新日本プロレス 札幌・北海きたえーる
28日 観衆 5,140人
雪の札幌2連戦の初日だった27日のメインイベントでは、棚橋弘至が鈴木みのるのゴッチ式パイルドライバーからヒザ十字固めを決められ、動けなくなった棚橋を見たレフェリーが試合をストップ。みのるがIWGPインターコンチネンタル王座の奪還に成功。棚橋は28日の札幌大会から欠場が発表されてしまった。
会場内に少し重たい空気が残る中、2日目のメインでは、1.4東京ドーム大会でWWEのスーパースターでもあるクリス・ジェリコを相手に大激戦を行い、しっかりと勝利を収めたIWGP USヘビー級王者ケニー・オメガとジェイ・ホワイトが対戦。
ジェイは1.4ドーム大会で、棚橋のIWGPインターコンチ王座に挑戦するもほろ苦い凱旋マッチになったが、1.5後楽園ホール大会で、ケニーからバレットクラブに勧誘されるも“断りの”襲撃をしたことで、今戦の挑戦権を獲得。ユニットはオカダ・カズチカから誘いを受けたCHAOSに入り、ケニーのベルトと、ドームのリベンジを果たすべくコンディションを整えていた。
一方のケニーは1.5後楽園大会で、Codyとの分裂が決定的となり、バレットクラブのリーダーとしてユニット内の内紛を抱えながら臨んだ今回の一戦。ジェイがケニーから勝つチャンスがあるとすれば、その辺の隙だったが、ケニーの厳しい攻めになかなか活路を見出せない。しかし、終盤になって盛り返すと、ケニーの片翼の天使を、必殺ブレードランナーに切り返し、ジェイが大逆転勝利。これには札幌のファンからも大きなどよめきが起こる。
試合終了後、バレットクラブのメンバーが登場し、ニック・ジャクソンがケニーを介抱。そこへハングマン・ペイジが登場し、リングへ入る。ベルトを掲げて喜びを爆発させるジェイから、ペイジがベルトを奪い、両者が睨み合うが、ケニーがペイジからベルトを奪い、ジェイに手渡す。これでケニーとペイジが言い争いになると、今度はCodyが登場。さらに、マット・ジャクソン、マーティー・スカルも加わり、全員で大揉め状態に。
そこでエキサイトしたケニーが、マットを突き飛ばし、さらに、不穏なムードが漂う。反省したケニーは和解を求めるが、バレットクラブの中でも盟友だったマット&ニックはそれを無視して退場。続いて、スカルとペイジがリングを降り、Codyとケニーが拳を合わせる。そして、Codyがロープを開けてケニーを導くが、豹変して背後から襲撃。クロスローズでKOしてしまった。
場内が騒然とする中、ペイジとスカルがリングへ戻り、スカルがCodyを激しく責める。だが、Codyは構わずにケニーの頭を蹴りまくり、パイプイスを持ち出す。すると、ペイジがケニーを押さえつけ、Codyがイスを振りかざす。ところが、そこに飯伏幸太がダッシュで登場。素早くリングへ飛び込むと、Codyたちは退散した。
場内が期待感がある悲鳴が起こる中、飯伏はケニーに握手の手を差し出す。ケニーは長時間に渡って悩み続けていたが、飯伏が強引に振り向かせ、その瞬間に2人が抱擁! 2人は抱き合いながら言葉をかわし、肩を組んで特設花道を引き揚げた。飯伏とケニーの“ゴールデン☆ラヴァーズ”が最後にタッグを結成したのは、ケニーのDDTラストマッチが行われた2014年10月26日後楽園ホール大会(男色ディーノ&竹下幸之介戦)。当時2人はまだジュニアヘビー級の選手だっただけに、3年を超える月日を経てヘビー級に進化したゴールデン☆ラヴァーズの再結成に期待したい。
1.4ドーム大会で行われた会見で飯伏は「今年は新日本のマットで何かが起こります。新日本の試合が増えます」と意味深な予告をしていただけに、それが今回の出来事なのかも気になるところだ。
なお、ケニーを追放した形になるバレットクラブは、Codyが新リーダーに名乗り上げたが、オリジナルメンバーであるバッドラック・ファレやトンガ兄弟といったサモア勢は態度を明らかにしていない。これが軍団再編の流れに繋がるのか、今後注目していく必要がある。また、新王者のジェイはペイジを次期挑戦者に指名した。
取材・文 / どら増田
カメラ / 萩原孝弘