山口敏太郎
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ミステリー 2020年03月22日 23時00分
神社姫のような巨大な妖怪だったのか?茨城東西浜に漂着した15メートルの巨大な「女の死体」
先日、日本に出没した病気の予言をした妖怪として「神社姫」を紹介した。 文政2(1819)年に肥前国に出現してコレラの流行を予言した妖怪で、頭に二本の角を生やした女性の顔、全長2丈(約6メートル)の魚のような姿をしているというものである。同様の「女性の顔をした巨大な予言する妖怪」として肥前平戸に出た龍神の使者と名乗る「姫魚」もおり、こちらも体長1丈5、6尺(4.5~4.8メートル)だったという。ちなみに神社姫の体が蛇や龍に似た長いものであるのに対し、姫魚はより魚に近い太めの形となっている。 神社姫や姫魚は噂の伝播によって生まれたものではないか、とされているが、一方で神社姫が実在していたのではないか、と思えるような奇妙な記録が「今昔物語集」の中に存在している。 「今昔物語集」卷三十一 本朝第十七によれば、藤原信通朝臣という人物が常陸の守の任にあったときのこと。嵐の翌朝、現在の茨城県東西の浜に巨大な人間の遺体が漂着した。その身長は15メートルもあり、上半身を出して砂浜に埋まっている。首、右手、左足がなく、身なりや肌から判断するに女と見受けられたそうだ。既に腐敗が進行していたようで、死体から漂う腐った異臭は周囲に多大な被害を与えたそうだ。神社姫や姫魚を超える大きさであり、女性という点や海から漂着したものだという点が興味深い。 巨大な正体不明の生物の死体が漂着するケースといえば、謎の巨大な肉塊が漂着する「グロブスター」を思い浮かべる人もいるだろう。さすがに巨大な人間の死体がそのまま漂着したとは考えにくいため、今回も何かしらの生物の死体が漂着し、その様子が人間のものに見えたと考えるのが良いのではないだろうか。 ちなみにグロブスターは海で死亡したクジラなどの海洋生物の死体が腐って一部が漂着したものとされている。尾びれが切れていれば尻尾が足に見えたり、鰭の一部が腕に見える外見であったならば、巨人に見えても不思議はない。またグロブスターの全体を覆う繊維質の組織は女性の長い髪に見えたかもしれない。 残念ながら同様の報告はないため、千年も昔の海に漂着したこの巨大女の正体を突き止めるのは不可能に近いだろう。だが、実に興味深い話ではある。(山口敏太郎)
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社会 2020年03月22日 22時00分
甘いサイダーが凶器に!女が口移しで心中未遂!?【背筋も凍る!女の事件簿】
1907年(明治40年)、日本のサイダーの源流となる「三ツ矢印の平野シャンペンサイダー」(後の三ツ矢サイダー)が発売された。以来、日本では、炭酸の爽やかさと甘味の強い飲み物・サイダーが日本中から愛されることになるのだが、このサイダーが凶器に使われた事件が発生したのは、1953年(昭和28年)11月のことであった。 この日の夜、東京都のある旅館で男女の心中自殺があった。 凶器は青酸カリを入れたサイダーで、男は死亡、女は一命を取り留めたものの、重体だった。 警察は男女の心中事件として捜査を進めていたが、意識を取り戻した女の精神状態に違和感を覚えた警察が、女に改めて事情を聴いたところ、本事件は女が心中事件に見せかけた毒殺事件とわかった。 この男女は、1950年(昭和27年)に結核療養所で知り合い、もしお互い無事に退院できたら、一緒に暮らし結婚することを約束した。戦後間もないこの時期において、結核は「死の病」であり、生きて子供を産み、一緒に暮らしていくことは叶わぬ夢と思われた。 結果的に治療の成果もあり、二人の男女は無事に退院した。しかしながら、生きることに慣れてしまった男は、新たな出会いを求め、数名の女性と交際。これに怒ったのが女側で、「殺してやる」と殺害を決意。 女は一緒に泊まった旅館にて、青酸カリ入りのサイダーを作った。しかし、女に殺意があることに気が付いたのか、男はサイダーに手を付けようとしなかった。そこで、女は最後の手段として、青酸入りサイダーを「とってもおいしい」と口に含み、そのまま口移しで強引に飲ませたのだ。サイダーを飲んでしまった男は苦しみながら卒倒し、身の危険を感じた女は口から青酸入りサイダーを吐いたことで一命を取り留めたのだ。 結果、女は殺人罪で懲役4年の判決が出たという。 甘くて爽やかなサイダーを使った、なんともドロドロとした女の事件であった。文:穂積昭雪(山口敏太郎事務所)
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ミステリー 2020年03月21日 23時00分
アマビエだけじゃない!?コロナウイルス騒動で再注目される予言妖怪「神社姫」
以前こちらでも紹介させていただいたが、現在ネットで「新型コロナウイルスよけ」と銘打ち、江戸時代に現れた妖怪「アマビエ」の絵が流行している。 江戸時代、肥後の国の海に全身がうろこで覆われて光り輝く奇妙な妖怪が姿を現した。頭部には長い髪があった。顔にはくちばし、目は菱型をした人と魚を合わせたような姿で、6年間の豊作の後に疫病が流行ると予言。自分の姿を写した絵があれば病を防ぐことができると予言して去った。その後、アマビエを描いた絵は疫病よけになるとされ、相当流行したという。この話が語り継がれ、そして病気が流行っている現代に再びよみがえるというのは非常に興味深い話である。主にTwitterで流行したアマビエ祭りだが、ついには海外へ進出してもいる。「#Amabie」とハッシュタグを付け、海外の人々も「日本の伝説に登場する妖怪だ」として描いているので、気になる人は検索してみてほしい。 さて、アマビエのように人語を話し、近い将来に起きることを予言する妖怪は多数おり、有名どころでは人面の牛の「件(くだん)」がある。これらの予言する妖怪は天変地異の前に出没するといわれ、他にも様々なものがいる。例えば「神社姫」というものがいる。これは文政2(1819)年に肥前国に出現したもので、二本の角を生やし、女性の顔をした全長2丈(約6メートル)の魚のような生物が出現。「竜宮から来た神社姫である」と語り、コレラの流行を予言したという。神社姫もまたアマビエと同様に姿を描いた絵を見れば病難を除けることができるとされ、流行ったそうだ。 アマビエに類似の妖怪がいたように、神社姫にも似た妖怪がいる。文政初期に肥前平戸に似た姿で龍神の使者と名乗る「姫魚」が現れ病気が流行ることを予言したという話が水野皓山による『以文会随筆』にて紹介されている。神社姫の場合、もともと日本各地に「人魚が姿を現し、災害が起きることを予言する」という伝説があったり、悪天候の時に人魚が姿を現した話があったため、それらを下敷きにして生まれたものと考えられている。 ちなみに前述のアマビエ祭りでは神社姫を描く人も出てきていた。ユーモラスなアマビエと対照的に、神社姫は結構、美人に描く人が多かった。(山口敏太郎)
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芸能ネタ 2020年03月20日 21時00分
【訳アリ映画伝説】死体が次々と大写しに!一部でしか公開されなかった衝撃の映画とは
一般の劇映画とは違い、主に教育のために使われる映画のジャンルに「教育映画」がある。 教育映画は小学生向けの科学や道徳、交通事故の危険性などを訴えた映画がメインなのだが、時には担当する監督の作家性が爆発し、物議を醸すこともある…。 1965年、ある教育映画を専門とする映画製作プロダクションが、『悲しみの記録』というタイトルの短編映画を製作した。 『悲しみの記録』は、交通事故をテーマにした30分の映画で、全国の自動車教習所などに売られたという。 しかし、この『悲しみの記録』という作品だが、内容はかなり攻めたもので、30分の放送時間の間に、交通事故によって死亡した人間の死体が6体も大写しにされるというものであった。 そのため、教習所では上映している最中に気分が悪くなったり、退室する人が相次ぎ、問題になったこともあるという。 本作はカラー作品であり、血の色などが鮮明で、腕がちぎれたり、潰れた顔を手術するシーン、小さな子供が事故に遭った写真や映像、葬式の映像などが次々に映し出されていたという。 当時の製作者によると、「交通事故の真実を伝える」というメッセージがあったといい、多くの過激なシーンの挿入は意図的なものだったという。 本作は、一般の映画館では上映されない作品だったため、実際に鑑賞できた人は限られているが、当時鑑賞した人は、ショッキングな映像の数々に強い衝撃を覚えたといい、次第に本作は上映されなくなっていったという。 いくら教育映画と言えど、「やりすぎ」は良くないというサンプルではなかろうか。文:穂積昭雪(山口敏太郎事務所)
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ミステリー 2020年03月15日 23時00分
病気をもたらす妖怪たちの絵、実は政治風刺が込められていた!?
現在、世界中で新型コロナウイルスが猛威を振るっており、日本でも感染者が確認される事態となっている。現代の病気は病原菌やウイルスが主な原因であると判明しているが、原因が分からなかった昔の人々は、病気が悪鬼や妖怪によってもたらされるものだと考えていた。そのため、偉人が病気の妖怪を退治する話が生まれたり、疫病がはやった時にはその逸話にあやかった絵を飾ると疫病よけになるとして出回ることも多かった。例えば以前紹介した角大師やアマビエの絵などが代表例だろう。 今回紹介するこちらの題材も、病気よけとみなされた題材である。酒呑童子(しゅてんどうじ)退治などで知られる源頼光が病気で臥せっていると、巨大な蜘蛛(くも)の妖怪が現れた。頼光が愛刀の膝丸で切り付けると妖怪は退散。坂田公時ら頼光四天王が妖怪の残した血の跡をたどると、北野天神裏の古塚に土蜘蛛が巣食っており、退治した……という逸話にちなんだもの。病気の妖怪を倒す話だけに、この話を題材とした絵も病気よけとみなされた。 天保14(1843)年に描かれた歌川国芳の「源頼光公舘土蜘作妖怪図」もこの話を題材にした3枚続きの作品である。右側に鉢巻をして床に就く源頼光と、その上に巣を張る土蜘蛛の姿が描かれており、真ん中には碁を打つ頼光四天王がいる。その上には土蜘蛛が呼び込んだとぼしき妖怪たちが百鬼夜行を繰り広げている、という構図になっている。国芳らしいダイナミックな構図とユーモラスで独創的な妖怪たちが多く描かれており、現代の我々から見ても楽しいものになっている。 しかし、この絵が描かれた背景や意図はあまり楽しいものではない。この絵が描かれた当時は水野忠邦による天保の改革の時代で、幕府の厳しい緊縮政策とそれに苦しむ民衆を妖怪に、源頼光と四天王を時の将軍であった家慶と老中・水野忠邦らに当てはめて描いたものだとされているのだ。 天保年間は飢饉が発生したり、大塩平八郎の乱や生田万の乱など、さまざまな事態が発生した時代でもあった。そこから天保の改革が行われたものの、社会的な混乱が収まることはなかった。そんな天保の改革の様子を皮肉ったものだとして、この絵は当時から人気を博し、絵解きを楽しむ人々も多かったという。まるで現代の政治風刺漫画のようだ。 あまりの人気ぶりに浮世絵の版元である伊場仙が、幕府の手打ちを受ける前に絵を回収し版木を削るという対処に出たため、国芳も版元もおとがめなしとなった。だが逆にこの絵の海賊版が流出。問題となった妖怪の部分を削った絵を売り、裏で妖怪の部分も刷った絵を高値で売るという悪質な店も出たとか。ちなみにこの悪質商売を行った店は召し捕られたとのことだ。(山口敏太郎)
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社会 2020年03月15日 22時30分
日本最後の斬首刑?伝説の「毒婦」高橋お伝の真実【背筋も凍る!女の事件簿】
悪心があり悪事を働く女のことを、世間では「毒婦」と呼ぶ。 その「毒婦」という呼び名を一般的に広めたとされているのが、明治時代の初め頃、死刑となった高橋お伝(本名:でん)である。 お伝は、嘉永3年7月(1850年8月)に今の群馬県みなかみ町に生まれ、幕末の慶応2年12月(1867年1月)に同郷の高橋浪之助と結婚。横浜へと移り住んだ。 しかし、明治時代に入り、夫の浪之助がハンセン病を発症し死亡。その後は生活のため娼婦となり、さまざまな男性と交際。 明治9年(1876年)、借金返済のため交際していた男性に騙され、怒り狂ったお伝はカミソリで男性の喉を切って殺害。財布から金を盗み逃走したのである。 お伝は、強盗1件殺人2件(夫の浪之助の死亡もお伝の仕業とされたため)の容疑で逮捕され、明治12年(1879年)に東京裁判所で死刑判決。市ヶ谷監獄にて死刑執行となった。 死刑執行は斬首であり、翌年の明治13年(1880年)には旧刑法の制定により、死刑は絞首刑となることが決定。そのため、お伝は(諸説あるが)日本最後の斬首刑を受けた女囚と呼ばれることがある。 この斬首は、壮絶極まりないものであったようで、執行人は八代目山田浅右衛門(江戸幕府から代々続く死刑執行人の名称)の弟吉亮であり、技術は確かだったものの、お伝は首が切られる直前まで大暴れし、頭や顎から血を流しながら無罪を訴えていた。そのため、狙いが定めずに都合3回も首に刀を入れ、ようやく首を落とすという壮絶なものだったという。 その後、お伝の逸話は「男を次々に殺した悪女」または「身勝手な男に振り回された女性」として、当時の講談や歌舞伎の演目になり、人々に愛されたほか、その人気は昭和期に入っても変わらず、映画や歌謡曲にもなっている。 さまざまな伝説があるお伝だが、実際は不幸な運命に翻弄され続けた悲しいごく普通の女性であった。文:穂積昭雪(山口敏太郎事務所)
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ミステリー 2020年03月14日 23時00分
病気、災害、人の心の弱みにつけ込む悪徳霊能者や霊感商法
病気や災害などが発生すると、どうしても人は不安を抱き、心が弱ってしまう。そんな人の弱みにつけこんだ霊感商法はいつの時代も人々を苦しめてきた。 カルト教団や悪徳霊能者による霊感商法・洗脳と、占い師による占いや自社仏閣によるお祓(はら)いの違いだが、正直言ってあまりない。科学的な根拠がないという点では同じである。極論ではあるが、神社からもらうお札や、寺院で購入するお守りの効果は科学的に立証されたものではない。 ではなぜ筆者が、神社・仏閣や町の占い師を勧めて、もったいぶった悪徳霊能者を批判するかというと、その違いは動く金額にあると思う。お金とは人間を救う場合もあるが、破滅に追い込む場合もあることをもう一度自覚してもらいたい。莫大な金を徴収する霊能者や団体も問題だと判断しているのだ。 街角で占いのおばさんに鑑定してもらっても、せいぜい数千円から数万円であり、ちょっとした時間つぶしや迷ったときに背中を押してもらう金額としては適度な価格である。また、お寺でのお祓いや読経でも、お布施として包むのは数万円である。つまり、世の中の一般常識の金額の範囲内であり、その人の経済事情に致命的なダメージを与えない金額である。これぐらいの金額なら、まったく問題はないだろう。 身内が亡くなった時に、お金持ちの依頼者が高僧に頼んで戒名や読経をしてもらうことがまれにあるだろう。それであったとしても数十万円の範ちゅうであり、百万を超えることはほとんどない。この程度の金額ならば、依頼者が破綻することもない。いや、そもそも既存の神社寺院はその人の経済状況に合わせて、葬儀や法事、お祓いができるように体制を整えており、依頼者が困窮することはない。 ところが、悪徳霊能者やカルト教団の中には、一般家庭の相談者に数百万、数千万を請求する連中がおり、支払い能力がない場合はローンを組ませて払わせるというのだから、驚きである。心が弱っている人間を助けると言いながら、相手にローンを組ませて利益を得るとはまさに鬼畜の振る舞いではないか。結局そのローンが払いきれず自己破産や夜逃げ、自殺に追い込まれる被害者がいる。これは明らかに犯罪である。人々の屍の上に立つ悪徳霊能者やカルト集団を許してはならない。 街角の占いで数千円、数万円使うぐらいならば、大きな社会問題になることはない。それは占いという人類最古のエンターテインメントの料金としては”適切な価格”だと思える。恋に悩む女の子や、仕事や人生で苦しむ中高年の相談口として”良心的な占い師”は必要である。市井の心の癒やしとしての役割を果たす、”良心的な占い師”はあってしかるべきであると筆者は思っている。 だが、すがってくる相談者から財産や家土地を取り上げる悪徳霊能者やカルト団体は決して許すことはできない。 筆者は、オカルトを小説や映画の素材となる健全なエンタメとして改善したいと思って活動しており、インチキはインチキ、嘘は嘘、勘違いやトリックが判明したオカルト事例に関してはその真実を伝えている。犯罪を取り締まる警察官は、犯罪者ではない。オカルトのインチキを暴露し、真実を伝えている筆者は、オカルトを悪用している悪党とは違うのだ。今後も奴らとの闘いはエンドレスで続くが、真の不思議、真のお役目に世界中の皆が気付く日まで、筆者の啓蒙活動は継続していくだろう。(山口敏太郎)
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芸能ネタ 2020年03月14日 21時30分
【放送事故伝説】時代劇に映ってはいけないものが映った!?
3月8日放送のNHK大河ドラマ『麒麟がくる』にて、「映ってはいけないものが映った」として話題になった。 この日、第8話の放送終盤にて、戦国時代の風景が映るシーンがあるのだが、なんと、その道には明らかにトラックが通った轍(車が通った跡)が映り込んでいたのである。ネットでは、「いいシーンなのに台無し」「この時代にもトラックがあったのか?」と一部で話題になった。 さて、この手の「時代劇に映りこんではいけないもの」が映った放送事故は、最近はCGの発達などでキレイさっぱり消すことが可能なものの、昭和から平成中盤までは、近代的な建物は「極力映らないよう」配慮していた。しかし、それでも映り込むことはあり、『水戸黄門』(TBS系)では、電柱が映り込んだり、飛行機雲が映り込んでしまったというパターンは少なくない。 また、2016年に放送されたNHK大河ドラマ『真田丸』は、予告編にて登場した赤ん坊に、戦国時代にはないはずの紙オムツ「パンパース」を着込んだ姿が映り込んだり(なお、この紙おむつは本放送ではCG処理で消されている)、公式ホームページの写真にバミリテープ(映像業界で立ち位置を確認する際に使用されるテープ)が映り込んでいたり、その手の放送事故が少なくなかった時代劇として知られている。 なお、この「近代的な道具は映り込んではいけない」というお約束をうまく活用したのが、昭和の大ヒット時代劇「必殺シリーズ」(テレビ朝日系)の、のスペシャル版『必殺忠臣蔵』(1987年放送)である。なんと、この作品では、元禄時代(1688年~1704年)にも拘わらず、当時の飛脚の超人的な脚力を表現するために、新幹線が飛脚と並走するシーンが描かれたのである。 もっとも「必殺シリーズ」は、演出の一つとして、バズーカ砲やレーザー兵器、潜水艦なども登場する時代劇であり、一概には言えないかもしれないが、時代劇の特徴をうまく突いた秀逸な演出と言えよう。文:穂積昭雪(山口敏太郎事務所)
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ミステリー 2020年03月08日 23時00分
江戸時代に現れた妖怪がコロナウィルス騒動で再注目!?「アマビエ」
現在、Twitter上で奇妙な生物を描いたイラストが多くのユーザーによって投稿されている。その生物は「アマビエ」。その昔、江戸時代に肥後の国に出たという妖怪だ。 アマビエは弘化3(1846)年、肥後国(現在の熊本県)の海に現れたという。4月中旬、毎晩のように海中に光るものが現れたため、役人が現場に赴いた。そこには光り輝く奇妙な生物がいたという。足、ないしは尾ひれは三つ股に分かれ、全身はうろこで覆われており、頭部には長い髪があった。顔にはくちばし、目はひし型をした、人と魚を合わせたような姿をしていた。 生物は役人に、自分は海中にすむ『アマビエ』であるといい、6年間の豊作の後に疫病がはやると予言。自分の姿を写した絵があれば病を防ぐことができると予言して去った。その後、江戸時代にこの生物の姿を描いた絵が広まったようだ。 同様の生物は他の地域でも目撃されている。日向国(現在の宮崎県)イリノ浜沖には「尼彦入道」なる妖怪が出没したそうで、熊本士族の芝田忠太郎という人物の前に現れた尼彦入道は「これから6年、大豊作が続く」、「悪病が蔓延する」と予言したとされている。そんな尼彦入道の外見は、顔はしわも深く眉毛とひげの濃い、はげ頭の男性だが、胴体はペンギンのようで、大きな一対のヒレないしは翼を備えており、体表面をびっしりとうろこが覆っている。そして、細い鳥のような足がなんと9本も生えている。 この尼彦入道は前述のアマビエと予言の内容も似通っているため、アマビエの伝説が変形したものではないかと考えられている。 また、熊本には明治期にも同じ三本足の『アマビコ』なる妖怪が出現して予言したといわれる。妖怪研究家の湯本豪一氏は『アマビコ』は『天響』で、神と人とをつなぐ存在とされたのだろう、との説を掲げている。 江戸から明治にかけてたびたびアマビエとその派生妖怪の報告があったということは、それだけ人気だったのだろうか。それとも、妖怪の名を借りなければならないほど不安に満ちた社会だったのだろうか。 いずれにせよ、江戸時代に話題になった妖怪が現代に再度注目されるというのは興味深いことである。(山口敏太郎)
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社会 2020年03月08日 22時30分
【放送事故伝説】料理番組で卵料理が丸焼け!伝説のシーンはなぜ生まれたのか?
20~30年続く番組のことを俗に「長寿番組」と呼ぶ。とりわけ全国ネットの民放番組の中でも長く放送されているのが1962年に始まった『キユーピー3分クッキング』(日本テレビ系)である。本番組は生放送ではないが、実に60年近い歴史の中で「放送事故」と呼ばれたシーンも少なからず存在する。 特に近年有名になったのが、2012年10月29日に放送された「厚焼き卵事件」であろう。 これは家庭料理の定番、厚焼き卵を作る際に発生した放送事故で、明らかに失敗し丸焦げになった卵焼きが堂々と地上波に流れたのだ。 この日の講師は料理研究家の藤井恵氏。彼女はこれまで100冊を超えるレシピ本を手掛けている人物で、家庭料理の代表ともいえる卵料理を失敗するとは誰も思わなかった。 しかし、この日はどうも最初から手順が怪しく、卵4個とだし大さじ4杯に対して、砂糖大さじ2杯とどう考えても砂糖の分量が多かった。また火をつける際にも「ちょっと強火ですが、強火で焼かないと水分が抜けずおいしくない卵焼きになってしまう」とうんちくを挟みながら調理していた。 やがて、投入した卵が焼けたのだが、その姿は卵の表面が見えなくなるほど真っ黒でどう見ても失敗したとしか思えなかったとネットユーザーは指摘していた。 やはり、卵の分量に対し砂糖の量が多過ぎたこと、また強火で熱し過ぎたことは明らかで、隣にいたアナウンサーも「しっかり焼き色が付いてますね……」とフォローしたが、明らかに失敗作であったのは視聴者に丸わかり。当時、ネットでは「どうしてこうなった!?」となり、今や伝説となっている。 しかし、生放送ではない『キユーピー3分クッキング』でなぜ、撮り直しもされずこの失敗映像が放送されたのかは、現在でも不明のようだ。文:穂積昭雪(山口敏太郎事務所)
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