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山口敏太郎事務所の超常現象

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画像はイメージです

 山口敏太郎事務所は管理・営業部が千葉県のS駅前に、販売部「妖怪本舗」が東京の某駅前に、漫画工房が千葉県のHに、編集部が千葉県のTにある。幾つかは現在では稼働していない所もあるが、筆者は常にこれらの場所をぐるぐる回って業務の陣頭指揮を執っていた。

 だが、時々社員や作家さんから妙な相談を受ける事がある。これはすでに移転してしまった某所で報告された事例である。もう、この場所は移転してしまい事務所と関係が無くなってしまったので大丈夫だろうと思い、紹介するものである。

 ある日、奇妙な現象が起こると某くんに言われた。

 彼の話によると、真夜中にキッチンに行くと誰もいないのにお湯が出ているというのだ。このキッチンの水道は蛇口の上のレバーを上向きに上げると水が出る仕組みであり、そう簡単には水は出ないようになっている。

 お湯に至っては一度左に思いっきりひねった上でレバーを上げないと出ない。お湯が出るのは単なる蛇口の緩みや最後に使った人の締め忘れとも思えない。一体これはどういう事だろう。

 しかも、このひとりでにお湯が出ているという現象は一度や二度ではない。発見者は某くんの他にも二人おり、回数も5・6回に及ぶのだ。このキッチンは深夜の安い時間帯に電気を使ってお湯を沸かしており、沸騰した圧力で蛇口のレバーが上がったとも考えられるが、では、左にひねったのは誰だろう?

 他にも、この事務所の階段では何人かが夜間に「生首」を目撃していたり、裏手に存在していた空き家から生活音が聞こえてきたり、誰かに見られているような視線を感じるといった現象が多々起きていた。すでに事務所は移転してしまい、もう関係は無くなっているのだが、あの場所には何が住んでいたのだろうか。

監修:山口敏太郎事務所

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