山口敏太郎
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社会 2020年05月17日 22時30分
キツネの霊が憑いている!平成時代に発生した悪魔祓い事件【背筋も凍る!女の事件簿】
顧客の依頼に応じて、まじないやお祓いを行う職業・祈祷師。 明治~昭和にかけては、日本中の村には(神職・神主問わず)多くの神様とのつながりを持つとされる人物がおり、多くの人間を救っていたという。 平成時代に入っても、祈祷師は一部コミュニティー内では絶大な力を持っており、多くの人間が祈祷師との接触を図っていた。 1995年(平成7年)7月5日、福島県須賀川市のある住宅街で47歳の女性が逮捕された。彼女は市内で1990年頃から、自宅で「おがみや」と呼ばれる宗教活動を開始。最初は夫婦で活動していたようだが、夫は92年頃に失踪。以来、一人で教祖として地元で信者を獲得していった。 主な信者は持病に苦しむ市民が多く、彼女は「治らない病気はキツネの霊が憑いているため」と悪魔祓いの儀式を日常的に行っていたという。 最初は拝むだけの儀式だったが、その内容は次第にエスカレートし、太鼓のバチなどを使い、信者を殴りつけていたという。 そのような乱暴な儀式ではあったが、信者の数は途絶えなかったという。 儀式は昼夜問わず連日連夜行われ、次第に噂を聞きつけた遠方者も儀式に参加していたという。 しかし、お祓いが暴力行為へと移り変わっていった「おがみや」は徐々に崩壊を迎え、最終的に持病を抱えていた数名の信者たちは教祖と同居するようになり、また暴力行為を日常的に行っていたために6名が死亡した。 この6名はその後、「蘇生」の儀式のため祈祷部屋へ死体を置いていた。しかし、当然ながら死体は蘇生できず腐っていき、同時期に「家族が帰ってこない」と通報を受けた警察により、教祖の悪事が明らかになり、逮捕となった。 教祖は事件から7年後の2002年に死刑判決を受け、2008年に確定。2012年に執行され、戦後日本では10人目の女性死刑囚となった。 奇しくも事件の発覚した1995年は、日本中がオウム真理教による一連の凶悪事件におびえていた時代でもあり、新興宗教に頼らなければならない不安定な時代を象徴した事件と言えよう。文:穂積昭雪(山口敏太郎事務所)
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ミステリー 2020年05月16日 23時00分
「5月11日に地震が起きる」予言の背景にある「エコノミスト誌の予言」
先日、「5月11日に日本を大きな地震が襲う」という予言がネット上を騒がせた。実際に、11日朝には茨城県沖を震源とする地震が発生、北関東に緊急地震速報が出る事態ともなり、すわ予言が当たったのかと話題になった。 そんな「5月11日に地震が起きる」という予言は、果たしてどこから来たものなのか。それにはある経済誌が関係している。 俗に「エコノミスト誌の予言」と言われるもので、イギリスの週刊新聞紙「エコノミスト」誌は世界有数の政治経済誌の一つ。年末には、翌年の世界情勢について論じる「世界はこうなる(The World in ○◯(来年の年号)」という特集誌が発行されるのだが、その表紙が毎回かなり凝ったデザインであり、必ず何らかのメッセージを含んでいると言われているのだ。現在は「2019年世界はこうなる」の表紙が、新型コロナウイルス感染症の蔓延を予言していたのではないか、などと注目されている。 今回の地震の予言で注目されているのは、数年前「2015年世界はこうなる」の表紙のもの。写真や絵のコラージュで、世界中の政治家が青空の下に集っているのだが、背景にはキノコ雲が上がっていたりなど、不穏なモチーフも含まれている。 そんな表紙の右隅には、政治家たちを見上げる「不思議の国のアリス」のアリスの姿が描かれている(テニエルによる挿絵の、樹上のチェシャ猫を見上げるアリスの絵を左右反転したもの)。このアリスの足元に「11.5」「11.3」と数字が書かれた矢が2本刺さっている。欧米では日にちを「日、月」の順で表記するため、「11.3」と書かれた矢は3月11日に発生した東日本大震災を指し、そこから「11.5」は「5月11日に同じくらいの規模の地震が起きる」ことを意味しているのではないかと言われているのだ。この表紙の左下には歪んだ地球儀があり、そこに描かれた日本は東海地方から関西にかけて欠落しているものであったため、東海地震や南海トラフ地震を予言しているのだ……というものだった。 しかし、前述の通り、この予言は「2015年世界はこうなる」の表紙だ。つまり、この表紙のエコノミスト誌が発売されてから、毎年のように「5月11日に地震が起きる」と言われ続けている予言なのだ。 そもそも日本は地震が多い国であり、震度3以上の地震も数日に一度は日本のどこかで起きているものだ。日々の地震や災害に対する備えを怠らないようにするのは当然としても、不確かな予言に惑わされないよう心構えをしておきたいものである。(山口敏太郎)
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芸能ネタ 2020年05月16日 21時30分
【放送事故伝説】昭和最後の芸能ミステリー?吉川晃司の紅白放火事件
俳優の吉川晃司と志尊淳が共演するドラマ『探偵・由利麟太郎』が6月16日からフジテレビ系で放送されると、5月14日に発表された。吉川は意外なことに本作が地上波テレビドラマ初主演で注目を浴びている。 そんな吉川晃司は「放送事故史」にも大きな名前を残す人物でもある。それが1985年の大みそかに行われた「NHK紅白歌合戦の変」だ。 1984年にデビューしたばかりの吉川は初の紅白出場であり、新人歌手の役目通り白組のトップバッターを務めることになった。 だが、吉川は白組であるにもかかわらず真っ赤な衣装。また、手には開けたばかりのシャンパンがしっかりと握りしめられており、口に含んでは客席に吐き出すという、いかにもロックミュージシャンらしい演出を繰り広げた。 その後、吉川は『にくまれそうなNEWフェイス』をしっかりと歌い切り役目を果たした。この時点では同じ白組の歌手も曲に合わせて手拍子するなど応援していたようだが、問題行動はここからだった。 続いて紅組から河合奈保子が登場し伴奏も始まったのだが、なぜか吉川とサポートメンバーはステージから離れようとしない。そして、持っているギターに火をつけて舞台にたたき付けて破壊したのである。 その模様は当然生放送されたのだが、当然NHK側には許可を得ていない演出だった。カメラは河合に向けられたままで、吉川がギターに火をつけた事実は視聴者にはほとんど伝わらなかったほか、破壊したシーンは全く放送されず。一応、ギターから何かが出ている瞬間はカメラに収められていたが、この「放火事件」が話題になったのは年が明けてからだったという。 なお、破壊行為と同じくカメラには映らなかったが吉川がカメラに激突するシーンもあったようで、事件から30年以上が経過した今も詳細は明らかになっていない。後年、吉川はインタビューで「完全に若気の至りで反省している」とコメント。「(NHKとの約束で)墓場まで持っていかなければいけない真実がある」と語っており、昭和の芸能界最後のミステリー事件ともいうべき放送事故だった。文:穂積昭雪(山口敏太郎事務所)
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社会 2020年05月10日 22時00分
被害者数は300人以上!「貰い子殺し」で死刑になった女3人【背筋も凍る!女の事件簿】
今ではあまり聞かれなくなった事件に「貰(もら)い子殺し」がある。 これは何らかの事情で育てられなくなった新生児を育てるといって貰い子にし、親から養育費を受け取った後、殺害するというもの。明治末期から戦前にかけてたびたび社会問題となり、新聞にも取り上げられている。 当時、日本では中絶を含む堕胎は違法とされており、また浮気による性行為は姦通罪として罪になるため、浮気の果てにできた子供は、父親不明として母親が産んで育てるしかなかったのである。 しかし、当時の日本は貧しく子供を満足に育てられなかったという事情もあり、いくばくかの養育費を払い、代わりに育ててもらうというビジネスが密かに誕生していたのだ。 中でも、1913(大正2)年に発覚した「愛知貰い子殺人事件」は犯人が女性3人だったこと、そして彼女らが殺した嬰(えい)児の数が実に300人以上だったことが分かり当時、大きな話題になった。 実行犯のひとりである坂倉しげは1898(明治31)年から貰い子を育てる仕事をしていた。当時は日露戦争により死亡した日本兵が多くおり、子供を育てられない母親が続出。しげは愛知県在住で、名古屋などから「子供を預かってほしい」とする声が相次いでおり、1913年までに200人近い子供を預かっていた。 もちろん、しげ個人が200人近い子供を育てられるはずもなく、預かっては殺し、別の地域へ引っ越し、その地域でも子供を預かり殺し、別の地域へ引っ越す……ということを日常的に繰り返していたのである。当然、預けた母親は怒り狂うが、自身が浮気の果てに子供を産んだこと、子供を他人へ預けてしまったことへの後ろめたさがあり、訴える人はいなかったのだ。 そんな中、しげには女性の協力者も現れ始め、「貰い子ビジネス」は軌道に乗った。しかしやはり悪いことはできないもので、ある日しげに子供を預けた芸者が、何度も子供の顔を見ようと交渉したが、拒否されて怪しみ警察へ通報した。 そこでようやく貰い子殺しが発覚し、しげらは逮捕され、「あまりに残忍な所業」と死刑が確定。翌年には刑が執行されている。 現在ではまず聞かない「貰い子殺し」。歴史の裏には多くの子供の犠牲があったのである。文:穂積昭雪(山口敏太郎事務所)
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ミステリー 2020年05月09日 23時00分
良い香りで邪気を祓う 端午の節句の「菖蒲」
5月5日は端午の節句。日本ではこどもの日とされ、祝日の一つとなっている。 元々は中国で病気や災厄除けを祈願する行事だったものが日本に伝わり、厄除けの菖蒲を飾ったり、ヨモギなどの薬草を摘み、病気や禍をもたらす悪鬼を退治する行事となって定着していった。その後、武家が力を持つようになると、菖蒲が「武を尊ぶ」という意味の「尚武(しょうぶ)」という言葉と結び付けられ、江戸時代に男の子の成長を願う行事へと姿を変えていくことになる。 そもそも旧暦の5月は梅雨の時期であり、カビが生えやすく体調も崩しやすい時期であった。当時の人々は、病気や災害などはそれをもたらす悪鬼によるものと考えていたため、それを祓う別の行事も存在していた。いわゆる「さつき忌み」と言うもので、田植え前に身を清めた女性が菖蒲やヨモギで屋根をふいた小屋にこもり、中で神を迎えるというものだった。宮中行事である端午の節会でも、香りの強い菖蒲を身に付けたり、菖蒲を丸く固めたものを飾っていた。 さて、菖蒲やヨモギが用いられた理由の一つに、その強い香りがある。西洋のニンニクしかり、昔から強い香りを放つものは邪気を祓ったり清めたりすると考えられていた。特に清涼感のある良い香りを放ち、また武家の台頭する時代には真っ直ぐ伸びる葉が刀と似ているとされたことから、邪気祓いに用いられるようになった。菖蒲の根を細かく刻んで入れる菖蒲酒を飲んだり、室町時代には風呂に入れて楽しむ菖蒲湯の習慣も生まれるようになった。 ちなみに、菖蒲と言うと、美しい紫色の花を咲かせるハナショウブと混同しがちだが、邪気払いに用いられる菖蒲はまた別物である。葉の形状は似ているが、一番の特徴は花の形だ。菖蒲の花は緑色で円柱状の肉穂花序(にくすいかじょ)となっており、葉の途中から5センチ程度の穂が生えたような形になっている。 目立つ花が咲くわけではないので、アヤメやハナショウブと違って自然界で見つけるのは大変かもしれないが、探してみてはいかがだろうか。(山口敏太郎)
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芸能ネタ 2020年05月09日 21時30分
【放送事故伝説】ドラマ放送が突然中止!復帰後、スタッフがとった「神対応」とは?
2020年5月現在、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、テレビ各局はドラマやバラエティ番組が収録できず、多くの番組で過去に放送したエピソードを「総集編」と題して放送している。 現在は緊急事態であり、ドラマの撮影が今後再開するにしても、数カ月のブランクが空くことが予想される。中には数話だけ放送しただけで打ち切りとなるケースが相次ぎそうである。 さて、テレビドラマの突然の放送中断であるが、業界内では放送をやめる時より復活させた時の対応がより大事だとされる。多くの視聴者はテレビの内容以上に、毎週特定の曜日、時間の番組を見るという習慣を大事にするという。放送再開の際の対応が伝説的だったとして、語り継がれているのが、特撮番組『帰ってきたウルトラマン』(1971年)の放送中止事件である。 『帰ってきたウルトラマン』は当時、毎週金曜の19時から放送されていたのだが、この年の7月30日午後2時過ぎ、岩手県上空を飛行中の全日本空輸(ANA)の旅客機と航空自衛隊の戦闘機が衝突、墜落し旅客機側の乗務員・乗客合わせて162名が死亡するという大事故が発生した。 各テレビ局は、生中継でこの事件を報道。19時から放送されるはずだった『帰ってきたウルトラマン』も放送中止となった。なお、この時放送する予定だった18話はウルトラ兄弟がゲスト出演する回であり、テレビを見ていた子供たちは1週間の「ウルトラセブンのお預け」に強いショックを受けたという。 そして翌週、8月6日に18話が無事に放送されたのだが、オープニングでウルトラマンに変身する郷秀樹(演:団次郎)からのメッセージがあった。「こんばんは。郷秀樹です。先週は急にお休みしてごめんなさい。今夜はウルトラセブンも出ます」という特別ナレーションが挿入されたのだ。 1週間という時間のない中での特別対応だったが、セブンの登場を心待ちにしていた子供たちにとっては、このメッセージはうれしかっただろう。同時に制作サイドの視聴者に対する真摯な対応だったといえる。文:穂積昭雪(山口敏太郎事務所)
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ミステリー 2020年05月03日 23時00分
こどもの日に登場 病気を除けてくれる存在「鍾馗さま」
5月5日は端午の節句。日本ではこどもの日とされ、祝日の一つとなっている。 元々は中国で病気や災厄除けを祈願する行事だったものが、日本に伝わり、厄除けの菖蒲を飾ったり、よもぎなどの薬草を摘み、病気や災いをもたらす悪鬼を退治する行事となって定着していった。その後、武家が力を持つようになると、菖蒲が「武を尊ぶ」という意味の「尚武(しょうぶ)」という言葉と結び付けられ、江戸時代に男の子の成長を願う行事へと姿を変えていくことになる。 そんなこどもの日には様々なものが飾られる。鎧兜の五月人形、空を泳ぐ鯉のぼり、そして「鍾馗さま」だ。鍾馗さまを端午の節句の飾りとして飾る習慣は、関東地方が中心である。鍾馗は長く、大きく広がる黒いひげを蓄え、大きく目をむいて刀を携えた姿をしている。格好は日本の着物ではなく、中国の官人の服を着ている。中国の神仙の一人とされる人物なのだ。 鍾馗の伝説については諸説あるが、彼はもともと中国の唐の時代に実在した人物だったという。昔、唐の玄宗皇帝がマラリアで高熱を出して臥せってしまった。熱にうなされる皇帝は夢の中で、宮廷内で悪さをする子鬼たちが一人の大男に退治されていく様子を見る。皇帝が大男に正体を尋ねたところ、自分は終南県出身の鍾馗という人物であり、科挙に落第した事を恥じて自殺したが、高祖皇帝が自分の境遇を哀れんで手厚く葬ってくれたので、恩に報いるためにやって来たと答えたのである。そして、夢から覚めた皇帝は病気が治っている事に気づき、鍾馗の姿を邪気や病気の悪鬼除けとして飾るようになったという。 その後、鍾馗の伝説は日本へ伝わった。平安時代の絵巻に登場していることから、当時から既に病気除けとして信仰されていた様子が窺える。そして、江戸時代末期には関東を中心に五月人形の一つとして飾るようになったり、近畿地方では魔除けのために鍾馗像を屋根に置くようになったという。 現在、日本でも新型コロナウイルス感染症の流行が猛威を振るっており、こどもの日も緊急事態宣言の期間の中にある。だが、こんな時期だからこそ端午の節句に鍾馗さまを飾り、疫病退散を願ってみてはいかがだろうか。(山口敏太郎)
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社会 2020年05月03日 22時30分
天皇暗殺を企てて死刑となった女性【背筋も凍る!女の事件簿】
「背筋も凍る!女の事件簿」ではこれまで数回にわたり、主に戦後の女性死刑囚を紹介してきたが、今回紹介するのは近代日本の歴史上唯一の「大逆罪(天皇、皇后、皇太子などに危害を加えること)」により死刑になった女性・管野スガ(かんのすが)についてご紹介しよう。 管野スガは1881(明治14)年に大阪で生まれた。男勝りな性格な一方、文学に対し強い興味があり当時、力を持っていた文士に弟子入りし、その後新聞記者になった。 女性の置かれている現状に疑問を唱え、最初は男女同権運動に参加していた管野は次第に社会運動にも積極に関わることとなり、社会運動家の荒畑寒村と結婚。新聞記者として、社会運動家として、そして妻として精力的に活動を行おうとした矢先に結核に感染。 翌年には弾圧により夫の荒畑寒村と共に投獄され、出所後、新聞記者としての職も失った管野は、当時の社会主義者のリーダー格とされていた幸徳秋水の資金援助を受け、次第に同棲することになった。 以来、管野は幸徳のパートナーとして行動を共にするようになり、次第に幸徳ほか3名が打ち立てた「明治天皇暗殺計画」に関与していくことになる。 この暗殺計画は爆弾を使ったもので、長野県のある村で爆弾を製造。何度かの爆破実験を行った後に実行に移そうとしていた。 この時、幸徳と管野は湯河原で執筆活動をしていたが、長野警察署が明治天皇暗殺のための爆弾製造が行われていることを察知しており、2人は「大逆罪」の実行犯として逮捕されたのだ。 大逆罪は大日本帝国憲法においては最も重い罪とされ、計画段階だけでも死刑となる重い罪であった。結果、24名が逮捕され、幸徳と管野を含む12名が死刑となった(残り12名は特赦となり無期懲役もしくは後日釈放された)。 女性である管野は幸徳に巻き込まれた、と当初は考えられたが、社会運動に関わっていた過去や既に逮捕されている荒畑の妻ということもあり、首謀者のひとりとして数日遅れて処刑された。 大逆罪は既にない罪のため、管野は日本の歴史上、唯一の「大逆罪で死刑になった女性」となった。文:穂積昭雪(山口敏太郎事務所)
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ミステリー 2020年05月02日 23時00分
まるで怪獣!?病気や災いを食らう巨大な虫「辟邪絵」の「神虫」
世界中で新型コロナウイルス肺炎が猛威を振るっている現在、感染防止対策として都市封鎖や外出自粛の要請が相次いでいる。しかし同時に、経済活動の停滞から社会不安も増大している。 コロナ禍のさなかに日本のTwitterを中心に広まった「アマビエ」ブームも、そんな不安を解消するためのものだったのだろう。「アマビエ」は江戸時代に肥後の国の海に出現し、6年間豊作が続いた後に疫病が蔓延することを予言。「似姿を描いた絵を飾るように」と告げて去ったという妖怪で、終わりの見えない新型コロナウイルス感染症が広がるにつれて、改めて注目されるようになった。 病気は病原菌やウイルスが原因と判明している現代でも、特効薬の存在しない病気は恐ろしいものである。ましてや、病原菌やウイルスの存在を知らなかった昔の人の抱いていた恐怖感は相当なものがあっただろう。そこで、洋の東西を問わず病気は、悪魔や悪神などが人々に悪さをすることによって起きるものだと考えられていた。よって、病気を司る悪魔や悪神らは病気を恐れる人々の心理を投影したかのように、恐ろしげな姿で描かれる事が多い。 だが、そんな病気の悪魔や悪神を退治してくれる存在は、並みの悪魔や鬼よりもずっと恐ろしげな姿で描かれる事がままある。以前紹介した「天刑星」もそうだが、今回紹介する「神虫」もそうだ。人間よりはるかに大きく、色の黒いカミキリ虫のように見える虫が、8本ある足で病気の鬼たちを捕まえ、大あごで貪り食う様子が描かれている。その迫力は現代の怪獣のようだ。 実に恐ろしい姿をしているが、この虫も「災厄や疫病を退散させる」聖なる存在であり、須彌山(しゅみせん)の南方の海にある大陸の瞻部州(仏教の世界観で人間が住むとされる大陸)の南の山中に生息していて、朝に三千、夕には三百の悪鬼を貪り食うという。 この絵は「天刑星」と同じく、奈良国立博物館所蔵の国宝となっている「地獄草紙益田家乙本」の中に存在する「辟邪絵」の一つ。「神虫」は中国で蚕の美称だそうだが、神虫が恐ろしい姿で描かれているのは、人々を不安に陥れる病気や災いを何としても食い止めて欲しい、という当時の人々の思いが込められたものだったからなのかもしれない。(山口敏太郎)
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芸能ネタ 2020年05月02日 21時30分
【放送事故伝説】過去にもあった「ナイナイANN」での不適切発言。リスナーからの指摘で謝罪
2020年4月23日深夜1時から放送されたニッポン放送『ナインティナイン岡村隆史のオールナイトニッポン』で女性蔑視ととれる不適切発言な発言があり、翌週30日の放送でパーソナリティの岡村隆史が番組冒頭に謝罪。後にゲストとして登場した相方・矢部浩之が公開説教したことが話題になった。 この公開説教は、おふざけのない「ガチ」のトーンで行われ、岡村本人をはじめ多くの視聴者の心を打ったという。 『ナインティナイン岡村隆史のオールナイトニッポン』および前身番組である『ナインティナインのオールナイトニッポン』は現在、オールナイトニッポン史上最長放送記録を誇っているが、実はここまで問題が大きくなった失言は過去にはなく、番組開始以来、初めての不祥事と言えなくもない。 だが、放送中に不適切な発言があり、その日の生放送中に「訂正」がなされたというケースはある。2012年11月16日に放送された『ナインティナインのオールナイトニッポン』は冒頭、政治の話から始まった。この日は当時の野田佳彦首相が衆議院解散に踏み切った日で、この報道により各テレビ局の編成が大きく変動した日だった。 冒頭から岡村は「内閣のトップがまた代わるかも」という話題を切り出し、毎年のように総理大臣が交代する政府に言及。そして岡村は当時2006~2007年に内閣総理大臣を務めていた安倍晋三氏について「安倍さんって1回逃げた人ですよね」と茶化し、さらに相方の矢部も「お腹痛いといって…」と続け、岡村も「(お腹痛いの)治ったから、さあまたいくぞ!って感じなんでしょうが、もういいやって感じですね」と語った。 ところが、しばらくしてリスナーからメールで「安倍さんは潰瘍性大腸炎という難病と戦いながら公務に当たっていた。同じ病気を抱えてる人にも失礼では」という便りが届き、番組で紹介。岡村も矢部も「申し訳なかった」「ジョークのつもりだった」と丁寧に謝る様子が放送され、この時は特に問題にはならなかったようだ。 今年4月30日の放送で矢部は「岡村だけではなく、彼を甘やかせていたスタッフやリスナーも良くなかったのでは」と発言したが、2012年までは確かに、外部から間違いを指摘をしてくれたリスナーが確かにいたのである。 GW明けの放送からは、そんなリスナーを大事にするところから再スタートするかもしれない。文:穂積昭雪(山口敏太郎事務所)
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