RAWの25周年記念番組の名に相応しいメンバーの登場が発表されていたが、オープニングではステファニーとシェインのマクマホン兄妹が登場した。
一番感謝している特別な人としてWWEチェアマンであり、実父のビンス・マクマホンを呼び込んだ。感謝の印として用意した25周年プレートにビンスは「25年頑張ってこの安っぽいプレートか? お前たちはみんなに感謝しているが、俺が感謝するのは俺自身だけだ」と自画自賛。
すると、そこにビンスと因縁深い突然スティーブ・オースチンが現れると、オースチンの攻撃を恐れるビンスは「もう私は退職者で高齢だ。シェインはまだ現役だぞ。」とシェインに話を向けると、オースチンはスタナーでシェインを沈めてしまう。ビンスはビール缶2本を持ち出してオースチンを落ち着かせようとしたが、2人が乾杯してハグするとオースチンはビンスにもスタナーを炸裂。
RAWは大統領就任以前のドナルド・トランプ大統領と、ビンスの抗争が始まった番組であり、2007年の春に行われた『レッスルマニア23』ではお互いがレスラーのマネージャーとなり、マネージャーに付いた選手が負けたら髪を切るというバトル・オブ・ザ・ビリオネアーズ(億万長者対決)が行われ、レフェリーを務めたオースチンの加担もあり、ビンスが丸坊主にされている。このシーンはトランプ大統領就任時から今でも世界のメディアで報じられ、ビンスはトランプに丸坊主にされた“プロレス団体の社長”としてWWEとともに世界的に知名度を大きく上げた。ちなみにその試合は今回のビンスのように、最後はトランプもオースチンのスタナーを喰らいKOされている。
せっかくの記念大会のリング上で大の字になるビンスを尻目にオースチンは、RAW25周年を祝杯するビールのがぶ飲み。RAW25周年のハイライトをいきなり見せられた会場は大興奮し、大会の幕が開けた。
大会の節々にはアンダーテイカーやD-ジェネレーションXがRAWの聖地マンハッタン・センターに登場。
2017年4月のレッスルマニア33以来姿を見せなかったアンダーテイカーがRAW最初の収録場所、マンハッタン・センターのリングに登場した。アンダーテイカーは熱烈な“アンダーテイカー”コールで迎えられると「25年間、ダークサイドに足を踏み入れる奴はすべて葬ってやった。スティーブ・オースチン、ミック・フォーリー、ケイン、この聖地で闘いを挑み、敗れ去ったものに贈る。Rest in peace(安らかに眠れ)」と告げてリングを後にした。
また、元新日本プロレスのルーク・ギャローズ&カール・アンダーソンと、リバイバルの試合前にはWWEレジェンドのD-ジェネレーションXが集結。トリプルH&ショーン・マイケルズが登場すると「25年前ここからすべてが始まった。マンハッタン・センターがRAWのホームだ」と会場を盛り上げ、ニュー・エイジ・アウトローズ、Xパック、レイザー・ラモン、さらに現役のベイラー・クラブが登場。試合ではギャローズ&アンダーソンがマジックキラーでリバイバルに快勝する。突っ掛かってきたリバイバルのドーソンにレイザー・ラモンが爪楊枝を投げつけ、XパックがXファクター、ロード・ドックがシェイク・ラトル&ロール、ビリー・ガンがフェイマサーと連続攻撃で沈めると、続けて現れたリバイバルのワイルダーにマイケルズがスィート・チン・ミュージック、トリプルHがペディグリー、ベイラーがクー・デ・グラを叩き込むと、最後はメンバー全員で「Too Sweet」ポーズで勝利をアピールした。新旧の人気ユニットが夢の合体を果たした瞬間だった。
この大会には新日本プロレスの1.4東京ドーム大会でケニー・オメガと対戦し、翌5日の後楽園ホール大会で内藤哲也を襲撃したクリス・ジェリコも新日本で着用しているアルファクラブTシャツを着てバックステージ映像に登場。アライアスのギターを奪いアライアスをバカにする歌を披露した。現在のジェリコの契約はフリーだが、WWEのスーパースターのまま新日本に登場したことを証明したシーンと言ってもいいだろう。
WWEの次回のPPVは日本時間1月29日に行われる『ロイヤルランブル』。WWEでは史上初の女子版に出場する日本人スーパースター、アスカの活躍に期待したい。
文・どら増田
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