない相手をリードして、フィニッシュの“水車落とし”には、大きな受け身で技の強烈さに説得力を加えてみせた。メインのアントニオ猪木vsショータ・チョチョシビリが今ひとつの試合だったことを思えば、その後のレッドブル軍団の活躍はビガロの手柄と言ってもいいくらいです」(同)“仕事のできる選手”として、’90年には鳴り物入りでデビューした北尾光司の相手も務めることになる。★ほうき相手でも試合できる技量 こうした便利屋的な扱いは米国においても同様で、善玉も悪玉もこなし、’95年には元アメリカンフットボール界のスーパースター、ローレンス・テイラーによる一夜限りのプロレス挑戦の相手として、レッスルマニア10でメインイベントを闘っている。「試合は双方に見せ場のある好勝負となりました。テイラーもそれなりに稽古を積んだのでしょうが、やはりビッグイベントのメインとして成立したのは、『ほうきが相手でも試合ができる』と自称していたビガロによるところが大きい。WWEとしても、ビガロだからこそ任せられたのでしょう」(同) しかし、便利屋ゆえかメジャーどころのシングル王座には縁がなく、’98年にECW(米インディー団体)でTV王座を獲得したときも、“両者が倒れた衝撃でリングに穴があき、そろって転落した後、先に生還したビガロが相手を引きずり出してフォールする”というイロモノ的な展開だった。「WCWハードコア王者だった頃のビガロは、実に楽しそうに闘っていて名試合も多いのですが、ハードコアマッチ自体が一種イロモノですからね」(同) 今でもビガロの名前がお笑い芸人の芸名やTシャツ屋、飲食店の名前に使われるなど、ファンから愛され、関係者からも高く評価されたプロレス人生であったが、果たしてそれは本望だったのか。 ’96年には総合格闘技戦に挑んでおり(vsキモ)、結果的に敗れたとはいえ腕っぷしの強さにも自信はあっただろう。 北尾戦で敗れた後、リングから離れたところでヒラリと側転してみせたのは、便利屋扱いする関係者たちへのせめてもの反抗心の表れだったかもしれない。クラッシャー・バンバン・ビガロ***************************************PROFILE●1961年9月1日生まれ〜2007年1月19日没。アメリカ合衆国ニュージャージー州出身。身長191㎝、体重165㎏。得意技/ニュークリア・スプラッシュ(ダイビング・ボディ・プレス)。文・脇本深八(元スポーツ紙記者)
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スポーツ 2019年11月12日 06時30分
デストロイヤーさん追悼興行に初代タイガーマスク来場!和田アキ子、せんだみつおも!
ザ・デストロイヤーさんの追悼興行『ザ・デストロイヤー メモリアル・ナイト〜白覆面の魔王よ永遠に〜』(15日、東京・大田区総合体育館)の追加ゲストが11日、大会を運営するH.J.T.Productionから発表された。 徳光和夫と和田アキ子に続き、かつて日本テレビ系で放送されていた怪物番組「金曜10時!うわさのチャンネル」でデストロイヤーさんと共演したせんだみつおの来場が決定した。またザ・デストロイヤー追悼セレモニーに、力道山道場出身の新間寿氏と初代タイガーマスクの来場が決定したことも発表されている。 昭和のお茶の間を楽しませた「うわさのチャンネル」トリオを再びデストロイヤーさんが引き合わせたのだろう。デストロイヤーさんの息子で元プロレスラーのカート・ベイヤーさんはアッコについて「父はよく米国でも『あの鐘を鳴らすのはあなた』を口ずさんでいました。心から和田さんの歌を愛していました。家でよく和田さんのレコードを聴いていたのを覚えています。きっと天国で手をたたいて喜んでくれると思います」とコメントした。 デストロイヤーさんが世界のマスクマンのパイオニアなら、初代タイガーマスクは日本のマスクマンのパイオニアと言ってもいいだろう。1980年代初期には、マクスマンを特集した子ども向けの書籍が多々発売されており、初代タイガーとともに、ミル・マスカラス、そしてデストロイヤーさんが紹介されていたものだ。新間氏は初代タイガーが新日本プロレスに所属していた頃、新日本の営業本部長を務めていた関係で、初代タイガー関連の書籍の監修を務めている。獣神サンダー・ライガーと初代タイガーの久々のそろい踏みにも期待したいところ。 なお、第6試合に出場予定のディラン・ジェイムスが右かかとの負傷のため欠場となり、鈴木秀樹が追加参戦する。(どら増田)
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スポーツ 2019年11月11日 22時30分
新日本アメリカ大会、ランス・アーチャーがUS王座防衛!
新日本プロレス『New Japan Showdown』▽10日(日本時間) アメリカ・San Jose Civic(カリフォルニア州・サンノゼ) 新日本プロレスは日本時間10日、アメリカ2連戦の初戦をカリフォルニア州・サンノゼで開催した。新日本は先日、現地法人設立を発表したばかり。オープニング映像では、「Hello,America』というナレーションから始まり、この2連戦も、来年1.4&1.5東京ドーム2連戦の前哨戦の意味を持つ大会ということをアメリカのファンにもアピールし、大会がスタート。 メインイベントでは、IWGPヘビー級王者のオカダ・カズチカが、IWGPジュニアヘビー級王者のウィル・オスプレイとチャンピオンタッグを結成し、1.4ドーム大会でオカダに挑戦する飯伏幸太、そして『スーパーJカップ2019』に出場したアメージング・レッドと対戦。オカダ、飯伏のハイレベルな攻防に、オスプレイが加わることで、アメリカのファンも響めきが止まらぬ展開に大喜び。小柄なレッドもいい動きを見せて粘る飯伏組だったが、最後はオカダがレッドにレインメーカーを決めてカウント3。「またIWGP王者として帰ってくる」とファンに防衛を約束。オカダ&オスプレイの調子は良さそうだ。 セミファイナルでは、IWGPインターコンチネンタル王者のジェイ・ホワイトがチェーズ・オーエンズを、1.4ドーム大会で挑戦する内藤哲也が鷹木信悟を率いてタッグ対決。内藤への挑発が止まらないジェイだが、この日もそのスタンスは変わらない。しかし、内藤はジェイの挑戦に付き合うことなく、鷹木との絶妙なコンビネーションで、オーエンズに的を絞ると、デスティーノを決めてカウント3。試合後、勝った内藤はジェイは睨み合った。 今大会ではタイトルマッチも組まれており、アメリカ大会のために作られたIWGP USヘビー級王座を巡り、チャンピオンのランス・アーチャーと、10.14東京・両国国技館大会で挑戦表明していたデビッド・フィンレーが対戦。盟友ジュース・ロビンソンの敵討ちと、長期欠場からの復帰の証としてベルトが欲しいフィンレーは、奇襲攻撃を仕掛け、アーチャーからあわやという場面も作ったが、シングルプレーヤー転向後、モンスター化が進むアーチャーが最後はEBDクローでフィンレーを捕獲。見事防衛に成功している。 また、IWGPジュニアタッグ王座を巡り因縁が勃発しているブリティッシュクルーザー級王者のエル・ファンタズモに、SHOが挑戦。ファンタズモのパートナー石森太二が介入しまくり、SHOのパートナーYOHが救出に入るも、最後は急所へのパンチからCRIIを決めたファンタズモが王座防衛に成功。1.5ドーム大会で行われるタッグタイトル戦に向けてチャンピオンチームの暴挙が止まらない。 今回のアメリカ大会は、日本時間12日にロサンゼルスに舞台を移して、あと1大会開催される。(どら増田)
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その他 2019年11月11日 18時10分
蝶野正洋の黒の履歴書 ★神戸教員イジメ事件の“真の問題点”
神戸市の東須磨小学校で起きた「教員イジメ問題」が、なかなか解決しないみたいだな。子どもたちの模範になる先生がイジメをしていた、というのが衝撃的だったようだけど、俺から言わせれば、どの時代でも一部のやつはイジメをするし、そういうやつはどの集団にも必ずいる。 俺が中学生の頃、近くの学校で大規模なイジメがあった。クラスメイトの中で、オニになった奴から逃げるっていう他愛のないゲームなんだけど、それを学校ぐるみでやってたんだよ。放課後のチャイムが鳴った瞬間、オニになった奴の周りから人がバーッといなくなって、そいつには誰も話しかけないし、近寄らない。そんなことを毎日やってた。 それを大人がパッと見たら、他愛のない遊びをしてるなって思うくらいかもしれないけど、オニになった奴はキツいし、かなり追い詰められる。 俺の知り合いだった不良連中も、そのゲームに参加してたから、「お前ら、ツッパリのくせにくだらないことしてんじゃないよ」って、注意したよ。 その時に気づいたのは、そういう集団には必ずお山の大将というか、ボスがいるってことだね。そのボスが腐ってる奴だと、イジメも陰湿になっていく。しかも、そういう奴って、自分が責任を負わないように上手に周りを作っているから、なかなかイジメは発覚しないし、罪の意識もなかったりするんだよ。 今回の教員イジメ問題で言うと、40代の女教師っていうのが、その陰湿なボスだったんだろうね。 こう言ってしまうと元も子もないけど、俺はイジメに特効薬はないというか、すぐに解決することは難しい問題だと思う。だからこそ大人として、せめて与えられた仕事はするべきだと思う。今回のケースだと、被害者教師も加害教師も、結局は休職して、子供たちに教えることを放棄していることが問題だと思う。 逆にいえば、子供も、その保護者も、先生同士でイジメはあるかもしれないけど、ちゃんとプロとしてきっちり仕事をしてくれればいいわけで、そのあたりをもうちょっと突っ込んでもいいんじゃないかな。 すごくドライなことを言うと、大人になっても、イジメとか仲間はずれなんて、どこの会社にでもあることなんだよ。だからこそ、「会社の中でパワハラに遭ってます」という問題と、それで「出社拒否して仕事ができない」というのは別な話のような気がする。 イジメがあったり、人間関係がうまくいってなくても、頑張って仕事は果たすっていう姿を見せれば、子どもたちにも伝わるものがあるかもしれない。 最近は、学校で授業以外の子供たちのケアをする「スクールカウンセラー」という存在があるみたいだけど、これからは先生にもカウンセラーが必要かもね。 もっといえば、どんな会社でもイジメは起こり得るんだから、イジメを監視するような「職場カウンセラー」がいてもいいよね。会社側としても、イジメや人間関係の不和が業績に左右するんだから、トラブル解決をする専門家を置いたほうがコスト的にもワリが合うかもしれないよ。そのポジションに、定年が近いベテラン社員なんかを置けば、再雇用にもなるから、一石二鳥だよ。********************************************蝶野正洋1963年シアトル生まれ。1984年に新日本プロレスに入団。トップレスラーとして活躍し、2010年に退団。現在はリング以外にもテレビ、イベントなど、多方面で活躍。『ガキの使い大晦日スペシャル』では欠かせない存在。
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スポーツ 2019年11月07日 22時30分
新日本プロレス、史上最多16組チーム総当たりタッグリーグ開催!
新日本プロレスは6日、国内での次期シリーズ『ワールドタッグリーグ2019』の概要ならびに対戦カードを発表した。 今年は16チームがリーグ戦にエントリー。この16チームが総当たりでリーグ戦を行う。例年では、『G1クライマックス』のように2ブロックに分けて行われるだけに、16チームが総当たりというのは、史上最多のリーグ戦と言ってもいいだろう。参加チームは次の通り。棚橋弘至&トーア・ヘナーレ真壁刀義&本間朋晃天山広吉&小島聡永田裕志&中西学ジュース・ロビンソン&デビッド・フィンレー後藤洋央紀&カール・フレドリックス石井智宏&YOSHI-HASHI矢野通&コルト・カバナジェフ・コブ&マイキー・ニコルスEVIL&SANADA鷹木信悟&テリブレ鈴木みのる&ランス・アーチャーザック・セイバーJr.&タイチタマ・トンガ&タンガ・ロアKENTA&高橋裕二郎バッドラック・ファレ&チェーズ・オーエンズ 本間のパートナーは、本間を「待ち続けた」真壁に決まった。2016年以来、3年ぶりの優勝を目指す。また、鈴木軍とバレットクラブが絡むのは刺激的。特に、みのるとKENTAはシングルに繋がるような試合展開に期待が膨らむ。 16日に神奈川・藤沢市秩父宮記念体育館で行われる開幕戦から、12月8日の最終戦、広島・広島グリーンアリーナまで、各大会で公式戦を行い、全公式戦終了時点の1位チームを優勝チームとする。 同点の場合は、直接対決の勝敗で優劣をつけるため、基本的に優勝決定戦は行われない。なお、1大会につき原則、7試合ずつ公式戦が組み込まれており、1大会4チームずつオフ日があるが、15試合行わなければならないと考えると当然のことだろう。 リーグ戦の他、シリーズ前半は、IWGPインターコンチネンタル王者、ジェイ・ホワイトと次期挑戦者の内藤哲也、後半はIWGPヘビー級王者、オカダ・カズチカと次期挑戦者の飯伏幸太による前哨戦が、タッグマッチや6人タッグマッチで1試合行われる。12.8広島大会では、オカダ&SHO&YOHが、飯伏&獣神サンダー・ライガー&タイガーマスクと激突。オカダとライガーが絡むのはこれが最後になる可能性が高いだけに、こちらも注目したい。(どら増田)
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【WWE】WM直前ランキングにワイドナショーでも話題の中邑、アスカがランクイン!
2018年02月09日 18時10分
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【新日本】オカダV10なるか?2.10大阪でCHAOSとロスインゴがシングル5番勝負
2018年02月08日 21時55分
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【QUINTET】ももクロP佐々木敦規氏が映像演出!桜庭和志が新格闘イベントを旗揚げ
2018年02月05日 17時30分
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【WWE】中邑真輔&AJスタイルズが対戦前にドリームタッグを結成し快勝!
2018年02月01日 21時45分
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【WWE】WMでベルト獲り宣言!アスカが女子版ロイヤルランブル優勝インタビュー
2018年01月31日 22時00分
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【WWE】中邑がロイヤルランブル日本人初優勝の大快挙!WMでAJに挑戦!
2018年01月30日 12時50分
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【新日本】ケニー・オメガまさかの王座陥落&BC追放も、飯伏幸太とタッグ再結成へ!
2018年01月30日 08時16分
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【WWE】ロイヤルランブル直前、中邑真輔がオートンにRKO葬の恥辱!
2018年01月27日 22時45分
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【WWE】トランプ大統領に“丸坊主にされた男”が記念大会で大の字に!
2018年01月24日 22時40分
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【新日本】再び“真ん中”へ!満身創痍の棚橋、みのるの“シーン現象”を覆せるか?
2018年01月22日 12時50分
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プロレスラー世界遺産 伝説のチャンピオンから未知なる強豪まで── 「坂口征二」表と裏からプロレス界を支えた“世界の荒鷲”
2018年01月21日 15時00分
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【新日本】熱愛報道のオカダ・カズチカ、三森すずことの真剣交際を報告
2018年01月15日 12時00分