山口敏太郎
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ミステリー 2020年04月26日 23時00分
病気の鬼を貪り食う善神「辟邪絵」の「天刑星」
現在、世界中で新型コロナウイルス肺炎が猛威を振るっている。日本でも感染者が日に日に増大しており、緊急事態宣言から来る外出自粛など、全国で感染防止対策が行われている。パンデミックの終わりが見えない現状だが、現在Twitter上で、奇妙な生物を描いたイラストが多くのユーザーによって投稿されている。過去にリアルライブでも紹介させていただいた江戸時代の妖怪「アマビエ」だ。 アマビエは、肥後の国の海に出現した予言をする妖怪で、頭部には長い髪、顔にはくちばし、目は菱型をした人と魚を混ぜたような奇怪な姿をしていた。6年間の豊作の後に疫病が流行ることを予言。その時には、自分の姿を写した絵を見せるように告げて去ったというもの。この通り、アマビエ本人(?)は予言をしただけで、疫病退散の効果を持つわけではないのだが、文脈からは「病気を治す力がある」ように取れてしまうため、当時の人々の間で流行した。そして、時代を超えて2020年の現在、新型コロナウイルス感染症とともに再評価されて、多くの人がアマビエに注目するに至った。 現代では、病気は病原菌やウイルスが原因と判明しているが、洋の東西を問わず、古くから人々は病気を目に見えない何かによってもたらされるものだと考えていた。病気の悪魔や悪神などが人々に悪さをさせているというもので、日本の場合は、古代中国の病気を司る鬼神「疫鬼」の伝説が伝わった事も影響している。そこで、昔の人は流行り病に悩まされると、病気平癒を祈願して様々な「疫鬼」を退治する絵を描いていた。これが「辟邪絵(へきじゃえ)」である。日本で最も有名なものは、奈良国立博物館所蔵の国宝となっている「地獄草紙益田家乙本」の一部で、天から遣わされ悪鬼を退散させる善神「天刑星」が、子鬼の姿で描かれている「疫鬼」たちを貪り食う様子が描かれている。後白河法皇の蓮華王院宝蔵に保管されていた「六道絵」の一部とされており、12世紀、平安時代末期から鎌倉時代初期に作成されたと考えられている。 流行当初から比べて猛威を増しているように思える新型コロナウイルス感染症には、これほど強烈なものも必要なのかもしれない。(山口敏太郎)
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社会 2020年04月26日 22時30分
現役女優が恋人を刃物で刺す!大映女優殺人事件【背筋も凍る!女の事件簿】
数多くの女性犯罪者を紹介している『女の事件簿シリーズ』だが、誰もが憧れる職業、例えば華やかな舞台に立つ「女優」にも犯罪者と呼ばれる人物はいる。 1957年、映画会社の大映からひとりの女優がデビューした。名前は毛利郁子といい「バスト96、ウエスト55、ヒップ92」という豊満な肉体を売りにしたグラマー女優として売り出された。 当時、大映をはじめとする映画会社の女優は、絵に描いたような清純派から、男の欲望を満たすような肉体派の女優まで数多く売り出しており、これはそのまま戦後経済の豊かさを表していた。 さて、毛利はその美貌と肉体、演技力を武器に大映では時代劇から現代劇、特撮映画に至るまで100本以上の作品に出演した。 とりわけ時代劇や特撮映画では重宝されたようで、時代劇では1本の主演映画、特撮映画では妖怪・ろくろ首役で2本の映画に出演している。 しかし、順風満帆に見えた女優生活だったが1969年、毛利は当時交際していた芸能プロモーターの男性とのドライブデート中、別れる別れないのもつれ話から、プロモーターを持っていた刃物で刺してしまった。 毛利は相手を刺したときハッと我に返り、慌てて通りがかりの車に助けを求めたが間に合わず、芸能プロモーターは死亡してしまった。 当時の新聞記事などによると、毛利は「あの人と結婚できなかったら死んでやる」と周囲に漏らしていたほか、芸能プロモーター氏も既に殺意に気が付いていたらしく、息絶える寸前に「彼女は悪くない、俺がやったんだ」と最後までかばっていたという。 毛利は逮捕され、裁判では「極めて悪質な犯行」として重い刑が処されるはずだったが、本人が強く反省していること、勝新太郎をはじめとする俳優仲間からの嘆願書などもあり、懲役5年となった。 出所後、毛利は女優に復帰することなく引退。ある男性と結婚し二度と表舞台に出ることなく幸せに暮らし続けたという。文:穂積昭雪(山口敏太郎事務所)
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ミステリー 2020年04月25日 23時00分
40年経って目撃証言が復活 奇妙なUMAオウルマン
イングランド南部には、奇妙な生物オウルマン(またはコーニッシュ・オウルマン)の目撃報告が存在している。 オウルマンは、1976年にコーンウォール州のモウナンの村で最初に目撃されたもので、4月17日に12歳と9歳の姉妹が村の教会の上空を飛ぶ謎の生物を発見したことに始まる。初めは大きな鳥かと思ったそうだが、よく見るとまるで腕の部分が大きな翼になった人間らしき姿をしていたという。 同年7月3日には、森でキャンプをしていた2人の少女が同時に目撃。彼女たちの証言によれば、オウルマンは体長2メートルほど、体は人間に似ているが足には黒く大きなカギヅメがあり、顔はフクロウに似てとがった耳を持ち、赤く光る大きな目に黒いくちばしをしていた。また、羽根の色は灰色だった。 オウルマンは、その2年後の1978年8月に、16歳の少女に目撃されたのを最後に姿を消していたが、40年以上経った現在になって目撃証言が復活している。 スミス村の墓地で目撃された事例では、奇妙な角と大きな翼を備えた人影が目撃され動画での撮影もなされている。この時、撮影された動画はYouTube上にアップロードされており、確かに背中?に大きな翼を生やしたような人影がぼんやりと映っているが、本当にオウルマンなのか断定はできないものとなっている。 その後も、この地域ではオウルマンらしき生物の目撃証言が散発的に寄せられているそうなのだが、オウルマンのような生物が実在する可能性はあるのだろうか。 一部の懐疑主義者からは、1976年の目撃情報を調査した超常現象研究者のトニー "ドック"シールズ氏の影響で誇張された可能性がある、という意見が出てきている。また、他の学者や研究者からは、翼幅が最大6フィートもあるワシフクロウの誤認である可能性も出ている。 しかし、オウルマンの目撃証言は今も度々報告されており、オウルマンの話も今や地元の文化にしっかりと定着しているため、いくら当初の目撃証言が疑わしかろうと、伝説が地元に根付いて語り継がれていく可能性があるとのこと。伝説の定着に基づいて、オウルマンの目撃情報は今後も出てくるだろうと目されている。(山口敏太郎)
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芸能ネタ 2020年04月25日 21時30分
【放送事故伝説】『はなまるマーケット』最大の放送ハプニングとは?
4月23日、タレント・女優の岡江久美子さんが新型コロナウイルスによる肺炎のため亡くなった。63歳だった。 岡江さんが新型コロナウイルスに感染していたことは死後まで明かされず、突然の訃報に全国民が驚きと悲しみに暮れた。 さて、岡江さんといえば『天までとどけ』をはじめとする女優業のほか、1996年から2014年まで17年間続いた情報番組『はなまるマーケット』(TBS系)の司会として知られている。 この『はなまるマーケット』は生放送ということもあり、放送事故やハプニングも多かった。 特にTBSで放送された特番『オールスター赤面申告ハプニング大賞』では、『はなまるマーケット』は毎年のようにランクイン。特に注目を集めたのが、「岡江久美子小バエつかみ取り事件」であろう。 90年代後半、『はなまるマーケット』生放送中のスタジオにて小さなハエが飛んでいるのを岡江さんが発見。しばらく黙ってハエが飛び去るのを待っていたが、ハエは飛び去る気配を見せず、岡江さんの周りをぐるぐるしていた。 すると岡江さんはパッと右手を出し、ハエを手づかみでキャッチ。そのまま床に放り投げたのである。この模様はカメラがバッチリととらえており、のちの『ハプニング大賞』で取り上げられることになる。 また、『はなまるマーケット』という番組自体も本来はTBSの不祥事によって生まれた番組であった。1996年春、TBSはオウムビデオ事件(オウム真理教に取材テープを見せたことが犯罪の発端になったとされる事件)の責任を取る形で、ワイドショーの廃止を発表。代わりに誕生したのが主婦に家事のマル秘テクニックを教える『はなまるマーケット』だったのである。最初は半年程度の放送予定だったが、評判を呼び17年間にも及ぶ長寿番組になり、いつしかTBSの顔になったである。 TBSのワイドショーは2014年の『はなまるマーケット』の後番組である、国分太一MCの『いっぷく!』まで作られなくなり、立派にその役割を果たしていたのである。 最後になったが、岡江久美子さんのご冥福をお祈りしたい。文:穂積昭雪(山口敏太郎事務所)
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ミステリー 2020年04月19日 23時00分
絶対に開けてはいけない、悪魔が封じられた箱「ディビュークの箱」
創作の世界では、瓶や箱の中に封じられた精霊や悪魔が登場する事が多い。そんなアイテムが現実の世界に存在するとしたらどうだろうか。 問題の箱は「ディビューク(Dybbuk)の箱」と呼ばれているもので、アメリカの超常現象研究家であるザック・バガンズ氏が所有しており、氏の所有するいわくつきの物を多く展示している「ホーンテッド・ミュージアム」(ネバダ州ラスベガス)にて展示されている。 箱は木製で、観音開きの小型のワインセラーとなっており、元は移民としてアメリカにやってきたユダヤ教徒のポーランド人女性の持ち物だったと言われている。彼女はアメリカに渡る前に、スペインで「降霊術で召喚された悪魔が封印されている」というこの箱を購入。彼女は悪魔の存在を信じていたのか、開封せずに大切に保管していたそうで、亡くなる前にも「この箱は絶対に開けないで、私が死んだら一緒にお墓に入れて」と遺言を残していたそうだ。しかし、ユダヤ教の慣習では一緒に埋葬出来なかったため、遺品整理の際に売り払われてしまった。 だが、その後購入した人々の身に次々と異変が起き、本当に悪魔が封じられていたのかと話題になってしまったのである。初めに購入したのは近所の骨董収集家で、購入直後に開けて中を確認した。だが、その行為がいけなかったのか、購入したその日から心霊現象や体調不良が自分の周囲で相次ぎ、遺族に返却を申し出たものの断られたため、ネットオークションに出品した。 次に、購入した大学生の元では、手にした途端に家電が火を放つ、部屋から悪臭や害虫が出てくるなどの異変が勃発。彼も早々に大手オークション・サイトのeBayに自分のエピソードを添えて出品したところ、これまでにないアクセス数を叩き出すほどの評判になってしまった。 それから、医療関係の博物館館長の手元に渡ったが、そこでも異変が勃発。彼は最初の持ち主と同じユダヤ教の宗教指導者であるラビに相談し、悪霊を再度封印してもらったという。騒動は収まったようだが、手元に置いておきたくなかったのか、前述の超常現象研究家であるザック・バガンズ氏の元へ寄贈、以降は彼の博物館で展示され続けている。 気になる中身は、1920年代のペニー硬貨2枚、2つのブロンドの髪の束、御影石の石片、乾燥したバラと小麦、燭台と小さなゴブレット。そしてヘブライ語でシャローム(shalom)と赤い文字が刻まれた小さな石片だったという。 博物館では、ガラスケースの中に鎮座しており、さすがに現在は封が開けられる事はないようだ。(山口敏太郎)
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社会 2020年04月19日 22時30分
渡米し人身売買に青春を注いだ女「三日月のお増」【背筋も凍る!女の事件簿】
かつて日本には、少女を誘拐し海外へ売りさばくという「人身売買」が行われていた時代があった。もちろん人身売買は違法であり、厳しく罰せられることになるのだが、ある地域では少女を組織的に売買する組織も存在していたという。 1911年(明治44年)2月、神奈川県横浜市の港に停泊していたアメリカ汽船にて、日本人少女2名を売買しようとした男が逮捕された。 警察が調べたところ、この男の背後には巨大な人身売買の組織が存在していることがわかり、主犯格とされる人物は「三日月のお増」と呼ばれる36歳の女性であることがわかった。 三日月のお増は本名を坂口増といい、現在の東京都品川区の海軍大尉の家庭に生まれた所謂「お嬢さん」であったが、16歳の時に家出し海外へ。 以来、ホノルルやシアトル、サンフランシスコなどに流れ着き、その圧倒的なカリスマ性と度胸、英語力を駆使し、地元の不良軍団のトップになり、次第に人身売買にも手を染めていったという。「三日月のお増」という通り名は、額にナイフで切られたような跡があり、それが三日月模様に見えたことからあだ名されたものである。 彼女は自身が女性で、さらに恵まれた美貌を持ち合わせていたということもあり、外人にウケのいい「美少女」を見極める能力は高く評価されていたようだ。 三日月のお増は逮捕後、偉大な父の墓前の前で懺悔していたというが、その後の足取りはわかっていないという。 また、三日月のお増のバックには香港の領事が付いており、誘拐した美少女のほとんどは香港へ送られていたという。 このような大規模な少女誘拐団のトップが日本人女性だったという事実は、全国に衝撃を与えたようである。 三日月のお増は、まさに夜を照らす三日月のように、時代の暗部をうっすら照らす犯罪者だったと言えよう。文:穂積昭雪(山口敏太郎事務所)
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ミステリー 2020年04月18日 23時00分
触られていないはずなのに触覚を感じる…不思議な「ゴムの手の錯覚」
自分の体の機能に異常が無いにもかかわらず、実際とは違う感覚を覚えてしまう「錯覚」。中でも、視覚に対して作用する錯視の中には「長さが同じなのに違って見える」「色が同じなのに違って見える」「動いて見える」など、様々なものがあり、面白さに満ちている。 さらに、人間の視覚情報と触覚情報の両方に働く錯覚も存在する。それが「ゴムの手の錯覚」だ。この錯覚は、被験者の手のすぐ横にゴム製のよく出来た手の模型を置き、壁で隔て本物の手を隠すことから始まる。被験者の視界からはゴムの手がまるで自分の手のように見える、という状態でゴムの手を筆で触ってみると、被験者は触れられていないはずの生身の手の方にも、筆で触られた感覚を感じてしまうというものだ。つまり、視覚情報に実際の感覚が引きずられて擬似的に同じ感覚を得てしまう、という錯覚だ。 この錯覚は1998年に発見されたもので、「人が己の体を自分のものだと認知する感覚は、皮膚や関節等の体性感覚と視覚などの情報が統合されたことで得られるものであり、感覚と視覚が一致しない場合は、自分の体でないものも同一と考えてしまう」という説明がなされている。実験中には、被験者が自分の手の場所が解らなくなり、ゴムの手に近いところにあると認識するようになったり、錯覚が起きている最中は皮膚の温度が低下していくといった、「実際の手の感覚が遠くなる」ような報告もされている。 この錯覚に対する実験は、発表後から現在まで数千の論文で引用され、研究されてきた。現在進行形で研究も行われており、この錯覚は「暗示効果」によるものではないかという説も出てきている。 ともあれ、この錯覚は現代における意識科学の基礎となりうるものだと言われており、現代ではこの錯覚を利用してリハビリテーションに転用できないか、という研究もなされている。(山口敏太郎)参考動画The Rubber Hand Illusion - Horizon: Is Seeing Believing? - BBC Twohttps://www.youtube.com/watch?time_continue=96&v=sxwn1w7MJvk&feature=emb_title
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芸能ネタ 2020年04月18日 21時30分
【放送事故伝説】『Mステ』最大の事故!「t.A.T.u.ドタキャン事件」
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、テレビ朝日はタモリが司会を務める音楽番組『ミュージックステーション』の生放送を4月17日放送分から取りやめ、過去の傑作選を放送すると発表した。 ミュージックステーションは常時10組前後のアーティストがスタジオに集まり生演奏する番組であるがゆえに感染リスクが高く、今回の再放送も致し方ないところであろう。 さて、今回のミュージックステーションの傑作選だが、現在テレビ朝日には既に多くのリクエストが届いているといい、中にはMステの伝説的な放送事故である「t.A.T.u.(タトゥー)ドタキャン事件」を再放送してほしいという声も少なくないという。 「t.A.T.u.ドタキャン事件」が起こったのは2003年6月27日。当時、世界中で大ヒットを記録していた女性音楽ユニット「t.A.T.u.」が生出演した。t.A.T.u.は予告通りにテレビ朝日入り。オープニングでは姿を現し愛嬌を振りまいていたのだが、CM明けには後ろに座って待機しているはずのt.A.T.u.の姿が消えてしまっていた。 t.A.T.u.の出番はラスト。午後8時40分になれば登場してくるものだと、視聴者も出演者も漠然と思っていたが、同8時40分近くになってもt.A.T.u.は楽屋にいたままだったという。 この時、タモリは「t.A.T.u.が出たくねぇと言っています」と状況説明し、CMへ突入。そしてCM明け、タモリが「やっぱりt.A.T.u.は出てこないようです」と改めてt.A.T.u.が出演拒否したと視聴者に伝えた。次のCM明け、この日が初出演で既に1曲披露し終えていたバンド・THEE MICHELLE GUN ELEPHANTが登場。t.A.T.u.の代理を務め、追加でもう一曲歌うという前代未聞の展開となった。 この事件以来、t.A.T.u.へのバッシングは相次ぎ、日本でのt.A.T.u.ブームも次第に収束していった。 なお、t.A.T.u.は日本のファンに向けて『ゴメンナサイ』という楽曲を発表したこともある。またタモリはさまざまな番組で「俺にt.A.T.u.の話をするな!」とネタにすることもあった。 なお、このドタキャン騒動は当時t.A.T.u.についていたプロデューサーの指示によるものであったことが明らかになっており、本人たちも本当は『Mステ』に出演したかったとインタビューで語っている。文:穂積昭雪(山口敏太郎事務所)
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ミステリー 2020年04月12日 23時00分
ネッシー捕獲に成功!?写真も掲載された1972年のエイプリルフール記事
未確認生物の代表格と言える、ネス湖のネッシー。 昨年9月、かねてより現地調査を行っていたニュージーランド・オタゴ大学のニール・ゲメル教授らのチームがネス湖の水中に浮遊するDNAを調べた際、大量のウナギのDNAを検出。ネッシーの正体はウナギである可能性が高いという結論に至ったと発表して、話題になった。 それ以降もネッシーは目撃され続けているのだが、実は1972年に「ネッシーらしき巨大な生物が捕獲された」という報道が地元スコットランドで報告されていたのだ。 1972年3月31日の金曜日、ネス湖ほとりに建つホテルの従業員らが湖に浮かぶ巨大なこぶのようなものを発見。連絡を受けた動物園の科学者らがボートで現地に向かい、巨大な生物の死体を引き上げることに成功。翌日には動物園で死体が公開され、新聞で大きく写真付きで報道されるに至った。イギリスはヨークシャー州のフラミンゴパーク動物園で、ここに所属する科学者らが独自に開発した餌を湖に投下したところ、おびき出された個体だったのではないかとみられている。生物の大きさは3.6メートルから5.4メートル、体重は約1.5トンでセイウチとアザラシの中間のようだった、と記事には書かれている。確かに大きさといい、ヒレのある体といい、ネッシーに近い。まさか本当に捕獲に成功してしまったのだろうか。 だが、当然のことながらこの記事は真っ赤な嘘だった。捕獲されたのが3月31日で、翌日の新聞に掲載されたということで、エイプリルフールのジョーク記事だったのである。しかし、この報道には多くの人が驚かされたようで、実際に専門家が動物園に足を運ぶまでに至っている。 しかし、ジョーク記事とは言え、記事には捕獲されたネッシーの死体が大きく写っている。この生物の正体は何だったのだろうか。現地に足を運んだ専門家によれば、ネッシーとされた生物はオスのゾウアザラシだったという。スコットランドから離れた南大西洋に生息している生物で、当時は飼育されている事例も少なく、珍しい動物であった。このゾウアザラシはフォークランド諸島で捕獲され、ダドリー動物園に移送されたものの、間をおかずして亡くなってしまったもので、冷凍保存していた死体を加工してネッシーらしく見えるようにしたものだったという。 後にネタばらしの記事が掲載され、ネッシーの死体はゾウアザラシの標本として公開された後に適切に処分されたそうだ。(山口敏太郎)
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社会 2020年04月12日 22時30分
戦後初の女性死刑囚!「ホテル日本閣殺人事件」とは【背筋も凍る!女の事件簿】
日本には「戦後初の女性死刑囚」と呼べる存在が2人いる。1人目は1949年に兵庫県の某村で強盗殺人を行った後、放火した34歳。2人目は今回ご紹介の「ホテル日本閣殺人事件」の実行犯である。 1960年、栃木県那須塩原でお土産屋や食堂を開いていた、ある女がいた。この女は埼玉県生まれの小林カウという女。数年前に那須塩原へやってきた。 生まれながらの愛嬌もあったのだろう。この女は商売の才能があり観光地の那須塩原で次々と商売を興し成功させていた。そんな彼女が、お土産屋だけではなく旅館の経営にまで興味を持ち始めるのも時間の問題であったといっていいだろう。 小林は那須塩原のホテル「日本閣」の経営主と仲良くなり、持ち前の愛嬌を駆使し経営者を手なずけることに成功。「今の妻と別れて日本閣を共同経営したい。ついては今の妻との別れるための手切れ金50万円を払ってほしい」という約束をこぎ着けた。 しかし1960年代の50万円は今で言う500万円以上の大金で、いくら小林でも簡単に払える額ではない。そこで小林は30万円に値切ろうとしたが失敗。旅館の雑用係の男性と共謀し経営者の妻を殺し遺体を旅館のボイラー室へと埋めた。 邪魔者はいなくなり、これから旅館経営者の妻として人一倍稼ごうとしたある日、日本閣は近く競売にかけられることが判明。既に日本閣の改善費用をつぎ込み借金のあった小林は激昂。妻と同じく雑用係と共謀して経営者自身も殺してしまった。 その後、旅館経営者夫婦が行方不明と近所でも話題になり、警察は雑用係を尋問したところ、小林と一緒に殺害したことを自白。さらに取り調べ中、小林は日本閣事件のおよそ10年前に自分の夫を殺害していることが判明した。 あまりに凶悪な犯行ということから、小林カウは6年後に死刑確定。1970年に死刑が執行された(この際、共犯の雑用係も共に処刑されている)。 この小林の人生はあまりに劇的だったことからたびたび映画化もされ1984年に『天国の駅 HEAVEN STATION』というタイトルで映画化。主演を吉永小百合が務めるなど話題を集めた。 死刑判決そのものは1949年の兵庫県の女が早かったものの、心身が崩壊し無期懲役に減刑。後に病死したことから、やはりこの小林が事件背景、残虐性において頭一つ抜けているため、「戦後初の女性死刑囚」は彼女と断言して間違いないだろう。文:穂積昭雪(山口敏太郎事務所)
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ミステリー
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