そんなウサギに「プラスアルファ」したような外見を持つ未確認生物(UMA)は他にも、いくつか存在する。
例えばスクヴェイダーは20世紀初頭、スウェーデンでその存在が噂されたUMAである。
体の前半分と足はウサギで、後ろの半分はライチョウの姿をしている。言うなれば「羽の生えたウサギ」のような姿をしているのだ。
この生物の存在が噂されるようになったのは、スウェーデンのスンツヴァルという街のレストランだ。ダルマークという男が、ウサギとライチョウが組み合わせたかのような生物を捕まえたことがあると語ったことに始まる。
これはその場を和ませるための嘘であったのだが、ダルマークの誕生日に彼の甥がスクヴェイダーを描いた絵をプレゼントし、後にダルマークが死ぬ時に、この絵が地元の博物館に寄贈されることになった。
この博物館の館長はこの絵を非常に気に入り、剥製士のグランバーグにスクヴェイダーのような姿をした剥製を作れないかと依頼することにした。
グランバーグはウサギとライチョウの姿をイメージしながら、剥製を作り上げた。
この剥製と絵が博物館に展示されると大反響を呼び、一目この剥製と絵を見ようと博物館には連日たくさんの見物客が訪れるようになった。
それ以来スンツヴァルではスクヴェイダーが街のシンボルとなり、同博物館近くの道路標識に使われ、ライチョウを使った料理にもその名が残されることになった。
スクヴェイダーは、地元に愛される未確認生物と言えるのかもしれない。
(山口敏太郎事務所)