某ハンバーガーチェーンの肉は「猫肉」だとか、もっともらしく噂された事がある。中にはハンバーガーチェーンのキャラクター○○○○のメイクをした人物が網を持って猫を追いかけていたとか、とんでもない逸話も噂された。
だが、この「猫肉」だが、噂自体は古く戦前からあるようで、安くて人気の神田須田町食堂などに対しては、「猫肉食堂」などと噂される事があったらしい。当時も食堂の裏に回ると猫の首が沢山入ったバケツがあったとか、もっともらしく話が構築されていた。
兎に角、流行る店に対する嫉妬から「猫肉」の汚名を着せられる事が多々あったようで、現代でも人気のテーマパークほど、妙な噂を立てられる事が多いのと同様であろう。
なお、「猫を狩る人」は、江戸時代からいたようで、当時は三味線の皮として猫が売買されたようである。
ちなみに現代における「猫を狩る人」は投機目的だそうだ。珍しい猫をさらってはアングラなペットショップ、ブリーダー、愛猫家に密売するのだという。
今人気なのは「三毛猫の雄」である。三毛猫は遺伝上そのほとんどが雌しか生まれず、雄はかなり貴重な存在となっているのだ。その為、数十万で売買される対象となるそうだ。筆者の近所の三毛猫の雄もさらわれ、行方不明となったが、今も発見はされていない。
なお、現代でも「猫肉」に関する都市伝説はバリエーションを広げつつある。例えば、某国から日本に来日した外国人が、猫の絵が描いているキャットフードの缶を見て、
「これは、猫肉の缶詰ですか?」
と聞いてきたという伝説や、ある猫好きのOLが、東南アジアで友人の家に泊まったところ、
「貴方は、猫が好きか」
と聞かれたので、
「大好きです」
と答えたところ、その晩のおかずに猫が出たとか。
東南アジアの某国で、在住の日本人が、猫を沢山売っている店に行き、てっきりペットショップだと思い、
「その猫を売ってください」
と頼むと、その場で撲殺し、皮をむいて渡され卒倒したとか。
この情報が発達した現代でも、「猫肉」の都市伝説は進化し続けているのだ。
なお、日本でも江戸時代から明治の中程までは普通に猫を食べていたらしい。文人の斎藤緑雨の『あられ酒』には「赤犬黒猫といふことあり。犬は赤きが、猫は黒きが味ひの美なればなりと」書かれている。つまり、文人・食通の間では、犬は赤犬・猫は黒猫がうまいとされていたのだ。
とはいえ、現代の「猫肉」にまつわる話はあくまで都市伝説の範疇を出ないので、誤解なきようにお願いしたい。
監修:山口敏太郎事務所