そのため、霊感のある人が沖縄に行くのはあまりおすすめできない。普段は霊感のない人でも、沖縄では不気味な体験をしたり、奇妙なものを見る経験をしてしまう人もいるという。
これはYくんが昭和50年頃に体験した話である。
当時沖縄に住んでいたYくんは信じがたい体験をした。
ある日の夕方、小学校でYくんが帰宅の準備をしていると歌声が聞こえてきた。
「ぎんぎんぎらぎら夕日が沈む、ぎんぎんぎらぎら日が沈む」
(あれ、こんな時間に誰だろう)
声を聞く分には女の子のようである。
(誰か、居残りで歌でも歌わされているのだろうか)
そう思いながらYくんは、校庭を通り、自宅に帰ることにした。
「ぎんぎんぎらぎら夕日が沈む、ぎんぎんぎらぎら日が沈む」
「…んんっ」
また歌声が聞こえてきた。声は校庭にある木から聞こえてくる。
見ると、何かボールのようなものが木の周囲を回っていることに気がついた。
「ぎんぎんぎらぎら夕日が沈む、ぎんぎんぎらぎら日が沈む」
防空頭巾を被った女の子の首だった。
「ぐるぐるぐるぐる」
女の子の首は、歌いながら回り続けている。
恐怖に耐えられなくなったYくんは、自宅まで走って逃げた。
その木はどうもいわく付きの木だったらしく、後に学校側が供養したという。
(山口敏太郎)